クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!

TNKt_k

123話 二人の使役獣

森から現れたのはスライムのラズリを肩に乗せた少女だ。。

「おかえり二人とも。」

「マスター、今日のご飯取ってきました。」「ムギ!」

少女の見た目は、髪の毛は黒髪で、少し癖のあるショートカットだ。
身長は135cmくらいでかなり小柄で、クール系キャラの様な見た目だ。
何より特徴的なのは頭の上に猫耳が生えていること。
ステータスは



名前:ニキス
種族:シャドウキャット
年齢:0才
性別: 
職業:暗殺者

level.84

HP:19760  
MP:21280  

筋力値:18240 
耐久値:9120  
魔力値:19000 
魔耐値:7600 
敏捷値:27360

魔法
聖魔法:ヒール
闇魔法:ダークランス・ダークバレット
影魔法:シャドウランス・影操作・影移動・影転移・シャドウボックス

職業スキル
短剣術レベル24・索敵術レベル26・隠密術レベル31・アサシンエッジ・暗殺・無音移動サイレントムーブ幻隠ステルス・弱点把握

スキル
噛みつき・HP自動回復強化レベル3・MP自動回復強化レベル6・マナ操作・遮蔽




そう。このステータスに書いてある名前はニキス。
つまるところ、何が言いたいかというと3ヶ月の間に、ニキスは可愛い猫から、猫耳美少女にランクアップしたのだ

何故ニキスが人間みたいになってしまったかというと、ニキスが3週間ほど前にホワイトキャットの特異種からシャドウキャットに進化した際に、1つのスキルを習得したことに始まった。
習得したスキルは[擬人化]。
効果は、擬人化することで人間に近付いた容姿に変わることが出来るというものだ。
この効果によってニキスは今の美少女状態になっている。
しかもこのスキルの凄いところは、初めてこのスキルを使用したときに、自分の職業を自分に適したものに変えることができるという効果があることだ。

ニキスは、魔物だから職業の欄には当然、自分の種族の名前であるシャドウキャットの文字が入っていた。
しかし、ニキスの種族であるシャドウキャットの職業スキルは、[噛みつき]や[引っ掻き]など直接攻撃が多くあり、体躯の小さなニキスにはそこまで大きなダメージを与える手段にはなり得なかった。
そんな理由もありニキスはそのステータスを上手く生かしきれてなかった。

そこで[擬人化]のスキルで職業を変更したところ、暗殺者という職業になり、敏捷値の高さを生かした近接戦闘・影魔法による瞬時の移動術からの不意討ちの暗殺、そして何より人型になったことで体も大きくなり、武器を持つという大きなアドバンテージを手に入れてニキスはとても成長した。

しかし、ニキスは[擬人化]を使えば、僕と同じ見た目の人型になれることが嬉しいらしく、常に[擬人化]を使っているのだが、それでも行動は猫の頃とあまり変わっておらず、無言でピタッっとくっついてきたり、ビックリしたら僕の背中に抱きついてきたりと何かとくっついてくるので困る。
今までは猫だと思って撫で回したり、一緒に水浴びをしていたのだが、ここまで見た目が可愛い女の子になられると対応に困る。
まあ、羞恥心はしっかり有るようで服をしっかり着てくれているのでまだ助かっている。

「今日の獲物は大っきなイノシシです。」

ニキスは今日の獲物(夕食用)を[シャドウボックス]という物を影に仕舞えるスキルから取り出している。
見るとギガントボアという魔物でレベルは62。かなり強い魔物のようだが、二人の様子を見る限りニキスとラズリのコンビの力でで余裕だったようだ。

ニキスは報告を終えると無言で僕の方に頭をほんの少しだけ傾けている。
これはニキスなりの、構ってほしいアピールなのだ。
ニキスは遠慮がちな性格で、あまり正面から誉めてほしいとは言ってこないが、こういったちょっとした行動から構ってアピールをしてくるので可愛い。
しかも本人は、構ってアピールをしているつもりは無いらしく、気付いたら体が勝手に動いてしまうらしい。
僕はニキスの頭に手を乗せて軽く撫でてやる。
ニキスは無言ながら、頭の感覚に身を任せ、気持ち良さそうに目を細めている。

「ムギュギュ!!」

2,3分間位ニキスの頭を撫でているとラズリが抗議の声をあげる。
僕がその声に反応して手を止めるとニキスはラズリに対して少し睨むがラズリは意にかえさず、僕の方に飛び付いてくる。

「むぅぅ~。ラズ姉ぇ~。」

ニキスは諦めて少し離れた位置に行ってしまう。
ラズリもニキスと同様でこの3ヶ月かなり強くなった。
まずはステータスを確認しよう。



名前:ラズリ
種族:スライム
年齢:0才
性別: 
職業:スライム

使役中

レベル98

HP:5220
MP:2330

筋力値:1440
耐久値:3780
魔力値:1620
魔耐値:4500
敏捷値:2880

魔法
水魔法:ウォーターボール・アクアジェイル・アクアバレット
無魔法:ブースト
毒魔法:ポイズンハンド・ポイズンレイン・ヘルポイズン

職業スキル
吸収・酸液作成・衝撃吸収・触手操作・硬化・物質変化・圧縮・膨張・溶かす・胃袋

スキル
超位状態異常耐性・物理攻撃無効・魔法攻撃吸収・再生・遮蔽・マナ操作・擬人化・HP自動回復強化レベル5・MP自動回復強化レベル2



一見、ニキスに比べるとラズリは基礎ステータス値が低く弱く見えるが、実際はかなり強い。
そもそも、この基礎ステータス値でもこの辺の魔物なら余裕を持って倒せるくらいだ。
だが、僕やリリア、ニキスなんかに比べるとどうしても低く見えてしまう。
同じ使役獣のニキスが僕やリリアに比べても遜色ない位の値なのに何故ラズリのみが基礎ステータス値が低いかというと、それは進化してないからだ。
別にこれは、ラズリが弱いから進化できないというわけではないようだ。
リリアさん曰く、基本的にスライムやゴブリン等の下位の魔物は10~25位で第一の進化をするそうだ。
するとスライムであれば、アクアスライムやファイヤースライム、ゴブリンであれば、ハイゴブリンや派生のゴブリンアーチャー・ゴブリンソード等になる。
次にレベル30~45位で第2進化をして、ハイアクアスライム・ハイファイヤー、ゴブリンの場合は、ジェネラルゴブリンや派生のゴブリンナイト・ゴブリンシスター等になるらしい。
しかし、稀に進化をすることなくレベルがどんどん上がり、進化に必要なエネルギーを溜め込み続けた者が進化した時は、通常よりも更に高位の種族になることがあるらしい。
ラズリはそれが狙いらしく、レベル98になった今も故意に進化をしないようにしているようだ。
実はニキスもラズリと同じように進化を遅れさせており、レベル70になったときに満を持して進化したのだ。
お陰でニキスはシャドウキャットという猫系でかなり上位魔物になった。

だが、ここで一つ疑問になるのは、何故他の魔物もラズリやニキスの様に進化を遅れさせ無いのかということだ。
それはラズリのステータスを見れば分かることだが、進化しないとステータスが弱い事が理由だからだ。
進化をせず、下位の魔物のままでいると他の魔物と比べて遥かに弱いので過酷な魔物同士の生存競争を生き残れないのだ。
故にほぼ全ての魔物は進化できるエネルギーが貯まったら直ぐに進化する。

そんな理由もあってラズリは今は進化のエネルギーを溜めんでいる。
そしてラズリは[擬人化]を持っているのにまだ使っておらず、これは理由が不明なのだが、ラズリなりの狙いがあると思われるので好きにさせている。

あーそうだ。ニキスとラズリ、特にラズリが圧倒的にレベルが高いのは下位の種族の方がレベルアップに掛かる経験値が少ないからで、別に僕がサボってるからって訳じゃないんだよ。

ってなわけで、これで今の僕達パーティーの面子の確認は終わった。
とはいえ今のところ、レベル上げ位しかやることがないんだけどな。

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