【旧】チート能力を持った高校生の生き残りをかけた長く短い七日間

北きつね

パシリカ(予定)

泊まっていくのかと思ったが、本当に心配しての施設見学だったようで、一通りの施設を見て回ったら、今日は帰ると言う事だ。
「マノーラ侯。」「はい。陛下。」「いや、いい。アデレードをよろしく頼むな」「はい。勿論です。」「アデレード。侯爵と末永く、トリーア王家を見守ってくれ。お前たちが居れば、ローザスも大丈夫だろう。」「はい。お父様」
「リン君。」「ん?ローザス兄様。どうかされましたか?」「義弟が暴走しないように、妹に頼もうかと思ったが大丈夫なようだね。」「暴走なんてしませんよ。それよりも、ローザス。これからもいろいろ頼むな。」「まかせろ。」「うん。島に移動して国を作っても、やっぱり僕はトリーア王国の人間だって思えているからね」「ありがとう。君が君達がそう思い続けてくれるような国で有り続けたいと思うよ。」
「リン。ルナを頼むな」「はい。必ず幸せにします」「うん。いい返事だ。それから、ついでにローザスの事も頼むな」「はい。」
「侯爵様。」「ウォード伯。貴方の息子になるのですから、侯爵と呼ばないで、リンとお呼び下さい。」「・・・それでは、マノーラ侯。」「はい。」「マルティンの事をよろしくお願いいたします。」「はい。勿論です。」「マルティンも、マノーラ侯と仲良くするんだよ。」「はい。お父様。お母様。大丈夫です。私は、皆さんよくしてくれます。」
「リン様。私は、ローザスに、言われて、ギルドに登録しました。そうすれば、この島の迷宮ダンジョンにもはいる事が出来ますか?」「えぇ問題ありません。ファンなら、中級冒険者の為の神殿でも問題ないと思うから、そっちから挑戦してみるといい。」「ありがとうございます。あっトリスタン殿。眷属の紹介ありがとうございます」「ん。あるじさまの為になるのならみんな喜んで協力するよ。」「ファンなら、上級踏破も出来るだろう期待しているよ。」「えぇその期待に答えてみせましょう。踏破のあかつきには、リン様との模擬戦を所望いたします。」「いいですよ。私などでよければ、なんなら、ミルや眷属でもいいですよ。」「・・・・解りました。上級を踏破したときに、改めてお願いに上がります。」「うん。待っているよ。」
「リン=フリークス。」「はい。」「すまんな。」「いえ。私は自分の為にやっている事です」「それでもな。余の不徳のツケを其の方やローザスやハーレイと言う次世代の者に払わさせている様な気がしてな」「そんな事ありません。私も、多分ローザス皇子やハーコムレイ次期辺境伯もそんな事を思っていません。」「・・・・だといいんだがな。」「陛下。」「なんだ」「もし、お心をわずらわせているようならば、、、、どのような結果になろうとも、結果を肯定していただきたく思います。」「わかった。それは約束しよう。」「ありがとうございます」
一通りの挨拶をして、アデレードとマルティンが陛下達を見送っていく。僕は、大使館を青龍街道の開始地点の近くに作る事にした。それほど大きくなくても良いとの事だから、通常の宿屋をイメージして作る事にした。ただ、お堀や石壁で周りを囲むようにした。ユニットバスを備え付けた寝室を4つ度用意して、地下に書庫を作成した。大使館なら大使が常駐する事になるだろうから、使用人の部屋も必要だろうと思って、大使館の敷地内に使用人の部屋を用意した。案外大きくなってしまったが、まぁ許容範囲内だろう。マノーラ神殿には住居はそれほど多く作らせないほうがいいだろう。同じサイズの大使館を10個作っておいた。足りなければまた作ればいいとは思っていたが、用地の関係で先に作っておくことにした。
屋敷に戻ると、セルケルが出迎えてくれた。「リン様。メルナからの引越し作業が滞りなく終了いたしました。」「ありがとう。僕の都合でも手間かけさせたな」「いえ滅相もございません。今日のご予定はこの後は何もございませんがどうなさいますか?」「みんなは?」「奥様方は、遊技場でお寛ぎでございます」「解った、しばらくしたら食事にするから用意頼むな」「かしこまりました。何かご注文はありますか?」「特に無いからシャイドに任せると伝えておいてくれ」「かしこまりました。」「うん。準備ができたら遊技場に呼びに来てくれ」「はい。かしこまりました」
遊技場に行くと、イリメリを筆頭に疲れ切った顔で休んでいた。今回の遊技場は、小上がりを作成して再現した畳を敷いて掘りごたつを再現している。気温調整可能な結界を張っているので、広い遊技場でもあそこは気温が一定に保たれている。
「イリメリ。ありがとう。」「ん。いいよ。それよりも、陛下達は何だったの?」「ローザスとハーレイは、諸事の確認だね。陛下達は、島の状態が心配だったみたいだよ。一ヶ月かそこらで恥ずかしくない状態にしないとならないでしょ。」「あぁそうか、モルト達の話がまとまると、1ヶ月か2ヶ月位で各国から人が来るんだったね。」「そうなる。それで心配してきてくれたんだよ。そうだよね。アデレード?」
「そうじゃな。父上も心配症でな。」「そうだったの?何か問題はあったの?」「特に無いみたいだな。強いて言えば、心配するのが馬鹿らしくなったと言っておったぞ。」「あっそれはわかる。結局、リンのやることを心配しても無駄って事でしょ」「そうじゃな。妾もそう言ったんだがな。」「ねぇ二人共何気に酷くない?」「「どこが?」」「全体的に?!」「「そんな事ない」」「まぁいいか....それよりも、ミーシャとウィンザーは?」「ミーシャは疲れてぐったりしていたよ。ウィンザーは、ミルと一緒に迷宮ダンジョンに向かったからそのうち帰ってくると思うよ」「そうか...」「なにどうしたの?」「いや、さっき思い出したんだけど、二人が今年パシリカだから、どうしようかなって思ってね。」「どうしようとは?」「ニグラに行かせて、宗教都市ドムフライホーフでパシリカを受けてもいいんだけど....少しだけ待って、マノーラ神殿に教会ができてから改めて行ってもいいかなって思うんだよね。」「そうだね。」「うん。二人の意見を聞いてみようと思ってね。それに、実際の所はパシリカの意味もあまりないんだけどね」「ん?どういう事?」「だって、二人共、スキルには目覚めているし、ジョブも付いているし、真命もついているんだよ?」「あぁそう言われればそうだったね。教会がやっている事の上位版のニンフの加護を貰っているんだった。」「そ、それでも、成人の儀式としてのパシリカは必要だろう?」「そうだね。一区切りって感じにはなるよね」
スキルやステータスの隠蔽を考えると、マノーラ神殿の教会でやったほうがいいのは間違いない。そうなると、二人だけってわけには行かなくなりそうだ。
ミルとウィンザーが帰ってきた。「リン。ロングフィールドの迷宮ダンジョンだけど、魔物の数が少ないと思うよ」「え”そうなの?」「あぁ同じ様になっているクラウドホースの方が魔物が多い。個性だって言えばそうだけど、調整したほうがいいかも」「わかった、例えばだけど、ロングフィールドの方は小型種が多く出て、クラウドホースは大型種が出るようにするとかでもいいのかな?」「それなら個性ってわかるからいいと思うよ」「了解。そうしてみるよ。あぁミル。ウィンザーが一緒じゃないの?」「あぁ地下14階によってからこっちに来るよ」「ん?地下14階に何かあるの?」「え”リン。知らなかったの?」「ん?何のこと?」「行ってみればわかるよ」「あっ私も一緒に行く。話には聞いていたけど、確認していないから....。」
イリメリも存在は知っていたようだ。14階は確か気分が乗ってしまって、水路で街を作った気がする。まぁ行ってみればわかるか、建物も殆ど作っていなかったと思うんだけどな。
結局、ほぼ全員で14階に転移した。そこには、僕もびっくりするような街並みが再現されていた。それこそ、ベネチアのような感じで水路も整備されて、まだまだ家は少ないが、それでもしっかり整備されているのがわかる。転移門トランスポートから一番近い建物には、マノーラ家の印章が刻印されている。
「ミル。あそこは?」「あぁマヤとニンフ達が普段過ごしている場所だよ?」「へぇ~」
「マヤ!居るの?」「リン。いらっしゃい。」「マヤ。この館は?」「ん。ニンフ達が普段生活する所で絶対的に安全になる場所がほしかったからね。」「なんだ言ってくれれば作ったのに・・・。」「自分たちで住みやすい感じにしたかったからね」「そうだったんだね。普段姿を見ないと思ったら、ここに居たんだね。」「そ、ここは、転移が使えないと来られないでしょ?」「うん。14階はそうだね。」「それに、眷属たちだけの街だから余計に居心地がいいんだよ」「へぇそうなんだね。解った。それなら、マヤやニンフ達に用事がある時には、ここを訪ねるようにするよ。」「うん。そうして、それで今日はそれを確認しに来たの?」「ううん。ウィンザーが14階に来ているって話だったからね」「あぁ鍛冶屋だね。」「鍛冶屋?」「うん。ミル。何にも説明してないの?」「マヤがしていると思っていたんだよ。」「僕?僕は、ミルかイリメリが説明していると思っていたんだけど...」「貴女達ねぇそんな悪い所だけリンに似ないで欲しいよ。」
「リン。あのね。14階は、眷属たちが街で生活するための訓練所のような所として作っている場所なんだよ」「へぇそうなんだね」「ヒューマとカエサルは、普段は14階に居るんだよ」「そうなんだね。」「うん。それで、マガラ神殿で修行をしていた眷属たちがここでお店出したいって言っていたから、マヤに話をしたらOKって事だったから、てっきり、リンに話が通っているのかと思ったよ」「ん?初耳だけど、別にいいよ。マノーラ神殿の迷宮ダンジョンは眷属たちの好きにしていいって事を最初に伝えているからね」「そうだけどね。」「まぁいいよ。それで、鍛冶屋とか...あぁそうかぁそうかぁ。カルーネが作った物だと、ニグラとかでも修繕できないから、ここに来ているんだね。」「そういう事。素材も眷属たちが集めてきてくれるし、ここでなら修繕が簡単に出来るし、カルーネの技術を盗む手助けにもなるんだよ」「へぇそうなんだ。レインとかはどうしているの?」「ギルドカードを使っているよ?」「ギルドカード?」「うん。ダメだった?」「ダメじゃないけど、ヒト型以外の魔物は持てないでしょ?」「あぁタシアナ。」「あぁギルド珠の説明?」「うん。お願い。」「ギルド珠?」「うん。ギルドカードと同じ様な機能を持たせた物だよ。まだ試作段階だけどね。まずは、眷属で試してもらっているんだよ」「へぇステータス不可視の魔珠と矛盾しない?」「うん。大丈夫だよ。今の所そういう話は出てきてないよ」「そうなんだ。それで、眷属たちにギルド珠を持たせて、ここで実験しているの?」「そう。ちょうどいいでしょ?」「うん。了解だよ。」
街中を歩いていると、眷属たちが普通に生活しているのがわかる。商店のような物もある上に食堂も存在している。ちょっとした異文化コミュニケーションが取れそうだ。でも、人族をここに誘致するのは止めておこう。ここは、眷属と僕達だけの場所にしておく事にする。水路に船を浮かべてベネチアの様にゴンドラでの移動もありだろうな。
そんな事を考えながら歩いていたら、街の一角に鍛冶屋が集まっている所に着いた。
ウィンザーはそこで剣を研ぎ直して貰っているのだと言う事だ。少し行くとミルが「ここだよ。ウィンザーが懇意にしている職人だよ」「へぇ腕がいいの?」「ううん。そういうわけじゃなくて、ウィンザーの剣が元々彼の作品なんだよ」「そうなんだ」「うん。ウィンザー。作業は終わった?」「あっミル姉。リン様。」「いいよ。いいよ。」「あっはい。作業は終わりました。今、最後の調整をしてもらっています。」「そう、それじゃ外で待っているから、終わったら合流してね」「はい。解りました」
店を出て、街並みを見ながら散策をしている。ミルやイリメリ達も物珍しそうに歩いている。「リン様。おまたせいたしました。」「うん。もう大丈夫なの?」「はい。調整してもらいましたので大丈夫です。」「そうか、なら戻ろうか?」
皆で屋敷に戻って、遊技場に向う。小上がりで休んでいたミーシャを加えて今年のパシリカをどうするのかを聞いた。
「ミーシャとウィンザーは、今年パシリカだと思うけど、ニグラの宗教都市ドムフライホーフで受ける?それとも、少し遅くなってしまうけど、マノーラ神殿の教会で受ける?」「え?私達ってパシリカ受けた方がいいのですか?」「本当の事を言えば、パシリカは必要ないけど、成人の区切りだからね。気分的に受けておいた方がいいかなって思ったんだけどね」「それなら、マノーラ神殿の教会で受けたいと思います。」「そうか、了解だよ。ミルもタシアナもそれでいい?」「うん。僕に異論はないよ」「私も。」「それなら、教会が出来るまで待っててね。」「「はい!」」「そうだ、今年学校を卒業する子でパシリカを受ける子も居るんだよね?どうする?」「解らない。そろそろ学校に戻ってきていると思うから、島に移動してくるかを含めて聞いてきていいですか?」「勿論だよ。ミルとタシアナにお願いしていい?」「解りました。」
早速、4人は地下二階にある学校に移動するようだ。ついでに、地下二階の食堂で働いている人たちにも移動が出来るかを聞いてきてもらう事になった。今、地下二階には学校関係者しか居ないので、彼らの移動ができたら、学校施設を取り壊して、草原+森林にして動物や昆虫や魚だけの層にして資源や食料の採取が出来るようにしておきたい。地下一階が魔物が多少出るフロアで地下二階が魔物が一切出ないフロアにしておいて採取が出来るようにしておけば食糧問題も困らないだろう。
そうだ、一つ思い出した。『マヤ。今大丈夫?』『ん。どうしたの?念話なんて珍しい。』『一つ頼み事がある。』『なに?』『うん。サラナとウーレンを地下14階に引っ越しさせて欲しいんだけどできそう?』『・・・。遅いよ。リン。』『ん?どういう事?』『二人は、もう14階に居るよ。』『え?そうなの?』『うん。リンが、眷属たちに地下二階からマノーラ神殿の地下に移動命令を出したときに、一緒に移動してきているよ。』『なんで?いいの?』『うん。それに、眷属たちからも信頼されているからね。眷属たちが採取してきた素材を街に売りに行っているのが二人なんだよ』『あぁわかった。それならいいや。それを頼みたかっただけだからね』『了解。それじゃ二人はここで生活させるよ?』『うん。いいよ。そのうち二人にもいい人を見つけないとね』『大丈夫だと思うよ。』『そうなんだ。決まったら僕にも教えてね。お祝い位は出したいからね。』『了解。』
これで懸案事項が片付いた。「リン。あれ?タシアナは?」「あぁマガラ神殿の地下二階に学校関係者の移動に関して説明しに行っているよ。」「ミルと一緒に?」「うん。そうだけど?」「いや、それならいいんだよ。あぁリン。名付け何だけどね。」「うん。終わった?」「何バカな事を言っているの?」「名付けた端から増えている状況で終わりなんてまだまだだよ。」「そうなんだ。今どのくらいのペースなの?」「一日で1.8万~2万って所かな」「へぇ10倍位の速度にはなっているんだね。」「慣れてきたからね。それに、口上が必要ない事もわかったから、大分時間の短縮になっているよ。」「へぇ今はどこで名付けをしているの?」「ん?地下一階だよ。」「え?あそこ何もなかったよね?」「うん。だから屋敷を一つ建てて、その中に名付け部屋を作成して、順番に名付けをしているって感じだよ。」「占い部屋みたいな感じ?」「あぁそうそうそんな感じ。私達はどちらかと言うと病院のイメージだったけどね」「あぁそれもわかる。待合室で待っていて、順番に呼ばれるって感じなんだね。」「そそ」「へぇその施設そのまま使えそうだね」「まぁねぇ」「でも、今後も名付けのジョブは続くだろうから他に転用は難しいと思うよ。」「そうなのか....まぁ病院を作っても、僕達にその知識は無いからね。」「そうだね。いいところ治療魔法や回復魔法で誤魔化すだけだからだったら占いの館とかの方が面白そうだけどね。」「占いかぁ誰か出来るの?」「どうだろう?」「まぁいいか、今後の課題として置こう。」
「あっイリメリ。タシアナに何か用事があったの?」「そういうわけじゃないんだけど、今日の名付け結果をまとめておこうと思っただけだよ」「あっそうなんだね。」「うん。配置に関しても行わないとならないからね」「神殿の広さは大丈夫?」「リン。大丈夫?」「何が?」「だって、神殿には半径40kmの円状の敷地が14層有るんだよ?」「そうだね。まぁパターンがいろいろ有るから一概には言えないけど...。」「地理苦手だっけ?」「ん?勉強が苦手だよ。」「そうじゃなくて...まぁいいよ。一つの層の大きさは、5,024k㎡だよ。それはわかるよね?」「そこまで馬鹿にしないでよ。」「よかった。この広さが、千葉県よりも少し小さい位だって事は認識している?」「え?そうなの?」「うん。千葉県の広さは5,100k㎡位だと思うよ」「そうなんだ....」「うん。それが14層でしょ。北海道には及ばないけど、かなりの広さを持つ事になるんだよ。」「え”北海道ってそんなに大きいの?」「リン。今それはいいから....」「あぁそうだね。」「そうか、ざっと計算して70,000k㎡に多く見積もって30万の眷属だとしても余裕なわけだね。」「そういう事。下手したら、14階とどこか他一箇所で十分だって事だよ」「そうなんだぁ少し安心した。それなら、名付けが終わったときに、改めて階層をいじってもいいよね。」「そうだね。その時には、ヒューマやカエサルやマヤ達と相談してね。」「了解。ありがとう。大分安心したよ」「うん。」
暫く、イリメリと雑談をしていたら、ミーシャとウィンザーが戻ってきた。「どうだった?」「はい。みんなこっちに移動してくると言う事になりました。」「そうか、それなら、今モルトが居ないからな、モルトが帰ってきてから移住計画を立ててもらうか?」「はい。」「リン。私とミーシャでやろうか?」「いいの?」「うん。」「そうだね。タシアナお願いできるかな?」「了解。」「学校があるのはわかるよね?」「うん。ロックハンドが学園関係者の街で、ベアーブックに学校があるんだよね?」「うん。連結馬車は走らせる事が出来るようになっていると思うから、それらを合わせて確認しながら移住してもらっていいかな?」「了解。明日からやるね。」「お願いね。」
タシアナとミーシャが逃げるようにその場を離れた。
「あぁぁぁタシアナ逃げた!!」「どうしたのイリメリ?」「名付けから逃げたって思っただけ....だけど、学校も大事だよね。」「うん。ゴメン。イリメリ。」「いいよ。後、1ヶ月位で今来ている魔物の名付けは終わると思うからね」「そうかぁ無理しなくていいからね。」「うん。ありがとう。無理していないから大丈夫だよ。それに、人間よりも文句言わないから楽でいいよ。」「そっかぁなんかゴメンね。」「いいよ。それに、いろんな眷属と話せて楽しいって事もあるからね。」「へぇ今度ゆっくり聞かせてね。」「いいよ。」
食事の用意ができているようだったが、各々別々に取ることになった。僕は、執務室に食事を運んでもらった。エミールとミルとウィンザーが一緒に取る事になった。
「ミル。どうしたの?」「なんだか、もう一年って言っていいのか、まだ一年って言っていいのか」「そうだね。僕は、まだ一年って感じだよ。やり残した事も多いからね。」「やり残した事?」「うん。ニノサとサビニを見つけられていないからね。」「あっゴメン。」「ん。いいよ。気にしちゃぁダメだからね。」「ん。でも「ミル。いいよ。あのときに、ミルが居なかったら僕は違う道を進んでいたのかも知れないからね。ありがとう」・・・・リン。」
「あっリン様。そう言えば、監獄街の人たちどうするのですか?」「エベンス達?」「はい。」「折角、準男爵になったからね。そのままでいいと思うけどね。」「そうですか・・・。」「あぁそれに、ゴムの生産をあそこでやっているからね。それがこっちに持ってきても大丈夫な感じになるまでかな」「そうですね。」
ドアがノックされた。「リン。ちょっといいか?」「ん。いいよ。どうしたの?」「あぁローザス兄様が、明日でも明後日でもいいから、宰相への対応について話がしたいと言ってきたんじゃが」「今日言ってくれればよかったのに....」「いや、さっき新しい連絡が入ったらしんだ。リンの所にも連絡が届いていると言っていたぞ」「そう?」
こういうときにモルトが居ないと不便を感じる。家の中だけなら、セルケルで十分だけど、対外的な事はモルトが中心になってしまっている。
「セルケル。」「はっ」「僕あてに書類が届いているって言っているんだけど....」「こちらに届いているのは、そちらに有るだけです」「リン様」「オージュ。どうした?」「はい。お話の所申し訳ございません。メルナ屋敷に残してきた物が書類を持ってきました。」「あぁそうか、あっちに届いていたんだな。ゴメン。ゴメン。」「いえ。これになります。」「あぁ確かに。ありがとう。」
書簡は、宰相派の伯爵二家からの書簡だった。連名になっている。定形文章で始まって、最初は寄子への不用意な干渉は控えるように書かれていたが、神殿を使わせてくれる事への礼で終わっていた。その上で、自分たちも使わせてくれないかと言う事になっている。
「アデレード。どう思うこれ?」「形式はしっかりしているが、相当焦っているように見えるな。」「そうだよね。ローザスは何か言っていた?」「あぁローザスに泣きついてきた男爵や准男爵も居るようだぞ」「へぇ」「あぁあとハーレイが、買い取れる分は買い取って、ほぼ男爵や准男爵が投資した金額はこちらで買い取ったようだぞ」「そっかぁ後は、伯爵や子爵と豪商だね。」「解った、明日はメルナの屋敷に居るから、いつでもいいから訪ねてきてって言っておいて」「了解。妾も行こうか?」「そうだね。あと、イリメリも誘っておいて」「わかった。」「ミルとウィンザーは明日は今日調整した迷宮ダンジョンを見ておいて」「りょうかい」「エミールは、僕と一緒に来て。」「はい!」「トリスタンはどうする?一緒に行く?」「もちろん。主様と一緒に行く!」「明日は、最初にマガラ神殿の地下三階によって、フレットと少し話をしてから、メルナ屋敷で過ごそう。」
明日の予定が早々に決定した。もうすぐ宰相も詐欺に気がつくのだろう。それとも、もう気がついていて、ダメージが小さい間に、ウォルシャタを切り離すつもりなんだろうか?まぁもうすぐそれもわかるだろう。

「【旧】チート能力を持った高校生の生き残りをかけた長く短い七日間」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く