クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!

TNKt_k

109話 選択

自分の死を覚悟した瞬間目の前に二人が現れた。

「なんでお前らが……?」

【なんでって……それはマスターがピンチならそれを助けるのがニキス達だからです。】

「ムギキュキュ~~ムギムキュキミュ~~。」

【ラズ姉も私が頑張るって言ってます。】

あっ、ニキスはラズリの事を、ラズ姉って呼んでるんだ………………。
ってそんな場合じゃない。

「じゃなくて!なんでお前らが勝手に[アイテムボックス]から出てこれるんだよ!」

【ニキスには難しいことは分かりません。ただマスターがピンチな予感がしたので役に立ちたいと思ったら、いつの間にかここに出てました。】

そう言えば、[ティム]のスキルを[鑑定]した時は、無理やり行動を制限することは出来ない。って書いて有ったな。
まさか[アイテムボックス]から出て来ることさえ自由意識で出来るとは………………。

「だがあいつはレベル57もある。お前らじゃ話にならない!早く逃げろ。」

【ニキスの命はマスターに救ってもらったものです。マスターの為に使うことに躊躇いはありません。】

「ムギキュキュキュ!」

【ラズ姉もご飯の恩は必ず返すって言ってます。】

ジェネラルオーガの一撃が迫る。
僕に迫る拳の間にラズリが割り込んできた。

「ムギ!!」

そう言えば、ラズリは[衝撃吸収]や[高位物理耐性][再生]などの物理攻撃との相性抜群のスキルを保有している。
もしかしたら、ジェネラルオーガの攻撃をいなすことができるかもしれない。
ラズリは自信満々で攻撃を受けて……………………そのまま爆散した。

「ラ、ラズリ!?」

だが、爆散したラズリの肉体(粘体)が動き出して徐々に集まっている。


名前:ラズリ

level.2

HP:5/48
MP:22/22


だが、ラズリのステータスを鑑定すると、HPがかなり無くなっている。
いくら相性が良くても限界がある。次に相手の一撃を喰らったらラズリが死んでしまう。
それを遮るかのようにニキスがジェネラルオーガに向かって挑発している。

【ラズ姉をよくも!こっちこい豚………。】

ジェネラルオーガはほんの少しニキスの方を見ると地面を蹴りつけた。
すると、土は散弾の如く飛び散り、ニキスに当たってしまう。
ニキスは土に吹き飛ばされて遠くの木の幹にぶち当たって地面に落ちる。
ピクリとも動かないニキスを心配し、[高位鑑定]を使うがラズリと同様HPがほぼゼロに近いところまで減っている。

ジェネラルオーガは自分に一番近いところにいるラズリから止めをさすつもりなのかラズリに狙いを定めている。
こんな戦闘途中に離れたところにいるラズリとニキスをそれぞれ[アイテムボックス]に入れるなんて無理だ。
そんなことをしている間にジェネラルオーガに殺されるだろう。

この状況で生き残りたければ、ラズリとニキスを見捨てることが最も生存確率が高い。そんな考えが頭を過る。
どうせこのままあいつらを救おうとしても皆死ぬだけだ。
それなら僕だけでも逃げた方があいつらも喜んでくれるんじゃないかと…………。
自分が適当な言い訳をしていることも理解しているが、ジェネラルオーガに正面から向かい合う恐怖に勝てる気がしなかった。

最後にラズリとニキスの顔を見た。
ラズリは顔がないし、再生の途中だから表情は無いが[ティム]のスキルを通じて満足した感覚が伝わってくる。
ニキスも表情が穏やかでその顔に未練は見えない。

「………………なんで!?」

たったちょっとしか、まだ一緒に居られ無かったのに、満足して死のうする二匹に無性に腹が立った。
脳裏に昔の思い出が思い返される。
ラズリと一緒にご飯を食べたときに、僕の分も分けて上げたら皿ごと食べて僕を困らせたこと。それで僕が怒ったら落ち込んだように萎んでたこと。
ニキスを撫で撫でしてあげてたら気持ち良すぎて、【ますたぁ~だいしゅきぃれす~。】とうっかり言ってしまい、【いや!い、今のは!そのぉー嘘というか…………本心というか・・・・】と恥ずかしがりながら言い淀んだでたこと。
ほんとは普段僕の頭の上に居たいけど、ラズリに譲って僕の肩の上で甘んじてること。
様々な思い出が脳裏から離れない。
それと同時にもっと一緒に思い出を作り上げ行きたいと思った。

「自分の命だけじゃなく、仲間の命まで危険になって初めで恐怖に抗えるようになるなんて、僕はやっぱり弱虫だな………………。それでも僕は………………」

逃げるなんて選択肢は取れない。でも、このままだと全員死ぬ。
[アイテムボックス]にあったオーガの血丸薬を取り出す。
丸薬は10個ある。一つぐらい使っても[アイテム創造]に影響は出ないはず。
問題は、使用時は他者の魔素が体に侵入してくるので体に拒否反応が出て痺れがでるって一文があることか………………。
覚悟を決めてさっさと飲む。

「うぎぃ!?」

痛い!全身の筋肉が割れるように痛い。
痺れの方は無理矢理頑張れば、戦闘に影響が出ない程度みたいだ。

「ムギュ~………………。」

ヤバいラズリにジェネラルオーガの拳が振り下ろされようとしている。
ただ、今の姿勢からで間に合うか?
全力でラズリの方に走る。
体が引きちぎられるように痛かったがラズリ達の事を思えば不思議と体を動かすことに疲れを感じなかった。
たが、走り出して一秒程度で気付く。ギリギリ間に合わないことに。
それでも諦めるわけにはいかず、走り続ける。

「心優しき貴方に僅かながらでも、力を。」

!?
走っていると何者かの声が聞こえた。女の子の声のように聞こえたが?
だが、それどころじゃない。ラズリがピンチな今一瞬でも余計な事を考える時間は無かったし、力を貸してくれるなら何でも良かった。
その声が、無くなると同時に体が軽くなるように感じた。

「うぉぉ~~~~!![掌打]!」

ジェネラルオーガの拳がラズリに当たる直前、僕の拳がジェネラルオーガを殴り飛ばす。

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