【旧】チート能力を持った高校生の生き残りをかけた長く短い七日間

北きつね

内政と大使館

地下三階での買い物を終えて、屋敷に戻ると、丁度モルトが一旦戻ってきて、執事バトラーのセルケルに最終確認を行っていた
「リン様。少々留守に致します。」「うん。無理しなくていいからな。」「はい。心得ております。それでは、行ってまいります。セルケル。任せましたよ。」「はい。解りました。」
モルトがドラウとゴルドを連れて、書状を持って出かけた。見送りを済ませると、今度は、アデレードが帰って来た。
「ちょうど良かった。リン。少し困った事になった。」「どうしたの?」「あぁローザス兄様だけじゃなく、父上まで来てしまった。一緒に、母上も.....そして、二人の姉上も....すまん。断れなかった。」「あっ・・・。まぁしょうがないよ。でも、それだけじゃないでしょ?」「・・・・。あぁ」「リン様。ゴメンなさい。父上がどうしてもって言って・・・。」「マルティン。いいよ。ウォード伯はご招待しなければならないですからね。」「でも...お祖父様まで....」「え”?前ウォード伯?」「はい。そうです。私のお祖父様です。」「・・・・。ルナまで居るって事は....。」「うん。ハー兄様が来ているのはもうしょうがないと思うけど、父上に母上に、ハー兄様の第一夫人まで.....。子供たちが来ていないのが幸いだけど....。ゴメン。リン。」「いいよ。しょうがないよね。それでご一行はどうしているの?」「ミルとイブンが付いて、エミールが案内しながら、王城を見学しているよ。」「そうか、困ったな。それだけの人を泊める場所も食事は...大丈夫だけど、寝る所も無いよ。護衛も来ているんでしょ?」「・・・・。それが、この大陸で一番安全な所だろうからって言って、ファンさんだけしか連れてきていないんですよ....」「はぁ?よく、それで出てこれたね。」「それは、前にリンが作ったマガラ神殿に繋がる転移門トランスポートがあるだろ?」「あぁ確かに、あれを使えば、護衛とか煩そうな人から逃げる事は出来るけど...いいの?」「ダメだろうな。」「だよね.....。」
イブンが戻ってきた。「ルナ様。あっリン様もご一緒でしたか。」「イブン。ありがとう。それで、御一行は?」「はい。今、エミールが案内しています。リン様が居たらお話をしたいと言う事です。」「うん。解った、城の会議室に通して、僕も行くよ。」「かしこまりました」「アデレードとルナはどうする?」「もちろん。行くよ。」「ありがとう。」
イブンが先に小走りで戻っていって、僕達3人はお互いの顔を見てから、肩をすくめながら、王城に向けて歩き始めた「そう言えば、アデレードの上のお姉さんって会った事ないよね?」「え”リン。会っているよ?」「そうなの?ってなんでルナが?」「なんだ、おぬし知らなかったのか?」「だから、何を?」「妾の一つ上の姉は、ハーレイの第一夫人じゃよ?」「え”そうなの?」「うん。てっきり、リンは知っていると思っていたよ。」「ううん。今始めて聞いた。」「・・・・」「えぇ~と、、、僕は、ハーレイの2つの意味で義弟になるの?ローザスから見てもそうだよね?」「兄様からだともう少し複雑になるな、マルティンの事もあるからな。」「あっそうか、ローザスからみたら、妹の旦那で、姉の娘の旦那?って事になるの?」「そうじゃな。」「リン。それを言うのなら、一番ややこしいのは、陛下から見た時じゃない?」「うん。面倒だから、もう考えない。」「それがいいだろうな。」
一夫多妻だとこういう事が発生するんだな。
王城には会議が出来る部屋が幾つか用意してあるが、人数的にも謁見の間が良いだろうと言う事になったようだ。陛下が居るのにいいの?とは思ったが、本人たちがそれで問題がないと言うのだからいいだろう。
謁見の間に行くと、皆揃って座っていた。右側に僕達の関係者が左側に陛下を先頭にして座っている。御前会議のような事が出来るように、謁見の間では、テーブルと椅子が格納されていて、ボタンで設置/格納が出来るようになっている。
「マノーラ侯爵。久しいな。」「陛下。おいでになるのでしたら「婿に会いに来るのに、そんな形式は必要ないぞ」....」「父上も母上も、こちらにも準備という物があります。兄様ではないのですから・・・。」「アデレード。それはどういう意味だ?」「言葉通りですよ。義弟とはいえマノーラの屋敷のプールに勝手入っているような人はその程度の扱いでいいのです。」「ローザス。お前、そんな事していたのか?」「まったく・・・・。私を紹介してくださいよ。」「あぁそうだった、リン君は初めてだったね。僕の妹でアデレードの姉になる。イエラだよ。」「はじめまして、マノーラ侯爵。アデレードとローザスとハーコムレイがお世話になっております。」「いえ、イエラ夫人。こちらこそ、皆さんのおかげで今の僕があると思っております。」「いえ、本当に、ハーコムレイの妹思いには困った事だと思います」「大丈夫です。出会った時から変わらない妹思いシスコンでしたので、なれました」「おい。リン。何か違った言い方しなかったか?」「ハー兄様は黙ってて」「あなたは黙っていて」「マノーラ侯爵。これからも、ルアリーナとローザスとおまけでハーコムレイをよろしくお願いいたします」「はい。もちろんです。」「おまけって、お前まで....リン。ローザスは兎も角、ルナを悲しませたら許さないからな。」「はい。解っていますよ。"おにいさま”」
「其の方等の話を聞いていると飽きんな。」「陛下。僕はそんなつもりはありませんよ。それよりも、今日のお越しは?」「あぁアデレードが、マノーラ城ができたと言っていたのを聞いてな。文句を・・・いやいや問題がないか見に来たのじゃよ」「はぁそうなのですか?」「侯爵よ。この城や城下町と言うべき物は、全部神殿の力なのか?」「いえ、神々の奇跡です。」「あぁそういう事にしているのだな。それで実際には?」「はい。僕の魔法と神殿の力です。」「そうなのか?」「はい。」「マガラ神殿でも出来るものなのか?」「さぁやってみないとわかりませんが、多分、出来ると思います。」「そうなのか....初代が言っていたのはそれだったんだな」「何かあるのですか?」「あぁ初代からの言葉なんだがな。アロイとメルナは必ず王家直轄領としろと言われていたんだ」「へぇ初代が作ったのがマガラ神殿だけど、管理者が居なくなって久しいって事でしたよ?」「余も気になって調べんたが、二代目までは出てきたのだが、三代目当たりから一切出てきていない事が判明した。」「そうだったのですか?気になるようでしたら、神殿に残されていた書籍をお調べになりますか?」「よいのか?はい。僕達が王家に対して隠さなければならない事は一切ありません。」「そうか、ローザスどう思う?」「はい。マノーラ侯がおっしゃっているように、王家の研究員に調べさせるのも良いかと思いますが・・・・。陛下、その資料は私達だけではなく、マノーラ侯にも必要な物だと思います。」「そうだな。侯爵よ。どう思う?」「どうと言われましても、アデレードどうしたらいい?」
なんか、含み笑いをアデレードがしていたので、何か相談されていたんだろう。「そうだな。リン。王城の中とは言わないが、どこかに、トリーア王家の自由に使える館なり部屋なりを作れないか?そこに、書庫を作成して閲覧出来るようにしておけばいいのではないか?」「ローザス。陛下。アデレードがこう言っていますがそれでどうでしょうか?」「私はそれで良いかと思いますが、陛下どうでしょうか?」「余もそれでよい。マノーラ侯よ。館の建設をお願いできないか?」「えぇ問題ないです。王城の中でも良いのですがどういたしましょうか?」「リン。トリーア王家だけを特別扱いしてくれるのは嬉しいが、妾が思うに、それではダメじゃよ。」「ん?」「父上。兄上。トリーア王家の屋敷は王城の外で青龍街道近くにお堀を作るような感じで作成致します。いいですよね。」「あぁそれでいい。リン君。アデレードが言う通りだよ。君はこれから、王になるんだからね。トリーア王家だけを相手に出来るわけじゃないんだからね。」「ありがとうございます。それでは、青龍街道近くに屋敷を作ります。地下に書庫を作ります。」「あぁそうだ!リン君。メルナの屋敷に合ったようなプールもお願いね。」「は?まぁいいですけど....準備をしておきますね。」「ねぇリン。それって大使館だよね?」「言われてみるとそうだね。そんな感じで作ってみるよ。」「なんじゃその大使館とは?」「えぇ~と・・・・。」「(リン。イリメリを連れてくる?)」「(それがいいけど、間に合う?)」「(うん。5分頂戴)」「(了解。)」
「説明の前に、お茶にしましょう。エミール頼めるか?」「はい。」
エミール。そこで笑っちゃダメでしょ。ローザスとハーレイは、やれやれって顔しているし....。エミールがお茶の準備をしてくれている間に、王城の事を聞かれたので、いろいろ正直に答えておいた。アデレードのお姉さん方からは、早く子供を作れと言われたが、それは16歳になって婚姻してからと言う約束ですとスジを通す形を取る。
「なに?リン?」「よかった。イリメリ。みんなに、大使館の意味と役割を説明して欲しい。」「なんでそんな事になっているの?」
まずは、イリメリに、流れを説明した
「たしかに、それなら大使館になるね。でも、ちょうどいいんじゃない。」
先に、イリメリが大使館の意味と役割を説明した。
「確かに、この島の特異性を考えると、その大使館と言う物を作る意味は大きいだろうな」「そうだな。誰がここで勤務するのかと言う問題はあるが、本当に他の国々も大使館を作ったらすごい事になりそうだな」「あぁ今までできそうでできなかった大陸の国々が集まっての会議が出来るのは大きいし、紛争を抱えた国同士でもここで第三者を交えての会議なら下手な事ができないだろうからな。」
どうやら皆が納得してくれたようだ。流石イリメリだ。まだやり残しがあると言う事で、挨拶だけ済ませて、イリメリは退出した。
ここで、安心した陛下とウォード家やミヤナック家の皆さんは、アデレードに連れられて、地下の施設を見学してから帰ると言う事だ。残ったのは、ローザスとハーレイとファンだけが残っている。
場所を、普通の会議室に移して、もう少し突っ込んだ話をする事になった。
「リン君。それで実際の所はどうなの?」「どうとは?こっちの話それとも、アゾレムの話?」「あぁ両方だね」「こっちは、今は各国に使者を出した所だよ。その返事次第じゃないかな。勝手にやるか、国々と歩調をあわせてやるかの違いだけだからね。断ってきたら、経済戦争を仕掛けるだけだからね」「怖いな。ハーレイ。お前の義弟は怖い事を平気で言っているぞ、なんとかしないとダメだぞ」「あぁそうだな。ローザス。お前の義弟でも、従兄弟でもあるんだろう。」「ふたりとも話が進まないからそれは置いておくとして、こっちの方は、大丈夫だよ。人がどこまで集まるのかが問題だけど、少なかったら、眷属を使うだけだからね」「へぇそうかぁリン。眷属はどのくらい居るんだ?100や200じゃ意味ないぞ?」「あぁ大丈夫。エミール。機能までの判明しているヒト型になれる眷属は?」「ヒト型ですか?正確な数はわかりませんが、亜人種を含めていいですか?」「あぁ」「それでしたら、12万ほどです。正確な数字の方がいいですか?」
「はぁぁ12万?120とかじゃなくて?」「ん?そうだよね。エミール?」「はい。獣形態のままを含めますと、21万になります。あぁ後昆虫が入りますと、さらに倍以上になると思います。」「だって、これだけ居れば大丈夫でしょ?」「君は馬鹿なのか?誰と喧嘩するんだ?眷属って事は、僕の所に来ている。ボリスやボノスと同じってことなんだろう?」「そうだね。付け加えると。トリスタン。」「なぁに主様」「このトリスタンのおかげで進化が加速しているから、ボリスやボノスと同等かそれ以上にすぐになれると思うよ。少しは安心できた?」「・・・リン君。そのトリスタンって、青金妖瞳ヘテロクロミアの竜種なの?」「そうだけど、よく知っているね。」「・・・・ハーレイ。」「あぁそうだな。」「二人してどうしたの?」「リン。お前がそんなんで良かったと思える日が来るとは思わなかったよ。」「僕もだよ。」「エミール。二人が言っている事の意味わかる?」「はい。多少は....。多分、トリスタンの素性にお気づきになったんだと思います。」「へぇすごいね。トリスタン。お前有名なんだな。」「主様が知らなすぎるだけ」「それで、トリスタンは、魔物の王なのか?」「ちがうよ。私は、竜族の女王。魔物の王は主様なの?」
「「!!」」「主様は、私の旦那様だから、主様が王なの。沢山の魔物を従える。魔物の王なの!!」「リン君。一気に話が飛んだけど....まずは、トリスタンが魔物の女王だって事は解ったよ。青金妖瞳ヘテロクロミアが証明しているからね。確かに、その女王の伴侶なら、王だろう。これもわかる。君はどこまで常識外れな事をするんだ?」「しょうがないだろう。トリスタンに名前を与えて、眷属化したらそうなったんだから、その為に今でも魔物が集まってきてしまっているんだからな。」「あぁぁそれで、最近トリーア王国の中で魔物の被害が減っているんだな」「素材はしっかり出しているだろ?」「あぁやっぱり現況はお前だったんだな。僕達はいいよ。マガラ神殿で買い付けして売りに行けるから、宰相派の商人が本気で困っていたぞ。」「へぇそうなんだ」「魔核の需要が変わって、小さな魔核でも値段が高くなってきているし、辺境の村々では領主に売るよりも、ギルドの商隊に売ったほうがいいからって、わざわざ商隊が来るのを待っている村まで出始めているからな。」「そんな事になっているんだね。」「もちろん、知っていたんだろう?」「そりゃぁもちろん調べさせているからね。」「そうだ、それで思い出した。リン。あの映像珠はなんだ?」「なんだっていわれても、映像を記憶して再生出来るものだよ?」「それは、アッシュから説明されてしっている。そうじゃなくて、なんでそんな事が出来るんだ?」「説明は面倒だよ。でも、便利でしょ?」「便利すぎるわ!最初見たときに腰が抜けそうになったわ!」「そりゃぁ見たかったな。ローザスが慌てる所なんて滅多にみれないからな。でも、あれは量産できないから、あまり便利じゃないよ」「そうなのか?」「うん。数を出す事は出来るけど、誰でも”録画”出来る物じゃないからね。再生は出来るけどね。」「へぇそうなのか?」「うん。」「これから、どうするつもりなんだ?」「あぁあれ?これからもアッシュに使わせるだけだよ。暫くはね。」「そうか、汎用型ができたら真っ先に知らせて欲しい。買えるだけ買わせてもらうからな」「了解だよ。」
「あぁいろいろ衝撃的すぎて忘れていたけど、それだけの数の眷属をどうするんだ?」「神殿の地下に施設を作って住んでもらっているよ。」「地下?そんなに広いのか?」「うん。多分....ニグラの広さがわからないけど、大体ニグラの15~20倍位の広さの層が14層かな?」「は?」「もう一度言う?」「いやいい。」「そこに、眷属が集落を作っているよ。」「食料とかはどうしているの?」「他の神殿で、獣を狩猟したり、漁にでて魚を確保したり、鉱石を見つけて武器防具にしたりしているよ。」「全部そろいそうだな」「うん。だけど、それも僕が知っている物だけになっちゃうから、なるべくいろんな地域の素材を知って、充実させていきたいんだよ。ね。エミール。」「えっあっはい。」「君も大変だね。こんなのが旦那だと苦労しかしないだろうね」「いえ、そんな事は....それに、アデレード様やルアリーナ様もいらっしゃいますから、大丈夫です。」「そうだった。」
みんなで僕を見つめても困るんだよな。「あぁそれで、話を戻して、アゾレムだったよね。」「・・・そうだ、リン。どうする?男爵になるのを邪魔するのか?」「う~ん。僕的には、ウォルシャタを子爵とかにしちゃって、他の奴等を男爵にして、ウォルシャタから引き離したいって気持ちもあるんだよね。他とのバランスもあるだろうから、徐々にって事だろうけど....ね」「それでいいのか?」「うん。ハリボテの男爵とか子爵って奴等らしくていいよ。領民も集まらないだろうし、屋敷や領地もなかなか安定しないだろうからね」「なんか見てきたように言うけどそうなるとは限らないだろう?」「そうだけど、そうなるように誘導する事は出来るからね。国境の街シャルム近くだからって必ずそこを通らなくてはならない理由はないからね。」「あっそうだな。北方連合国ノーザン・コンドミニアムから直接この神殿に飛んでくれば、他の国に行くことも出来るし、国境の街シャルム通るメリットは少なくなるな。」「そ。それに、多分だけど、宰相派の連中も泣きを入れてくると思うよ。」「そうなのか?」「ねぇエミール。今年のパシリカでどのくらいの数が来そう?」「はい。正確な数は次のギルドの会議にならないとわかりませんが、男爵や准男爵家の約3/4はマガラ神殿を通って行く事になります。」「うん。そのうちの半数が寝返ってくれたら、ローザスもかなり楽にならない?」「・・・・宰相が可哀想になる数だな。それだと、本当に鉱脈があったり大商人が居る貴族以外は全員って事になりそうだぞ」「うん。アッシュもそんな事を言っていたよ。だってね。かかる必要が段違いで違うからね。宰相に義理立てしても、宰相がかかった費用を出してくれているわけじゃないからね」
「ローザス。僕達は、間違ったのかもしれないな」「あぁ俺もそれを今考えていた。」「エミール。二人は何を言っているの?」「はい。リン様が化物だって事を話しているのだと思います。」「エミール。化物はひどいな。人よりちょっと力が強くなっていたりするだけじゃない。」「はい。そういう事にしておきます。」
「主様は化物じゃないもん」「そうだよな。トリスタンはいい子だね」「うん。主様は魔物の王で”魔王”だもん。」「「「!!!」」」「ハハハ。確かに、魔王だな。リン君には似合いの言葉だな。」「ひどいなローザス。魔王は無いだろう?」「20万もの魔物を従えているのが魔王じゃなければ、魔王なんていないな。君が利己的で話が出来る人物で良かったよ」「まったくだ。ルナもひどい男を捕まえてきたな。」
「そうだな。何か手伝える事があったらと思ったけど、思っていた以上にしっかりやっているみたいで安心したよ。」「あぁブレーンが優秀だからな。」「そうか、人事も決めたんか?」「決めたってよりも、それしか無いって感じだね。」「そうか、分かっていると思うけど、アデレードやルアリーナ嬢やエミール嬢は要職はもちろん表の役職には付けるなよ」「うん。分かっている。その辺りはモルトにも言われているよ。」「そうか、モルトが居たんだったな。それなら大丈夫だな。」「うん。それに、ドラウやゴルドも居るし、ナッセやナナも居るからね。」「あぁそうだな。一級どころが揃っているんだったな。」「うん。彼らに内政を任せて、僕は外交に力を入れられるからね。」
「暴力を基準にしてか?」「ううん。経済を基準にしてだね。暴力なんて物で解決しても、後にはマイナスしか残らないからね。経済で締め付けるようにして、戦う心を折っていけばいいだけだからね。そのほうが、楽だし平和だからね。」「そうだな。リン君がそうしてくれるのなら、嬉しいよ。」「あぁ勿論だよ。陛下とも約束したからな。共に歩くと...ね」「わかった。僕達も出来る限りの事はしよう。必要ないかも知れないけどね。」「そんな事ないよ。トリーア王国の中の事に首を突っ込む事になるだろうから、そうなったら、ローザスやハーレイの事を頼らさせてもらうよ。ギルドを使うわけにはいかないからね」「りょうかいだよ。受けた恩が大きすぎて....」
「あっそういえば、今日は、ファンが一緒なんだね。」「侯爵。今ですか?」「うん。それで何か有ったの?」「あぁファンが、リンに頼み事があるようだよ」「ん?何?」「厚かましいお願いなのですが、眷属をお貸しいただけないでしょうか?」「いいけど、なんで?」「・・・・」
「リン君。あのね。ファンが、この前の御前会議のときに、君たちとウォルシャタの戦いを見て、ウォルシャタ達がスキルや魔法に慣れてきたら太刀打ちできなくなるんじゃないかっていい出してね。最近、暇を見つけては、迷宮ダンジョンに言っているらしいんだけどね。部下だと足手まといになってしまうし、かと言って一人では限界があるって言っていてね。一度、ボイクとボラクを連れて、潜ったら連携から何から何まで違ってあっという間に25階層まで到達できたらしいんだよ。」「あぁそれで、眷属と一緒に訓練したいって事なんだね?」「はい。ダメでしょうか?」「ファン。ステータスを確認していい?」「はい。構いません」
そう言って、腕輪を外した。ファンもステータス不可視の魔珠を付けていたようだ。
「トリスタン。ファンのステータスを確認して、ちょうど良さそうな獣魔2~3体を紹介してあげて、一体は魔法主体にして残り二体は中間と隠密が出来る奴にしてあげればいいかな。」「いいのですか?」「うん。ローザスもいいよね?」「戦力が上がるから問題ない。」
ファンがトリスタンと今名付けをしている場所に移動していった。
その後、エミールとローザスとハーレイと案内を終えて帰ってきたアデレードとマルティンで雑談をかわした。大使館の希望を聞いたので、明日にでも作る事にする。作成が完了したら、アデレードがローザスに連絡して人員を派遣する事になった。
たしかに、大使館は考えていなかったな。

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