【旧】チート能力を持った高校生の生き残りをかけた長く短い七日間

北きつね

幕間 マノーラ家への帰還

ナーイアスの加護をフェムが受けて、神殿に住居を構える獣人とエルフの長との話し合いを行う事になっている。
会議まで、管理層でナーイアス神殿の調整を行っている。最終的には、獣人とエルフ達の意見を聞く事になってくるが、基本的な事はすぐにでも設定できる。
もう時間も遅いために、今日はナーイアス神殿の中で休む事にした。神殿の中で襲撃の心配がなかったので、見張りもなく寝ることになった。軽めにスープだけ飲んで、もう一度お風呂に入ってから寝る事にした。
お風呂の順番を待っている間に食料品や素材の確認を行う。多分、明日の会談で決まるとは思うが、数日の余裕を持っておくほうが、少なくても明後日には、メルナに向けて出発する事になる。時間的には、2日程度だとは思うから、少し余裕を見て1週間程度の食料があればいいだろう。素材に関しては、このままギルド管理に回す事になりそうだ。ニグラ支部の地下には倉庫があり、時空魔法で時間が止められている。死蔵する事になるかもしれないが、ギルド関係者が無料で使える素材として利用しても良いだろう。
「イリメリ。」「あぁフェムお帰り」「まだ起きていたの?」「うん。ちょっとやっておきたかったからね」「あぁ荷物の整理?」「うん。それも有るけど....ううん。そうだね。でも、遠くに来たね。」「そうだね。イリメリ。」「なぁに?」「私、こっちに残ってもいいかもって思い始めている。」「・・・・。私もだよ。」「長生きできるとかじゃなくて、純粋に生きているって実感が有るんだよね。」「そうだね」「うん。日本での生活が嫌ってわけじゃないんだよ。楽しかったのは間違いない。」「うん」「でも、なんて言っていいのかな・・・。」「便利すぎるんだよ。お風呂やトイレもそうだけど、食事一つでもこっちではいろいろ考えないとならない。」「そうそう、それだね」「うん。こんな事言っていいのかわからないけど、生きていくってだけなら日本に居た時の方が楽で面白かったとは思うけど・・・。」「そうだね。朝起きてご飯食べて、学校に行って、帰って来て、ちょっとエッチな事をしたりして、眠くなったら寝てしまう。」「フェム。エッチな事って...」「イリメリはしなかったの?」「・・・ないしょ!!」「あぁそうじゃなくて、そうだよね。こっちの毎日同じことの繰り返しと、日本の毎日同じ事の繰り返しは違うよね」「そうだよね。」「うん。だから、こっちに残ってもいいとは思っている。」「うん。そうだよね。でも・・・。」「うん。パパやママが・・・。」「7日間かぁ長いだろうね。」「そうだね。すごく短いだろうね」「うん。」
「なぁおぬし達。お風呂空いたぞ」「アデレードありがとう。」「妾はおぬし達の事情はわからんが、おぬし達と共に居たいと思うぞ。」「ん。ありがとう。アデレード。」「・・・。先に休んでいるぞ。」「解った。アデレード。おやすみ。」「あぁおやすみ。なのじゃ」
「フェム。一緒にお風呂に入らない?」「いいけど、狭いよ。ナーイアスもランパスも一緒に入るんでしょ?」「我は一緒に入るぞ」「私もお風呂には興味があった」「大丈夫でしょ。湯船は狭くて二人までだけど、洗い場は少し広いよね」「リンが何を考えているのかわからないけど、お風呂にあそこまで拘らなくてもって思ってしまうんだよね」「うん。でも、気持ちいいからいいよね」「そうだけどね」
「フェム。スターテスは落ち着いた?」「どうなんだろう?」「見ていい?」「うん。お願い。」
名前:フェナサリム・ヴァーヴァン(32)真命:フェナサリム・ヴァーヴァンジョブ:赤魔道士体力:1,590(+1,790)魔力:3,430(+5,110)腕力:1,190(+1,330)敏捷性:1,120(+2,720)魅力:60古代魔法:召喚魔法(1)、精神魔法(1)、精霊魔法(2)、魔霊魔法(1)古代魔法:操霊魔法(1)、飛翔魔法(2)、幻惑魔法(1)、自然魔法(1)魔法:赤(5)、灰(4)、黒(9+1)、紫(5)スキル:隠蔽、詠唱破棄スキル:肉体強化、精神強化、知覚強化、視覚強化スキル:大剣武技、短剣武技、長槍武技、短槍武技スキル:長剣武技、短弓武技、刀剣武技、属性付与ユニークスキル;物理攻撃半減、状態異常半減、精神攻撃半減、魔法攻撃耐性エクストラスキル:神殿管理(2)管理:マガラ神殿管理:ナーイアス神殿
「フェムもかなりの人外になったね」「そうだね。イリメリ達と一緒になれたよ。これで、リンと一緒にいられるのが嬉しいよ。」「うん。フェム。これからもよろしくね。」
それから、フェムと二人でお風呂に入った。ナーイアスもランパスもヒト型になってお風呂に入った。4人で入るには少し狭かったが、楽しい時間を過ごす事ができた。ナーイアスがお風呂から出て、フェムに身体を拭いてもらってから、オコジョ型に戻って「毛並みがすごく良くなった。」「汚れていたんじゃない?」ランパスがからかっているが、そういうランパスも毛並みがふかふかになって喜んでいる。
揃って寝室に入って寝ることにした。
◆◇◆◇◆◇◆◇
会議は、私達の食堂で行われる事になった。ナーイアスとフェムが事前に話をして、昼過ぎに食堂に関係者が集まる事になった。
事前に、私達の事やリン=フリークスの事を説明する事になっている。ギルドの事や現状置かれている状態を、理解してもらう事にしている。この説明だけで1~2時間は必要になってしまう上に人数が居る所では質問もしにくいだろうと言う事だ。
フェムとナーイアスがエルフと獣人を数名連れて食堂に入ってきた。人数分の飲み物と軽く摘める物を準備した。
「みんな。基本的には、エルフや獣人達は、ギルドにマノーラ家に来てくれる事になったよ」「話がはやくていいな」「うん。それで基本的にはっと言うのは?」「うん。あのね。」ナーイアスが何か笑いを堪えている。エルフの長が少しだけ困った顔になっている。「・・・どうしたのフェム。」「うん。あのね。この子が「この子なんて、フェム姉様ひどいです。私は、エミール=ラフト・ゼッタ・ナーイアスともうします。エミールとお呼びください。お姉様方並びにニンフの皆さん。」あのね。エミール。「はい。解っております。マヤ姉様にご許可を頂いて、皆様に認められなければダメだと言う事は理解しております。」それならいいんだけど....」「フェム。話が見えないんだけど....」「うん。まず簡単な方から言うね。獣人の皆さんは、マノーラ家に仕えたいと言う事なんだけどね。人数が...「2,157名ですは、フェム姉様」って事なの。だから一時的に保留にしてもらっているんだよ。」「・・・。フェム。その中でパシリカを受けていない子供は?」「はい。673名です。イリメリ姉様」「ありがとう。エミール。」「いえ。当然です。マノーラ家の従者ですから」
「(あぁフェム。こんな感じなの?)」「(そ。これが後4人)」「(4人?)」
「フェム姉様。イリメリ姉様。」「「はい!!」」「それで獣人達はどういたしましょうか?」「リンの方針で子供は学校だけど、673名だと一度には入れないよね。帰ってから相談だよね。」「ドリュアス神殿にも子供は居たからね。」「数字的な事は、後でしっかりまとめよう。まずは、ナーイアス神殿の事を考えようよ」「獣人の1,484名は、男衆は、マノーラ家とエストタール家の守備隊に組み込めばいいよね。女衆は、基本的に、エスト街で過ごしてもらうのがいいんじゃないのかな?あそこの代官は、オイゲンのお母さんだし、エルフリーデも居るからね。」「エミール。エルフの方々は?」「はい。成人前が31名。成人男性が297名。成人女性が337名です。」「そう、エミールは成人前?成人後?」「今年パシリカを受けました。」「そう、それじゃ成人女性として扱うわね。私達と同じなんだから、姉様は辞めない?」「駄目です。フェム姉様はフェム姉様なのです。」「はぁぁ」「それで、エミール達はどうするの?」「はい。長は、できれば、マノーラ家にお仕えしたいと言う事です。他の物はギルドに登録してみたい物や地下三階で取引をしたい者様々です。」「そうなんだね。それでエミールは?」「私は、お許しをいただければ、マノーラ家の従者になりとうございます。」「従者?」「はい。お聞きした所、リン=フリークス様は侯爵閣下だと言う事。そその様な高貴な方が従者の一人も連れないで歩くのは間違っております。」
「(あ、やばい正論だ。)」「(でしょ。だから、困ってるのよ。私達の世話までするっていい出しているからね。)」「(えぇぇぇ)」
「マヤ姉様。ダメでしょうか?」「ん。いいんじゃない。全部で何人?」「はっはい。私を入れて5名になります。マヤ姉様」「ふぅ~ん。アデレード。どう思う。」「そうじゃな。言っている事は間違っていないし、いいのではないか?」「本当ですか!!」「あぁただし」「ただし....?」「ミル。イリメリ。従者というのは、どういう者達を言うんだ?」「そうだね。僕達の身の回りの世話から全部を行う者だよね?」「そうじゃな。なぁルナよ。ミヤナック家では、従者も一緒に風呂に入ったりするのか?」「もちろんだよ。ハー兄様も従者と入るのが基本だからね。」「だそうだ、エミールよ。妾達は風呂にはリン=フリークスが一緒に入るがそれでもおぬし達はいいのか?」「・・・・それは」「勿論裸じゃよ。妾達が裸で入るのに、そち達が湯着で入るのはおかしいじゃろ?」「・・・本当ですか?」「あぁ本当じゃよ。やめるのなら今だぞ。ギルドやマノーラ領内で他の職に付くこともできるであろうよ」
エミールが下を向いてプルプルしている「(お。成功したのかな?)」「(リンと一緒って言うのが聞いたのかな?)」「(これで諦めてくれたらいいんだけどな)」
「・・・やったぁ!本当ですよね。アデレード姉様。ルナ姉様。今聞きましたし約束しましたからね。私達も一緒にお風呂に入ると約束しましたよね?」「?!。エミールよ。エルフ族の未婚女性は、異性に肌を見せるのを忌避するのではなかったのか?」「アデレード姉様。いつの話をしているのですか?そんな者今は居ませんよ。」「そうなのか?」「えぇそれに、もしかして、寿命の事を心配されているのかもしれませんが、リン兄様やお姉様方ほどではありませんが、私達5名も長命のエルフの中でも更に長命の純血種のハイエルフの中でも、始祖に近い存在です。突然変異だと言われています。」「それは解ったが、それで、なぜ、マノーラ家に来たいのじゃ?」「・・・・。5人だけが残るのが嫌なのです。」「あっそういうことか?」「はい。」
「アデレード。」「あぁ小奴等も、自分たちが背負わされた物に押しつぶされないように必死なんだろう。」「そうか、でも、それが僕達と一緒に居る事と....あぁそういう事ね。」「そうじゃな。妾はまだだが、リンとおぬし達は間違いなく長命種よりも長生きするじゃろう。この者達も同じなんじゃよ。それで、知り合いが少なくなっていく事に耐えられなくなる事を恐れているんじゃよ」「そうね。5人だったのが、私達の所に来れば、マヤは別にしても8人+8名のニンフだからね。3倍になるって事ね。」「あぁ。」「ダメでしょうか?リン兄様やマヤ姉様と一緒に居させてください。」
「あぁもうダメって言えないじゃない。でも、解っているの?私達はこれから、戦争をする事になるんだよ?」「はい。理解しています。私達は力はありませんが、魔法力や古代魔法も使えます。お役に立てると思います。」「長達は問題ないのだな?」「はい。この子達が里に残っても、今までのハイエルフと同じ事になってしまいます。何卒よろしくお願いいたします。」
後は、私が数を整理すればいいことになった。マノーラ家とエストタール家の従者や守備隊が一気に揃う事になる。リンとオイゲンがすでに構成してしまっていたら、その時はその時で考えればいい。
「さて、話も済んだと言う事で、マノーラ家に帰る事にするか....な。エミール。お前たちはどうする?ここで待っているのでも良いぞ?」「私達も一緒に行きとうございます。」「どうするマヤ?」「僕はいいと思うよ。スクリプト。一人位増えても大丈夫だよね。小さなお嬢さん方だからね。」『はい。大丈夫です。』「大丈夫だって、それじゃ行きますか!!」
外までは、エミールが案内してくれた。そこで、改めて、エミール達の挨拶を受けた。「ウナル=ベルティエ・ゼッタ・ナーイアスです。お姉様方よろしくお願いいたします。」「アスラ=ベルティエ・ゼッタ・ナーイアスです。ウナルとは双子になります。お姉様よろしくお願いします」「イブン=グレーヴィス・ゼッタ・ナーイアスです。お姉様。特に、ミトナル姉様。よろしくお願いいたします。」「僕?」「はい!」「オカム=レオニード・ゼッタ・ナーイアスです。お姉様方よろしくお願いいたします。」
エミールは、フェムのパールにまたがる。ウナルは、タシアナのアルゴルにまたがる。イブンは、本人の希望通り、ミルのパスカルにまたがり、オカムは私とリスプにまたがる事になった。
メルナにある。懐かしい我が家へと急ぐ。オカム達が居るので、速度をあまり出さないで、いつもなら2日の距離を3日かけて行くことにした。彼女たち用の防寒具が揃わなかった関係で、速度を出さないで行くことになったのだ。
3日目の昼には見覚えのある光景が広がってきた。ニグラまで戻ってきたのだ。ぐるっと一周廻ってきたことになる。
途中で、マヤが念話が通じると言うことで、リンに連絡を入れて、今日の昼過ぎに帰ると言うことだけを伝えてもらっている。
スネーク山の麓に広がる。懐かしのマノーラ家の屋敷が見えてきた。裏庭にグリフォン達を下ろした。旅立った場所に降りたかったが、昼間だったので、裏庭に降りることにした。
「みんな。おかえり。なんか、お土産が有るみたいだけど、まずはお風呂で疲れを取ってきてね。少し、お風呂を改造しておいたから、喜んでもらえると思うよ。」「ただいま。」「リン。ただいま」皆と握手とハグをしながら出迎えてくれる。
「イリメリ。お帰り。」「只今。いろいろ話と相談が有るんだけど....」「うん。僕の方もいろいろ有ったからね。でも、まずはお風呂に入ってきて、ご飯を用意させるから、一緒に食事にしよう。そちらのエルフのお嬢さんもよかったらお風呂に入ってきてね。」「・・・・。侯爵様?」「ん?そうだけど?」「ええぇぇ・・・!!もっと偉そうな・・・いや申し訳ありません。わたくし。」「いいよ。挨拶も、後で聞くよ。マヤやミル達とお風呂に入ってきてね。楽しめると思うからね。」「いいのですか?」「マヤ・・・は、もう行ったか、ミル・・・じゃダメかな、アデレード。」「なんじゃ3番目か?」「そう言わないでよ。」「なんじゃ。」「この子達と一緒にお風呂に入ってもらっていいんだよね?」「問題ないぞ。」「それなら、案内よろしくね。僕は、少し執務が残っているから、後で食堂に行くよ。」「あぁ解った。風呂から出て、落ち着いたら、誰かを呼びに行かせればいいんじゃな。」「うん。お願い。2時間はかからないと思うからね。」「あぁ解った。」
そこで一旦リンとは別れて、私達はお風呂に向かった。モルトの案内で屋敷の一階からお風呂に入れるようになったようだ。
それから、お風呂に久しぶりの足を伸ばして入れるお風呂に使った。風呂場に階段ができていた。ダメだあの人を一人にしておくとドンドン改造されていく。風呂場の広さは変わらないが、高さを高くして、二階・・・だと思ったら、3階まで作ってあった。
滑り台を取り外したのかと思ったら、外していない。滑り台は、寝室から1階部分に落ちるのは変わっていない。一階部分は、今まで皆で入っていた大浴室がなくなっていて、洗い場が広くなっていた。今までの4倍近い広さになっていて、個人個人のブースの様に囲われている。日本のユニットバスの様な形になっている。それもそこそこの広さを持つユニットバスだ。小さいが浴槽も用意されている。それが、8個。ドアもあり、何を考えているのか、低温のミストサウナになるように作られている。そして、今まではサウナとクールサウナと水風呂しかなかったが、”ドライサウナ"と"アロマオイルが垂れてくるフィンランド式サウナ”と”塩サウナ”と”寝られるサウナ"ができている。クールサウナと水風呂は残されている。そして、1階部分の隅に打たせ湯なのか、滝のようにお湯が上から落ちてきている。覗き込むと、3階部分の天井からお湯を落としているようだ。かなりの勢いだが、ちょうどよい痛さだ。足に当てるとマッサージをされているようだ。2階部分は浴槽が設置されている。大浴槽は今までと同じだが、同じものが2個作られている。お湯の温度が違うようだ。リンこだわりの寝湯は勿論設置されていて数が増えていた。5~6名が入る程度の浴槽が4つ作られていて看板らしきものには、"炭酸泉””鉄温泉”"塩温泉"”ラドン温泉”と書かれていた。どこまでこだわれば気が済むのだろう。呆れるを通り越してあっぱれといいたい。3階は、寝室からそのまま入られる形になっている。テーブルが設置されている。テーブルの下には足湯が設置されていて、湯が流れている形になっている。椅子に座ると、足湯。半身浴。全身浴。と選べるようになっている。お湯が自分の周りだけが盛り上がるように流れていく。そして、壁際にはバーカウンターのつもりなんだろうか、そんな作りのカウンターが設置されている。反対側の壁には、冷魔庫と温魔庫が設置されている。飲み物が入っていた。温魔庫には何も入っていないが、簡単な食事を頼んでおけば、ここに入れておいてくれると言うことなんだろうか?
まぁいい。後でゆっくりとリンを問い詰めれば済む話だ。皆、呆れ顔だ。オカム達は、口が空いたままボケーとしているしか無いようだ。
「イリメリ姉様」「何?」「ここは、何なのですか?」「何って言われてもね、マノーラ家のお風呂よ。私達が知っている物からも大分変わっているけどね。」「私達はここを使えとおっしゃるのですか?」「そうね。これから、私達と一緒に入るのだからね。」「・・・・。」「ほら、ランパス達はもう楽しんでいるでしょ。」「・・・」「お風呂の入り方は解るわよね?」「はい。普通・・のお風呂でしたら大丈夫です。」「そう。諦めて、マノーラ家ではこれが普通なの。」「はい。なれるようにします。」「うん。そうして」
「ねぇイリメリ。あの馬鹿は何考えているか解る?」「マヤ。貴女に解らないことが私にわかると思う?」「そうかぁ・・・でも、暇で寂しかったんだろうね。」「多分ね。私達が帰ってきたときに驚かそうと作っていたんだろうね」「うん。それで、さっきお風呂に入れ。入れ。って言っていたんだね。」「そうだと思うよ。わかりやすいよね。」「ねぇイリメリ。一緒に入ろう。いろいろ教えて。」「いいよ。ランパス。あぁ他のニンフ達もそれぞれついて行ったんだね。」「うん。だから、イリメリ行こう。サウナって奴い行ってみたい。」「ほら、貴女も一緒に行きましょう。オカム。」「はい!」
結論を言うと楽しかった。洗い場が個室になったことで、洗いやすくなったし、ランパスが湯船で遊んでいる横で洗うことができるのでいい。あと、シャンプーやリンスまで作ったようだ。タオルがあかすりタオルに近づいてきていた。『柔らかい・ふつう・硬い』と用意しているのがリンらしい。あと、子供用なのかシャンプーハットやシャンプーブラシや頭皮マッサージ器まで作ってある。これらの使い方を説明しながらお風呂に入っていたらあっという間に時間が過ぎていった。3階の冷魔庫から炭酸を取り出して飲んだ時には、お風呂での炭酸って最高だなっと思えてしまった。
脱衣所に戻った「どうしたのタシアナ。固まって・・・」「イリメリ。あれみて、あの人、あの悪魔の道具まで作ったんだよ」「え・・・。」タシアナが指差した方向を見るとたしかに悪魔の道具が置かれていた。日本では、体重計と言われる物だ。あの人はこんな物まで作ったのか?
「なんだ、それがどうしたのじゃ?」「アデレードは解らないの?」「なんだそれは?」「体重計をしらないの?」「体重計?何をするんだ?」「あそこに載ると数字が出る。それが自分の重さになるんだよ。」「へぇ面白い物があるんじゃな。どれどれ」
アデレードが乗ってしまった。体重が....と思ったら、壁に体力と魔力が表示されて、『体重:りんご3個分』とだけ表示されていた。はぁ?あの人はそんないたずらまで....。
転生者達は皆がリンに文句を言う事を誓って、着替えをして食堂に向かった。

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