【旧】チート能力を持った高校生の生き残りをかけた長く短い七日間

北きつね

戦況確認

さて、ミルは一緒に行くと言うだろうな。二人だけで行けばいいよな。まだ、僕達の事は教えるつもりはないし、解放もまだしなくていいだろう。殺す必要はない。立花ウォルシャタに殺させればいい。裏切ったと思えば、殺すだろう。そうなるように仕向けていけばいい。
「さて、三塚マニュエルの所に行くけど、ミルは行くんだよね?」「もちろん。リン一人で行かせないよ。」「それじゃ行きますか」
ミルと二人で、三塚マニュエルの尋問に向かう。尋問する必要はないが、何もないままだと緊張感もなくなってしまうだろう。問題は、ミルが三塚マニュエルを殺してしまう可能性があると言う事だな。自惚れているのかもしれないけど、僕がけなされたりしたら、ミルが一気に首を刎ねるかもしれない。腕や脚程度ならいいんだけどな。一応釘刺しておかないとならないんだろうな。
「あぁミル。三塚マニュエルとは僕が話すから、ミルは僕の後ろに控えていてね。絶対に殺さないようにね。まだ地獄を見せていないから、生かしておかないとならないからね。」「わかった。努力する。」
三塚マニュエルもそうだけど、これから、捕らえた奴らで開放する必要がない奴らや、捕らえた事を公表したくない奴らの専用の監獄を作る必要がありそうだな。マガラ神殿でもいいんだけど、なんとなく気分的に悪いからな。何処かに監獄を作ろうと思う。一番いいのは、出島を一つ作って、転移以外では行き来出来ないようにするのがいいんだけど、食事とか面倒なんだよな。死なない程度に考えればいいから、食材だけ渡して、後は勝手にやれがいいんだろうな。水も海水を真水に帰る魔道具が作れればいいだろうし、その時にミネラルたっぷりな塩も作れれば死なないだろう。
そんな処遇に関して考えていたら、マガラ神殿の32階の尋問部屋に付いた。すでに三塚マニュエルが見窄らしい格好で椅子に縛り付けられていた。首には、タシアナ謹製の魔法の発動を押さえる魔道具がつけられていた。ロープは、レベル200のアラクネの糸を捩って作った物で、リンは切断出来たが、僕やアデレードやフェムでは切断する事が出来なかった。切断には特殊な魔道具が必要なロープだ。それで、椅子に固定されて、何か喚いている。
「君が、マニュエルだね。僕やその子の事はどうでもいい。君に幾つか確認した事があって来てもらった。あぁ楽にしてくれていい・・・あぁすまんすまん。十分楽な体制になっているな。」「おま、巫山戯るな。何様のつもりだ。俺は準男爵になるんだぞ。それに、伯爵や男爵も後ろに控えているからな。おれに、こんな事して、ただで済むと思うなよ」
思い出した。一年ちょっと前の事ナんだけど、すごく遠い昔の感覚になってしまっていた。こういう奴だった。立花ウォルシャタ山崎エスタールの家の権力を使って自分を大きく見せようとしていたんだったな。自分が偉いと思うのは勝手だけどそれをこっちに押し付けてほしくないな。そんな事で尊敬出来ないからな。
「あぁすまない。それに、伯爵や男爵がどうこう言っているが、僕は侯爵を賜っているし、陛下からの勅命も貰っている。どちらが権力的に強いのか解らないほど馬鹿なのか?」「・・・侯爵?馬鹿な。そんな事言っても無駄だ。俺の力が欲しいなら最初からそう言え、土下座でもしてお願いしたら、考えてやる。まずはこのロープを解け!」「さっきから、何を言っているのか?お前は、僕に捕縛されたんだよ。その程度の事もわからないの?それに君程度のちからなんて欲しくないよ。」「はぁ俺のステータスを確認してみろ。お前ごとき小指で十分だ。」「はいはい。そうですね。でも、僕は君見たいにうるさい馬鹿は必要ないんだよ。」「はぁ?おまっ何がしたいんだ!」
此奴程度のステータスなら必要ない。まぁ10倍のステータスになっても必要ないんだけどね。それに、支離滅裂な事を言っているのに気がついていない辺りが痛いな。やはり小奴らとは仲良くできそうもない。
「最初に言ったでしょ。確認したい事があるってね。話を初めていいかな?」「・・・。」「まず、君が捕まってから、これまでの食事は美味しかったか?君みたいな馬鹿な奴には肉料理がいいだろうと思って、肉料理を中心に出したからな。」「・・・。」
三塚マニュエルが肉料理が好きなのは解っている。馬鹿みたいに、肉ばかり食べているイメージがある。まぁ不自由な生活をして食べられないと思ったら、レッドグリズリーの肉を平気で平らげている。虜囚になった事をすこしも恥じていない様な振る舞いだと報告が来ている。
「そうだね。全部食べてくれたようだからね。あの肉は何の肉か判って食べたのかな?鑑定でも持っていれば、食べる前にわかったかも知れないけどね。」「なっ何の肉なんだよ?」
今更あわてるなよ。散々食べたんだろう?
「あぁあれは、この前の戦闘でそこの女の子が切り落としたマルビン・オットーの左腕だよ。どう?”元”仲間の腕を毎日美味しく食べ続けた感想は?僕は、食べなかったけど、君みたいな野蛮な人間は、ヒトでもかまわないだろう?それに、あまり動かしていなかったようだし、腱も処理したから柔らかかっただろう?最近、MOTEGI商会で売り出した胡椒や香草で匂いも消えていただろうからな。あぁスープは、骨を出汁にするといいとMOTEGI商会から言われて、骨を煮込んで作ったスープだったんだけど美味しかっただろう?肉が少ない指のクズ肉は細かくして、スープの中に入れたけど、それも全部食べてくれたみたいだから、マルビン・オットーも嬉しいだろうな。痛い思いをして切られた腕が腐るだけじゃなくて、しっかり”元”仲間の栄養になったんだからな」
「・・・・・」
おぉ盛大に吐いたな。まぁだろうとは思うけどな。それに、何日間食べたのか位は覚えておけよ。腕一本でそこまでの肉が取れるわけがないだろう?その程度の事も考えられないのか?本当に馬鹿だな。あぁこんな奴の相手をしなきゃならないと思うよテンションが下がってくる。
これを誰が片付けると思っているんだ。
「汚いな。この部屋これからも使うんだよ。」
三塚マニュエルの頭を脚で押さえつけて、吐瀉物を綺麗に拭き取ることにする。自慢のステータスも僕のステータスには逆らえないようだ。そんな事を考える余裕もなくなっているんだろう。ゲホゲホ言っている。
ミルがそれを引っ張っている。もうその辺りで辞めておいたほうがいいようだ。頷きで同意の意思を伝える。
「さて、そのまま答えてくれればいい。そうしたら、明日からの食事はもう少し僕達でも食べる物にしてやろう。」「・・・。」「あぁいやなんだね。気に入ってくれたようだね。それなら、残りは少ないけど、マルビン・オットーの左腕料理を続けることにするよ。」「それじゃ次はいつ来るか解らないけど、それまで元気にしていてくれると嬉しいな」
「まて。」「何か、聞こえた?」
ミルも解っているようだ。これ以上は交渉になってくるんだという事が
「待って下さい。」「初めからそう言えばいいんだよ。」「お願いです。違う物を食べさせて下さい。」「そうか、解った。それなら、看守にそう伝えておく。肉料理じゃないけどいいんだな。」「はい。はい。もう肉料理はいりません。」「わかった。でも、そのためにも、いくつか僕の質問に答えてくれないとな。」
「もちろんです。なんでもいいます。」「そうか、いい心がけだな。お前たち仲間は全部で何人だ?」「10人です。」「アゾレム領主が行った投資詐欺は誰の発案なんだ?」「あっ細田。いや、イアンの発案です。」「そうか、イアンとかいう奴だけが考えたのか?」「・・・いえ、聞いた話では、元々は、エスタールとロラが昔にやろうとしていたけど、やる前に・・・。」「ほぉそうなのか?」「はい。俺は何もしらないんだ。俺は、ただ死にたくないだけなんだ。」「それはどういう事だ?」「いえ・・・。それは・・・・。」「どうした?」
「あっウォルシャタ殿。そう、男爵がレインが無いとか言い出して、それで簡単に手に入れる方法を考えさせた結果です。俺が捕まった事を知れば、殺すかもしれません。」
おいおい。日本でも投資詐欺をやるつもりだったのか?やる前にバスの事故が発生したって所なんだろうな。それにしても、高校生が投資詐欺は無理があるだろう。立花ウォルシャタ山崎エスタールが絡んだとしても....あぁ国有地の払い下げか!この辺りの情報は今調べられないしな。アルマール辺りに言えば向こうに帰った時に調べるのかもしれないな。
それにしても、その言い訳はないだろう?それに、支離滅裂。確かに、アドラの事を話せないだろうけど、もう少し筋道を考えてほしいものだな。
「それじゃ、イアンとロラとウォルシャタが全部悪いんだな?」「はい。そうです。昔からあいつらが考えて実行しているのです。」「そうか、わかった。」
「・・・良かった。許してくれるのですか?」
「わかったのは、お前も同類だって事で、許すわけ無いだろう?」「・・・。」「お前が、ウォルシャタや貴族連合・・・逆賊との交渉の材料になるかと思ったけど、ならないようだな。生かしておいてやるから、何か思い出したら、いえ。それによって、お前の処遇を考えてやろう。」「・・・。」
「このマニュエルを監獄に戻しておけ、食事はしょうがないから、フードコートから適当に買ってきて食べさせろ。」「はっ」
これ以上此奴と話していると殺してしまいそうになる。元々捕えてきて開放するつもりで居たけど、その気分でも無くなった。さっさと監獄を作って、そこで虜囚として貰おう。
あっ何か喚いているけど、バカの言うセリフだからな。ほら、あまりいい気になって遠吠えしていると・・・あぁぁ眷属が軽く蹴っ飛ばしたんだろう。そんな音が聞こえてきた。また吐いていなければいいんだけどな。
「ねぇリン。」「ん?」「なんでアドラの事とか問い詰めなかったの?」「あぁ捕まえたのが一人だからね。もう一人捕まえた位で暴露させ合うのがいいだろうからね。」「あぁそうかぁお互いに罵り合わせるって事だね」「そ。」
そのままミルとニグラ支部に戻った。執務室に入ると、アッシュが面会を求めてきた。
「リン様。ご無事で何よりです」「うん。それで何かあったのか?」「いえ、ギルド支部から、戦況の確認が来ておりまして、それをどうしたら良いのかと思いまして・・。」「そうだよな。支部にも負担がかかっているだろうからな。解った、皆がよいタイミングで、臨時の会議を開こう。アッシュ悪いけど、シュトライトにも確認しておいてほしい。」「かしこまりました。」「アッシュ。いつまで、ニグラに居るつもりなんだ?」「あっ・・・・。リン様とご一緒に・・・。」「いいよ。いいよ。この内乱が落ち着くまでは気が気じゃないだろうからな。」「・・・申し訳ございません。」「ううん。いいよ。アッシュのためにも、内戦を早く終わらせないとな。」「いえ、滅相もありません。完全勝利の為にじっくり取り組みましょう。」「そうだな。アッシュ。会議の件頼むな。」「はい。リン様はいつがよろしいのでしょうか?」「僕は、いつでもいいよ。」「それで、調整してまいります。」「うん。頼むね」
アッシュが退出して、入れ替わりに、エミールとウィンザーが入ってきた。簡単な食事を持ってきてくれた。考えたら、朝から何も食べていなかった。あまり食欲があるとは言えないけど、食べないのもダメだろうから、食事を受け取って、すこし無理やり流し込んだ。
「リン様。ラーロさんから連絡が来ています。」「ん?何かあったの?」「簡単に言うと、人手が足りないと言う事らしいです。」「そうか、そんなに流行っているの?」「えぇ私もラーロさんから連絡が入って居たので確認してきましたが、賑わっていました。」「接客業だからな。ギルドも手一杯みたいだし、さすがにヴァズレの人たちにはまだ早いしな。オイゲンの所も手一杯だろう?エスト街から数名でも出せないかな?」「解りました。エスト街で聞いてみます。」「うん。お願い。ラーロさんには、すこし頑張ってと伝えておいて、僕も報告会議が終わったら一度顔出すよ。」「わかりました。」
エミールが指示を実行する為に退出した。
アッシュが戻ってきて、全部の支部の責任者が、ギルド本部に集まるという。アデレードとルナから、ローザスとハーレイとファンも参加すると連絡が入った。
エミールには、ギルド本部に来るように伝言を残した。
「ミル。ウィンザー。ギルド本部に行くけどどうする?」「僕は一緒に行くよ。」「私は、ここでエミールを待とうと思います。」「そうか、わかった、それじゃミル。一緒に転移しよう。」「了解」「ウィンザー。エミールと一緒に来てね。」「はい。解りました。」
会議室に入っていくと、支部長達が揃っている。今日は、支部長だけの参加となっているはずだ、サラナも参加している。僕が中央に座って、ミルとアデレードが左右に座る。その横に、イリメリが座って、ナッセ。ナナと続く。ミルの隣に、マヤが座って、隣にサラナが座ってから、各支部が分かれて座っている。こう考えると、サラナ達の裏ギルドは上位に位置するようになっている。ギルド支部には序列はないものとしているが、本部と裏ギルドは、情報が集まるので、上位に座るようにしてもらっている。発表や意見が予定されている支部が上座になり、後は、自由に座るようにしている。そのうち何らかの法則が出来るだろう。ナッセに意見を求められた時には、上座に近い方から新参者が座るようにして欲しいとは伝えてある。今日も、支部長が変わった所や、新しく作られた支部が僕の近くに来るようになっている。
「それでは、臨時の支部長会議を行います。本日は、現在トリーア王国で発生している内戦の戦況と今後の対応を話し合います。」
皆の視線が僕に集まる「あぁギルドは、王国とは協力関係にはあるけど、密接な関係ではないことを前提に話をします。」
一息付いて、支部長を見回す。何度も言ってきている事だから、皆が納得してくれている。話を続ける。「ギルドに僕から依頼の形で出させてもらっているのは、難民の保護にある。現状、戦いは激化していないが、今後、激化していけば、難民が産まれる事は間違いない。事実、ヴァズレでは数万単位での難民が発生した」
ここで一度言葉を切る。「リン。難民の状況は私から」「ナナ。お願い。」「あぁ今、リンから話が有ったように、ヴァズレ街での戦闘で、街に住んでいた者の7割以上が難民となってしまった。受け入れは、マガラ神殿と言うか、アロイ街で行った。休息の後に、各地に移動をしてもらっている。すでに移動は完了していて、殆どの者が新しくリンの領地に認定された旧アゾレム領に入植してもらっている。」「ナナ殿。人数はどのくらいだったのでしょうか?」「正確な数は集計中ですが、2万程度にはなっていると思う。」「そうですか、リン。後、皆さん。私は、ランパス支部のラーロです。今、ランパス支部では人手不足で困っています。エスト街の支部から何名か移動してきてくれるという事ですが、まだまだ足りません。」「ラーロ殿。どのような人材が必要なのですか?」「あぁ皆さん。ランパス街がどのような状況がご存知ですか?」
皆口々に新興の街で、神殿街の特徴を持っているという事位しか認識していないようだ。「はい。概ね、そのとおりです。神殿の機能や人に関しては、いいのです。”どっかの誰かさん”が好き勝手に作ったので、使い切るまでに時間がかかります」
ラーロさんが僕を見て苦笑のような表情を浮かべる。そして、僕の事をしっている古参のメンバーもラーロさんに同情する様な表情になっている。新参者は、言っている意味がわからないようだが、何かを察しているようだ。「今、困っているのは、ランパス神殿の場所なのです。」「場所?」「あっはい。南方連合国サウスワード・コンドミニアムにあるのですが、南方連合国サウスワード・コンドミニアムの国々が神殿街に出張所を作って交易を始めたいという事になってきていまして、そちらの対応が追いつかないのです。」「あぁぁそういう事なんですね。」「あぁそうなんだよ。ランパス殿に依頼して、転移門トランスポートは作ってもらえているので、問題はないのですが、一つの国に対して作ったら、他の国々もという感じで増えてしまって、今では全ての国の出張所が作られる事になってしまったんだよ。」「へぇすごいですね。」「あぁそこまでなら良かったんだけどな。」「何か問題でも・・・?」「だから、商人が大量にやってくるようになるのと、先方の国の中にもギルドを作って欲しいと要請が来ているんだよ。」「へぇそうなんですね。」「あぁ最低でも22の支部を作る必要があるという事だな。」「ナナ。人員とかはどうなの?」「すぐに出す事は難しいな。」「そうか、シュトライト。何かいい方法はない?」「そうですね。ラーロ殿。国々の税はどうされていますか?」「ん。ここの出島の方法を採用しているよ。ランパス街に持ってくる分には税を付与していなくて、出る時に、ランパス街への税とその国々の関税を掛けるようにしている。」「それらの計算は?」「あぁ国々の関税の計算は、その国から人に来て貰って居る。最終的には、奥さんに計算してもらっている。」「そうなのですか?治安はどうなのでしょうか?」「今のところ大きなトラブルは発生していない。そもそも、”どっかの誰かさん”が観光地化を目指していたので、住民も従業員以外は殆どいない街だし、安全ではあると思いますよ」「それなら、まずは、各国で求人をしてみてはどうでしょうか?その上で、学園から人を派遣して教育を行う。3ヶ月も研修をすれば大丈夫ではないでしょうか?」「・・・そうですね。まずは、それで様子を見る事にします。ナッセ殿。学園から人を派遣して貰う事はできますか?」「そうですね。1~2名を交代で派遣する事に致します。」「ありがとうございます。」
「ラーロさん。」「ん?リン。何だ?」「ううん。大した事じゃないけど、銀行の預入と引出は、ランパス街でだけ出来るって事にしておいて下さいね」「おぉ。何か理由でも」「大した事では理由ではないけど、各国の通貨の価値が微妙に違ったら嫌だなって思ってね。」「あぁそうだな。了解した。それで本当の理由は?」「ん?魔道具の使い方は問題はないだろうけど、最初から全部の権限を新興国の人で作ったギルドに持たせるつもりはないだけですよ。」「・・・そういう事だな。わかった、銀行機能はランパス街でのみ使える事にする。」「うん。お願いします。」
皆を一度見回して「さて、戦況なんだけど、以前に僕が出した予定通りに進んでいる。予定よりもすこしだけ早く進んでいるけど、許容範囲だと思う。」
おぉとか声が上がっている。予想通りならギルドにも明るい未来が待っているから余計に力が入るのだと思う。「皆には、今まで通りの活動をお願いします。すこし、サラナ達の裏ギルドには負担になる事が多いけど、許して欲しい。」「ん。了解。私達の裏ギルドは、リンの為のギルドだから気にしないでね。」
そこから、現状を報告した。ヴァズレは、ウォルシャタ達が占拠している事。ただ、アゾレム領はマノーラ家の領地になった事もあり、ヴァズレ領との領境に砦と壁を設置している。貴族連合は、アドゥナ領に集結している。その数、推定で10万。多いと30万に達すると思われる。先の、ミヤナック領の攻防戦で、農民や奴隷を捕虜にした事で、多少の数を減らす事が出来たが、それでもまだ、10倍以上の戦力差があるのは確かだ。
今後の展開も説明する。暫くは膠着状態が続くだろう事、物資で締め付けて、数ヶ月後に攻略を開始する。まずは、3箇所の国境の街シャルムを急襲して奪還する。その後は、貴族連合の出方にもなるが、マッシュホムかホレイズの領地に侵攻する事になる。多分、物資がなくなってくれば、領内から搾り取り始めるだろうから、その度合でどちらから攻めるのかを決める事にする。
あとは、ヴァズレに侵攻すると同時に、アドゥナ街を包囲して精神的に締め上げる事にする。
その後、質疑応答と現状支部で困っている事を話し合って終わりとなる。
ラーロさんにこの後でランパス街に来て欲しいと言われたので、向かう約束をして、新人支部長と挨拶をかわしている

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