【旧】チート能力を持った高校生の生き残りをかけた長く短い七日間

北きつね

イスラ街道撤退戦

予想通りすぎて可哀想になってきてしまう。やはり、出てきたのは、ヴァズレ男爵がひきいていた左翼部隊だけのようだ。
「リン。そもそも、なんで追撃があると思ったの?」「あぁヴァズレは自分の領地を取り返すのに、自分がって思うだろう。メンツの問題でもあるだろうからね。」「・・・そうか、それで、立花ウォルシャタ達に先をこされたと考えて、逃げ出したリンなら捕らえられると・・・・。」「だね。」「愚かだね。」「あぁかわいそうだね。」
「リン様。迎撃はどうするのですか?」「迎撃?しないよ。せっかくだから、すこし連れ回して、噂話しが蔓延するまで付き合って貰う事にするよ。」「噂話?」「そうか、エミール達は居なかったんだよね。ミルが捕まえってきた奴らに、僕とヴァズレ男爵が内通しているんじゃないかって・・・・ね。」「なんで、そんな面倒な事を....?」「私もそう思った、面倒だから殺しちゃえばいいのにって・・・」「ミル。可愛い女の子が・・・・。うん。殺すのは簡単だろうけど、奴らに相互不信の芽を植え付けようと思ってね」「可愛いってそんなぁ・・・。」「ミル姉。今は、その話は置いておきましょうよ。」「そうだった。それで、リン。相互不信って?」
「簡単にいうと・・・」「エミール。リンが簡単にいうって事は、横道にそれるから、そのつもりでね。」「えぇ解っています。いつものことですからね。」
二人共聞こえている。
「えぇぇとね。貴族連合。逆賊の連中は、利権でつながっているのは解るよね」「うん」「はい。」「でも、自分たちは国を思う憂国の士だとでも思っているんだよ。」「あぁそうですね。なんか、今回攻めてきた人たちも自分たちが正義だとか言っていましたからね」「うん。そうだけど、エミール。正義って片方から見ただけじゃわからないからね。自分たちが正しいと思ったからって、相手の正義を否定する所から考えないようにね。」「っはい。申し訳ありません。」「いいよ。」
「あぁそれでね。もう解ったと思うけど、貴族連合の奴らには、これから、誰かが裏切っているって思いながら過ごしてもらう事にする。そして、できれば、立花ウォルシャタ達の手でヴァズレを切り捨てて欲しい。」「・・・・そうか、そうしたら、立花ウォルシャタ達は貴族連合で浮き始めるってわけだね。」「うん。それに、今回が初めての勝利で最後の勝利になるから余計に、貴族の中には、立花ウォルシャタ達を疎ましく思う輩が増えるだろうね。」「・・・・。それっていつから考えたの?」「ん?ついさっき!って言えば信じてくれるの?」「リン!」「ゴメン。あいつらは、自分たちは固い絆で結ばれているって思っているけど、結局利害関係な関係だって事を思い知らさせたいんだよ。」「あっ・・・。」
『リン様。ヴァズレ隊が後10分ほどで、殿に接触します。どうしますか?』『ギリギリ。そうだな。矢の射程距離になるまで気が付かないフリして、敵が魔法か矢を放ってきたら、反転して反撃したのちに左右に分かれて離脱』『かしこまりました。左右に別れた後は?』『そのまま奴らの側面に付いて、移動。森まで追ってきたものは拿捕せよ』『御意』
「ミル。エミール。ウィンザー。すこし殿の方にいどうするよ」「いいけど....なんで?」「もう少し、ヴァズレ男爵を引きつけておきたいからね」「リンが囮になるの?」「違うよ。餌になるだけだよ。」「何が違うの!!!!ダメだからね。リン。危ない事をしないで!!!」「ミル落ち着いて、僕は危ない事を仕様とは思っていないよ。」「だったらなんで!」「上手く言えないけど、多分確認したいだけなんだよ」「確認?」「そう。多分、これから多くの人間を殺す命令をするかも知れない。でも、僕はそれをやめようとは思わない。でも、戦いを確認しないで、死者数だけを考えるようにはなりたくないんだよ。」「・・・・。解った。リンがそう思うのなら、私も側にいる。それが絶対的な条件だからね。」「うん。ありがとう。ミル。」
そのまま、眷属たちと一緒に、最後尾まで移動した。すでに、他の眷属たちは武装した状態で、道の両脇に隠れている。あと、30分位の距離を引っ張ったら、左右から一気にに攻めるつもりだ。その前に、ヴァズレ男爵にご挨拶をと思ったんだけど・・・。
「前線には来ていないようですね。」「そうか、偉そうに後方に引っ込んで指示の真似事をしているのかもしれないな」「どうする。リン?」「そうだね。予定通り、姿を見せた後で逃げ出すよ」「了解。」
「うん。誰か、あいつらの陣の中で『侯爵が居るぞ。捕まえたら、男爵が恩賞をくれると言っているぞ』みたいな感じで、馬車を指差してね」「それならば私が・・・」「トパーズ。やってくれるか?」「はっ」
トパーズが敵陣地で騒いでくれたおかげで、ヴァずれたいは無秩序に、僕を追いかけ始めた。いらなくなった、馬車を捨てていくと、喜んで、それに群がっていく。
30分位たった所で、、眷属全員に『左右からヴァズレ隊を迎撃せよ。抵抗する物は殺しても構わない。だが、ヴァズレは生け捕りにせよ。』『はっ。リン様のお心のままに』『よし。突撃!』
「ミル。ウィンザー。エミール。またせた。反撃せよ。」「「「おぉ!」」」
一瞬で勝負が付いた。ヴァズレ隊は、1時間近く、撤退していく僕達を追いかけて深入りしていた。そして、僕達は一度の反撃で戦場全てを手に入れた。
『リン様。男爵や副将を務めていた者や、男爵家につかえていた者を捕えています。』『そうか、男爵は丁重に扱って、馬車に乗せて、その場から離れさせておけ。』『はっ』『他のやつはどういたしましょうか?』『金で雇われた者は、開放しろ。そのと金い、僕に仕えるのなら、島に送っておけ。男爵家の人間は、僕が今から尋問する。』『はっとかしこまりました』
「ミル。ウィンザー。エミール。お疲れ様。当初の目的は達成できそうだよ。」「そう、それなら良かった。これからどうするの?」「うん。男爵家の人間の尋問をするよ。気持ちがいい物にはならないから、先に休んでいていいよ。」「リン様。それを聞いて、休む事を選択するとお思いですか?」「・・・・そうだね。ゴメン。エミール。ウィンザー。ミル。僕と一緒に来て、尋問をするからね」「「「はい」」」
ミルに簡易テントを作ってもらって、中で一人づつ尋問する事になる。カエサルに言って一人づつテントの中に連れてこさせる。
「侯爵。私は・・「お前の名前にも、懺悔にも興味はない。僕が、お前に問いただすのは一つだけ。それに、YesかNoかで答えろ。」」「・・・。」「聞きたい事は”お前は、男爵の屋敷の地下で何が行われていたのか知っているのか?”」「知っていたんだな。」「いえ、何のことか・・・・。」「そうか、お前も男爵に協力して、村から若い女の子をさらってきていたんだな。味見と称して犯していたんだな。」「・・・・。」「ゲス。カエサル。四肢を切り落として、目の前で魔物に食べさせてから、スライムの壺の中で徐々に溶かされる楽しみをおしえてやれ。頭だけは、後でヴァズレ街に届けてやれ。」「はっ」「次。次から、煩そうだから、口を塞いでおけ。」「かしこまりました」
男爵に従っていた者達は、ほぼ全員が地下室の事をしっていた。同罪だと判断して、苦しんで死ぬか、楽に死ぬか、”殺してくれ”っていうまで生かされるか。
死んだ者は全員、ヴァズレの領主の館に送り届ける事にしてある。
そして、最後のヴァズレ男爵は「カエサル。男爵に伝えろ『男爵の奮闘に、侯爵はいたく感心されて、殺すに忍びないと言われて、馬車と道中の食料を渡すので、好きな所に戻ればよい』って僕が言っていたって感じで伝えて、使っていつ馬車と食料とさっき捕まえて、許して欲しいと言った奴らから数名従者として使って送り届けてあげて。」「かしこまりました。」「なるべくゆっくりでいいからね」「はい。」
▲▽▲▽▲▽▲▽「男爵。侯爵からのご命令で、卿を、ここで開放せよとの仰せだ」「なに?侯爵は何を考えている?」「私などにわかろうはずがございません。ですが、侯爵は、男爵の勇敢な指揮や奮闘を痛く感心されて、殺すには惜しいが、自分につかえてくれないだろう。だったら再戦の機会を与えようとおっしゃって、馬車も道中の食料と部下を返してやれとの事でした」「とんだあまちゃんだって事だな。儂がそれで、裏切ると考えているんだろうが、お前ごとき成り上がり者に膝を屈する貴族ではないわ。再戦の機会をくれるというのなら、素直に受け取ろう。しかし、次はお前が血の海に沈むんだ。成り上がりの小僧などにまだ負けてはいわない!!」「どうぞ、ご随意に、ヴァズレ街でも、アドゥナ街でも好きな所にお行きになればよろしいでしょう。私はこれで・・・。」
「男爵様よくご無事で」「あぁありがとう。お前たちは?」「はい。捕えられましたが、すきを見て逃げてきました。男爵様をどうやってお救いしようかと考えておりました」「そうか、他の者は?」「わかりません。私達他は.....」「そうか・・・・よく来てくれた。それでは、侯爵軍から奪った馬車で帰るとするか」「はい。他の方々もすでに、ヴァズレ街にたどり着いている頃でしょう。」「あぁそうだな。」
「男爵。ヴァズレ街が見えてまいりました。」「そうか・・・。」「どういたしましょうか?」「そうだな。儂の館に向かってくれ、子爵とウォルシャタ殿と合流してさっき聞いた話をする。」「かしこまりました」
「男爵。着きま・・・。」「どうした?子爵様。」「ヴァズレか、ご苦労だったな。中に入れ、話がしたい。」「はい。」
「ヴァズレ。貴様裏切ったな?」「え?何を?」「言い逃れができると思うのか?それとも、儂や伯爵がそんな事も解らない馬鹿だと思っているのか?」「いえ・・・私は何も・・・・」「まだ、しらをきるのか?これはなんだ。お前が、侯爵と交わした覚書ではないのか?そこには、儂やウォルシャタ殿や伯爵様の情報を流す見返りに、旧アゾレム領やアロイ。メルナ。そして、子爵になることを約束する証書ではないのか?」「・・・・嘘だ。そんな者かわしていない。私は領地を奪われて、それを取り返しただけです。」「嘘をいうな。ウォルシャタ殿が街に入った時に、侯爵から逃げてきた部下たちが話しておったぞ、ヴァズレ者だと言った者だけが助命されて、他の者は連れて行かれたとな。」「・・。儂は何も・・・。子爵様。信じて下さい。」「それだけではない。ウォルシャタ殿が街になだれ込んだ時に、リン=フリークス達は卑怯にも街に火を放っていったが、お前の関係する商会や職人の所は一切あらされていなくて、火もつけられていなかったぞ。伯爵や儂の所の商家は尽く焼失しているのにな。」「違う。罠だ。罠なんだ。儂は本当に裏切っていません。儂は儂は・・・」「それだけじゃない。そうだな。ウォルシャタ殿?」
「えぇそうだな。ヴァズレ。お前はなんで帰ってきたんだ?」「言っている意味が・・・。」「お前は、何で生きているんだ?と聞いているのだ?」「・・・・・。」「黙る所を見ると、やはり裏切っていたんだな。お前の部下は尽く殺されているのに、お前は裏切ったから助命されたんだろう。この薄汚れた裏切り者。お前の部下たちは、頭だけになって、帰ってきたぞ。お前の息子以外全員な!!!!」「!!!!!!うそだ。うそだ。うそだ。騙されないで下さい。私は私は誰も裏切っていません。」「西沢ゴーチエこいつに息子を合わせてやれ。」「あぁそうだな。ほれ、最後の別れだ。存分に惜しめよ。」
「息子は....私は....」「目の前に居るだろう。見えないのか?ほら、その頭がお前の息子だ。最後は、しょんべん垂らしながら泣きわめいていたけどな。安心しろ。ゆっくりゆっくり、身体に剣が刺さっていくのを楽しんでもらったからな。ほら、快楽を楽しんでいる顔だろう?大丈夫。お前ももうすぐそうなるんだからな。裏切り者!俺たちは正しく正義なんだよ。俺たちに逆らったら裏切ったらこうなるんだよ。わかったか。」
「ぁあぁだふふぃがぎゅっざうゔぁぁかあぁばぁあえ」
山崎エスタールやれ!」「おぉ」
「子爵様。これで良いでしょう?」「あぁウォルシャタ殿ご苦労だった。」「はっ」「子爵様。男爵の死因はどう伯爵様に連絡いたしましょうか?」「取り繕っても仕方あるまい。男爵と息子は、伯爵様を裏切って、侯爵に情報を流していた罪で処刑したと報告する。ウォルシャタ殿。貴殿にも名前を連ねてもらうぞ」「かしこまりました」
▲▽▲▽▲▽▲▽
「リン。男爵は殺されたね。」「あぁそれも仲間を裏切った裏切り者として・・・。」
「さて、次は同級生に会いに行きますか!」「そうだね。殺すの?」「相手ので方次第かな?」「そうなんだね。」「うん。」「ねぇリン。三塚マニュエルには、私とリンだけで会いに行かない?」「・・・・サリーカも会いたがっているかもしれないよ。」「そうだけど、でも、やっぱり、私とリンだけにしよ。」「・・・そうだね。それが良いだろうね。」

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