クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!
205話 捧げる
30分程戦闘を続けただろうか?
戦闘は特に危うげなく僕らは優位を保ち続けていた。
「オーガキングは……来ないウサね。」
「まあ、あくまでも推測の話だったからな。もしかしたらこの群れには居ないのかもしれないぞ?居ないに越したことはないしな。」
テッシィさんとフイルミナさんの話を聞いてリリアがオーガの首をはねながら答える。
「いえ、ほぼ100%オーガキングは居ると思いますよ。オーガの群れはかなりの縦社会。群れの頂点が2つ以上有ることを嫌います。今までジェネラルオーガが何十体も出てきたのでジェネラルオーガより格上の上位種が居ることに間違いはありません。群れの中で最上位種が二体以上居る場合は戦って勝った方が群れの長を、負けた方は下位種を一部引き連れ群れを去り、新たな群れを作ります。恐らく5年前に私が出会ったキングオーガも群れを追われた個体だったんでしょう。」
「となると逆にいえばキングは一体しか居ないってことか。」
オーガ達も数を減らし勢いも少なくなってきた頃に突如戦局変わる。
その声は猫人族が戦っていた方からだった。
人の絶叫するような声が聞こえた。
即座に彼等のいた方に向かうとそこには怪我をしたリョンさんと壊れた武器を持ち地面に座り込んでいるスィヨンさんがいる。
そしてその目の前には今までで一番大きなレッドオーガが大きな斧を振り上げている。
「危なっ!」
斧の真下に居たスィヨンさんをスライリングしながら抱き抱え仲間の元に戻る。
怪我をしていたリョンさんの元にはニキスが行ってくれている。
にしてもあれだな。僕知ってるわこれ。
ネット小説で予習してるわ。これはピンチを助けた主人公が今までツンツンしてたヒロインに惚れられるっていう奴…………。
いやいや、困ったなぁ~。僕にはリリアという恋人がいるからなぁ~。
そんな馬鹿なことを考えながらスィヨンさんに目を向けるとその目には、こんな奴に助けられたという屈辱の表情、オーガに対する憤怒、オーガに負けたことによる悔しさ様々な感情が入り交じっているのは解るが、少なくとも恋慕の感情はなさそうだ。
…………現実は小説みたくはならないな。
「デカイ………。」
「まさかこれが?」
「はい………………。これでようやく貴女の無念が晴らせそうです。」
リリアは感慨深いような表情をして呟いた。
そしてそのまま、猫人族達の方に目を向け言う。
「猫人族の皆さんもキングを倒したいと思いますけど、すいませんがここは私が殺らせてもらいますよ?」
「ぐっ、………構わんさ。こっちはこの様………、あれの相手など出来よう筈もない。」
リョンさんは怪我をした箇所を押さえながら答える。
スィヨンさんも悔しそうな顔をしつつも反論はなさそうだ。
「おい、おまら正気か?お前らが強いのは理解したが、あれと単機でやりあうのは無理だろ!」
フイルミナさんがそう言ってくる。
キングレッドオーガを[高位鑑定]で確認するとレベルは65、基礎ステータスは平均5500程度かな。筋力値は特に高く9000以上ある。
さっきまでのレッドオーガがレベル20程度、ナイトレッドオーガ等の派生系がレベル35程度、ジェネラルレッドオーガがレベル45程度だったことを考えるとかなりの強さだ。
だが、一番高い筋力値でさえリリアの半分程度、恐れるほどじゃない。
あと気になるのはキングが持っている斧だが………。
僕ほ再び[高位鑑定]を発動させ斧を見る。
戦人の戦斧・・・魔鉄鋼によって作られた戦斧、魔法エンチャントされている。
[筋力値強化(B)]
ふむ………。
魔導具とか魔剣とかは詳しくないからどの程度の武器か分からんな。
だが、このステータス差を覆せる程のものとは思えない。
目の前のリリアに目を向けると既に戦闘は開始されていた。
リリアは大剣を構えをキングオーガに一瞬で接近すると剣を振り抜く。
流石はキングと言うべきか、先程までのオーガとは違いなんとかリリアさんの一撃を戦斧の持ち手で受ける。
しかし、それでも勢いを殺せずバランスを崩している。
「嘘………。Sランクですらまともに受けられない程の…………?」
フイルミナさんは呆然としたように呟く。
ふっ。うちのリリアを嘗めてもらっては困るな。
キングレッドオーガは自分より圧倒的に身体の小さいリリアに押し負けたことを赦せないのか[咆哮]のスキルを発動させる。
「ガァァァーーー!!!」
その声にこのパーティーで一番レベルの低い猫人族達三人が恐怖に怯える。
他のフイルミナさん達もリョンさん達も苦々しい表情だ。
確か[咆哮]の効果は、咆哮することで自分より格下の相手に本能的な恐怖を刻み込むだったか?
レベル差の激しい猫人達三人は効果の影響が強く出たんだろう。
しかし僕らは勿論のこと、当然リリアにも一切通用していない。
キングレッドオーガは戦斧を構え横一線に全力で振り抜く。
元々の戦斧の重さと遠心力でかなりの衝撃になりそうだ。
「[スラッシュ]!」
対するリリアは[スラッシュ]による下方向から上への一撃で弾く。
「戦ったあとの行為はさておき、レレアを破った実力は本物でしょう。私もその実力に敬意を表して本気でいきます。
[武器硬化]、[武器魔法付与《ウェポンエンチャント》]、[二重武器魔法付与《ダブルウェポンエンチャント》]」
リリアの魔法によって大剣が赤く熱を持って発光する。
そのまま大剣を構えると姿が見えなくなる程のスピードでキングに接敵する。
「[横一文字]」
リリアの横凪ぎの一撃をキングレッドオーガは知覚することもなくその身に受ける。
キングレッドオーガはそのまま身体を真っ二つにして絶命した。
「レレア………この戦い貴女に捧げます。…………私は貴女のお陰で強くなりました。安らかにお眠ってください。」
戦闘は特に危うげなく僕らは優位を保ち続けていた。
「オーガキングは……来ないウサね。」
「まあ、あくまでも推測の話だったからな。もしかしたらこの群れには居ないのかもしれないぞ?居ないに越したことはないしな。」
テッシィさんとフイルミナさんの話を聞いてリリアがオーガの首をはねながら答える。
「いえ、ほぼ100%オーガキングは居ると思いますよ。オーガの群れはかなりの縦社会。群れの頂点が2つ以上有ることを嫌います。今までジェネラルオーガが何十体も出てきたのでジェネラルオーガより格上の上位種が居ることに間違いはありません。群れの中で最上位種が二体以上居る場合は戦って勝った方が群れの長を、負けた方は下位種を一部引き連れ群れを去り、新たな群れを作ります。恐らく5年前に私が出会ったキングオーガも群れを追われた個体だったんでしょう。」
「となると逆にいえばキングは一体しか居ないってことか。」
オーガ達も数を減らし勢いも少なくなってきた頃に突如戦局変わる。
その声は猫人族が戦っていた方からだった。
人の絶叫するような声が聞こえた。
即座に彼等のいた方に向かうとそこには怪我をしたリョンさんと壊れた武器を持ち地面に座り込んでいるスィヨンさんがいる。
そしてその目の前には今までで一番大きなレッドオーガが大きな斧を振り上げている。
「危なっ!」
斧の真下に居たスィヨンさんをスライリングしながら抱き抱え仲間の元に戻る。
怪我をしていたリョンさんの元にはニキスが行ってくれている。
にしてもあれだな。僕知ってるわこれ。
ネット小説で予習してるわ。これはピンチを助けた主人公が今までツンツンしてたヒロインに惚れられるっていう奴…………。
いやいや、困ったなぁ~。僕にはリリアという恋人がいるからなぁ~。
そんな馬鹿なことを考えながらスィヨンさんに目を向けるとその目には、こんな奴に助けられたという屈辱の表情、オーガに対する憤怒、オーガに負けたことによる悔しさ様々な感情が入り交じっているのは解るが、少なくとも恋慕の感情はなさそうだ。
…………現実は小説みたくはならないな。
「デカイ………。」
「まさかこれが?」
「はい………………。これでようやく貴女の無念が晴らせそうです。」
リリアは感慨深いような表情をして呟いた。
そしてそのまま、猫人族達の方に目を向け言う。
「猫人族の皆さんもキングを倒したいと思いますけど、すいませんがここは私が殺らせてもらいますよ?」
「ぐっ、………構わんさ。こっちはこの様………、あれの相手など出来よう筈もない。」
リョンさんは怪我をした箇所を押さえながら答える。
スィヨンさんも悔しそうな顔をしつつも反論はなさそうだ。
「おい、おまら正気か?お前らが強いのは理解したが、あれと単機でやりあうのは無理だろ!」
フイルミナさんがそう言ってくる。
キングレッドオーガを[高位鑑定]で確認するとレベルは65、基礎ステータスは平均5500程度かな。筋力値は特に高く9000以上ある。
さっきまでのレッドオーガがレベル20程度、ナイトレッドオーガ等の派生系がレベル35程度、ジェネラルレッドオーガがレベル45程度だったことを考えるとかなりの強さだ。
だが、一番高い筋力値でさえリリアの半分程度、恐れるほどじゃない。
あと気になるのはキングが持っている斧だが………。
僕ほ再び[高位鑑定]を発動させ斧を見る。
戦人の戦斧・・・魔鉄鋼によって作られた戦斧、魔法エンチャントされている。
[筋力値強化(B)]
ふむ………。
魔導具とか魔剣とかは詳しくないからどの程度の武器か分からんな。
だが、このステータス差を覆せる程のものとは思えない。
目の前のリリアに目を向けると既に戦闘は開始されていた。
リリアは大剣を構えをキングオーガに一瞬で接近すると剣を振り抜く。
流石はキングと言うべきか、先程までのオーガとは違いなんとかリリアさんの一撃を戦斧の持ち手で受ける。
しかし、それでも勢いを殺せずバランスを崩している。
「嘘………。Sランクですらまともに受けられない程の…………?」
フイルミナさんは呆然としたように呟く。
ふっ。うちのリリアを嘗めてもらっては困るな。
キングレッドオーガは自分より圧倒的に身体の小さいリリアに押し負けたことを赦せないのか[咆哮]のスキルを発動させる。
「ガァァァーーー!!!」
その声にこのパーティーで一番レベルの低い猫人族達三人が恐怖に怯える。
他のフイルミナさん達もリョンさん達も苦々しい表情だ。
確か[咆哮]の効果は、咆哮することで自分より格下の相手に本能的な恐怖を刻み込むだったか?
レベル差の激しい猫人達三人は効果の影響が強く出たんだろう。
しかし僕らは勿論のこと、当然リリアにも一切通用していない。
キングレッドオーガは戦斧を構え横一線に全力で振り抜く。
元々の戦斧の重さと遠心力でかなりの衝撃になりそうだ。
「[スラッシュ]!」
対するリリアは[スラッシュ]による下方向から上への一撃で弾く。
「戦ったあとの行為はさておき、レレアを破った実力は本物でしょう。私もその実力に敬意を表して本気でいきます。
[武器硬化]、[武器魔法付与《ウェポンエンチャント》]、[二重武器魔法付与《ダブルウェポンエンチャント》]」
リリアの魔法によって大剣が赤く熱を持って発光する。
そのまま大剣を構えると姿が見えなくなる程のスピードでキングに接敵する。
「[横一文字]」
リリアの横凪ぎの一撃をキングレッドオーガは知覚することもなくその身に受ける。
キングレッドオーガはそのまま身体を真っ二つにして絶命した。
「レレア………この戦い貴女に捧げます。…………私は貴女のお陰で強くなりました。安らかにお眠ってください。」
コメント
ノベルバユーザー366207
主人公がまるでもぶのようだ、、、、
久留米天狗
「オーガキングは……来ないウサね。」
間違いとは言えないか?