【旧】チート能力を持った高校生の生き残りをかけた長く短い七日間

北きつね

幕間 ランパス攻略

オレアードは、トカゲではなく、ドラゴンの様だ。今は手乗りドラゴンのサイズになって、ルナの頭の上で丸くなっている。
「オレアード。ちょっとお願いがあるんだけど?」「なに?」「うん。この子達を私の眷属にして欲しいんだけど出来る?」「ん?」
クホンリ。クサナギ。スイラ。フウラ。が、オレアードの前に並んでいる。「出来るけど、いいの?この子達。違うヒトとの繋がりを持っているみたいだよ」「オレアード様。私達は、リン=フリークスの眷属でありますが、リン=フリークスより、ルアリーナ様をお守りしろとご命令を受けております。」「あぁそうなんだ。それで、眷属になってより守りやすくするんだね。解ったいいよ。」「「「「ありがとうございます」」」」
「クホンリ。クサナギ。スイラ。フウラ。ルアリーナ・フォン・ミヤナックに忠誠を誓いない。」「「「「はっ我等は、ルアリーナ・フォン・ミヤナックに忠誠を誓います」」」」
オレアードを中心に魔法陣が展開され、ルナとクホンリ。クサナギ。スイラ。フウラ。が光に包まれた。
「はい。終わったよ。」「ありがとう。オレアード。」「うん。また何か合ったら起こしてね。僕寝ているからね。」
「ねぇなんか、僕っ子が増えてない?」「気のせいだよ。」「マヤ、貴方もでしょ。」「気を抜くと、出ちゃうんだよね。」「もういいわよ。好きにすれば。」「そうだね。」
そして、オレアードもヒト化は使えると言う事だが、めんどうだからやらないと言っていた。服着なきゃならないし、髪の毛も綺麗にしてないと怒られるし...っとブツブツ言ってたが、一度ヒト化してもらった、白人の様な白い透き通る肌にキレイな銀髪だ。こりゃぁそういいたくなるのも解る。疲れると言って5分程度で戻ってしまった。オレアードは、以前の管理者が作った迷宮ダンジョンのままにしていたと言う。変えるのも面倒だし、ここまで来たら話がわかる人なんだろうと思っていたらしい。ルナに管理権限が移譲したが、ルナも暫くはこのままにしておく事にした。ただ、最後の極悪地帯の魔物のレベルを10上乗せしていた。そうなると少し突破に苦労しそうだ、知っていれば、前室で一晩ゆっくり休んでから攻略を開始するだろう。
恒例のステータスチェックの時間が来た。
名前:ルアリーナ・フォン・ミヤナック(21)真命:ルアリーナ・フォン・ミヤナックジョブ:精霊弓士体力:1,710(+1,600)魔力:790(+2,150)腕力:710(+700)敏捷性:670(+530)魅力:80魔法:灰(9+1)、(隠蔽)白(7)、(隠蔽)紫(6)古代魔法:結界魔法(1)、幻惑魔法(1)、自然魔法(1)、精神魔法(1)古代魔法:召喚魔法(1)、飛翔魔法(1)、精霊魔法(1)、隷属魔法(1)スキル:(隠蔽)隠蔽、(隠蔽)詠唱破棄スキル:罠検知、毒検知スキル:肉体強化、聴覚強化、嗅覚強化スキル:短弓武技、長弓武技、属性付与ユニークスキル:魔弓マジックアローユニークスキル:精霊検知エレメンタルファンドエクストラスキル:限界突破リミットブレイクエクストラスキル:神殿管理(2)管理:オレアード神殿管理:マガラ神殿
ルナも無事に、人外の存在になれたようだ。ルナは、リンと同じ存在になれた事は喜んだが、属性付与が付いて攻撃時に紫魔法を乗せられるのを喜んだ。これで奥に居る魔物を異常状態にする事も出来る上に、魔弓マジックアローが使えるようになった事で戦略に幅を持たせる事が出来ると言う。ミルに鑑定して貰ったら、魔弓マジックアローは灰魔法のスキルのようで、魔力を矢の形にして飛ばすことが出来る。そのときに、魔法を重ねる事も出来る上に一度に装填できる数が込めた魔力で異なり最大灰魔法のレベル×10だと言う。勿論、白魔法を込める事もできるので、回復の矢なども打つ頃が出来る。一気に戦力アップになったのは間違いない。ルナ一人で、一度に100人以上と対峙しても近づく前に魔弓マジックアローの餌食になる。魔力を使ってしまうが、精霊検知エレメンタルファンドと連動する事で、魔弓マジックアローにホーミング機能が付くことになる。それはチート以外の何者でもない。神殿の外に出たときに、魔力を殆ど込めていない矢100本をミルを標的にして放った。ミルのスピード全開でもホーミングして次々と襲いかかった。全部を薙ぎ払う事ができずに数本身体にあたってしまったようだ。ミルでこれだから躱せるのは多分リンだけだと思う。これを見ていた、オレアードが何故かナパイアに威張っていた。なんとなくニンフの人間性?が見えてきた。
地上に出て、もう一日ゆっくりする事にした。教会の中に家を展開して、弓矢の材料になる木を伐採したり、食料となる野菜や木の実を採取して過ごした。
ニンフ達もお風呂に入る事にしたようだが、ヒト型で入るのを嫌って、獣体のまま入るようだ。食事をして、各々休む事にした。
私は、食堂のテーブルでナパイアとオレアードでの戦果を確認していた。多分倒した魔物の数は、5,000を越える位だろう。レベル的には低い魔物も多かったが、最後の方は、マガラ神殿でも上層階でも出てこないレベルの魔物になっていた。その為に、素材を市場に出す時の影響を考えなければならなかったからだ。
「イリメリ。何をしておるのじゃ?」「あぁアデレード。お風呂出たんだね」「あぁそれでおぬしは何をしておる?」「うん。魔核はいいとしても、魔物の素材とかをどうしたらいいのかなって思案していたの。」「そうか、妾もそれは思っておたんじゃよ。」「どうしたらいいと思う?」「ほれ、リンが言っておっただろ?宰相派の連中が魔物の素材で儲けを出そうとしているっと」「あぁそうだったね」「素材をリンに渡して、宰相派が出してくる素材に合わせて出せばいいんじゃないのか?」「値崩れ起こさない?」「宰相派の領地だけでやればいいじゃろ?」「マガラ神殿では、やらなければいいだけじゃないのか?」「そうか、売りに行って貰えばいいんだね。」「あぁそうじゃな。妾達も別に魔物の素材がないと困る事も無かろう。」「そうだね。肉は使いみちが多いけど、低レベルの素材は有ってもしょうがないよね」「そうじゃな」「あぁこれでスッキリした。アデレード。今お風呂は?」「そうじゃった。おぬしで最後じゃ」「ありがとう。入ってから休むね」「あぁ妾も少し飲み物のんでから休むとするよ」「うん。おやすみ。」「あぁおやすみ」
全裸で寝る癖が付いてしまっている。お風呂に入って出るときにガウンを着る。その時には、下着を付けない。脱衣所には、タシアナ謹製のドライヤーがある。優れもので、風力も温度も変えられる上にちょっとしたミストを出す事もできるので、朝など寝癖がついてしまった時にすぐに直せる。ちなみに、MOTEGI商会で、一個銀貨1.5枚で1ロット10個セットで売っている。マガラ神殿のスパとラーロ宿屋と神殿の高級宿屋とエスト街・森林街・海岸街の宿屋ではほぼすべてに完備されている。エルフリーデの要望を入れて、ミストに香料を加えられるようにした物も発売した。これは、貴族の婦女子を中心に飛ぶように売れていると言う。ウォード家に委託販売している。寝室に入ると、皆がガウンを脱いで全裸で布団に入っている。この布団もこっちの布団ではなく、日本に居た時の布団に近い肌触りになっている。しかし、実際にはとんでもない高級品である。上層の魔物素材を使って居る事もだが、希少性が高い物を大量に使って作られている。今は少し寒いので、中には羽毛が入っているが、その羽毛がフェニックスの羽だと言う。それを大量に入れている確かに保温性もある上に暖かい。それはそうだろう。伝説上の生物の羽を使っているのだから...。一度、サリーカに値段を聞いたら、聞かないほうがいいて言われて、マノーラ家に泊まった、ローザスとハーレイにリンが呼び出されて怒られていた。それほどのものだと言う事だ。そんな物であるが、私達に取っては寝心地がいい布団でしかない。ガウンがあると肌触りを確かめられないので、皆全裸で寝る。ガウンを脱いで、布団に潜り込む。リンが居ないここでは寝る場所は固定になっている。一番端からマヤ・ミル・ルナ・私・サリーカ・タシアナ・フェム・アデレードだ。順番に意味はないが、なんとなく最初にこの位置でネタからだと思う。布団に入って、天井を見上げる。隣のルナはもう寝息を立てている。私も目をつぶった。出てくるのは、マノーラ家を旅立つときに抱きしめられたリンの優しさと暖かさだ。
目が覚めると、まだ寝ている物も居るようだ。起き出して着替えを済ませて、食堂に行く。アデレードとルナとマヤとミルが食事をしていた。「おはよう。今日、旅立つ?」「そうだね。補給もできたから、次のランパス神殿に行こうと思う。」「ねぇマヤ。次はどんな所なの?」「ナパイアと同じで山の中腹に入り口があるよ。」「えぇランパスの所に行くの?」「ナパイアは嫌なの?」「嫌じゃないけど...」「何?何かしっていたら教えて。」「うん。あそこは、オレアードと同じヒトが作っていたから、底意地が悪いと思うよ。」「そうなの?オレアードなにか知っている?」「ん。ランパスって梟じゃろ?」「そそ。」「あぁ覚えているよ。あそこは、6層+1だったはずだよ。」「6層?」「うん。広い場所が6層になっていて、下に降りる階段の前に階層主が居たはず。」「また面倒くさそうだな」「レベルとかは解る?」「ううん。でも、僕の所もだけど、多分最大でもレベル30だと思うよ?」「え?そうなの?」「うん。だって、リンの所...あぁ。リンの所のボスはテイムしてきた眷属だった。」「そそ。神殿に出せる魔物は、ポットから出せるんだけど、出したままの魔物は神殿管理のレベル+1×10だから、最大で30だと思うよ。今のランパスは....。」「それならなんとかなるかな。」
なんとなくルールが解ってきた。数多くの神殿を攻略する事で攻略しにくくなっていくこれは間違いなさそうだ。ランパスとオレアードは以前の攻略者が同じだから、神殿管理のレベルは2になっている。ミルやルナが2になっているのは、マガラ神殿の管理者に任命されているから。今の私達ならレベル30なら倒せない事はない。
「それでマヤ。どのくらい掛かるの?」「う~ん。多分3日位だと思う。ちょっと離れているからね。」「ま、食料も魔核も大量にあるし大丈夫だと思うよ。1年以上漂流しても生きていけるとおもうよ。」「僕はダメだな。リンが不足してしまう。」「・・・ハハハ。そうだね。私もだよ。」
方針が決まったときに、皆が起き出して来て食事が終わった。
今までと同じようにグリフォンに跨って、ランパスに向けて出発した。マヤの見立て通り、ランパスには3日かかった。明日の朝、神殿の攻略に向う事になった。今日は、入り口の確認だけをして、山の麓に戻ることにした。
山の麓で一泊して、朝日が登る前に神殿の攻略を開始した。本当にこいつ性格が悪いんじゃないかと思ってしまう。
オレアードが覚えていた通り、ただただ広いだけの部屋が広がっている。高さも多分10階層をまとめた高さがある。そして、何もないただただ広い部屋の中心に一つの部屋が見える。そこに向う。途中の戦闘は一切ない。部屋の入り口に”日本語”で、『ボス部屋。レベル10のキマイラ10体』。攻略者は日本人だったのだ。
部屋の前で皆で覚悟を決めて部屋に入った。確かにキマイラが10体居た。確かに、レベル10だ。サイズがおかしな事になっている。小さい物だと体高1mにも満たない。最大で10m近い物が居る。順番に襲ってくるが正直余裕だ。大きさがあるので、攻撃が困ったが、ルナが魔弓マジックアローで片付けてしまった。温存と言おうかと思ったが、ルナがイライラしているのがわかったので、辞めておいた。全部倒すと階段と宝箱が現れて、キマイラ素材を使った武器・防具や宝石が出てきたが、正直使い物にならない。全部袋に締まっておしまいだ。階段を降りて次の階層に向う。
次の階層は高さは同じ位だが、森林層になっていた。魔物も徘徊していることが解った。それにしても広い。多分、マガラ神殿の地下二階よりも広いと思う。アレの数倍はあると思う。その中から地下に続く階段を見つけなければならない。ミルとルナが、探してみたが、部屋自体に阻害魔法がかけられているのかうまく見つけられないのだと言う。かなり性格が悪そうだ。この階層で、200を越える戦闘を繰り返して、7日間と言う日数を使ってやっと部屋を見つけたと思ったら、”はずれ”と書かれてメモが貼られていた時には、森林全部を燃やそうかと言う意見も出てきた。しかし、ハズレのメモの下にあったら矢印が示す方向に進むと、また小屋が現れた。同じように、メモの置かれていて、を繰り返した。感覚的には、一周廻った感じに思える。最初の小屋だと思う所に入った。最初のメモが置かれていた所に「一周ご苦労様。このボタンで下に行けるようになるよ」と書かれていた。迷ったが、ボタンを推した。小屋の近くに、新しい小屋が出現した。やはり同じように、『ボス部屋。レベル10のベヘモス20体。連続戦闘だよ』と書かれていた。小屋の前で一泊してから、ボス部屋に挑んだ。ベヘモスだとわかっていれば対処はある。私が盾で防いでいる間に、一斉攻撃で体力を削ってく。それだけで倒せる。レベル10なら突進途中で倒れるかもしれない。言葉や目線で確認しながら20体のベヘモスを倒した。
「イリメリ大丈夫?」「うん。全然平気。それに、盾まで来たの2匹だけだったからね。それも瀕死だったから余裕だよ」「そう。なんとなく、この神殿のコンセプトが解ってきたから、イリメリに負担が掛かると思うからね」「うん。無理そうなら言うから大丈夫だよ」「あぁそうだな。」「うん。下の階層に行こう」
次の階層も高さは同じで、今度は平原に川が流れている感じになっている。丁寧に説明が書かれていた『川下りを楽しんでね。途中魔物を1,000体倒せたら、ボス部屋に行けるよ。乗れるのは8人まで、レッツチャレンジ!』「だめだ。頭痛くなってきた」「偶然だね。イリメリ。私もだよ」「そういうことじゃ?」「うん。アデレードあのね。」
そうなのだ。この神殿は多分ゲーム感覚なんだろう。確かに川は流れている。大きめのボートが置かれている。
「まずは一周してみようよ。できそうなら魔物を倒していくけど、魔法は極力使わない」「そうだね。」
ボートに8人が乗り込む。スタートと書かれたボタンを押すと離岸して動き出した。
前方に魔物が出てくる。魔法を打とうと思ったが発動しない。『魔法は使えません。古代魔法もダメです。備え付けのガンで打ってください。』とアナウンスが流れる。
「・・・・・」「はぁ・・・・リンが好きそう・・・・。」
多分、皆同じ事を考えていた。これを知ったリンは間違いなく同じものを作ろうとするだろう。確かに楽しいアトラクションではあろう。1周は二時間位かかったんだろう。ガンで打てた魔物は157体だと表示された。1,000体?ほぼフルコンしないと無理ってことなんじゃないの?その後も、何回か乗ったが、最高で843体だ。今日は寝て明日また挑戦する事にした。魔物の配置は、ほぼ同じだがコースが微妙に変わる。今日乗ってみてわかったのは、5コースあると言う事だ。それぞれ魔物の配置や出る数が違う。話し合った結果、火山コースが一番効率が良くと狙えそうだと言う事だ。後は、フルコンしても1,000体に届かないなんて事になっていない事を祈ろう
火山コースは最初の分かれ道を右に曲がって、次を左に行った場合に確定となる。ここまで出る魔物は37体。ここはもう完璧に捉えることが出来る。コースが違った場合には、もう諦めて船の中で休む事にしている。トランプをしたり、魔物を打つ練習をしたりと各々過ごす事に決めた。
今日2回目の火山コース。一回目の時には、901体まで打つ事ができた。二回目は935体。暫く、火山コースに入らずに、今日ラストにしようと思ったときに火山コースに入った。最初は見た目にもパーフェクト。そして、中盤に少し乱れてしまった。撃ち逃しが何体かあった。結果979体。あと少しだったが今日は終わりにする事にして、明日に再度挑戦する事にした。
3日目の一発目が火山コースだ。昨日ミスした所も見た目にはパーフェクトで通過して、最後の最後で数体逃しのが見えた。結果、1,007体で条件クリア!皆で抱き合って喜んだ。そして、小屋が出現した。『ボス戦はありません。次の階層にどうぞ』とだけ書かれていた。
次の階層におりた。目の前に現れた光景に目を疑った「はぁ???」
そう、そこは、私達が見慣れていた光景だ。私は行ったことがないが、渋谷のスクランブル交差点が展開されていた。
「・・・ねぇイリメリ。」「私に聞かないで・・・」「でも、ここって、」「多分そう」「なんじゃおぬし達この奇っ怪な光景に心当たりがあるのか?」「うん。前の世界の街を再現している。」「ほぉおぬし達の故郷はこんな街だったのか?」「ううん。私達が住んでいた場所はここまでじゃなかったけど....。」「まぁいい進むとするか?」「まってアデレード。」「な!」
この階層も同じようだ。違うのは、使う乗り物が馬車になっている事と人数が少なくなっている事。ルールは次のようになっている『馬車はある程度自動で動きます。1周してくる間に、アンデットを500体撃ち殺してください。バイ●ハザ●ドです。馬車は右と左に動かす事ができます。コースも自由に選択できるようになっています。アンデット以外を打たずに、500体打って来てください。馬車には従者席に2名。座席に2名座る事ができます。尚。アンデットが馬車に乗り込んだら数を500体倒しても小屋は出現しません。』
「・・・・。バイ●ハザ●ドって、あれでしょ?」「まぁあれだね。」「どうするのじゃ?」「そうだね。適当に4名づつやってみて、クリアできそうな組み合わせを探しましょう。それ以外は、家の中で待機って事で!」「了解。」
まずは、ミル、フェム。サリーカ。ルナ。が挑戦した。1時間位で帰ってきた。「ムズイはこれ。でも、かなり楽しいよ。ゲームで言うとハードモードって感じだね」フェムが説明した。従者は馬車をなるべく揺らさないでは知らせるほうがいいだろうと言う事だ、そして、従者の横に載るのは前方優先で狙って、座席の二人は左右を狙う様にする。見た感じだと、1,000体近く居るから、1/2打てばクリアだと言うが、結構アンデット以外も含まれているから注意が必要だと言う事だ。最後の方は、大量のアンデットが襲ってくるから、そのときに数を稼げるから、最初の頃は無理しなくて大丈夫だと言う事だった。
私もアデレード。タシアナ。マヤ。で一回行ってみた。正直、私には向かないようだ。アンデットが集団で襲ってくるのが怖い。タシアナもアデレードも同じ様だ。マヤは喜んでいたが、腕が伴っていない。ここは、ミル。フェム。ルナの3名を軸にして、マヤとサリーカとタシアナとアデレードと私が順番で対応する事になった。1周が一時間とはいえ連続でやっていると疲労も溜まってくる。前の層と違って、アンデットなどが出る所がランダムで変わる事だ。その為に、記憶していても意味がない。最後の大量出現だけは変わらないが、通常の魔物が混じっている為に間違って撃ってしまうミスが続く事になる。今日で4日ここで足止めになっている。完全に休養日を間に挟んでいるがかなり長時間足止めされている。
「ねぇ一個作成思いついたんだけど試していい?」「新しい事を試そうよ。」「うん」「うん。まず人選を。僕とフェムとイリメリとアデレードにする」「へっ私?」「うん。イリメリが肝!」「まず前半では、今まで見たいに遠くで倒すんじゃなくて、馬車に近づいてきたアンデットだけを確実に倒す。」「うん。」「それじゃ数が足りなくなるんじゃないのか?」「ううん。やってみて思ったのが、そこなんだよ。心理的に沢山倒さなきゃって思いから、誤射が発生する。だったら、誤射の心配がない所まで引き付ければって事だよ。」「なるほどな。それで」「うん。最後の大量発生の所で、ポジションを変える。」「ポジション?」「うん。何度か確認したんだけどね。従者の横のガン。コードを限界まで伸ばすと座席付近まで移動できるんだよ」「それで?」「うん。従者に座るフェムが大量発生時に移動して左側面からアンデットを狙う。アデレードは右側面だけを狙う。そして、イリメリが後方に陣取って、馬車に近づくアンデットだけを打つ。さっき試したら、通常の魔物を蹴ったり殴ってもペナルティにはならないようだから、馬車後方をイリメリが盾で守りながらアンデットを打つ。乗られなければ、ペナルティにはならないみたいだから、これで載るのを防げる。僕は従者でなるべく大量発生場所ではゆっくりになるように調整する。」
ミルの提案は的を得ていた。試しに一回やってみた。結果は、アンデットの討伐が493体。魔物0体。乗られた回数0回となった。後、7体倒せばクリアとなる。
一旦休憩を挟んで再度チャレンジしてクリアした。この階層もボスは無く下の階層に降りられた。
次の階層も性格が悪そうな感じになっている。目の前に小屋があるが『ボス部屋。レベル1。コボルト』なんとなく想像が出来る。多分ボス部屋がつながっているのだろう。案の定『ボス部屋。レベル2。ゴブリン』となっている。順番に倒していく。順調にレベル27のキャタピラを倒した所で、『残念。最初のレベル1からやり直してください。全部で30レベルあります。それを12時間以内で踏破してください』
「はぁ?」気がついたら、スタート地点に戻されていた。性格が悪すぎる。ゲームのルールを途中で教えるとかなしだろう。でも、
「魔物自体は1体づつみたいだし、急がなくても行けるでしょ。今度は、素材回収を袋に入れるだけにして戦いながら休めばいいよね」「了解。」
今度は、順調に『ボス部屋。レベル30。ロック鳥』を倒して部屋を出た。『ボス部屋。レベル1~30。今までの魔物(30-レベル)体。この部屋は12時間以内に含まれていないでの、休憩してから挑むこと推奨。』「・・・・。」「これ作った奴殴りたいけどダメかな?」「いいと思う。僕も同じ気持ちだよ。」
「行ってもしょうがないから、まずは一泊しましょう。それから、ボス部屋に挑みましょう」
次の日にボス部屋に挑んだルナの魔弓マジックアローで魔物を減らして、ミルの広域魔法で更に削る。その間に、サリーカが弓矢で援護射撃をしている。私は、大物を引きつけてタンク役を行っている。タシアナとフェムが大型の体力を削っていく。ミルが横から一閃。倒していく。戦闘時間にしたら20分位だっただろう。すべての魔物を倒した所で、宝箱と地下への階段が出現した。
オレアードの記憶では、ここが管理層を除く最後の階層になるはずだ。入った部屋は部屋の中央に台座がありボタンがあるだけの部屋だ。
台座には『最後の試練です。ボタンを押すと4方の壁が崩れ落ちます。周囲から魔物が一斉に襲ってきます』『沢山です。どのくらい沢山かというと』『レベル30コボルト2,000体レベル30ゴブリン2,000体レベル30魔獣2,000体レベル30魔虫2,000体レベル30オーク1,000体レベル30オーガ500体レベル30トロール500体レベル30ドラゴナイト1体』
「はぁ1万の魔物?」「何考えてんの?攻略させるつもりないんじゃないの?」「そして、ドラゴナイトってなんじゃ。殺す気か?」「まぁ落ち着いて、今は少し休もう。」「そうじゃな。それに、ここを攻略した時の加護の受け先も決めておらんからな。」「そうね。ナパイア。ランパスって何のニンフなの?」「なんだっけ?オレアード覚えている?」「お前なぁランパスは、冥の精で白魔法の守護。」「僕は、イリメリがいいと思う?」「私?」「うん。」「白魔法なら、サリーカやアデレードでもいいんじゃないの?」「ううん。イリメリが一番最適。だって、リンの盾になるイリメリが皆を癒せたり防御結界を張れたら、リンが安全になる。だから、イリメリしかいない。」「そうじゃな。妾もそうおもう。誰が傷ついても、リンだけは守れる。リンを一人にしないでくれるのは、イリメリしか居ないからな」「私でいいの?」「違うよ。イリメリしかいないの。」「ありがとう。私が加護を受ける。」「うん。」
「さて、問題は1万の魔物じゃな。」「どうしたの?ルナ?何か考えがあるの?」「考えってほどではないけど、ねぇタシアナ。水辺のシューティングとか渋谷のバ●オハ●ードとかの結界って再現できないかな?」「どういう事?」「あれって、内部から魔法を撃っても通さないけど、ガンでの攻撃は通るようになっていたんだよね?」「うん。そうだね。」「それをここで展開して、結界のなかから魔物を攻撃できればいいんだよね?」「あぁぁ・・・それは、難しいかな。リンがいればできたかも知れないけど....。」「そうなんだ」
「ねぇ賭けだけどいい?」「なんじゃイリメリ」「うん。ここも天井が高いと思うんだよね。」「あぁ」「それで、グリフォンに乗って上空から攻撃してみたらどうかな?」「!!」「それなら行けるかも?」「うん。イリメリ。それなら」「いいと思う。でも、上空からだと取りこぼしもあるかもしれない。だから、上空で数を減らしながら、壁際まで行って、そこから地上戦を仕掛けるって事でどうかな?」「・・・。賛成じゃ」「そうね。それしかなさそうだね」
私の案をベースに、アデレードが構築したのは、グリフォンにまたがり準備を行い。ボタンを押すと同時に飛び立つ。上空からまずは弓矢で攻撃を行う。壁際まで移動して、壁を背にして、ルナの灰魔法を下に放つ。ミルはドラゴナイトを探す事に集中する。部屋の隅まで移動して、地上に降りる。そこからはやる事は同じ。私が抑えながら戦い続ける。私がどれだけ耐えられるのかの勝負になる。方針は決定した。
ボタンはミルが押す。グリフォンにまたがり上空に飛びだつ。予想通り、上空はかなり広い空間になっていた。見渡すばかりの魔物の集団だ。魔法は温存し、壁際を目指す。部屋の隅までは10分程度で到着した。ミルがドラゴナイトを見つけている。反対方向に向かって進軍を開始する。倒した魔物の数を数える暇はない。次から次への襲ってくる。遠距離攻撃や魔法攻撃がないので、助かる。四方八方からの攻撃だが、前方以外はルナが防御結界で守っている。
「ルナ。防御結界はどのくらい持ちそう?」「この状態だと、1~2時間が限界。」「了解。ペース上げるわよ」「おぉぉ」サリーカは弓矢に灰魔法を乗せて貫通力を上げている。やはり、ミルの力がすごい。前方に高威力の赤魔法を展開させながら、面白いように魔物の首を跳ねていく。
「イリメリ。」「ミル。どうした」「少し休憩」ミルが戻ってきた。最後に魔物の足下に赤魔法と黒魔法を使用して氷を張り巡らせた何百と言うコボルトとゴブリンが囚われた。そこに、弓矢の総攻撃が行われて、倒していく。ミルが防御結界に戻ってきて、白魔法で体力回復を行う。ダメージではなく気力回復のようだ。「ルナ。結界変わる。魔弓マジックアローでデカブツ達をお願い」
その瞬間、ミルが防御結界を広げた。ルナは前線に出て、魔弓マジックアローで目立つ物から攻撃していく。近くの魔物は、ワクが取り込んでいる。とりあえずは今はこのまま進む。
2時間位戦ったのだろうか、疲労が見え始めている。魔物を倒した事で余白ができて、少し後退する事ができた。できた隙間を、魔物が埋める前に獣魔を出して、戦線の維持をお願いする。「イリメリ。ごめん。」「どうしたのルナ?」「さっき、一時間位って言ったけど、増えていた分を忘れていた。まだまだ余裕があった。」「いいよ。それで、今は?」「さっき、魔弓マジックアローでかなり減ったけど、まだまだ大丈夫。」「サリーカは?」「私はそろそろきつくなってきている。」「フェムは?」「短槍が一度研がないと無理で今は長槍だけを使っている。長槍はもう一本あるから大丈夫」「タシアナは?」「サーベルが一本折れたけど、まだ一本ある。」「アデレードは?」「妾は、まだ魔力も弓矢もあるが大きなダメージにはならないから牽制程度じゃな」「ミルは?」「平気!」「ほんと?」「うん。魔力も半分くらい残っている。」
「それじゃ、タシアナはさがってアデレード・サリーカと合流して、矢に属性を付与して攻撃。ミルは、タシアナが居た場所で魔法主体で攻撃。フェムと私で前線を維持。もう少しだよ。行くよ。」
獣魔達と入れ替わるように前線を維持する。獣魔達は、それぞれの主の元で護衛を行う。マヤは、オレアードと共にアデレードの側に居る。
ゴブリンとコボルトはほぼ片付いた。オークと魔獣と魔虫が今は中心になっているが、それほど怖くはない。
トロールとオーガにも大分ダメージを与えている。順番に突っ込んでこないが動きが早い魔物が先に出てくる。オーク100体位の集団が残っている。その奥に、ドラゴナイトが居るとミルが言っている。残り1%。
「みんな。大丈夫?魔力は?」「僕は平気後3割程度」「私は大丈夫。ただ、長槍も使い物にならない。」「矢がなくなってきている。」「魔力も無くなりそう」「妾もじゃ」「最後のサーベルがある。」「イリメリ。無理してない」「私も大丈夫。皆のおかげで魔力も温存できている。」「イリメリ。ミル。タシアナ。おぬし達3人でドラゴナイトを頼む。オーク100体は残りで対応。」「解った。お願い。」「行くよ。ミル。タシアナ」「「おぉ!!」」
私とミルとタシアナがオークの集団を無視する形で突破する。後方を振り返らない。信頼しているとかじゃない。大丈夫だと解っているから、前だけ向いて進む。ドラゴナイトのエンチャントする位置のようだ。ドラゴナイトが動き出す。盾で防御態勢を作る。
「イリメリ。尻尾!」
盾で尻尾を抑える。同時に、「ミル。盾に黄魔法」これは、連携している時に気がついた方法で、私おユニークスキル属性無視は、他人が使った魔法を武器や防具に付与する事が出来るよ。ミルに防御力を上げてもらった上で、ドラゴナイトの攻撃を防ぐ。盾に攻撃が当たる度に、持つ腕や支える足が悲鳴を上げるのが解る。ミルとタシアナが状況を見ながら攻撃を当てている。何分何時間過ぎたのだろうか・・・実際には、数合防いだだけかも知れない。盾が悲鳴を上げ始めている。攻撃が身体に響くようになってくる。
「ミル。タシアナ。盾が持たない。」「解った!」ミルが赤魔法を放つ。すきを作らないようにタシアナがドラゴナイトの足物に持ってきていた攻撃用の魔道具を連続で放つ。
後方から、弓矢が飛んで来るのが解る。オーク戦が終わったのだろう。形勢逆転とは行かないが攻撃が弱くなってくる。あと少し。
ドラゴナイトが最後の咆哮だろうか、体制をつくる。今まで咆哮での攻撃はなかったが、リンの眷属との模擬戦で嫌というほど見てきた。
「皆。私の後ろに集まって!」
咆哮が盾を中心に二つに別れる。アデレードが私の身体を支えている。サリーカがアデレードを支えるようにしている。フェム・タシアナ・ミルはいつでも飛び出せるように体制を作っている。ルナが残った魔力で防御結界を展開した。
咆哮が止んだ。その瞬間、ミルが飛び出し、追ってタシアナ。フェムが続く。
そして、ドラゴナイトが倒れ込んだ音を聞いた。。。。


私も倒れてしまっていたようだ。いつもの部屋のベッドで寝かされていた。
「イリメリが起きたよ。」フェムが側にいてくれた。勝てたのだ。1万の魔物に私達は勝ったのだ。皆が寝室に入ってくる。気がつくと、全裸で寝かされていた。身体に付いていた血や汗や多分おしっこも綺麗にしてくれたようだ。嬉しいけど、なんか恥ずかしい。
「イリメリ。お疲れ様」「どの位寝ていた。」「4時間って所じゃよ」「ごめん。そんなに寝ちゃって・・・。」「いいんじゃよ。あぁそうそう、魔物の掃討と回収は終わったぞ」「え?そうなの?」「あぁ」「アデレードそれでね。」「あぁそうじゃな。ドラゴナイトは、レベル30じゃなかった。」「あぁやっぱりね。」「あぁそれから、ワクが収集してきた魔物を袋に移して数を確認したんじゃがな」「かなり少なかった?」「そうじゃないんだ。」「??」「レベルが低い物も混じって居た。魔法で損傷が激しい物も混じっていると思うが、数が1万6千にもなっている。中には、レベル30を越えている物も居た。」「そうか、蠱毒かぁ・・・。」「蠱毒?」「うん。簡単に言うと、毒虫を一つの壺の中に入れるとどうなる?」「殺し合うじゃろうな」「そう、そして、最後に残った一匹はすべての毒虫を喰らった蟲になるってことだよ」「あぁそうじゃな。それが行われていたのかもしれないな。」「集落などない場所で何年いな何千年と時間が経っているのかも知れないからね。」「あぁ開放してあげないとな。」「うん。」「行こう」
着替えて、皆にお詫びと礼を言って管理者層に向かった。
『誰が、私の加護を受けるの?』「話が早いね。ランパス。」『それはそうよ。アルセイド・・・マヤだっけ?が居て、アパイアが居て、オレアードが居れば、気がつくわよ、この者達は悠久の時を過ごすに値する者達何でしょ。』「えぇそうよ。それもたったひとりの男の為に...ね。」『それは面白いね。是非有ってみたいわ。』「えぇそのためにも、貴女の神殿を攻略するのに活躍して、貴女の加護が一番似合う。イリメリに加護を付けて上げて」
私は一歩前にでる。白い梟が私の前に来て「貴女がイリメリなの?」「はい。初めて御意を得ます。イリメリ=ジングフーベル・バーチスともうします。」「堅苦しい言い方は辞めて、私と友達になって!」「解りました。私こそお願いします。」「うん。」
ランパスが私の肩に目で羽ばたいて
『我。冥を司るニンフ。ランパスなり。汝、イリメリ=ジングフーベル・バーチスの守護者とならん』『私は、イリメリ=ジングフーベル・バーチス。ランパスの加護をお受けいたします。』
「さぁイリメリ。これで、貴女は私の友達ね。」「えぇそうね。これからよろしくね。ランパス」「さっさと地上に出ましょう。ここは陰気臭くてすきになれないからね。」「その前にちょっと待って...。」「何するの?」
「6層を変えておく。森林そうにして、魔物の数を減らして、ドラゴナイトを4体配置する。あとは、魔虫を増やす。」「了解。サービスで今回は私がやってあげるわ。」「ありがとう。ランパス。」
ランパスが操作してくれて、森林になった事。魔虫が1万体と出ている。多分、森林の中で魔虫の最後の1匹を探すのは不可能だろう。これで攻略不可能になった
「これでいい?」「うん。ありがとう。」
こうして、長かった。ランパス攻略が終わった

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