クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!

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163話 ワイバーン

「キュキュキュキュイ!!」

「お、おい。暴れるなって!落ちるだろ?」

ウィンドワイバーンから子竜を奪い取ったはいいが、子竜の方がビックリし過ぎて暴れてる。

「僕は君を助けるために来たんだ。安心してくれ。」

とは言ったもののさっきまでの自分の母親と戦っていた人物だ。
警戒心を解けと言うのは無理がありそうだ。


めんどくさい。
さっきのウィンドワイバーンがUターンして再びこっちを狙ってきている。
なんとか反撃したいが、子竜が暴れているため両手も自由に使えないし、今は空中で自由落下中だ。

ウィンドワイバーンのステータスを見る限り敏捷値は高いものの筋力値は低め。
三倍に強化した僕の耐久値なら地上に戻るまで耐えることは可能だろう。
地上に戻って両手が使えるようになれば、反撃できる。それまで耐えよう

ウィンドワイバーンは僕の近くに来ると加速して突っ込んできた。

「痛ッ!」

自分の脇腹を見てみると脇腹が抉られている。
幸い傷自体は僕の命に関わるほどのものではない。
だがこの子竜は、一撃でも喰らってしまえば致命的だ。
僕はなるべく子竜に攻撃できないように体で覆い被さる。

「キュ……キュイ?」

腕の中から戸惑いの鳴き声が聞こえる。

ウィンドワイバーンは僕に一撃加えると再び助走をつけて攻撃しようとする。
僕が痛みに耐えるため身構えた瞬間、遥か遠くから飛んできた何かがウィンドワイバーンの翼膜を貫いた。
ウィンドワイバーンは翼のバランスを崩し上手く飛行出来ず落下し始めた。
一方、何処からか飛んできた何かは、急速にその体積を肥大化させて空気抵抗を増やし、スピードを落とした。
スピード落ちてようやくその姿を確認することができた。
飛翔体の正体は見覚えのあるゼリーのボディーの持ち主であるラズリ。
ラズリが単独であんな目で追えないような超スピードを出せるとは思えない。
恐らくはリリアが、[物質変化]と[圧縮]を使い弾丸状になったラズリを投げたんじゃないだろうか。

ウィンドワイバーンは体勢を立て直すこともままならず地面に墜落した。

「ギャァーー!!」

ウィンドワイバーンの絶叫が響く。
それは、ラズリが魔銀ミスリルの体を重りのような形にしてウィンドワイバーンの上に着陸したからだった。

僕は[エアロダッシュ]で落下の衝撃を和らげつつ静かに着陸した。
ウィンドワイバーンはまだ諦めていないようで体上に乗っていたラズリを払い落とすとこちらを威嚇してきた。

「少し待っててくれ、先に邪魔な奴を倒すから。」

子竜を地面に降ろして攻撃の準備をする。
するとラズリが[物質変化]を解除して隣にきた。
ウィンドワイバーンが魔法発動準備をし始め、戦闘が再開される。

戦闘は直ぐに終わった。
相手の魔法は風魔法で遠距離から攻撃してきたが、ラズリが防御系スキルを発動させて攻撃を受けきる。
レディアの[テンペストブレス]ですら受けきったラズリだ。ウィンドワイバーンの攻撃はまるでラズリにダメージを与えなかった。

<[鉄装撃][風撃][断擊]>

僕はその隙をつき、ウィンドワイバーンの体に一撃いれる。
もともと手刀で相手を切りつける[断撃]と、殴りつけると同時に風圧による斬る[風撃]の相性は抜群。
ウィンドワイバーンの胴体は真っ二つになり命を散らした。
もともと敏捷値が高めのステータスと、それを生かせる空中戦術がウィンドワイバーンの強みのはずだ。
ラズリに翼を傷付けられた段階でウィンドワイバーンの強みはなくなっていた。
なのに引き際を見誤り戦いを続けたことがウィンドワイバーンの敗因だろう。

僕はすぐさまウィンドワイバーンを[アイテムボックス]にしまい、子竜に向き直る。

「キュ…………キュイ………」

子竜は警戒を露にしている。

「安心してくれ、お母さんの所に連れていってあげるから。」

子竜は納得したしたのか体を預けて大人しく抱っこされる。
因みにラズリはその間ウィンドワイバーンの血を美味しく掃除していたようだ。


子竜を連れて海岸まで戻るとリリアとヒスイ、エミリア、そしてその隣にレディアが並んで待っていた。
子竜を海に放すと直ぐにレディアの元に戻った。

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