【旧】チート能力を持った高校生の生き残りをかけた長く短い七日間

北きつね

ヴァズレ街解放

「リン様。すこしお待ち下さい。」
アドゥナ街の攻略に出ようとした時に、アッシュから呼び止められた。
「どうした?」「はい。ヴァズレ街にも動きが有りまして・・・。」
アッシュの報告は呼んでいるが、それ以上に緊迫した状況なのだろうか?
「何があったんだ?」「はい。以前の報告の通り、奴らは、パーティアック国に行くようです。」「あぁそれは認識している。」「それで、その後動きを調べていたのですが、パーティアックにヴァズレ街を売ろうとしているようです。」「・・・そうか。」「今、パーティアックから派遣された僧兵が10,000人ほど、ヴァズレ街に駐屯しております。」
話が長くなりそうだったので、場所をギルド内の会議室に移動した。ミルとイリメリ、エミールにも同席してもらった。
まずは、アッシュから報告として、現状のヴァズレ街の映像を見せてもらった。映像には、街の様子や横柄に振る舞う。パーティアックの僧兵達が映し出されていた。街は衰退しているのがよく分かる。商店はまだ営業しているようだが、店頭には商品が並んでいない。街角にも屋台などが出ていない事から余裕がなくなってきているのだとおもう。
「エミール。」「はっはい。」「ん。どうしたの?エミール?」「いえ・・・なんでもありません。」「それならいいんだけど・・・。あぁヴァズレの領民は、どのくらいの人数が居るんだっけ?」「あっはい。元々は、28,000から30,000程度のはずです。」
3万の人間が暮らしている街には見えないな
「3万近い人間が居る街には見えない。多く見ても1万がいいところじゃないの?」
どうやらミルも同じ意見のようだ。それに、イリメリもは話を繋げる。
「そうだね。5,000+守備隊って感じじゃないの?」
元々の守備隊の人数もだけど、アドゥナから連れてきた守備隊が居るはずだけどな。
「アッシュ。守備隊はどうなっている?」「はい。それもご報告があります。」
それから、見せられた映像珠に映っていたのは、パーティアックから守備隊が到着してから、元々の守備隊が領内から追放されていく様子だ。それに伴って、パーティアックから教会関係者と思われる人物が領内に入っていく様子だ。
そして、しばらくしてから、立花ウォルシャタ山崎エスタール西沢ゴーチエが、ヴァズレ街を出て行く様子だ。アッシュの報告では、パーティアック領に向かっているという事だ。
その後も、何人かが街を出て行く様子が映されていた。
「残ったのは・・・。」「森中フィリッチ川島マルビン。」
イリメリが吐き捨ているように言っているが、残っているのは、その二人で間違いなさそうだ。アッシュも頷いている。
「アドゥナの街を落とすのも必要だけど、トリーア王家の領地を、パーティアック領にされるのは面白くないな。先に、ヴァズレを取り戻すか?」「うん。リンに賛成。」「僕はリンの考えに従うよ。」
「ありがとう。それじゃ作戦を考えよう。」
作戦は、それほど複雑ではない。まずは、国境の街シャルムを開放しよう。
「ミル。森中フィリッチ川島マルビン以外が国境の街シャルムを通り抜けたら、一気に国境の街シャルムを解放して欲しい。」「了解。」「リン様。今、国境の街シャルムは、パーティアックの守備隊がいます。」「ミル。いい本来なら居るはずがない守備隊だ。全員殺すか捕らえるかしてもいい。北方連合国ノーザン・コンドミニアムも抵抗するようなら、パーティアックに与する者として同罪だ。」「了解。早速、隊列を作る。神殿から出撃でいいんだよね?」「あぁそれでいい。でも、北方連合国ノーザン・コンドミニアムの領内ではバレないようにしておいてくれよ。」「うん。解っている。」
ミルは立ち上がって、転移で移動していった。
「イリメリ。フェムとサリーカに連絡して来て貰って、森中フィリッチ川島マルビンを捕縛する。」「了解。」「エミール。サラナとウーレンに連絡して、眷属にどれだけの数を動員出来るか確認して貰って、条件はギルドのランキングでSSに相当する者だけだと言っておいて、最低4,000は欲しい。」「かしこまりました。多分もう一桁上の眷属が集まると思います。」「そうか、それなら、全属性の魔法を使える事と、最低でも2つ以上の古代魔法が仕えて影移動が出来る事を条件につけろ。集まらなければ、条件を緩めていけ。」「わかりました。」
エミールが、マノーラ神殿に移動した。すぐに眷属は集まるだろう。
さっき出ていったはずのイリメリが、フェムとサリーカを連れて戻ってきた。現状を軽く説明した。両名とも事情を理解して、すぐに準備に取り掛かってくれた。
小一時間もしたら、エミールが戻ってきて、後1時間程度で眷属は集合出来るという事だ。ヴァズレ街にどこから侵攻しようと考えたが、数が多いので、転移も出来ないので、イスラ街道のヴァズレ街との境界代わりに作った砦に集合して進軍する事にした。
イリメリとフェムとサリーカが準備を終えて戻ってきてから、砦に移動して、眷属が揃うのを待つ事にした。
「ねぇどういう作戦で行くの?」「うん。三方向から攻めようと思っている。」「あの街は、4方向に門があるんだよね?」「そう。門は一応は使えるようにはなっていたけど、前みたいに封鎖出来るような状態にはなっていなかった。北門以外の門を同時に攻める。」「北門はどうするの?」「あぁ多分、北門から逃げ出すだろうから、北門は逃げてきた奴らを捕縛する様に陣を配置する。」
作戦は、東と西と南を、イリメリとフェムとサリーカに攻めてもらう。同時に攻めてもらう事で、パーティアックの守備隊の対応能力を圧迫する。赴任してきたばかりだろうから、指揮系ともまだしっかり整っていないだろう。そこを圧迫させてもらう。崩壊した門から順次突入していく。領民や抵抗の意思がない者以外は敵であると宣言してから街中を侵攻する事にする。北口には、罠があると考えるだろうが、北口から逃げるしかない状況にしてしまう。
北口から伸びる街道の両脇に眷属を控えさせておく。ある程度守備隊や教会関係者が逃げ出した所で、内部から北門を遮断する。遮断した状態で、領内では入り込んだ3つの部隊による掃討戦を行う。森中フィリッチ川島マルビンが逃げていなければ、ここで捕縛出来るだろうし、逃げ出していれば、僕が陣取る北口で捕縛出来るだろう。
イリメリとフェムとサリーカに、行軍の指示と作成を説明していたときに、ミルが国境の街シャルムを落としたと連絡が入った。そして、従った眷属1,000名のうち半数を残して、ヴァズレ街に進軍するという事だ。ミルは、残った500名の半分に捕虜をマノーラ神殿に送るように指示をだしたという。ミルには、街まで半日程度の距離で待機するように指示をだした。
「ミルが国境の街シャルムを落としたって。」「はや!!」「メインディッシュに間に合うように急いだみたいだよ。」「それじゃ、みんな、ヴァズレ奪還作成を開始しよう。」
イリメリとフェムとサリーカも、眷属と共に作成位置に移動を開始した。眷属の陰移動を使った移動で、1時間程度で移動が完了するだろう。目的の位置に着いたら、連絡をもらう事になっている。
僕は、カエサル達とマガラ神殿に戻って、転移門トランスポート国境の街シャルムに設置して、国境の街シャルムから進軍を開始した。ミルが陣を作った場所までは、2時間程度で移動できた。
「ミル。」「リン。」
ミルが駆け寄ってきた。抱きしめるような感じになったが、ミルを抱き寄せた。
「何か問題あった?」「ううん。なんにもなかったよ。なんか、文句いわれたけど、無視した。何人か、商隊も捕えられていたから、ギルドで商品の賠償をするって言っちゃったけどいいよね?」「うん。問題ないよ。それは、トリーア王家の商人?」「うん。でも、北方連合国ノーザン・コンドミニアム側でも北方連合国ノーザン・コンドミニアムの商人が捕まっていたから、これらも開放した。損害場所は、パーティアックにしてもいいけど、補填として、一律の見舞いを出すようにした。」「あぁありがとう。どのくらい出したの?」「うん。トリーア王家の方に捕えられていた人が居て、聞いたら、金貨1~2枚程度で十分だっていわれたから、商の規模に関係なく、金貨3枚を支給する様に言ってきた」「あぁその程度なんだね。了解。それで、関心が買えるのなら安いものだね。」「うん。それでこっちはどうするの?」
ミルに作戦を説明した。
「そう・・・。多分、森中フィリッチ川島マルビンはいの一番に逃げてくると思う」「うん。僕もそう考えるよ。」「なら、リン。僕にちょっと考えがあるけどいい?」「考え?」
ミルの作成はそれほど難しい物ではなかった。街道の両端に眷属を待ち伏せさせている所に、ヴァズレから北方連合国ノーザン・コンドミニアムに方面に向けて、ミルと眷属数名で商隊を率いている状態にする。多分奴らの事だ。襲ってくると思うから、それを返り討ちにして拿捕するという事だ。確かに、足止めする方が成功率が高くなる。
「でも、ミル。商隊なんてないよね?」「ううん。国境の街シャルムで拿捕した物がある。それを使うよ。」「了解。怪我しないようにね。」「うん。大丈夫。リンも、タイミングを見て包囲殲滅してね。」「あぁ」
イリメリとフェムとサリーカから各々所定の位置に着いたと報告が来たのは、それから30分位建ってからの事だ。
作成決行の合図をだした。それぞれがヴァズレの門に攻め込んだ。
報告は、眷属から随時上がってくる。まず門を破ったのは、東門を攻めていたサリーカだ。それから、西門のフェムで、最後が南門のイリメリだ。それぞれが門の上に居た守備隊を瞬殺して、門の中に入った。
門の守備隊は、パーティアックの人間だったらしく、一人も降伏する事なく討ち死にとなった。それで時間がかかってしまって、逃げ出した連中を追うことができなくなったと報告が上がってきた。イリメリから、北門を破壊したと報告が入って、掃討作成にはいると報告が入った。街の方は問題はなさそうだ。次は、僕とミルの出番だ。
街道の両側で潜んでいる眷属から随時連絡が入ってくる。森中フィリッチ川島マルビンはやはり先頭集団で逃げてきているようだ。教会関係者といっしょだという。後、10分もしたら、ミルが偽装している商隊に接触するだろう。
後7分後4分後2分
っと思った時に、ヴァズレから逃げ出した集団の先頭部分から魔法が放たれた。問答無用に魔法を討つかね普通・・・。結界で塞がれるとは思っていなかったようで、それから何発か魔法が打ち込まれるが、ミルが張った結界を突破する事が出来ない。
後続の者達も戦闘集団に追いついた時に、ミルが反転攻勢をかけた。僕も眷属に後方遮断と左右から挟撃を支持した。こちらの数は1,500ほど。相手は、5,000程度。数の勝負なら負けは確実だけど、相手は指揮系ともしっかりしていない上に、魔法が破られるとは思っていなかったらしく混乱している。その上、4方向を囲まれる状態になっている。
そこに、ミルが抜刀して突っ込んでいった。カエサルも僕に許可を求めてきたので後方より隊に突っ込んでいった。
僕は、全体に魔法効果を打ち消す結界を展開する。この魔法は、古代魔法以外の魔法を打ち消すので、属性魔法は使い物にならなくなる。スキルは使えるので、スキルのみで戦う事になる。
ミルが、森中フィリッチと戦っているのが確認出来た。遊んでいるようには見えないが、余裕がある。他の眷属も危なそうな所はなく、守備隊を無力化している。足を切り飛ばしたり、手を切り飛ばしたりしている。神官達が魔法を唱えようとしているが失敗している。ポーションをふりかけるが、止血がやっとのようだ。
カエサルが、川島マルビンの持っていた手首ごと、盾を叩き割った。その勢いのまま、片足を切り飛ばした。ミルの方も、体中から血が吹き出すように浅い傷をつけられて、肩で息をしている状態だ。もう終わりだろう。
森中フィリッチが何かスキルを発動したようだったが、ミルがそれを弾き飛ばした。握っていた両手首を切り飛ばして、手首から血を吹き出して、自分の血の海に沈んでいった。その頃には、守備隊の5,000で立っている者は100人にも満たない状況だ。
抵抗の意思をくじいた事で、この戦いは終わった。森中フィリッチ川島マルビンは、タシアナ謹製の魔力とスキルを封じる首輪を付けて、治療を行ってからマガラ神殿送りにした。
眷属には死者はいなかった。相手側は運悪く死んでしまった者もいたようだ。
立っていた100人は逃がす事にした。
僕とミルは、奪還したヴァズレの街に戻った。北門の上に、イリメリとフェムとサリーカが待っていた。
合わせて、7千人近い捕虜を得た事になる。傷を癒やしてから、奴隷にしてもいいし、パーティアックと交渉してもいいが、神官らしく奴も捕えていた。
「本来、お前たちは、ここにいないはずだ。だったら、ここで死んでもらったほうが後腐れなくていい。どうなりたい?」「・・・。悪魔め。おまえは神を恐れないのか?」「は?神?」「そうだ、我等は、パーティアック様から加護を頂いた信徒である。丁重に扱わなければ神罰が下るぞ。」「なかなかおもしろい事を言うな。」「・・・いいのか、業火の炎で焼き尽くされたいのか?」「・・・狂信者とはこれほど疲れるのもなのか?」「何をいうか、我等は・・・」
狂信者を黙らすのは絶対的な力が、奴らよりも理不尽に非常識になる事だ神官を黙らせるために、神官の片腕を落とした。
「・・・ぎゃぁぁぁ!!!なにを・・・」「あぁ?神聖で正しい信徒なんだろう?神のご加護で腕を直せばいいだろう?できればだけどな。」「だれか、だれか、回復魔法を・・・。」「無駄だよ。ここでは、ほら、誰も属性魔法は仕えないからな。」「なっ・・・・。あぁぁぁ」「ほら、どうした、早くしないと、出血が酷くて、神官様が死んでしまうぞ。」「・・・は・・・や・・く・・・たすけろ・・・。」
神官に部位欠損を治す魔法をかける。
「あぁぁ・・・」「パーティアックの神聖なる信徒の諸君。神官の腕は、パーティアックの加護を貰った信徒ではなく、僕が治した。なに?見ていない、それじゃもう一度やるか・・・!」
そう言って、神官の腕をもう一度切り飛ばした
「ぎゃぁぁぁ・・・。あdふぁsdf」
そして、また腕を治す。
「ほら、神官様。どうした?まだ僕は悪魔か?」「あくま・・・め。じごくにおちるぞ!!」「地獄か、いいね。お前たちの天国なんて、僕には向かないだろうな。それなら、地獄を制覇して住みよくするよ。だから、もう一度試すか?」
神官は、改めて刀を抜いた時点で意識を手放してしまった。
「さて、お前たちはどうする?」「・・・・。」
「ねぇ。7,000人も要らないよね?」「そうだな。100人も居れば、人質交渉にはなるだろうな。後は、逃げたとでも報告して、殺してしまうか?」「うん。そう言えば、島の周りのシーサーペントに餌が必要だか、丁度いいんじゃない?」「あぁそう言えば、生贄を出せば暫くはおとなしくなるんだよな?」「うん。そんな事を言っていたよ。」「そうだな。6,900名も出せばおとなしくなってくれるだろう」
そう言って、辺りを見回したら、その後は、我先に、僕達に忠誠を誓う。奴隷待遇でもいい。命だけは懇願してくる始末だ。神官100名以外は、奴隷紋を刻んで、ゴットケープ島の鉱山で死ぬまで働いてもらう事になった。これらの引き渡しを、イリメリにお願いした。
神官100名は、全員パーティアック教の内部事情に通じていると思われるので、ゆっくりと尋問する事にした。

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