不死者の俺は平和に生きたい

煮干

不死身のお仕事 前編

日本から遠く離れた異国の地、そこに一通の手紙が届いた。

「今はまだ大丈夫みたいです。しかし、もしものことがあれば…」

「ええ分かってるわ。早急に始末しましょう。」

手紙は破られ、紙片が舞った。


朝から多忙だ。洗濯物を干して、朝ごはんを作ってと忙しい、一人増えるだけで朝がこんなにも大変になるんだと実感する。

「ちょっと下僕!テレビつかない!じゃんけんできない!」

「ハイハイお待ちくださいジェミーさん。」

テーブルを叩く音が絶えず響く。

困ったことに増えたのが実年齢よりもはるかに幼い精神と見た目をもった子ども・・・だということだ。

「ねぇ、今失礼なこと考えたでしょ?」

「そんなめっそうもございません。」

子ども子ども子ども子ども子ども子ども子ども

いや、ただの思い過ごしか。吸血鬼は人の心は読めないよな。

「お、ついた。」

画面は有名な女優がグーをだしていた。

振り向くと顔を真っ赤にして拳を握って震えている。

嫌な予感がする...。

「ジェ……ごふっ!?」

俺の腹にグーがめり込んだ。チョキで目潰しじゃないだけマシか...。


「いい!?今日は私と一日中遊びなさい!」

俺は正座を強要され、そこから二十分近くお説教というなの遊ぼうアピールをされた。

正直足がしびれてきた。

「あのな、何回も言うけど、今日はお仕事あるの。だから遊べません。」

ジェミーは今にも泣きだしそうになる。

「なら私も行く!」

予想外の返し、だがそれはできない。なぜなら子どもに見せられないからだ。

「一応かけあってみるけどあまり期待はするなよ。」




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