【旧】チート能力を持った高校生の生き残りをかけた長く短い七日間

北きつね

旅立ち前夜

御前会議は概ねこちらの予定通りに進んだ。今、ローザスやハーレイやオイゲンやエルフリーデを、マノーラ家が誇る流れるプールに来ている。日本で言うスク水を用意しようと思ったが、オイゲンに白い目で見られそうだったし、彼女たちからも何か言われそうだったので、普通にアルマールにお願いして水着を用意してもらった。アルマールとフレットとカルーネも来ている。
今日の事を話すつもりで呼んだが、ミルとアデレードが土埃を流したいと言う事で、風呂に入ろうとしたが、ローザスがそれじゃプールとやらに入ってみたいと言う事になった。それから、水着を用意して、皆が着替えたのがつい先程で、今、いい出した本人は、流れるプールではしゃいでいる。
「おい。ローザス。さっさと戻ってこい。話が進まない。」「ハーレイもやってみなよ。楽しいよ。何もしないでも流されていくんだよ。」「解った。解った。それじゃお前抜きで話をしておくからな。後から聞いていないとかいい出すなよ。」「わかったよ。戻るよ。ねぇリン君。これハーレイの屋敷に作れない?」「作れるけど、水を多く使うから維持するのはあそこだと大変だよ。ここは、川から水を引き入れて浄化して使っているから大丈夫なんだけどね」「へぇそうなんだぁ。」「諦めろよ。ローザス。また”ここ”に来ればいいだろう?義弟の屋敷なんだからお前が入り浸っていても文句を言うやつは居ないだろうよ」「そうだった。」「解りましたよ。今度、メルナ辺りに施設を作りますよ。それとも、海岸街に保養所らしくプールを作りますか?」「あぁそれいいね。リン君。僕の保養所も海岸街に作ってよ。そこに、このプールがあれば嬉しいな。」「はぁ....解りましたよ。今度作っておきますよ。ハーコムのミヤナック家はどうする?」「そうだな。ローザスの所と離してくれるのなら、欲しいかな。」「解った。ローザスの所はプールの近くに作って、ミヤナック家は一番奥に作るよ。」「そうしてくれれば嬉しい。」「兄様。」「ハー兄様」ここでやっと、アデレードとルナの仲裁が入った。やっと話ができそうだ。
まず居なかったメンバーに御前会議の内容を説明した。オイゲンが無事男爵になった事や投資詐欺に関して、御前会議で宰相の言質を取った事やアゾレムの名前が出た事。そして、僕が大手を振って守備隊を持つ事が出来る事。投資詐欺に金貨150枚を出資する事が決まった事。そして、立花ウォルシャタ山崎エスタール細田イアン冴木ブレディのステータスが判明した事。を説明した。
「リン君。いいの金貨150枚も出してしまって」「あぁそうだ、ローザスもハーレイもオイゲンも突然ごめんね。」
急に金貨の枚数を増やした事を詫た。アッシュやサリーカが、裏で投資した貴族や商人に探りを入れていた。それの結果が出たのが、御前会議中だった。金貨100枚、多くても金貨130枚が投資した額になる。という返答を貰って、イリメリにモルトに確認して貰って、マノーラ家として金貨150枚を出しても大丈夫か聞いてもらっていた。大丈夫だと言う答えを貰って、急遽枚数を上乗せした。まずは、イリメリに伝達して、オイゲンやローザス・ハーコムの従魔に伝達した。それで、本人達に連絡が入って連携する事が出来た。というわけだ。アデレードやミルやエルフリーデはこのやり取りから取り残されていたから、何が行われているのかさっぱり解らなかったと漏らしている。
「それで、りん。宰相への牽制はあれで良かったのか?」「そうですね。目標だった、投資詐欺を衆目に晒す事が出来ましたし、アゾレムの名前まで出てきましたからね。」「あぁそうだな。あぁそうだ、明日で間に合うとは思うけど、ミヤナック家の寄子に、投資するなって言わなくて大丈夫?」「大丈夫だ。以前に、投資は詐欺だからもし俺が投資しても投資はするなって言ってある。」「うん。多分、暫くは、金貨150枚で持つと思うけど、それがなくなってきたら、僕やローザスやハーレイが投資しているからって言って、寄子に話しを持っていくと思うよ。」「そうか、解った、それに関しては通達を出しておく。」「うん。お願い。」「それで、リンどうするのじゃ?」「どうするって?」「今後何か手を打つのか?」「う~ん。暫くは様子見かな。採掘場所は同じように潰すけどね。」「どのくらいの予定なんじゃ?」「そうだね。次の追加投資の依頼位までかな?」「今回の事で、僕はレインじゃなくて、鉄やミスリルが欲しくてやっているんだからね。」「あぁそうじゃな」「うん。マヤやミル達が攻略に行っている最中は、僕は守備隊を構成して、帰ってくる位から、宰相にミスリルはまだですか?って問い合わせをしだすって感じかな」「・・・僕達に合わせなくても・・・」「う~ん。やっぱり、ミル達が返ってくるのを待つよ。」「なんで?」「ん?信頼できるのは、やっぱりミル達だからね。情報収集とか動きとか、勝てる勝負だけど、間違いが有ったら大変だからね。」
「よし、宰相に対してはそれでいいと思うのじゃが、アゾレムに対してはどうなんじゃ?」「それは、僕よりもミルに聞いてよ。後、ローザスが、ファンから感想を聞いてきてくれていると思うよ。」「リン君。本当に、君は底意地が悪いね。ファンが言っていたのは、ウォルシャタ達は確かにステータスには驚いたが、身体の使い方やスキル・魔法の練度が低くて、今のままなら守備隊でも勝てると思う。って事だよ。」「ミルはどう思った?」「ん?僕?あの場で殺そうと思ったけど、リンが言っていたから止めた。全然怖くもなんともなかった。」「だそうだよ。アデレード。」「そうか、妾も最近、イリメリ達を狩りに出かけているのじゃが、お前たちの無茶苦茶ぶりを見ていると、その言葉もうなずけるな。」「うん。模擬戦のときに、一瞬ミルが魔力を込めたから慌てて、ウォルシャタ達に結界を張ったんだよ。」「あぁやっぱりそうだったんだね。僕の魔法が弾かれた時は驚いたけど、それなら納得した。リンの結果はまだ破った事がないからな。今の目標でも有るんだけどね。僕の」「リンやミルの常識はずれの強さはおいておくとして、あやつらのステータスはどうだったの?」「あぁ私もそれ知りたい。」「こんな感じだったよ。」
名前:ウォルシャタ・フォン・アゾレム(31)真命:立花薫ジョブ:ウォリア体力:5,940魔力:930腕力:8,710敏捷性:740魅力:10スキル:(隠蔽)隠蔽スキル:肉体強化(1)スキル:長剣武技(1)、大剣武技(1)、戦斧武技(1)、長槍武技(1)ユニークスキル:物理無効(0)、魔法半減(0)、状態異常半減(0)エクストラスキル:限界突破リミットブレイク(1)
名前:エスタール・ティロン(28)真命:山崎徹ジョブ:長剣使い体力:3,210魔力:720腕力:5,370敏捷性:1,130魅力:30スキル:隠蔽、鑑定スキル:肉体強化(1)スキル:長剣武技(1)
名前:イアン・ブォーノ(24)真命:細田博行ジョブ:闇魔法師体力:1,710魔力:2,720腕力:970敏捷性:630魅力:40魔法:紫(2)スキル:隠蔽スキル:肉体強化(1)ユニークスキル:状態異常半減(1)
名前:ブレディ・アンジョロ(27)真命:冴木武夫ジョブ:パラディン体力:3,270魔力:2,350腕力:1,930敏捷性:1,700魅力:20魔法:白(1)スキル:隠蔽スキル:短剣武技(1)スキル:肉体強化(1)ユニークスキル:体力吸収
「あぁレベルは高いし、ステータスも高いけど、スキルや魔法は鍛えていないんだね。」「そうみたいだね。初級魔法だけど、魔力が多いから魔力を込めて放っていたから強そうには見えたけど、単純結界で十分防げたよ。」「僕もそう思う。剣技も大した事なかった、力が強いから当ったら痛そうだけど、剣技の発動もミエミエだし、動きが単調だった、あれなら23階とかに居るキラービーの方が怖い。」「それなら、妾でもなんとか対処できそうだな。」「そうだね。過信は禁物だけど、恐れるような感じじゃなかったね。」「あぁ」「それで、完勝した事で過信してくれればもっといいんだけどね。オイゲンはどう見る?」「ん?ゲーム言うと、アクションRPGだろ?あいつらは、コマンド式のゲームでもやっているんだろうな。プレイヤースキルを鍛えていない。」「簡単に言うと...。」「弱い。自分たちが勝てるとしか考えていないんだろうな。よく見ていれば、守備隊が適当にふっとばされた演技しているのもわかったと思うけどな。」
立花ウォルシャタは、恐れていたほどの事ではなかった、たしかにチートには違いない。あの体力は厄介だし、腕力も異常な数値である事は間違い無いが、チート同士の戦いになるのなら、戦い方でしのげる。まさに、オイゲンが言った、プレイヤースキルが足りていない。
「あぁそうだ、オイゲン。」「あ?」「お前の家名はどうする?」「家名?」「オイゲン様。男爵になったのですから、家名が必要になります。」「そうなの?」「はい。」「エルは何がいいと思う?」「何も無ければ、どこかを継承するわけでもないので、”エストタール"でいいのでは無いでしょうか?」「だって、リン。それでいい?」「ローザスどう?」「いいんじゃないか?」「それじゃ、エストタール男爵だな。」「なんか、急に偉くなった気分だな。」「オイゲン様はオイゲン様ですよ。」「エルもこれで、エルフリーデ=フンメル・ココス・フォン・エストタールになって、エストタール夫人とか言われるんだよね?」「・・・。そうですね。夫人って....」「そう言えば、ミル様やイリメリ様達は、第一夫人とは呼ばれていないのですね。」「僕達は、全員が正妻で全員が一番だからね。ギルドとかでは、奥方とか呼ばれているよ。まだ婚約しただけなのにね。」「そうだったのですか?」「ん?」「てっきり、アデレード様が第一夫人だとばかり思っていました。」「妾がか?」「えぇ。失礼ながらご出身を考えれば・・・。」「あぁそうだな。でも、それなら、ルナの方が上やもしれんぞ」「あっ!」「そうそう、でも、身分というかそういうのだと、マヤが一番なんじゃないの?アルセイドなんだからね。」「そうなんだよな。でも、リンが誰が一番って決めないってはっきり言ったからね。ギルドの孤児なんかは、未だに”マヤ姉”呼ばわりだからね。」「オイゲン。お前は、序列を付けているのか?」「あぁ最初のときに、コリンズ達がいい出したんだよ。」「そうなのか?」「あぁ」「そうだ、僕の所の守備隊を集める時に、オイゲンの家の守衛や家令スチュワード執事バトラーやメイドも雇わないとな。」「ハーレイ。何かいい方法ない?」「そうだな....」
ハーレイが言うには、募集をすればすぐに集まるだろうけど、宰相派の人間が紛れているかもしれないから、守備隊に関してはゆっくり人選した方がいいと云うことだ。オイゲンの所の、エストタール家の方を早く立ち上げないと問題が出てくるだろうと云うことだ。早く人選を進めていかないと、マノーラ家の管理能力を疑われるし、他の貴族や豪商から押し込みが入るかも知れないと言う事だ。
「アッシュの所にいい人材いないかな?」「いないと思うよ」「なんで?イリメリ?」「うん。だって、アッシュ。最近は、アゾレム対策や諜報活動で必死でしょ。」「あぁそう言えばそうだったね。」「フレーゲルの所とかは?」「無理なんじゃない?」「あぁぁぁぁ!!!」「どうした?リン。」「ごめん。思い出した。」「ん?」「ゴルドから、幾つかのエルフの集落が庇護を求めて来ていると言う話を思い出した。それで、守備隊の後衛に魔法や弓が得意なエルフを配置してもいいよね。あと、オイゲンの所で雇えば体裁整うよね?。」「・・・・あぁそうだな。エルフの家令スチュワード執事バトラーか、伯爵家でもそんな家ないぞ。」「エルはどう思う?」「いいと思いますよ。でも.....」「でも何?」「あぁオイゲンに新しい嫁が出来ないか心配なんだよね。」「なっ・・・」「はい....」「ねぇリン。オイゲンの所には、男性のエルフだけを送り込むでいいんだよね。」「あぁそうだな。食事とかは、コリンズとかがしているんだろう?」「はい!」「なっリン。そりゃぁ....」「何?オイゲンは、浮気するつもりなの?」「いや。そうじゃないけど....。」「リン様。それでお願いします。メイドは、シルヴァ達がしてくれますから大丈夫です。」
落ち込むオイゲンをよそにいろいろ決まっていく。エルフに会いに行って、問題がなければ、オイゲンの所で働いてもらう。魔法や弓が得意な者は、マノーラ家の守備隊に入ってもらう。暫く、ゴルドがエストタール家の家令スチュワード代理を務めてもらう。
話すべき事はこれで終わったと思う。後は、マヤとミル達が明日旅立って暫く留守にしている間、どうするのかと言う事だが、ギルド関係はすでに引き継ぎが終わっている。マノーラ家に関しては、それほど緊急の事が無いので大丈夫。本当に、緊急な事が発生したら、眷属に連絡をつけてもらう事になっている。ローザスやハーレイには暫く留守にするとだけ説明している。神殿の話や攻略ではなく、地力を上げるために修行に出ると言う事にしている。転移門トランスポートの出現や転移魔法で時間的な感覚は大分小さくなってきているけど、移動に時間が掛かるのは当然だと考えているので、修行で半年と言っても不思議には思わないようだ。
だからというわけではないが、今日は皆に揃ってもらった。送別会ってほどの事は無いが、この後食堂に移動して食事を食べて、軽く遊技場で遊んでから解散となる。話が一通り終わったので、着替えて、食堂に移動した。全員座れるだけのスペースはある。各々食事を楽しんでいる。
食事は、最近収穫できた。”米”を出した。アデレードと眷属達で監獄で作っていた。多分、マヤとミルにはバレていたと思うけど、内緒にしてくれえていた。稲は前から見つかっていたが、僕達がしる”米”ではなかった。改良を加え、水田を作って、やっと食べられる味になった。まぁ実際には、エントとドライアドにあぁだこうだ言いながら改良してもらった。皆は喜んでくれるのだろうか?生食出来る卵がまだ見つかっていない海藻があったので、海苔だけは作った。塩もあるので、漬物も作った。数が用意出来なかったので、3切れ3種類の9枚用意した。イリメリだけ2種類なのは、きゅうりが苦手だったと思ったから、僕が食べてみて味も姿形も似ていたから出さないようにした。
「今日のメインです。ニメラ持ってきて...」
皆の前に、お膳が並べられる。ヨーロッパ様式のテーブルにお膳てシュールだなっと思ったが、ご飯はお茶碗と箸。知らない物は『???』と言う顔になっているが、転生者達は何かを期待している顔になっている。そして、目の前に御櫃が置かれてしゃもじが出てきた。
「リン。これって。」「フェム。開けてみて...」「あぁぁぁこれは.....」「うん。やっと食べられるレベルの物ができたんだよ。今日に間に合わせようと頑張ったんだよ。」「食べていい。」「勿論だよ。マヤとローザスとハーレイとアデレードとエルフリーデは、彼女らがここまで興奮するのがわからないと思うけど、もう少し待ってね。」「あっあぁ」「海苔と漬物もあるよ。」「本当だぁ懐かしいな。舌が心が覚えているんだね。」「ねぇリン。」「何、イリメリ?」「あっ!ありがとう。覚えていてくれたんだね。」「うん。」
もう一心不乱に食べている。オイゲンはすでに御櫃が空になっている。1合は十分あったと思うんだけどな。エルフリーデのご飯を半分貰って食べている。まぁ夫婦だからいいんだけどさぁローザス達は見よう見まねで食べては居るが、よくわからないらしい。まぁそうだろうな。
ほぼ皆が一杯目を食べ終わった所で、昆布モドキから採っただし汁と鯖に似た魚を燻製にした物を削った、鯖節モドキを入れた混合だしを持ってきた。そして、海苔を細かく切って、ネギモドキをご飯の上にまぶして、お茶漬け風にした。一言も発しないで食べ続けている。お茶漬けを啜る音だけが場を支配して、茶碗を置く音が響いた。
「リン。おかわり。」「お前は少し遠慮しろ。オイゲン。今日は、ミル達の送別の為に用意したんだからな。」「オイゲン様。私のが残っています。よかったらどうぞ。」「ありがとう。エル。」「それで、リン。米も売るのか?」「ローザスとハーレイの顔見れば解るだろう。受け入れは難しいだろうな。このままだと」「そうか....まぁ俺たちが食べる分があればいいかな。」「あぁそれは大丈夫。確保するように作るよ。」「ねぇリン君。」「なに?ローザス?」「この食べ物、確かに美味しいけど、そこまで感動するものなの?」「うん。そうだね。懐かしいって事も有るんだけどね」「へぇそうなんだね。食べ方はこれだけなの?」「ううん。他にもいろいろあるよ....あぁねぇイリメリ。おにぎりにして持っていく?時空の袋タイムシフトポーチなら時間止まるからいつでもおいしいよ!!」「あぁぁぁぁ持っていく。」「具材は海苔と塩しか無いけどいいよね。」「うん。早速作る。フェム。タシアナ。協力して」「「了解」」
それから、女性陣はおにぎりや旅先で食べる食事を作り始めた。時空の袋タイムシフトポーチがあるから、大量に持っていける上に作り置きが可能。便利だって事で、いろいろ作っていくようだ。
僕とローザスとハーレイとオイゲンとエルフリーデは、遊戯室に移動して、ビリヤードをやる事にした。ゴムが出来た事で作ってみた。サイズは解らなかったが、こんなもんだろうって感じで作った。だが、これが実際にやると面白い。ルールはわかりやすいナインボールにした。ローテーションもルールがわかりやすいので、二つに別れてやってみる事にした。ローザスの一人負けの結果になった。何度やってもローザスが勝てない。勝てそうになると最後でミスをする。
ローザスが、ハーレイに相談していた。一台買って帰るようだ。ダーツも人気がある。意外な事に、エルフリーデが才能を発揮して、ハーレイに競り勝ち、決勝で僕と対戦した。これは、ハーレイとローザスが買って帰るようだ。オイゲンも屋敷に一式欲しいと言う事で、合計ビリヤード一式を2セットとダーツを4セット作る事になった。値段は今適当に決めたんで、後でオイゲンとローザスが相談して決める事になった。オイゲンというよりも、エルフリーデが決めることになるのだろう。
女性陣を待っていたら、かなり遅い時間まで遊んでしまっていた。帰る事も出来るが、3人と一人はマノーラ家に泊まっていく事になった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
朝日が登る前に、僕はマヤに起こされて、皆起きて支度が終わったから、もう出発すると言う事だった。
【召喚-コボル】【召喚-フォートラン】【召喚-パール】【召喚-リスプ】【召喚-アルゴル】【召喚-スクリプト】【召喚-ヴィビィ】【召喚-パスカル】
グリフォンを召喚した。ミルの前には、パスカルが居る。ルナの前には、ヴィビィが居る。
「コボル。」「はっ御前に」「コボル。アデレードを頼む。アデレード。コボルと契約してあげて、乗って欲しい。」「解った。コボル。頼むな」「アデレード様の望むままに」
ついで、フォートランをサリーカに、パールをフェムに、リスプをイリメリに、アルゴルをタシアナに、スクリプトをマヤに渡した。
「皆。頼むな。肩乗りのサイズにもなれるから、もし町中でも皆を守って欲しい。」
「マヤ。ミル達を頼むよ。」「任せてお兄ちゃん。お兄ちゃんのお嫁さんを全員連れて返ってくるよ」「うん。マヤもだからな。」「わかっている。」マヤを抱きしめてキスをした。今までのような軽いキスではなく深く愛情を確認するキスを交わす。
「ミル。むちゃしないでね。」「うん。僕は、リンの剣。リンを守るために強くなってくる」「うん。無事帰って来て」「勿論。」ミルを抱きしめた。マヤと同じように深い深いキスをする。
「イリメリ。一番心配だよ。我慢しないでね。怪我しないようにね」「大丈夫。ミルが剣なら、私はリンを守る盾になる。皆を守る盾になって帰ってくる」「うん。約束だよ。」「リン。大好きだよ。やっと言えた。」イリメリを抱き寄せて、最初に軽くキスをして、深いキスをした。
「フェム。あんまり調子に乗らないでね。安全第一だからね」「うん。なんか私だけ違わない?」「そんな事ないよ。心配なんだよ。」「うん。大丈夫。帰ってくるよ」「うん」フェムが横を向いた所で、横から抱きしめてキスをした。そのまと正面を向かせて深いキスをした。
「タシアナ。皆をお願いね。イリメリも抜けている所があるから、タシアナが守ってあげてね。」「うん。わかっている。リンの側にしっかり戻ってくるよ。」「約束だよ」「うん」タシアナを正面から抱きしめて、おでこにキスをして、唇を合わせる軽いキスをして、深い深いキスをした。
「ルナ。頑張りすぎないでね。みんな居るし、僕も居るんだからね。」「うん。リン。強くなって帰ってくる。リンと歩くために・・・。キスして、寂しくないように....」ルナの前に跪いて手の甲にキスをする。そのまま立ち上がって、ルナを抱きしめた。抱きしめて、深くキスをした。「リン。大好き。」「僕もだよ。」
「サリーカ。無茶する奴等が多いけど、頼むね。そして、無事に帰って来て」「大丈夫。商隊の娘だからね。リンの所に強くなった皆を届けるよ。」「うん。でも、その商品にはサリーカ自身が入っていなかったら欠陥品として苦情入れるからね。」「解った。私自身も忘れないで届けるよ。」「お願いするね。」サリーカを後ろから抱きしめて、肩越しに深く深くキスをした。
「アデレード。」「妾は、大丈夫じゃよ。自分の力量は解っておる。」「うん。でも、アデレードが無茶しないか心配だよ。止められる人が居ないからね。」「大丈夫じゃよ。最近、イリメリやフェムに怒られているからな。」「それなら少し安心するよ。でも、アデレード。君も大切な人で欠けてはならない人なんだよ解っているよね?」「・・・・あぁ」「信じていないでしょ?」「妾は....」「もう、家族なんだよ。僕から家族を奪う事は神でも許さないからね。覚えておいて」「あぁ肝に銘じておくよ。」「うん。」アデレードを正面から抱き寄せて、腕の中におさめてから優しく唇にキスをして、正面を向かせて顔を両手で覆ってから深い深くキスをした。
「みんな。無事に帰って来て、一度に全部攻略しなくてもいいんだからね。まずは、絶対に無事に戻ってくる事だけを考えてね。約束だよ。一人でもかけたら、全員許さないからね。」
「解った。リン。行ってくるね。」「うん。いってらっしゃい。」
そうして、グリフォンに跨って、皆が旅立っていった。まだ朝日が出ていない空では、目で追うこともできなくなってしまうのに、そんなに時間はかからなかった。

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