【旧】チート能力を持った高校生の生き残りをかけた長く短い七日間

北きつね

ギルドの拡張(王家との交渉)

転移してきた。何か言われたような気がするが、気にしないようにする。
眷属達はまだ帰ってこない。暇になってしまった。今ギルドに変えるといろいろ怒られそうだし、ミルとマヤの雰囲気から皆と話をする様だ。確かに、今日を逃すと、明日は王城に行くし、その次は大量の奴隷がやってくる事になりそうだ。あぁそうだ、ドラウがなんか魔物たちが集まっているとか言っていたな。マヤが居ないけど、ドラウの所に顔出しておくか、今後の相談とかもしたいからな。
久しぶりにゲートから魔物の里に向かった。出迎えが無いようで少しホッとしている。僕に用意されている屋敷を出た。ヒューマが走ってくるのが解る。「リン様。言って頂ければお迎えに上がったのに...」「いや大丈夫ですよ。ドラウは居る?」「はい。長も困っていましたので、助かります。」「あぁなんか魔物が尋ねてきているんだろう?」「・・・・はい。そうですね。」「ん?どうした?」「いや。詳しくは長に聞いて下さい。」
ドラウが居る所に小走りで移動した。「見慣れない者も多いみたいだな」「・・・はい。」
「長。リン様をお連れしました」「入って下さい。リン様」「お邪魔するよ。」
「ドラウ。どうした?」ドラウは、腕を怪我しているようだ。回復魔法位使えるやつが居るだろうにと思ったが、里には今白魔法が使える者がいないとの事だ。応急処置として回復魔法をドラウにかけた「ありがとうございます。リン様」「そうで何があった?」「お恥ずかしい話ですが、元々の里の物とスネーク山や近隣から集まった者の間で諍いがありまして仲裁しようとして、怪我を追ってしまいました。」「そうか、僕やマヤに会いたいと言ってきている者達か?」「いえ。その者達は、皆おとなしく待っています。そうでなくて、この里が最近大きくなってきているのが気に入らないと言ってきた者達が居たのですよ。それらを代表する奴等が近隣にまとまっているので、話し合いをしに行ったらこのざまです。」「そうか、マヤが居なくて良ければ、まずは僕達に会いたいと言っていた連中に会うぞ。」「おぉお願い出来ますか?」「あぁそのつもりだったから問題ないよ」「ヒューマ。あの者達の代表者を連れてきてくれ。」「ドラウ。代表って言ったよな。何名位居るんだ?」「全部で、273名です。最近、意思に目覚めた者も多く保護を求めています。」「273?全部が真命持ち?」「いや、一人も持って居ない状態で、魔核は既にない状態です。」「それにしても多くないか?」「まだ推測の域は出ていませんが、マガラ神殿が稼働し始めた事が関係しているかもしれません。その辺りの事を、マヤ様にお聞きしたかったのです。」「そうか、今マヤはニグラだからな。今後連れてくるよ。それとも、ドラウが訪ねてもらっても良いんだけどな」
ヒューマが戻ってきたようだ「連れてまいりました」
上位種や進化した者は居ないようだ。代表者でこれなら、本当に目覚めたばかりなんだろう。皆が僕の前でひざまづいている。コボルト。ゴブリン。オーク。オーガ。ワーウルフ。エント。リザードマン。ドライアド。部族単位で目覚めた種族があるようだ。それぞれの種族の話を聞くと、ドラウの里では無く、僕の眷属として真命を得たいととの事だ。それは問題はないが....正直、名前を考えるのが面倒だ。それに、住む所も問題になりそうだ。
!!「そうだ、お前たち。僕達が作っているマガラ神殿で生活するか?」「よろしいのですか?」オーガが反応した。他の者も同じ意見の様だ。「あぁ実際眷属たちも一緒いるし、受け入れられているからな。」「それならばぜひ!」「そうなると住む所が問題だな。魔素が出ている所は、これから冒険者が出入りするし、ない所はダメだろう?」「「??」」「リン様」「ん?ドラウどうした?」「いえ。何か勘違いされているかと思いまして....」「何を?」「我らは、たしかに魔素を吸収して力にしていますが、魔素が無くても大丈夫です。むしろ、ない環境の方が、魔核が出来ないので、安心出来ます。」「え”そうなの?」「はい。動くために必要な魔素は食べ物から吸収するのです。だから、リン様に料理の方法を教えてほしいといったのです。」「そうだったんだ。ゴメン勘違いしていたよ。」「・・・」「それだっから、かなり広い場所を提供出来るとおもうよ。この里の10倍位の広さはあるとおもうから余裕でしょ。それに、狩りがしたければ、狩りが出来る場所も提供できるからね。」「本当ですか?」「あぁ本当だよ。本音は、ドラウ達にも引っ越してきてほしいけどね。」「我らたちも?」「あぁさっきの話からこの辺りを狙っている奴等が居るんだろう?それなら、マガラ神殿の中に引っ越して、転移門トランスポートで里に来るようにしておけばいいんじゃないの?なにか、愛着みたいな物があるだろうから、強制はしないけどね。」「あぁ問題ありません。ここは、魔物や人間から逃げるために作った里ですからね。今となっては目立ってしまっていますから、放棄に些かの不満は出ないと思われます。」「それなら全員で来てよ。いろいろお願いする事も増えそうだし、提供出来るのは安全位だけどね。」「十分です。我らは、リン様の眷属なのです、リン様のお近くに居させて下さい。」「そうだな。それでは、お前たち、マガラ神殿の地下二階に住処を用意しよう。」「はっ」「真命は、引っ越しをしてからにするからな。全員、真命を授けるから安心しているように」「ありがとうございます。リン様」「種族的な事もあるだろう?地形とか要望があれば聞くよ。」「水辺が近くにあると嬉しいです。後、やはりイスラ大森林との転移門トランスポートは維持したく思います。」「そうだな。素材とかの事もあるからな。結界をもっと小さくして、強固な物にして、柵と石壁で覆った中に小さな屋敷を作って、そこに転移門トランスポートを作ろうか?交代で警護や守備をしていれば今よりは大分楽だろう?」「そうですね。結界のほころびも目立ってきましたし、潮時でしょうな。」「建物は、移設出来る物は移設しよう。ワクが出来るから、ワクに頼むといい。」「リン様。ありがとうございます。」
そこからは話が早かった。まずは、ドラウを連れて地下二階に転移を行った。その後は、ドラウが順番に転送していくだけだった。地下二階の水辺の近くや森の部分は、ドラウ達の好きにさせる事にした。草原部には、学校や奴隷たちの寮を作る事を言っておいた。眷属たちだけなら、迷宮ダンジョンの上位層でも大丈夫だろう。場所を見た眷属たちがここの方が安心出来る上に環境が良いと建物もワクが運び始めている。適当な位置において欲しいと言うことだったので、後はワクに任せた。
次は、新たに眷属に加わる者達の真命付になる。流石に数が多い。273とか言っていたけど、実際には319だ。子供の魔物も混じっていて、子供は数に入れていなかったと言う。コボルト。ゴブリン。オーク。オーガ。ワーウルフ。アストミ。エント。リザードマン。スライムも存在していたが、スライムはワクが吸収する事になった。居たスライムもそのほうが良いと言う事だ。強いスライムが多くを吸収して大きくなっていくんだと言う事だ。そうする事で、分裂出来る数が増えるんだそうだ。だから、里にはワクしか居なかったんだなと納得した。吸収したスライムを使って、普段は分裂して生活する事も出来るんだと言う。
名前を考えるだけでもしんどい。祝詞は既に考えること無く出て来るが、コボルト:73ゴブリン:86オーク:26オーガ:14ワーウルフ:49エント:21リザードマン:43ドライアド:7種族別に並んでもらって、それぞれ名前つけを行っていく。住む所に関しては、自分たちでなんとかすると言う事だ。
エントとドライアドからは、一緒に地下二階の環境を整えたいが問題ないかと言われて、許可を出した。草原部には手を出さないようにお願いするのを忘れない。リザードマンは魚を食する事から、水辺が良いと言うので、湖を用意して、そこに魚を放出する事にした。それぞれで集落を作ったり、魔物の里住んだりとする事になった。進化も近々始まるだろうから、進化が落ち着いて着たら、その後の事を話すことになった。真命を全員につけ終わる頃には、ワクの作業が終わって、僕が転移門を置いた建物だけが残されている状態だ。ドラウと一旦魔物の里に戻って転移忘れや、誰か残っていないかを見て回ったが大丈夫そうだ。最後に、転移門トランスポートの建物に結界を張った。この結界は、ギルドカードを持っていれば通過出来る物にした。調整は、後でタシアナにお願いする事に勝手にした。建物の周りを石で覆って、鉄の扉をつけた。エントにお願いして、石の周りを木々で覆ってもらった。これで、カモフラージュも出来たし、問題ないだろう。後は、里に張ってあった結界を緩める変わりに広げる事にした。そのまま維持でもいいが、それよりもイスラ大森林の表層以外の場所に人が入らないように、弱めの結界を張るほうが良いだろうと思っている。僕達の領地になるのだから、そのくらいの事をしてもいいだろう。魔物や植物の恵みを独占する位は許されるだろう。
ドラウと話をして、後は先に眷属になった物が教えていくと言う事になった。そして、ドラウや古代魔法が使える者に、タシアナとカルーネとアルマールを助けて欲しいとお願いした。多分1日か2日位で進化も収まるだろうから、その後に面接をお願いしたいと言われて承諾した。今日は、ここまでになった。
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昨日は本当に疲れた。身体の疲れではなく、頭がつかれた。ギルドに帰ってきたら、イリメリとナナから怒られた。一緒に、アルマールにも怒られてしまった。僕ってそんなに酷いことをしたかな?確かに、いろいろ要望を出したけど....快適になったんだから良いんじゃないのかな?それから、タシアナが帰ってきて、銭湯の魔道具の調整をしてくれた。ナナとラーロさんからは、呆れられたが、明日(今日だね)一日様子を見てから値段を決めると言う事になった。タシアナには、一緒に、ラーロさんの宿屋と住居の上下水道の整備もお願いしてあった。水道はそんなに手間ではなく既にある魔道具の改良で出来るんだと言う。問題は、トイレや生活排水の処理だ。ギルド本部ではどうしているの?と聞いたら、魔道具で処理していると言う事だ。同じにするには高すぎるんだと言う。マヤが飛んでもない事を提案してきた。迷宮ダンジョンの上層階の適当な場所に高めの丘にした部分に池を作って、そこに垂れ流したら?と言う事だった。これなら、転移の魔法陣だけで済んでしまう。迷宮ダンジョンが汚れないの?と確認したら、これも明確な答えがあった『魔物が処理する』と言う事だった。有機物ならスライムが処理するし、水質に関しても、水棲の魔物が処理を行うと言う事だ。人間には毒でもそれを蓄えて攻撃する魔物も存在するらしい。迷宮ダンジョンも強くなるし、下水道の問題も解決する。ギルド本部の下水も併せて転送する事になった。調整は、いつもの様に丸投げした。
さぁ今日は王城に行く日になる。今日は、マヤも一緒に行く事になっている。今日の説明役は、ルナとフレットが行う事になる。面倒な話だが、身分的な問題でそうなってしまうようだ。僕としては、ミルには着いてきて欲しいし、イリメリとフェムのツッコミがないとうまく説明出来ない。そのかわり、今日はローザスとハーレイも来る事になっている。
それから変わった事がもう一つ昨日の夜帰ってきて、一人でベッドで寝て起きたら、なぜか、"サリーカ"と"ルナ"と"フェム"と"イリメリ"と"タシアナ"と"ミル"が僕の部屋で寝ていた。女子会でも開いたんだろうと突っ込まないで、一人で起き出して、食堂に向かった。食堂には、なぜかニヤニヤしたアルマールと恥ずかしそうにこっちを見ているフレットとカルーネが僕を見ている。何か言いたそうだったが、あえてスルーして挨拶だけした。サラームが挨拶をしながら食事を持ってきてくれた。段々と野菜の種類とか、スープの種類が増えている。「サラーム。大変じゃない?」「いえ、良くしていただいていますし、不満はありません。」「それなら良いんだけどね。」「はい。それに、孤児院の子達も手伝ってくれますし、孤児院の食事に関しては、大鍋に用意すれば後は自分たちで取り分ける事になっています。」「そうか...。大変だったら言うんだよ?倒れられたりしたら困るからね。」「はっい!」
その後、ぞろぞろと、マヤを先頭に僕の部屋で寝ていた女子達が出てきた。ニヤニヤしていたアルマールが「サリーカ。どうだったの?」「ダメ。」「はっははは。マヤとミルの言った通りだね」「うん。あっサラーム。私今日はスープだけでいい。」「はい。」他のメンバーも手慣れた感じで注文をしている。「リン。起こしてくれればよかったのに...」「・・・なんか、起こしちゃ悪いかなって思ってね。」「ぶぅ」マヤが僕の隣の定位置に座りながら文句を言い始めた。最近、この食堂は僕達だけが使う様になっている。護衛やギルド職員達は、キッチンが一緒になっている食堂を使っている。気にしなくていいとは言っているが、なんとなく定位置が決まっている。僕の右隣にマヤが座って、左隣にミルが座って、左側の窓際がサリーカ・アルマール・カルーネで僕の正面がフェナ・イリメリ・タシアナで、通路側がとフレットとルナが座っている。そして、何故か、ルナの隣には時々食事に来ると言うハーレイが座る形になっている。ぞれぞれの従魔も小型化して食事を一緒に食べる事にしている。
「今日は、ルナとフレットとマヤと一緒に王城に行けば良いんだよね?」「うん。ハー兄様とローザス様が迎えに来るって言っていました。」「了解。フレットは、これからギルドを本拠地にするのか?」「うん。昨日父様に屋敷に戻らなくてもいい。何か用事があれば使いを出すと言われて、今日からこっちに居るよ。」「そうか、書庫の生理とかお願いする。あと、教会関係の進捗とかをイリメリと共有しておいてくれると嬉しい。」「うん。解った。」「ねぇリン。」「ん?」「ハー兄様はまだ反対しているけど、ローザス様がギルド本部に居た方がいいよ。って言っているから、私もこっちに居る事にするね。それに・・・。」ちらっとマヤを見たのが解った。「(これはまずい)うん。解った。いいとおもうよ。何をしても、ハーレイ重度のシスコンは僕に文句を言うだろうからね。それに、アゾレム家との話もあるし、こっちに居たほうが安心出来るよ。」「うん!」
食事をしながら、昨日の事を報告した。魔物の里で、391名を眷属にした事を告げた。内訳を話をして、二日後を目処に面談でどういった進化になったのかを聞く事になっている。進化しているのはわかっている。僕のステータスがものすごい勢いで上がっている上に、新しいスキルがポコポコ増えている。もう人外って言われてもしょうがないよなと思えてしまう。神殿の地下二階を彼らの開放した事も告げた。タシアナとカルーネとアルマールには、ドラウも引っ越してきたから、今度から地下二階に訪ねて欲しいとお願いした。三人は近くなると喜んでいるようだ。それに併せて、魔物の里を縮小して、今は転移門トランスポートがあるだけになっているから、素材を取りに行く時には、ギルドカードを持っていくようにとお願いした。
一通りの説明をして、皆からの報告を聞き終えて、食後のお茶を飲んでいた。このお茶は最近サリーカが仕入れてきた日本茶に似たお茶だ。徐々にだが、食生活も豊かになってきた。
ナッセが上がってきた「リン様。ローザス様がお越しです。今、ギルドカウンターでホルストと話をして口説いております。」「何してんだか....すぐに行く。ルナ。フレット。マヤ。支度してきて、僕はローザスと話をしているよ。」「うん。解った。」
ギルドの受付に向かった「ローザス。当方の職員を口説くのは止めていただきた。」「口説いてなんてないよ。少し世間話をしていただけだよ。リン君。誤解だよ。ね。ホルストちゃん」「えっえぇ」「わかったから、もう向うんだよね?」「あぁハーレイももうすぐ来ると思うからね。」「一緒じゃなかったのか?」「うん。なんでも、昨日からルナが居ないって騒いでいてね」「あぁルナ。こっちに来るって言ってなかったのか」「それも違うよ。ルアリーナ嬢は、ギルド本部で生活するってもう宣言しているんだよ。今まで、それをハーレイが許していなかっただけなんだよ」「へぇ~昨日は出てこれたんだね。」「そうみたいだね。内部に協力者が居たみたいでね。うまく抜け出したみたいだよ」「そうなんだ。ローザス悪かったな。手間かけさせて」「いやいや。君に恩が売れると思えば安いものだよ」二人して顔を見合わせて笑った。
「ローザス。米搗き飛蝗リン=フリークス。何がおかしい?」「あぁハーレイも来てくれてありがとう。もう行くんだよね?」「なにをこの蛆虫リンは普通に話をしているんだ?ローザスお前もだ。お前の部屋から、ルナが出ていったのはわかっているんだぞ。」「だって、ルアリーナ嬢が僕にお願いしてきたんだよ。そこは可愛い子の為にお願いを聞かないとね。そう思うだろ。リン君」「僕にそれを振られても困りますよ。確かに、ルナは可愛いと思いますよ。」「米搗き飛蝗リン=フリークスやはりお前は、ルナの事を狙っているんだな。昨日は何をした正直に言えば苦しまない様にしてやるぞ」「はいはい。ハーレイも落ち着いて、ミヤナック卿にも話をして、許可を貰ったんだからいいだろう?」「俺は許してない。」「今の君は、後継でしかなく、ミヤナック家の当主は君じゃない。だから、ルアリーナ嬢の事は君が許可をださなくても大丈夫だと言う事だ。解っているんだろう!」「・・・・ううううう。」「ハー兄様。いい加減にして!」「ルナ・・・・。」「情けない声をだしてもダメ。私はもう決めたの。お父様にも許可を貰ったし、これからはギルドで生活する。(マヤは兎も角、ミルやイリメリやフェムに負けたくない)」「・・・・」「たまに(一ヶ月に一度位)は帰るからね。」「・・・ルナ解った。たまに(3日に1日位)帰ってくるんだね」「うん。そのつもりだよ(泊まらないけど)」
なんか、ミヤナック家のお家騒動の様な感じになっているが気にしたらダメなんだろう
馬車に乗る時にも一悶着があった。ルナがローザスの馬車に乗り込んで、ローザスをハーレイの馬車に移るようにお願いした。ローザスが乗ってきた馬車が走り出した後で、ハーレイが何か怒鳴っていたがもう遅かった。
ローザスの馬車には、僕とルナとマヤが乗っている。ハーレイの馬車には、追い出されたローザスとフレットとハーレイが乗っている。馬車は王城に向けて走っている。今日は、王城の控えの間で着替えさせられる事になっているとの話だ。女性陣だけは衣装を持ってきていて既に着替えている。未婚女性は肩を出す事が一般的だと聞いていたが、マヤもルナも肩を出していないドレスを着ている。フレットは少しだけ出る感じのドレスになっている。多分聞いちゃダメなんだろ思ってスルーしておいた。でも、そういう意思表示なんだろうと思う。
王城に付く前に、マヤとルナのステータスを確認した。僕のステータスも二人に確認してもらった、新しく眷属にした者からのスキルや魔法が徐々に増えてきているので、検証する暇もないので、全部隠蔽した。
今日もすんなりと王城に入る事が出来た。ローザスが手配していたからなんだろう。そのまま、控えの間に男女別に通されて、僕は待ち構えていたメイド達に寄って着せ替え人形になっていた。少し、遅れて入ってきたハーレイとローザスは既に礼服の様な格好になっている。「リン君。少し時間を貰えないか?」「良いですよ。この後の予定が解らないでのどうしたら良いのかと思っていた所ですからね。」「そうだな。それじゃ付いてきてくれ。」「はい」珍しく黙って前を歩くハーレイに付いて行く。「ここだ。君だけを連れてきて欲しいと言われている。」「??」「父上。リン=フリークス・テルメンを連れてきました」「!!」「あぁ部屋に入ってくれ」「リン君。僕とルナの父親だ少し変わっているが気にしないでくれ。君と二人で話がしたいと言う事なんだ。時間が着たら迎えに来る。」「解った。」
重厚なと表現して良いだろう扉を開けて中にはいった。中央に一人の中年男性が座っていた。ハーレイを年齢重ねて重厚な雰囲気をもたせたら、こういう人物になるのだろうと思えた。「君が、リン=フリークスだね。こちらに来なさい」「はっい。」正面のソファーまで行く。「いいから座りなさい」そう言われて、ソファーに腰をおろした。
「ハーコムレイとルアリーナから話を聞いている。君がやろうとしている事は、儂達がやろとしている事と利害が一致している。ハーレイ辺りは、ルナの事で、君に何か言っているようだが、気にしないでくれ。ルナも三女だと言う事もあり、好きにさせている。君の所にきたいというのなら止める事はしない。君達の好きにしてくれ。その分の利益は取るつもりだからな。」「はぁ」一気に話されてしまった「あぁそうだったな。儂が君の事を一方的に知っているだけだったな。儂は、ハーコムレイとルアリーナの父親の、セイメン=ニフタル・フォン・ミヤナックだ。今日は、参加しないが、今度皆を連れて家にあそびに来なさい。歓迎するよ。」「あっリン=フリークス・テルメンです。ルアリーナ嬢とギルドを運営している者です。よろしくお願いします。」「今日は、あまり話せないが、家に来た時には、ニノサの話も聞かせて欲しい。あいつが宮廷から抜け出してから何をしていたのかとかな。」「!!」「あと、マヤと言う子にも会ってみたいからな。あのルナが言うくらいだからな。」「!!」「早いなもうお迎えが来たぞ」ドアが開いた「父上。陛下とアルフレッド皇子の準備が出来ました、リン=フレークス・テルメンを連れて行きます。」「あぁ解った。それではな、サビニの息子にして、ニノサの血を引くものよ。」
僕は立ち上がって、一礼した。ハーレイと共にドアを出て行く。無言のままドンドン先に行く。後をついていくと、途中で、マヤとルナとフレットが待っていた。全員揃った事を確認して、「今日は、陛下が少人数で話がしたいと言う事だから、謁見の間ではなく、通常の会議室で行う事になった」「・・・はい。何か問題でも?」「ん?あぁ君はそういうやつだったな。気にしないでくれ、格式がどうこう言う愚か者が多いからな。」「あぁそうなんですね。気楽になってホッとしていますよ。」「そうだな。君はどこまでもニノサに似ているな。だから、ローザスとの気が合うんだろうな。」「!?」「ほら、そこだ。」「ハーコムレイ・フォン・ミヤナック。リン=フリークス・テルメン他3名を連れてまいりました。」「ご苦労。入ってくれ。」「はっ失礼します。」
中には、4人が座っていた。真ん中に、陛下だろう、その横に、軽く手を振るローザスが座って、ローザスの隣には見たことがない女の子が一人座っている。陛下の隣には、先日有ったフレットの父親のリンザー=コンラート卿が座っていた。
それぞれ席を勧められるがまま座って、飲み物が配られた。「それで、そちが、我が姉の娘の子供なのか?」陛下がいきなり本題に入った。「お父様。まずは、簡単に自己紹介をしませんか?」奥に座っている女の子がそう言ってくれた。「それもそうだな。」
リンザー卿が立ち上がって、「お初にお目にかかる。リンザー=コンラートだ。そこに座っている、フレットの父親だ。話はフレットから聞いているが、今日改めて聞かせてほしいので、陛下に無理を言って参加させてもらった。」次に先ほどの女の子が立ち上がって「アデレード=ベルティーニ・フォン・トリーアです。残念な事に、アルフレッド=ローザス・フォン・トリーアの妹になります。間に数名挟んでいますが、アルフレッド兄様の次に継承順位が高いと言えばわかるわよね?」次にローザスが立ち上がった「残念な兄呼ばわりされているが、はじめまして、アルフレッド=ローザス・フォン・トリーアと言う。話は、そこのハーレイを通して話を聞いている。今日はいろいろ面白そうな話が聞けると言う話だったので参加した。」「余が、トリーア国王だ。マルティン=ヨワフィム・フォン・トリーアだ。君達には、是非マルティンと親しみを込めて呼んで欲しい。」「陛下!!」「ニノサの子供は兎も角、他の子は可愛いからな。できれば、マルティンおじさんとか呼ばせたいぞ。」「「・・・・。」」「陛下。」「お父様。」「父上。」「やっぱりだよ。謁見の間でやらなくてよかったな。ハーレイ。やっぱりこうなったよ。」「あぁお前は、間違いなく陛下のご子息だよ。」「あぁ残念ながらそうおもうよ」「お前たち。余の事をどう思っているのかはっきりさせるべきだろうな」「「・・・」」「お父様。客人が置いてけぼりです。やっぱり、私が来て正解でした。」「リン様。改めて、私の事は、アデレートとお呼び下さい」「はい。アデレート皇女殿下」「硬いです。アデレートで良いです。」「アデレート様?」「アデレート!」「リン君諦めな。君が僕の事をローザスと呼んでいるのを調べて、自分もそう呼ばせると言い出したからね。」「はぁ....アデレート。でよろしいのですね。」「えぇ嬉しいですな。リン。これからよろしくね」「??」
「あぁ折角来て貰って悪いんだけど、もう話は全部して有るんだよ。教会側の話とか全部ね。君達の事は話していないから安心して」「はぁそうなんですね」
「リンよ。話を進めるにあたって、ニノサが残したと言う印章を見せて欲しい。」「はい。これになります。」
ローザスに手渡す。ローザスが陛下に渡す。「うむ。物は間違いないな。コンラート。」リンザー卿が受け取って「はい。間違いありません。サビニ様が持っていた物です。」「リン=フリークス。汝は、これをどうやって手に入れた?」
ニノサの手紙に入っていた事。その手紙を受け取るに至った経緯を説明した。
「そうか、その手紙は持っているのか?」「はい。」手紙を時空の袋タイムシフトポーチから取り出す。「ねぇリン。それって時空の袋タイムシフトポーチ何でしょ。ちょっと見せてもらえる?」「別に良いですけど、僕にしか使えませんよ?」そいってアデレートに時空の袋タイムシフトポーチを渡した。あぁ鑑定が使えるんだね。それにしても、ジョブで皇女ってなんだよ。生まれた時から決められているって事なのか?
「リン=フリークス。この布は、魔法的処置がされている。汝がどういう説明を受けているのかわからんが、これの布を左手首に巻いて検証する為の魔道具を使うことで、汝の手首に紋章が映し出される。試すか?もし紋章が顕現しなかった時には、罰を受けてもらう事になるぞ」ノータイムで「問題ありません。お願いします。」「本当にいいのか?」「はい。ニノサが僕に任せて、サビニが託してくれた物です。なんらやましい気持ちも無ければ疑う気持ちもありません。」「良い答えだ。」「ここに来て布を左手首に巻きなさい。」リンザー卿の側に移動して、布を巻いた手首を出しだした。何か魔法的な事をするのかと思っていたら、魔道具をかざした。暖かい感じがした。10秒位そうしていただろう。「もう良いだろう。布を取って、手首を皆に見せなさい。」「はい。」巻いていた布を取って、手首を皆に見せた。そこには、真円になっている印章がしっかりと現れていた。「おぉ。陛下。間違いありません。王家の血族に当たります。」「そうか、リン=フリークス・テルメン。汝は今日これより、侯爵の地位を与える。追って連絡はすぐが、ニグラにあるギルド本部と言う所に届ければいいのか?」「・・・・はい。お願いします。陛下。」「うむ。汝の希望は、アルフレットやコンラートから聞いている。イスラ大森林とスネーク山を領地に欲しいと言う事だった。」「はい陛下。」「陛下。メルナも統治させるのがよろしいかと存じます。」「あぁそうだな。アルフレッドの言うとおりだな。魔物の巣に侯爵を置いたと有っては、余の見識を疑われる。リン=フリークスよ。メルナ周辺及び、イスラ大森林 及び スネーク山周辺を汝の領地とする。細かい事は、そこの、アルフレッドとアデレートと話をしてくれ。」「解りました。ありがとうございます。」「いや。本来なら、もっと早く動いて探してこうしていれば、ニノサやサビニを失う事もなかったとおもうと、余の不徳だ。許せ。」「いえ、陛下。それは違います。」「どうしてだ?」「ニノサとサビニは、ポルタでの生活を気に入っていました。その証拠に、私やマヤがいます。自分たちはニノサとサビニに愛されていたと本当に思います。」「そうか、その言葉は余に取っても救いになる。ニノサとサビニの件は残念だったがお前達は今後どうするのだ?余が口出す事は出来ないが、出来る事なら何か手助けを考えるぞ」「いえ。大丈夫です。言葉は悪いのですが、私もマヤも、ニノサとサビニが復讐を望んでいるとは思っていません。自分たちが楽しく過ごしている事が、最大の望みだと考えています。その過程で、何かお願いする事もあるかもしれませんが、僕達家族は復讐を望んでいません。」「・・・・。アルフレットよ。あのニノサの子供らしいな。マヤというのか?汝も同じ考えなのか?」「はい。陛下。私もリンと同じ考えです。ただ、リンやリンが大切にしている物を傷つける者が出てきたら、ただ逃げようとは思いません。多分これは私達の総意です。」「そうか、怖いな。コンラート。伝説のニンフを敵に回したくないな。宰相派も馬鹿な事をしたもんだ」「!!!!!」「父上。ニンフと言うのは、あのニンフなのですか?」「他に、ニンフが居たら教えてほしいものだな。なぁアルセイド様。」場の雰囲気がガラッと変わった。マヤに視線が集中する。「何のことでしょう。私は、マヤ=フリークス・テルメン。そこに座っている、リン=フリークス・テルメンの妹になります。それ以上でもそれ以下でもありません。陛下。」「そうですか、解りました。そういう事にしておきます。時期が来たら話していただけるのでしょう?」「何のことかわかりませんが、陛下が望まれるのなら、その時が来るでしょう。」「解りました。ありがとうございます。」陛下がマヤに向かって一礼した。
「リン=フリークス。本当は、余が行きたいが、行くと言い出すと怒り出す奴等が多くて、動けない。その代わり、アデレードを余の代わりに汝に預ける。」「!!」「アデレード。良いな。」「はい。お父様。」「リン。そういうわけだからよろしくね。」
「ゴメン。リン君。いろいろ話をしていたら、アデレードにバレちゃって、面白そうだから参加させろって言われて、いろいろ有って断れなくなってしまったんだよ。」「・・・。」「お兄様。それじゃ私が悪いみたいじゃないですか?そもそも、お兄様が悪いんですよ。ルナもよろしくね。」「・・・はい。アデレード様。」「ダメだよ。ルナ。これからは同僚になるんだから、アデレードって呼んでくれないとね。」「!!・・・はい。解りました。」「硬いな。貴方たちのリーダであるリンも私と同じ侯爵になったんだよ。今更身分とか言い出さないでよ。ミヤナック家のご令嬢が...ね。そうでしょ、コンラート家のご令嬢もいるんだからね。」「「「!!!(あぁ間違いなく、ローザスの血縁だよ)」」」
「早速だけど、マガラ神殿に行ってみたいんだけどいいかな?」「え”」「だって、お兄様が管理する教会と言う所も見てみたいし、これから同僚になる人にも挨拶したいから、よろしくね。」にこやかに言われても困ってしまう。アデレードもかなり可愛い部類に入るんだろう。多分地球に居たら間違いなく、国民的美少女コンテストで優勝出来るだろう。はぁまた爆弾が一個増えるのかとおもうと、イリメリとフェムの怒った顔が浮かんでくる。気が重いな。ローザスのせいにして逃げてしまおうかな。
それから、行政書士が来て、まず最初に、サビニが皇族だと言う認定する手続きが行われて、時間を置いて、サビニとニノサの婚姻が正式に認める書類が作成された。その後、僕が継承権を持つ皇族の一人だと認定され、マヤがニノサとサビニの養子となる書類が作られた。書類が認定されて、すぐに、僕が継承権を放棄する旨の書類にサインをして、マヤとサビニの皇族からの除籍にサインをした。これで、僕が新たに生まれる侯爵家当主となる事になった。家名とどうしましょう?と書士に聞かれて、前から考えていた『マノーラ』を告げた現存する貴族にない事が確認された。これで僕は正式に「リン=フリークス・テルメン・フォン・マノーラ」となり、マノーラ卿と呼ばれる事になった領地に関しても、約定通り、イスラ大森林全域とスネーク山全域、宿場町メルナと南に広がる山岳地帯及び森林地帯を領土とする事が決まった。山岳地帯は丁度、マガラ渓谷で寸断されている山々のニグラ方面になる。森林部はその山の麓に広がる部分で、イスラほどではないが魔物が生息している場所になっている。この森林や山を抜けられれば海に出る事が出来る。これで、広さは、貴族の中では一番大きな領地になるが、各貴族からは反対の声が上がらなかった。メルナを領地に含める事に難色を示した貴族は居たが、陛下の"鶴の一声"で決まったらしい。ただし、メルナに関しては、貴族達から通行税を取らないと約束する事になった。陛下は、笑いながら「マガラ神殿を通る場合は、違うからな。あくまで今まで通り、アロイからマガラ渓谷を抜けてメルナに入るとかその逆とかに限るからな。」と言う事だ。
これで手続きを含めて終わった。やっと僕達の居場所が出来た瞬間だ。
発表は待って欲しいと言われた。なんでも、3日後に御前会議が開かれるので、そこで発表したいとの事だ。僕達にはなんの問題もないので了承した。「リン=フリークス。そこで一つ頼みがある。」「はい。何でしょうか?」「うむ。その席でお前たちがやろうとしているギルドとやらを発表したいんだが、このアルフレットの発案だとさせて欲しいんだがいいか?」「・・・。問題ないです。陛下。」「そうか、良かった。全部。余の不徳なんだが、宰相が何やら動いていてな。余が後継ぎをアルフレットにしているのにもかかわらず、大多数の貴族に声をかけて教会にも圧力をかけて、自分の娘が産んだ子を後継者にしろと言ってきてな。」「・・・・。」「確かに、あの者の方が年は若いが、血筋を言われるとな。ローザスもアデレードも余が正妻の子とは言え....。」「いえ。良いです。陛下。僕としても、誰が言い出したかなんて些細な事で、僕達の邪魔さえなければ問題ないです。ローザスが発案者だと言ってくれれば、その宰相派の人間たちも表立って手出しができなくなるのなら。こちらからお願いしたい所です。」「そうか、そうか、そう言ってくれるか」「はい。」「アルフレット。ギルドの事をお前の名前で議題にだせ。そして、すべてを、新しく侯爵になる。マノーラ卿に一任すると宣言しろ。ミヤナック家もそれでいいな。」「はい。陛下。ルアリーナの事もありますので、私どもとしては、アルフレッド殿下が後ろ盾になっていただけるのなら、動きやすくなります」
「あ。陛下。アデレードがギルドに来る事は解りました。毎日、馬車を出しての運用では手間もかかりますし、護衛の問題もあろうかと思います。どこか問題にならない場所に転移門トランスポートを設置させていただきませんでしょうか?アデレードだけが通れるように設置します。」「リン。何か誤解していない?私は、ギルドにお世話になるって言っているのよ?」「ん?だから、昼間はともかく、夜はこちらに戻ってくる必要があるんだろう?」「そこが誤解していると言っているの!」「・・・・・えぇ!!」「そう、ギルド本部でも、マガラ神殿でもどこでもいいから部屋を貸して頂ければいいですよ。」「え”だって...皇女が寝泊まりするような場所じゃないよ。」「どんなところでもいいわよ。なんなら、リンの部屋でもいいくらいよ。」「「「!!」」」「それはまだダメ。部屋は用意させます。ギルド本部では手狭でしょうから、マガラ神殿の教会上層に部屋を用意させます。」「まだね。良いわよ。それでお願いします。」ルナが勢いで決めてしまった。まぁいいか。これ以上厄介な事にならないうちに、どこかに家でも作ろう!
陛下とリンザー卿が次の約束の時間が来てしまったらしく、退出した。残された者で今後の事を決める事になったが、イリメリやフェムにも入ってもらった方が良いだろうと言う事で、ギルド本部に移動する事になった。
ギルド本部に戻って、事情を説明した。イリメリもフェムもしっかり聞いてくれた。ルナが何故か逃げるように、アデレードを連れて、マガラ神殿を案内すると連れて行った。それに付き合うと言って、ハーレイも一緒に行った。
イリメリとフェムが、ローザスにギルドの事を資料にまとめるので、ナッセと話をしてどこまで話すのか決めて欲しいと言われていた。そして、それに、フレットが付いて行く事になった。
そんな話を聞きながら、ミランダにお茶と軽く摘める物をお願いして、出てきたサンドウィッチと紅茶モドキを飲んでいた。
「ミランダ。少し下がってて。」「はい。なんかありましたらお呼び下さい。」ミランダが下がっていく。あっなんかまずい。逃げようとしたが遅かった。ミルが呼ばれてきていた。
「ミル。お願い。」「うん。ガルガ。お願い。」「ミル様。解りました。」そう言って、結界魔法が展開された。転移する事もできなくなった。敵前逃亡と言われようが、逃げようとしたがダメだった。フェムとイリメリがにこやかにしているのが怖い。ミルは、座ってガルガを撫でている。「さて、リン。どういうつもり?」「どういうつもりも何もないんだけど.....。」「何もしないで、皇女が来るって事?」「あっ僕だって驚いているんだよ。なんか、話がそんな感じで進んでしまって、断れるタイミングが無かったんだよ。」「イリメリ。どう見る?」「マヤはどうおもう?」「間違いなく、嫁候補として押し付けてきたと考えるのが妥当だろうね。本人もその気みたいだしね。ルナの事を昔から知っていたみたいだし、いろいろ調べている感じがするよ」「私もそうおもう。あの目は、私達を完全に嫁の一人として見ていた感じがする。」「そうだよね。ローザス辺りが余計な事を吹き込んでいる可能性もあるけどね。」「うん。そうだね。」「私達の敵になる事は間違いないでしょ」
「あれ?ローザスの所。ボノスが何かうちの子に何か話したい見たい。ガルガ。一部分だけ結界緩められる?」「我が、ボノスに接触して受け取ってまいりましょうか?」「出来るの?」「はい。」「そう。それじゃお願い。アースグリムとケーニヒスはリンが逃げないように見張っててね。」「「はい」」
「ローザスはなんだって?」「あぁイリメリとフェムもこれを見て」「「「・・・・・・・・。」」」「私はそれならいいかな。」「私も....それは必要だろうね。」「うん。消極的賛成ってところかな。今晩にでも、アデレードに話をしてみよう。それで決めたい。」
なんか、僕の知らない所で、話が進んで、知らない所で、話が終わったようだ。
「ねぇ僕。もう言っていいかな?迷宮ダンジョンの調整とかしておきたいんだけど.....。」「「「・・・」」」「いいよ!」マヤが答えてくれた。ガルガも結界を解いてくれて、転移が出来るようになった。地下二階に転移した。
「ふぅ怖かった。僕。何か悪い事したのかな?」

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