【旧】チート能力を持った高校生の生き残りをかけた長く短い七日間

北きつね

幕間 ヴァズレ領監視

「ウォルシャタ殿は、どうするのですか?」「私達は、暫くこの地にとどまります。」「そうですか、守備隊も必要でしょう。私の守備隊は置いておけませんが、ヴァズレ隊はどうぞそのまま配下にしてください。」「ありがとうございます。」
「それでは、アドゥナ街で会いましょう。祝賀パーティもしないとならないですからな。」
▲▽▲▽▲▽▲▽「立花。どうするんだよ?」「あぁやっとゆっくり寝られるんだから、まずは休ませろよ。それに、帰ってこないのは三塚だろう?死にゃぁしないし、そのうち帰ってくるだろう?それとも、冴木お前が探しに行くのか?」「あぁ俺か?面倒だ。あぁぁこんな時に、うすのろか茂手木の野郎が居れば便利なんだけどな。」「そうだな。使い走りが居ないよな」
「おいおい。お前たち。忘れていないか?子爵が置いていった人間たちが使えるだろう?」「あぁそうだったな。それでどうするんだ?」「西沢と細田が、使えそうな奴らを探していたぞ。」「あいつら勤勉だよな。」「そうだな。でも、あいつら、それで自分好みの女が居たら先に自分の物にするんだからな。」「いいよ。そのくらいで面倒な事をしてくれているんだからな。」「まぁ確かにそうだな。それに、俺は、あいつらの好みが違うからいいや。」「そりゃぁそうだ。加藤は穴があればいいんだからな。」「おいおい。そりゃぁお前も同じだろう?」「確かに、川島は背がデカイ奴が好みだったよな。」
「お前らうるせい。そんなに、やりたきゃぁ適当に行って犯してくりゃぁいいだろう?どうせ、俺たちは罰せられないんだからな。」「はいはい。男爵様。申し訳ありません。ハッハハハ」
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本当に下劣な奴らです。
リン様から、一人に3名づつ監視をつけろと言われていましたが、たしかにステータスは目をみはる物でしたが、それだけでした。これは、監視についている者達の統一した意見です。リン様だけではなく、サリーカ様やルナ様にも、最重要な仕事だと言われていますが、これも監視に付いた者達の統一した意見ですが、『僕達でも殺せる』でした。最上位進化が残されている者でも、神殿のダンジョンで修行をしている者が殆どで、生産系な者達以外では負けないだろうと思う。相性があるので、組み合わせによっては苦戦する事もあるだろうが、リン様の下に帰れなくなる事はないだろうと思う。以前にリン様にそう進言したら、『うん。そうだろうね。でも、それじゃ奴らは後悔も何もしないからね。我が世の春を迎えている時に、叩き潰したいからね。だから、ゴメンね。まだまだ監視を続けていてね』と言われた。
ヴァズレも関しても、自分たちが勝ち取ったと思っているようです。リン様が逃げたと思っているのが正直許せない。『好きに言わせておけばいいよ。』とは言われているが、気に入らないのは、私だけではない。
それにしても、本当にリン様と比べるのが間違っているのか?それとも、こいつらが普通でリン様達が一般的でないのか考えてしまう。好ましいのは、リン様達で間違いはない。私達にも隔たり無く接してくれる。
ヴァズレ街を手中に収めてやったのは、部隊が持っていた食料全部を全部一箇所に集めさせて、接収した事だけだ。一部の部隊に食料と水を与えて、奴隷部隊や農民部隊には、物資だけではなく、武装も解除させて、女だけ屋敷に連れて帰っている。何をするのかは考えるまでもない。本当に下劣な行いを平気でする。
男は武装も解除されて、変わりに近くで食料になりそうな物を探してこいと命令されている。短剣の様な物だけ渡されて、それで魔物や獣を狩ってこいと言われている。命令に従わない人間は、その場で首を切り落としている。それを同じ部隊の人間や親兄弟に笑いながら片付けさせている。害毒にしかならない奴等だという事がこれだけでも解る。貴族は何をしても許されるとでも思っているのか。
リン様の予想では、3日程度は動きがないだろうという事だった。本当に、3日は何も動きがなく、寝て起きて、女を犯して、奴隷同士で殺し合いをさせて、勝った方を殺して、食事をして寝るという事を繰り返している。
その間に、奴隷や農民に接触できそうなら、接触して逃がせそうなら逃がせと言われている。特に、若い女性がいたら優先的に逃がせと言われている。奴らが寝てしまった後で、奴隷や農民が押し込められている部屋に忍び込んでは、徐々に逃している。下準備が終わったので、今晩には全員を一斉に島に送る事にしている。その為に、転移ができる同僚に来てもらっている。
奴らが一部屋に集まった瞬間に精神魔法が使える者達が同時に睡眠を発動させる。ステータスの確認をしたが、状態異常に関する耐性が低く鍛えられていないので、低レベルの魔法でも十分だろう。レジストはされないだろうし、感知もされないだろうという事だ。
▲▽▲▽▲▽▲▽「おい。川島。何か食べる物ないか?」「しらねぇよ。誰かに持ってこさせればいいだろう?食料庫に行けば何かあるだろうからな。」
(ヤマザキと呼ばれている奴が出ていってしまった。全員揃わないとダメだからな。後、3人が部屋に入ってきたら、一気に魔法で眠らせる。)
「そういやぁ三塚は帰ってきたのか?」「いいや、まだだな。」「何やってんだか・・・。まぁいいか、どっかで、中里似の女でも見つけて犯しているんじゃないのか?」「あぁそうだな。アイツの執念はすこし異常だったからな。」「そうだな。」「そのうち来るだろう?」「なぁ立花。三塚には、ここに居るって言っているんだよな?」「知らねえよ。西沢辺りが何か言っていたんじゃないのか?」「おいおい。それじゃここで待っていてもしょうがないんじゃないのか?西沢。どうなんだよ」「ヴァズレの街を占拠して、ここを俺たちの領地にするとは言ってあるから大丈夫じゃないのか?」
「そういや、細田。街の様子はどうなんだ?」「どうって言われてもな。蛻の殻状態だからな」「使えそうなのか?」「さぁな。大丈夫じゃねえのか?魔道具とかも残されていたから、生活には困らないと思うぞ」「へぇそうか、食料とかは?」「あぁ持ってきた物で、数ヶ月は持つから大丈夫だと思うぞ。」「やだな。俺。あれマジィからな。もっとうまいものが食べたいぞ」「誰だってそうだ。」「そういうなら、お前が狩りに出てくりゃぁいいだろう?」「そうだな。いい女も居ないし、それもいいかもな。そうすりゃぁ肉が食えるからな。男爵家の厨房には、塩とかの調味料も有ったんだろう?」「あぁ残っていたぞ」「そうか、それなら肉焼いて食えばいいな。」
(一人戻ってきた)
「川島。お前も食べるだろう?」「あぁサンキュー」「それにしても、この黒パン固いよな。野菜スープにつけて食べるには丁度いいんだけどな。」「なんだよ。遅いと思ったら、スープを作っていたのかよ。」「そうだよ。黒パンをそのまま食べる趣味はないからな。お前も居るか?」「もちろん。貰う。」
(かわいそうだな。あんな物しか食べないなんて、マガラ神殿のフードコートならもっといろいろあるのに・・・。)
(お。後の二人も戻ってきた)「お。何お前ら休んでんだよ。俺と森中にだけ仕事やらせて・・・。」「冴木と森中。おつかれ。どうだった?」「あぁ一通りは、西沢と細田が言った通りにできそうだぞ」
「そりゃぁよかった。なぁ細田。後は、どうする?」「あぁまずは、ここを本拠地にするにしても、情報を集めないとな」「そうだな。どのくらいの戦力なんだ?俺らの部隊は?」「奴隷が5,000。農民が1万。後は、伯爵や子爵の所の奴が5,000って所だな。」「へぇ以外と残ったんだな。」「あぁそのうち諜報活動が出来そうな奴らを、リンとか言う奴らの街に向かわせたぞ。後、農民は全員近くの村の農作業を行わせるようにした。奴隷で戦えそうな奴らは、森に採取に行かせたぞ。」「おい。早馬も出したんだろうな?」「あぁ勿論だ。子爵がアドゥナ街に帰る前に着くように、馬を2頭だてで向かわせた。立花の書簡を持たせてな」「サンキューな。」「立花。そんな面倒な事をなんでしたんだ?」「そうだな。これはオヤジから言われたんだがな。二人で同じ成功を納めた時には、必ず自分の手柄にしたがるから、先に報告した方がいいって言われているから、多分、子爵が急いで帰ったのは、取り返したのが自分の手柄で、男爵を殺したのは、俺たちだって言うだろうからな。だったら、先に報告をして、街に最初に入ったのは、俺たちで、男爵は”子爵”を裏切ったから即決裁判で殺害したって報告書を作った。」「それだけか?」「あぁそれで、子爵と男爵の確執で街が荒れ放題で復旧に資材と人員が居ると伝えて、暫くは農作物もできそうにないから、作物の支援をお願いしておいた。」「ほぉすごいな。」「あぁ農作物が思った以上に早くできればいいし、出来なくても、俺たちが困らなければいいと思っているからな。」「そうだな」
(これ以上聞いているのも苦痛だし、これ以上の情報はなさそうなので、魔法の発動をお願いした)
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リン様にご報告をあげさせた。私は、監視を続けているので、他の者が報告を出しに向かわせた。帰ってきた者が、リン様が笑っていたと言っていた。そして、「僕の所に来ている諜報員は全部捕まえたから安心して。それから、物資が届くようなら、荷物だけは奪ってくれればいいよ」と言われたらしい。私達は、指示通りにしているだけだが、リン様が笑ってくれるのが一番嬉しい。私だけではなく、他の者も同じだと言う。そして、ミル様やイリメリ様やサリーカ様に関しては、自分達の事を”様”付しないようにと言ってくる。カエサル殿とヒューマ殿がもう一度だけお伺いをしてみるとは言っていたが、ダメだったら、奥と付ける事になると言う。エミール様やミーシャ様は、奥もダメで、呼び捨てが”さん”にしてくれと言われてしまっている。
そんな呼び名の問題はあるが、私達は眷属になれて幸せだと思う。”魔物を統べる者”であるリン様やトリスタン様がいらっしゃるだけで私達は幸せを感じる事ができる。それだけではなく、今まででは考えられなかった環境も与えられて、ヒト族の一部だとは思うが、良好な関係を築き上げられている。それでも全部リン様のおかげである。そのリン様から今回の監視で言われているのは、ウォルシャタ達の動きを逐一知らせる事。奴隷や農民が奴らの手が届かない状態にする事。貴族連合の情報を入手する事だ。
今日の仕事は問題はなさそうだ。先程から、奴隷と農民の移動が始まっている。奴隷に関しては、島に送っている。後は、リン様が奴隷紋をどうするのかを決められると言う事になる。農民に関しては、今回はイスラ街に送れと言われている。そこで、家族をどうするのかを決めさせてから、島に移動するか、旧アゾレム街に入植するか。それとも、元の村に戻るのかを決めさせるらしい。
当初移動は数名づつ眷属が転移させるつもりだったが、安全が確保できるようなら、アロイかメルナから転移門トランスポートを使って移動しても良いと言われた。転移門トランスポートに数名を張り付かせてから順次転移している。
後、1時間もすれば、移動は終了するだろう。ついでに、食料庫も襲ってしまおうかと、思ったが、カエサル殿から待ったがかかった。リン様のご命令で、今食料がなくなると、ヴァズレ領を放棄して近隣の村や街を襲う可能性があるから、食料や水は残しておけという事だ。
ヒューマ殿から、移動が終わったので、転移門トランスポートを撤去するという連絡が来た。問題はなさそうなので、OKを出す。ついでに、リン様からお土産を持っていけと言う事で、マガラ神殿産の魔物を数百体、ヴァズレ街の中に放つ事になった。レベル的には、20前後ですので、私達は勿論、リン様や奥様方で苦労する者が居ない程度のレベルだ。
私は、今日で監視業務が交代になって、マノーラ神殿の地下一階で2日過ごしてから、また次の任務に着くまで待機となる。眷属の数が飛躍的に増えた事もあり。特殊能力を持っていないと待機任務が多くなる。待機任務と言っても、地下一階のギルドには、依頼が殺到しているので、それを見てこなすか、リン様が私達用に作ってくれた、高レベル迷宮ダンジョンに潜っていればいい。そうしたら、レベルも上がるしスキルも磨ける。スキルを新しく顕現する場合もある。
ウォルシャタ達は、それをやらない。確かに、レベルがキャップになってしまっているのかも知れないけどそれでもスキルを磨く必要はあるし、限界突破リミットブレイクが顕現する場合もある。実際に、何名かはキャップになった状態でも狩りを続けていたら、限界突破リミットブレイクが顕現したという。リン様の推測では、レベル200までは上がるのだろうと言う事だ。その上で、更に限界突破リミットブレイクができるはずだとおっしゃっていた。私もまだレベル70になったばかりなので、まずは100を目指そうと思っている。任務後は、必ず2日は休むように言われていて、それも仕事だと言われているので、地下一階で新しい武具を揃えてもいいだろう。
さて、そろそろ時間だから、交代要員が来たら帰る事にしよう。撮影した映像珠を持っていけば、報酬を受け取って終わりだ。
★☆★☆★☆★☆「リン。」「ミル。」「行くの?」「そのつもりだよ。ヴァズレからの報告で、奴隷と農民は全て確保したと連絡が入ったからね。そろそろ、帰ってもらおうかと思ってね。」「そうなんだね。人数は、どのくらい?」「方向では、奴隷が5,000で農民が10,000と家族って所だね。」「かなりの数だね。」「そうだね。ミヤナック攻防戦で得た人数を合わせると、貴族連合の村の人口の3割程度は確保した計算になるんだよね。」「えぇぇそうなの?トリーア王家は大丈夫なの?」「食料の自給率は下がってしまうだろうね。でも、元々、他の地域からの食料の流入がなかったんだから、大丈夫だと思うよ。」「そっかぁ」「うん。ローザスやハーレイが考えるでしょう。貴族連合を打ち破った後で、再交渉にはなると思うけどね。僕達の条件以上をトリーア王家が出せるとは思えないからね。」「そうだね。リンはどうするの?」「ん。学校を作ったのもそれの一環で、僕達の持っている技術や情報は全てオープンにして、学校で教えるって事にしているからね。」「へぇ~」「だから、学校で学んだ生徒が地元に帰って、村々や街を豊かにしたら、人口も自然と増えていくでしょ。」「そうだね。」「それに、ルナとアデレードが医療に関してまとめているからね。」「医療?」「そ、脱水症状や熱射病さえも知らない世界だからね。インフルエンザとかもそうだし、間違った対処方法を取られている物も多いから、それらをなくすだけでもかなりの命が救われるだろうからね。」「・・・そうだね。」「うん。後は、日本では問題になった、”赤ちゃんポスト”の設置も行うからね。」「”赤ちゃんポスト”?」「そうだよ。口減らしに奴隷に売るのなら、ギルドに働き手として出しませんかって感じだね。赤ちゃんを捨てたり捨てる位ならギルド支部に捨ててくれって感じだね。」「ん?リンは、赤ちゃん集めてどうするの?ハーレム?」「ミルさん。それは何かおかしい反応だよね?」「そう?それで真意は?」「あぁ学校に入学させて、0歳時から学校に居させてもいいかなと思ってね。」「たしかに、学校なら困らないだろうね。」「うん。」
リンは椅子から立ち上がって「さて、三塚マニュエルの所に行くけど、ミルは行くんだよね?」「もちろん。リン一人で行かせないよ。」「それじゃ行きますか」
僕には、リンを一人で活かせると言う選択肢はない。そもそも、三塚マニュエルなんて殺してしまえばいい。
「あぁミル。三塚マニュエルとは僕が話すから、ミルは僕の後ろに控えていてね。絶対に殺さないようにね。まだ地獄を見せていないから、生かしておかないとならないからね。」「わかった。努力する。」
僕は自分でも、三塚マニュエルを殺さないと言う事が出来るのか不安だが、リンがまだ使いみちがあると言うのなら殺さないでおこう。
そんな事を考えている、マガラ神殿の32階の尋問部屋に付いた。そこには、すでに三塚マニュエルが見窄らしい格好で椅子に縛り付けられていた。首には、タシアナ謹製の魔法の発動を押さえる魔道具がつけられていた。ロープは、レベル200のアラクネの糸を捩って作った物で、リンは切断出来たが、僕やアデレードやフェムでは切断する事が出来なかった。切断には特殊な魔道具が必要なロープだ。それで、椅子に固定されて、何か喚いている。
「君が、マニュエルだね。僕やその子の事はどうでもいい。君に幾つか確認した事があって来てもらった。あぁ楽にしてくれていい・・・あぁすまんすまん。十分楽な体制になっているな。」「おま、巫山戯るな。何様のつもりだ。俺は準男爵になるんだぞ。それに、伯爵や男爵も後ろに控えているからな。おれに、こんな事して、ただで済むと思うなよ」
あぁ日本に居る時と一緒だな。父親や立花のちからが無いと何も出来ない、ただ喚いていれば、自分が偉いと錯覚していくタイプなんだな。間違いない。奴は、三塚だな。
「あぁすまない。それに、伯爵や男爵がどうこう言っているが、僕は侯爵を賜っているし、陛下からの勅命も貰っている。どちらが権力的に強いのか解らないほど馬鹿なのか?」「・・・侯爵?馬鹿な。そんな事言っても無駄だ。俺の力が欲しいなら最初からそう言え、土下座でもしてお願いしたら、考えてやる。まずはこのロープを解け!」「さっきから、何を言っているのか?お前は、僕に捕縛されたんだよ。その程度の事もわからないの?それに君程度のちからなんて欲しくないよ。」「はぁ俺のステータスを確認してみろ。お前ごとき小指で十分だ。」「はいはい。そうですね。でも、僕は君見たいにうるさい馬鹿は必要ないんだよ。」「はぁ?おまっ何がしたいんだ!」
権力が敵わないと見ると今度は力ですか?本当に馬鹿なのでしょうね。
「最初に言ったでしょ。確認したい事があるってね。話を初めていいかな?」「・・・。」「まず、君が捕まってから、これまでの食事は美味しかったか?君みたいな馬鹿な奴には肉料理がいいだろうと思って、肉料理を中心に出したからな。」「・・・。」
美味しかったのは間違いないだろう。看守曰く、全部綺麗に食べていたと言う事だったからなまぁそれも美味しいだろうなレッドグリズリーの肉だからな。単純に焼いただけでもそこそこ美味しく食べられると思う。
「そうだね。全部食べてくれたようだからね。あの肉は何の肉か判って食べたのかな?鑑定でも持っていれば、食べる前にわかったかも知れないけどね。」「なっ何の肉なんだよ?」「あぁあれは、この前の戦闘でそこの女の子が切り落としたマルビン・オットーの左腕だよ。どう?”元”仲間の腕を毎日美味しく食べ続けた感想は?僕は、食べなかったけど、君みたいな野蛮な人間は、ヒトでもかまわないだろう?それに、あまり動かしていなかったようだし、腱も処理したから柔らかかっただろう?最近、MOTEGI商会で売り出した胡椒や香草で匂いも消えていただろうからな。あぁスープは、骨を出汁にするといいとMOTEGI商会から言われて、骨を煮込んで作ったスープだったんだけど美味しかっただろう?肉が少ない指のクズ肉は細かくして、スープの中に入れたけど、それも全部食べてくれたみたいだから、マルビン・オットーも嬉しいだろうな。痛い思いをして切られた腕が腐るだけじゃなくて、しっかり”元”仲間の栄養になったんだからな」
「・・・・・」
あっ吐いた。汚いな。違うんだけど、今の流れじゃ信じるだろうな。リンが椅子を蹴飛ばして、吐いた上に三塚を転がした。
「汚いな。この部屋これからも使うんだよ。」
そう言って、三塚の頭を足で押さえつけて、吐瀉物をなすりつけるようにしている。流石にこれ以上はと思って、リンの服のそでを引っ張る。
頷いてくれた。
「さて、そのまま答えてくれればいい。そうしたら、明日からの食事はもう少し僕達でも食べる物にしてやろう。」「・・・。」「あぁいやなんだね。気に入ってくれたようだね。それなら、残りは少ないけど、マルビン・オットーの左腕料理を続けることにするよ。」「それじゃ次はいつ来るか解らないけど、それまで元気にしていてくれると嬉しいな」
「まて。」「何か、聞こえた?」
首を横に振る。
「待って下さい。」「初めからそう言えばいいんだよ。」「お願いです。違う物を食べさせて下さい。」「そうか、解った。それなら、看守にそう伝えておく。肉料理じゃないけどいいんだな。」「はい。はい。もう肉料理はいりません。」「わかった。でも、そのためにも、いくつか僕の質問に答えてくれないとな。」
「もちろんです。なんでもいいます。」「そうか、いい心がけだな。お前たち仲間は全部で何人だ?」「10人です。」「アゾレム領主が行った投資詐欺は誰の発案なんだ?」「あっ細田。いや、イアンの発案です。」「そうか、イアンとかいう奴だけが考えたのか?」「・・・いえ、聞いた話では、元々は、エスタールとロラが昔にやろうとしていたけど、やる前に・・・。」「ほぉそうなのか?」「はい。俺は何もしらないんだ。俺は、ただ死にたくないだけなんだ。」「それはどういう事だ?」「いえ・・・。それは・・・・。」「どうした?」
アドラの事を言うのか?何か考えているけど、良いわけが見つかるのか?
「あっウォルシャタ殿。そう、男爵がレインが無いとか言い出して、それで簡単に手に入れる方法を考えさせた結果です。俺が捕まった事を知れば、殺すかもしれません。」
支離滅裂。筋道さえ通っていない。かなり追いつけられているな。
「それじゃ、イアンとロラとウォルシャタが全部悪いんだな?」「はい。そうです。昔からあいつらが考えて実行しているのです。」「そうか、わかった。」
「・・・良かった。許してくれるのですか?」
「わかったのは、お前も同類だって事で、許すわけ無いだろう?」「・・・。」「お前が、ウォルシャタや貴族連合・・・逆賊との交渉の材料になるかと思ったけど、ならないようだな。生かしておいてやるから、何か思い出したら、いえ。それによって、お前の処遇を考えてやろう。」「・・・。」
「このマニュエルを監獄に戻しておけ、食事はしょうがないから、フードコートから適当に買ってきて食べさせろ。」「はっ」
リンは、倒れたままの三塚を一瞥して部屋から出ていった。なにか後ろで喚いているが、すぐに越えが聞こえなくなったから、眷属が軽く蹴りでも入れたんだろう。また吐いていなければいいんだけどな。
「ねぇリン。」「ん?」「なんでアドラの事とか問い詰めなかったの?」「あぁ捕まえたのが一人だからね。もう一人捕まえた位で暴露させ合うのがいいだろうからね。」「あぁそうかぁお互いに罵り合わせるって事だね」「そ。」

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