家族に愛されすぎて困ってます!
10話 修羅場の近衛家
「「「「えエェェェェエ!!」」」」
 あーちゃんが......許嫁?嘘だろ?そんな話聞いた事ないぞ......。まさか............!?
「にっ!(ピース)」
 親父がうざい顔でピースをしていた。
 なるほど......そうゆうことか......。
 だからさっき、「お前の姉ハーレムも今日で終わりだ」とか言ってたのか。
 で、でも、親父が俺への嫉妬で結婚を決めたとしたら......あーちゃんに迷惑じゃないか......?
「ちょっと!春ちゃんは、私と結婚するの!誰にも渡さない!」
 母さんは俺を無理やり抱き寄せた。
「ちょ、ちょっと母さん。言動が恥ずかし過ぎるよ」
「大丈夫だよ春ちゃん。私は恥ずかしくないから!」
「俺が恥ずかしいんだよ!」
「やだ!やだやだやだ!春くんは私の物なの〜!」
「瑠美姉......苦じぃ......」
 瑠美の馬鹿力凄過ぎ!
「だめよ。春の棒は私の物」
「瑠奈姉は会話の方向性が違うからツッコミにくいよ......」
「やだ!たーくんは私と結婚する事がもう10年前から決まっているの!」
「そんな決め事をした覚えは無い!」
「春お兄ちゃん!真子ね、今日から料理をお母さんに教えてはもらうの!」
「なんの話だ!」
 まったく......話が噛み合ってないぞ......。
「ふっ......ふふふ......」
「あ、あーちゃん?」
「なんか、変わってないなと思って......鷹君も......お母さん、お姉さん達も」
 ......確かに......昔と似てるな。
 昔も、こんな感じだったけな......。
 母さん達が俺をいじり、それを俺がつっこんで、あーちゃんは隣で笑っている。
ー懐かしいなぁ。
「ちょっと春ちゃん!何笑ってるの!」
「まぁまぁ母さん落ち着いて」
「嫌よ!私は絶対認めないから!」
「母さん......春鷹の結婚はもう決まっているのだ。だから......今日から俺と一緒に抱き合いながら寝ようではないか!」
「お父さん。それはキモい」
「うん。キモい」
「ぐはっ!!」
 母さんと瑠美姉のストレートによって親父はK.O.された。
「そん、な......私の......娘ハーレム計画が......」
 親父......安らかに眠れ。
「そんなことより......そろそろ離れてくれよ......」
 みんな俺に抱き着いたままだ。苦しいです。
「だって......このまま離したら、春ちゃんが何処かに行っちゃいそうなんだもん......」
 そこまでして......。
 母さんは......息子を愛し過ぎてます。
「大丈夫だよ、母さん。俺は何処にも行かない」
「春ちゃん......」
 な、なんだ?この良いムード的なやつは!?
「はい!鷹君は何処にも行きませんよ」
「その台詞はあーちゃんで合ってるのか?」
「私が鷹君と結婚しても、お母さんの面倒はちゃんと私が見ますからっ」
 あーちゃん......。
 これ以上、この場を複雑にしないでくれ......。
「いいです〜。面倒は春ちゃんに見てもらいます〜」
「そんな遠慮なさらず」
「遠慮なんかしてないわ!ムキッーー!」
「ウフフフッ」
 ここで一つ、俺は大事な事を忘れていた。
 今は朝、そして平日。
ーそう
 ー俺の遅刻は決定していたのだ。
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