【旧】チート能力を持った高校生の生き残りをかけた長く短い七日間

北きつね

ギルドの拡張(アロイで勧誘)

マヤとギルドに戻ると、孤児たちが待っていた。「マヤ姉。おかえり」満面の笑みを浮かべて、マヤに抱きついてくる。マヤが一人ひとり名前を呼びながら抱きかかえていく。皆が話を聞いてから、マヤの帰りを待っていてくれたようだ。
「マヤ様。おかえりなさい。お食事の用意が出来ています。」「うん。只今。初めての人も居るんだね。よろしくね。」食堂に移動して、夕飯を食べた。今日は、もう疲れたと言う事で、僕とマヤは早々に休む事にした。マヤは、久しぶりにお風呂に入ってくると行って、お風呂に向かった。僕は、そのまま部屋に入ってベッドに転がり込んで眠りに着いた.....。
◆◇◆◇◆◇◆◇
腕に違和感を感じて起きる。マヤが居る。そして、なぜか、ミルとフェムとイリメリも一緒に寝ている。「????」僕が起きたのに気がついたのか、マヤが起き出す。それと同時に、皆起き出す。「おはよう。リン。」「うん。おはよう。状況が理解できないんだけどね、誰か説明できる?」「説明の必要はないとおもうけど?」4人とも昨日僕が寝てから何か有ったんだろう。でも、それを聞くのは藪蛇だと思える。危機管理として何も聞かないことにした。今日の予定を確認する事にした。ハーレイとローザスの予定がまだ解らないので、ルナが来てからにする。フレットの話では、教会関係者はいつでも大丈夫と言う事だ。ただ順番として、ハーレイとローザスの方を先にしたほうがいいだろうと言う話だ。ミルの提案で、今日はポルタ村に移動してからアロイに向う事になった。後は、適時ギルド本部に居るイリメリに確認をしていくことになった。
早速朝食を取る事にした。4人と一緒に食堂に向かった食堂では既に、サリーカが食事をしていた。なんでも、情報が早い商人が何人か接触をしてきたらしい。ここに珍しい素材があると言う話を聞きつけてきたらし、今のところはごまかしているが、いつまでごまかせるか解らないとの事だ。それに関しては良いアイディアが出なかったから、表に出していても問題なさそうな素材だけを出して、それ以外はサリーカの持つ時空の袋タイムシフトポーチに入れておくことになった。
食事を済ませて、マヤと二人でポルタに転移した。最初、ミルと護衛がついていくと言ったが、今日は家族だけで話がしたいからと言う事で遠慮してもらった。ポルタから、直接アロイに行くのではなく一旦ギルド本部に寄って、そこからアロイに行く事で納得してもらった。
【転移-ポルタ】イメージしたのが、丘の上に作った、墓石の前だ。マヤは、自分の墓石でもあるが、気にした様子もなく手を合わせている。マヤにポルタでの出来事を話をした。誰にも話していない事だが、マヤには話しておく。ウーレンとサラナのことも話しておいて、ここの墓守をやらせる事にしたと告げた。そして、二人でニノサとサビニに現状を話をした。
【転移-ギルド本部】自分たちの部屋に転移した。その後食堂に移動して、ミルを呼んでもらった。ミルとクローネが一緒に来た。転移では一人づつしか転移できないので、順番に転移する事になった。まずは、クローネを連れて転移した。場所は、アロイから少し離れた場所にした。次からは、クローネが基点となるのでもう少し楽が出来る。連続で転移を繰り返した。マヤとミルとクローネと僕が揃ってアロイ近くに転移してから、アロイの街に向かった。
まずは、ナナの宿に向う事にしている。その後、無理だろうけどラーロさんを誘おうと思っている。
ナナの宿屋は開店休業状態になっている。「ナナ!ナナ!いないの?」「だれ?」「僕だよ。リンだよ」「リン?!」「うん。マヤもミルも居るよ」「夢じゃないんだよね?ニノサはサビニは?」「ナナ。落ち着いて、お願いだから、」「・・・。本当にリンなの?」「ガルドバがあれだけマガラ渓谷を探したのに何も見つける事ができなかったのに、どうやって、どうやって....。それに、ゴメン。ミル。全部使っちゃったよ。」「良いですよ。そのつもりでしたから....それよりも、どうしたんですか?」「ん?」「どうしたって?何のこと?」「あれだけ綺麗だったのに.....。」「あぁ領主の馬鹿が、アロイの税を上げると言い出してね。ガルドバと相談して店を閉める事にしたんだよ。それで、今は荷物の持ち出し中。ひとまず、ガルドバの里に行くことにしたんだけどね。国境の街まで移動できなくなってね。今、相談中。」「ねぇリン。丁度いいんじゃない?」「あぁそうだな。ねぇナナ。いろいろ話したい事があるし、相談した事が有るんだけどいいかな?」「うん。良いわよ。時間はたっぷりとあるからね。」「そうか、できれば、ナナが信頼出来る人で、アロイから出ようとしている人なんかも居たら後で紹介して欲しいな。まず前半はナナだけと話をして、その後で、そんな人達を紹介してほしい。」「いいわよ。それこそ、半分以上の宿屋や商店は店を畳むつもりだからね。」「そう、それは深刻な自体だね。僕達にとってはタイミングが良かったのかもしれないけど....、まずは、人に聞かれたくない話なんだけど、奥の部屋使える?」「使えるわよ。でも、魔道具はもう売っちゃってないわよ?」「いいよ。僕の魔法で音を遮断するから」「はぁ?まぁその辺りの事や、ミルちゃんの異常なステータスの事なんかも説明してくれるんでしょ?」「えっ私異常なんですか?」「えぇ十分に異常だよ。」「解った、解った、全部は話せるかわからないけど、説明するよ。僕とマヤがこうして居る説明にもなるからね」
部屋に移動してから、古代魔法で部屋を隔離した。この魔法は、時空の袋タイムシフトポーチを作る時に用いる魔法の応用になる。触媒があれば永続的に時間を止める事が出来るが、今は触媒もないし、会話が外に洩れない様にするためだけに使用した。出現した魔法陣に、ナナは何か言いたそうな顔をしていたが、さらっとスルーした。僕とミルや仲間達の事を、神の祝福を得た子供たちだと言う事にした。これは、フェムが考えた言い訳であるが、アルセイドの加護を得ている事からあながち嘘ではないと考えている。
僕とナナがここからパシリカに出てから今日までの事をかいつまんで話をした。その上で、僕のステータスをナナに確認してもらった。真命:リン・マノーラ(3)ジョブ:動物使い体力:140(+1960)魔力:200(+6280)腕力:130(+1750)敏捷性:190(+810)魅力:300(+350)魔法:外(8)古代魔法:時空魔法(2)、結界魔法(1)、召喚魔法(1)、精神魔法(1)古代魔法:建築魔法(1)、融合魔法(1)、分解魔法(1)、操霊魔法(1)魔法:黄(3)、黒(2)、青(2)、白(2)、紫(2)、灰(2)、赤(2)スキル:(隠蔽)隠蔽(8)、言語理解(3)、念話(3)スキル:陰移動、詠唱破棄、魔法生成、限界突破リミットブレイク、物理無効スキル;状態異常無効(毒無効、睡眠無効、麻痺無効、気絶無効)スキル:肉体強化(1)、精神強化(1)、知覚強化(1)、聴覚強化(1)、思考加速(1)スキル:弓武技(1)、刀剣武技(1)ユニークスキル:動物との会話(5)エクストラスキル:(隠蔽)万物鑑定見透す力(7)、神殿管理(1)管理:マガラ神殿
「はぁ?リン君あんた何したの?レベル3のステータスじゃないよね?知らないスキルてんこ盛りで、古代魔法って何?ただの化物じゃない!!」「ひどいな。僕は僕だよ。」「それは、そうだけど、前にミルちゃんのステータスを見たときにも異常だと思ったけど、近くにこんな人が居たんじゃ自分の異常具合はわからないわよね。」「「・・・」」「わかったわよ。貴方が言ったことは信じるわ。それで、まだ聞かせてもらっていない事が有るわよね?」「はい。ニノサとサビニは、領主の息子。ウォルシャタの所に留まっている食客に殺された.....と思う。僕とマヤの家を急襲した守備隊の人間が言っているのを聞いたから間違い無いとは思う。」「そう、あの殺しても死にそうになかったニノサが私よりも先に行くなんて、私が死んだ時に、地獄で我が物顔で居るニノサを見たくなわね。」「えぇだから、ナナはなるべく長生きして、善行を積んで、サビニの所に僕の事を報告しに行って欲しい。その上で、地獄に居るニノサを思いっきり笑って下さい。」「あらそれは良い提案だね。それで、リン君達は、私にその善行のチャンスを届けに来てくれたの?」「いえ、善行のチャンスになるかもしれない提案をしに来ました。」「あらあら。お話を聞きましょうかね」
アルセイドの加護から、マガラ神殿を手中に収めている事。そして、そこに宿屋をはじめ商業施設を誘致していきたいと思っている事を説明した。そして、ギルド本部の両脇にも宿屋を作りたい事。ギルドという組織は一つの場所だけではなくいろんな場所に繋がる事で意味が出て来る。その上で、協力的な貴族の領地内にもギルドの支部を作って、人の往来や物資の搬送を行いたい事。それらを行うに当って、信頼できる人を確保したい事を説明していった。そして、あまり閉鎖的な組織にしたくないために、ギルドに協力してくれる立場の人たちに場所を貸す形で営業してもらいたい。それらの事を説明した。ナナは黙って最後まで聞いてくれた。
「リン君。それで私に何をさせたいの?」「僕らは先日パシリカを受けたばかりです。成人していると言っても世間から見れば青二才と思われてしまいます。」「そうね」「それで、ナナには、宿屋や商業の取りまとめの顔役になってもらいたい。」「貴族連中や生臭坊主どもと渡り合えばいいの?」「そうですね。でも、貴族側が、ミヤナック家とローザスがある程度は抑えてくれると思います。坊主連中も、フレット=コンラートがある程度なら抑えられると言っています。」「!!」「ナナには、実質的に、どうしたら宿が回るのかとか、従業員の教育をまとめて欲しい。」「ミヤナック家が出てきて、ローザスってアルフレッド=ローザス?金髪の小僧?コンラート家って大物が出てきたわね。確かに、それだけの後ろ盾が期待出来るのなら、私なんて露払いにもならないだろうな。」「あぁもう一つあった。僕達に実践を教えてほしい。近い将来、ニノサとサビニの敵と対峙する事になる。それまでに実践を繰り返しておきたい。」「えぇわかったわ。その話に乗りましょう。とりあえずは、信頼できる人間を集めておけばいいんでしょ」「うん。お願いします。」「あっそうだ。それで一人先に確保して逃したい家族が居るんだけど頼めるかな?」「??」「ベイラ亭と言う宿を最近はじめた、ラーロって奴だけど」「!!ラーロさん?元護衛で、今アロイで宿屋を奥さんと娘さんとやっている?」「知っているの?なら話が早い。」「何かあったの?」「娘が、君達が言うバカ息子の行政官の息子に言い寄られていて、次の休みまでに娘を差し出せ。さもないと、宿を潰すって言われているらしい。娘さんは『自分が行くから』と言っているようだけど、ね」「はぁ何者ですそんな馬鹿な事を言っているのは?」「エスタール=ティロンと言う馬鹿だね。行政官の息子だし執行官の役割を持っているから、逆らえないのを良いことにやりたい放題。」「ナナ。解った。ラーロさん一家を安全な場所まで送るよ。説明するのが後回しになってしまうけど大丈夫かな?」「うん。私から逃げ道を用意したと説明するよ。」「了解。今すぐにでも大丈夫だよ。転移魔法が使えるからね。」「は?今転移って言った?」「うん。でも、一人づつしか転移出来ないからまだ少し不便なんだよね」「もう。なんでもいいか、ラーロ達を連れてくるから待っていてもらえる?」「もちろんだよ」
そう言って、ナナが立ち上がったので、時空魔法を解除した。クローネが「リン様。あのナナと言う人は、宿屋の女主人なんですか?」「そうだね。”女”じゃないけど主人だよ」「??私から見ても、すごい使い手だと思います。多分、私達では太刀打ち出来ないかしれません。」「まぁそうだね。一流の探検家だったらしいからね。」「やっぱりそうなのですが、ギルドに来てもらえたら模擬戦をお願いしたいのですが良いですか?」「うん。ナナが大丈夫って言えばいいとおもうよ。」
「ねぇマヤちゃん。私って異常なのかな?」「う~ん。私は、ミル可愛いから好きだけどな。」「私も、マヤちゃん好きだよ。じゃなくて...むぅぅぅ」「ねぇミル。私の事もマヤって呼んで。リンの事を呼び捨てにしているのにずるい。」「・・・・。マヤ。これでいい?」少し頬を染めたミルが可愛いと思った。「うん。で(も、リンはあげないからね!!)」「(・・・)」「(一番は私だからね)」「二人で何話しているの?」「「リンは黙ってて!!」」「はい。」
二人が何やら話していたが、気にしてはダメだと言う事なので、気にしない事にした。
ナナが帰ってきた。ラーロさんを連れてきてくれた。「ラーロさん。お久しぶりです。」「お!誰かと思えば、リンとマヤだな。他の二人は初めてだよな?」「はい。」「ナナさん。早速だけど、本当に安全に逃げられるのか?」「はい。それは....」「ラーロさん。今から行われる事は秘密に出来ると約束できますか?」「あぁ娘と嫁が安心して過ごせるようになるのなら、俺は悪魔にだって魂を売る。少なくても、ナナは悪魔よりはマシだろう?」「えぇそうね。こんな可憐な悪魔は居ないでしょ。」「「「・・・(なまじ反論出来ない所が質悪いよな)」」」「解りました。少し目をつぶって貰えませんか?実際に体験してもらうほうが早いでしょ。」「あぁこれでいいか?」
「はい。もう開けていいですよ?」
「ん?リン.....え”ここどこだ?」「さぁ戻りますよ。また目をつぶって下さい」
「はい。大丈夫ですよ。」「おっおぉお!!....ナナ。俺を騙そうとしているのか?」「ラーロを騙して、娘と嫁をさらう?そんな事して私になんのメリットがあるの?」「あぁ確かにないな。それで何がどうなっているんだ?」「簡単に説明します。あれは僕のスキルです。決められた場所に一人を連れて戻る事が出来ます。今は、ニグラにある僕達の本部になっています。そして、このマヤが居る所に戻ってこれるようになっています。」「!!!!転移魔法の様な物か?」「そう考えてもらって大丈夫です。そして.....ワク。」「はぁ~い。」「スライム!?」「大丈夫です。そのスライムは僕の眷属で、名前をワクといいます。」「僕はワクです。よろしく!!」「リン君。私も知らないわよ。そのスライムは何?」「いえ、せっかく、ラーロさんが逃げるのなら、宿屋一式セットを持って逃げませんか?」「は?言っている意味がわからん。」「いや。言葉通りの意味なんですけどね。ラーロさんが僕を信頼してくれるのなら、まずは娘さんと奥様を僕達の本部に送り届けます。その後、ラーロさんが作った宿屋を移築します。」「代金はいりません。その代わり、僕達に協力して下さい。お願いします。」「なんだか解らないが、ナナが信頼しているんだろ?だったら俺も腹をくくった。全部任せる。」「ありがとうございます。それでは、ラーロさん。僕を勧誘したフリをして宿屋まで先導して下さい。」「あぁ解った」「マヤとミルも着いてきて、クローネは何かあるとまずいからナナと一緒に居て」「はい。」
ラーロさんと一緒に宿屋に急いだ。見張りがいるかもしれないと思ったが、ワクやロルフに聞いても、誰も見張っていないと言う事だった。いろいろ甘く見ていてくれて助かる。まずは、ラーロさんの希望で、ラーロさんをギルド本部に連れて行った。そこで、ナッセとフェムに頼んでギルドの説明をしてもらう事になったが、一旦ラーロさんを連れて戻ってきた。奥さんや娘さんに安全である事を告げたいらしい。一度宿に戻って、最初に奥さんを連れてギルド本部に転移して、次に娘さんを連れて、最後にラーロさんを連れて転移した。ギルド本部では受け入れ体制が出来ている状態だった。次に、ミルを送り届けて、ワクに宿屋を全部取り込んでもらった。その足で、ナナの所に戻って、ナナに、ラーロさんをニグラのギルド本部に転移させた事を告げた。その段階で、3日待って欲しいと言われた。3日でアロイから出ていこうとしている連中をまとめる事が出来ると言う事だった。クローネを転移させて、最後にマヤと転移した。
「ニノサ・サビニ。あんた達の子供恐ろしい生き物になっているわよ。心地よいくらいに優しい気持ちを持っているみたいだけどね。」
◆◇◆◇
ラーロさんをギルド本部に迎い入れてから一日経った。イリメリから説明はしたけど、まだ混乱しているから、少し休んでもらったほうがいいと言う事だった。僕が気にしていたのは、ラーロさんで良いのかと言う事だが、ナッセもフェムもイリメリも問題ないだろうと言うことだった。それに、僕が迎い入れると決めた人だから大丈夫と言う事だった。今後は、この辺りのルール作りもしていく。今日、ラーロさんを連れて、フェムがマガラ神殿に行っている。最終的には、神殿で宿屋を経営して欲しいと言う話をするためだ。そして、娘のベイラ嬢は、孤児やミーシャやウインザーとルナの授業を受けている。ラーロさんの奥さんに話をしたら是非お願いしますと言われた。
ラーロさんが、神殿見学から帰ってきた。ものすごく興奮している。何事かと思った位だった。落ち着かせるのに少し時間を待ってから話をした。神殿はまだこれからの施設だから、宿屋を作っても時期尚早だろうから、まずはニグラで宿屋をやりたいと言う事だったが、神殿のスパがすごくすごく魅力的だと言う事だ。スパだけを利用する事が出来ないが、宿屋とギルドが共同で使える風呂を作る事が出来るとおもうと言う話で一旦落ち着かせた。宿に風呂があるだけで、宿の売りにもなる。確かに、ギルドの風呂では少し”女子”が手狭になっていると言っていた。裏の空き地にでっかい風呂を作る事にした。古代魔法の、建築魔法がスキルが増えていた。それを使ってみる事にした。レベルが上がってくれば、材料から生成できるようだけど、まだレベルが足りないので、同じく古代魔法の召喚魔法で眷属のカエサルを召喚した。召喚自体は一体なら問題なくうまく行く事が検証済みだ。何かしている時などは、眷属側で拒否出来て、召喚が失敗する事も解っている。召喚を行うと、カエサルが現れた。カエサルに、建材となる木々や石などを集めてくるようにお願いした。必要な量がわからなかったので、できるだけ多く集めて欲しいと伝え、昼過ぎまでに集められるだけ集めておいて欲しいとお願いした。次に、ギルドの横の空き地にラーロさんの宿屋を出現させた。裏庭に掛かるように少し後ろにずらす様にしてある。日本風に言えば三間程度546cm後ろにずれている事になる。ギルドとは直接繋がないが、新しく作る風呂とは繋がるようにする。後、風呂の入り口は職人街の方にも作成する事にする。これはラーロさんの要望で、ギルド本部の風呂を見てもらった時に、これよりも大きい風呂ならお金取って入らせても良いのではという事だったので、入湯料を払ってもらって、誰でも入れるようにする事になった。仕事が増えてしまったが、ラーロさんは笑って、そのくらいはしますよと言う事だった。お金周りの事は、イリメリが決済すると言う事で、どういう取り決めにするのかは、ラーロさんとイリメリに任せた。
ルナからアポの話が来た。今日の夕方が丁度良いらしい。場所は王城内を指定された。城門で、ハーコムレイに呼ばれていると言って、リン=フリークスと名乗れば通してくれると言う事だった。フレットには、明日の昼過ぎで問題がなければ、教会に伺うとアポのお願いをした。
昼間で少し時間が出来た。その時間を利用して、建築魔法の基礎を覚える事にした。まずは、取り込んだ書籍の中に情報がないかを探してみた。”建築魔法”は、イメージした物を建築する魔法だと言う事だ。まずは、頭の中でイメージを浮かべる。内装と外装を併せてイメージする事が大事とあった。その後、素材となる物に魔力を通していく。魔力が浸透すると、イメージを具現化する魔法陣が浮かび上がって行く。続いて魔力を流し続ければ、建物が完成すると言う物だ。最初の事は、イメージを紙に書いてやるのが一般的らしい。慣れてくるまではその方法でやると良いとなっていた。大まかな平面図を用意して、イメージを膨らめていく事で構築されるだろうと言う事だ。まずは、平面図を用意する事にする。これは、アルマールが得意としていた。地球に居た時から、建築物に興味があって将来は設計師になりたいと言っていた。膝の上で丸くなっていた、ロルフにアルマールを呼びに行かせた。
「なぁに。リン君。」ロルフがアルマールと一緒に帰ってきて、膝の上に乗ってきた。ロルフを撫でながら「アルマールに銭湯を設計して欲しい。平面図と大体のイメージがあれば、建築魔法で作ってみようとおもう。」「わかった。でも、どのくらいの広さで、どんな機能が欲しいとかは?」「う~ん。任せるって言うと怒られそうだな。」「うん。」「僕としては、湯船があって少し広めのサウナがあって、寝湯があると最高かな。」「湯船とサウナは解るけど、寝湯って何?」「寝た状態で入るお風呂で、できれば、頭の所からお湯が出るようになっているといいかな。頭を置く所は石で作ると冷たくえ気持ちよくなるとおもうな。」「へぇ~大まかに設定して後は調整って感じでもいいのかな?」「そうだね。あぁそれから公衆浴場みたいになる予定だから身体の洗い場は少し多めにして、大きさもマリノでも狭くないようにしてくれると嬉しいかな。」「了解。急ぎ?」「そんなに急いでいないよ。出来た段階で作ってみて、調整をして、宿屋と繋げたりして営業開始って感じで考えているからね。」「あぁそうなると魔道具とかも必要になるんだよね。」「そうだね。」「タシアナとも相談しておくね。」「うん。お願いするね。」「うんうん。リン君一ついい?」「何?何か疑問でもあるの?」「ううん。そういうわけじゃなくてね。ロルフを撫でながらは良いけど、ロルフはヒト型になれるんだよ?それを知っている私達から見ると、リン君が幼女を撫でているようにしか見えないんだよね。注意したほうがいいよ。」「!!!」「ハハハ。出来たら持ってくるね。」
アルマールが部屋から笑いながら出ていったすぐあとに、カエサルがレイアとレウスを連れて面会を求めてきた。ロルフが膝から立ち上がって、ヒト型になって3名を向かい入れた。「リン様。素材を集めてきました。」「あぁありがとう。それじゃちょっと着いてきて」「はっ」4名を連れて、ギルド本部の裏に向かった。整地だけ済ませてあった。十分の広さはあると思っていたが、丁度『職人街』と『商人街』を分けるようになっている場所で、江戸時代にもあった延焼を防ぐような防火用地でもあるようだ。その部分も買い取って銭湯にしてしまおうと計画した。類焼しないようには注意が必要だと思っているが、防御結界で防げるような気がしている。丁度いいので、それらの実験を先にしておこうと思って居る。まず、僕が古代魔法の結界魔法を発動する。今回は媒体ありで行った。媒体を介して魔法が発動した事を確認して、カエサルに赤魔法を発動してもらった。全力の赤魔法とレイアの全力の黒魔法の雷を結界が周りに影響しないように防いでいる。後は、防御結界がこの状態で維持できる時間を計測すれば終わりだ。問題があるとしたら、この防御結界は"無機物”を対象にしているので、”有機物”を防がない事だが、今回の目的が延焼を防ぐ事にあるので、それ以外の事は今後考えよう。
「それにしても、カエサルの赤魔法はすごいな」「いえ。まだまだ魔素の循環に無駄があると思います。」「ん?」「ミトナル様の魔法を見てしまうと、もっとうまくやらないとダメだと感じてしまいます。まだ私達の魔法は魔力による力押しでしかないですから....。」「リン様。」「なに?レウス。」「私達ももっとお役に立ちたく思います。」「?」「そこで、ミトナル様や他の方々と訓練をしたり、狩りに行きたく思います。」「うん。別にいいよ。」「ありがとうございます。それで、ミトナル様やマヤ様にご一緒いただけたら嬉しくおもうのですが....。私達だけでは、必要な素材とそうでない素材の区別が付かない場合が多いし、魔核の取扱にも不安が残ります。」「あぁそうか、今度聞いておくよ。」「あっありがとうございます。」「そうだね。今後、順番にヒト型になれる者を順番にこっちに来て、護衛の任務にも着いてもらおうかな?お前たちには役不足かもしれないけどね。」「いえ。そうさせて頂ければ嬉しく思います。」「うん。ちょっとまって、一緒に来て」
4名を連れて、関係者休憩所に向かった。ルイとクローネが居た。二人に事情を説明すると問題ないとの事だったので、この話を進める事にした。何もない時には、休憩所に二人ほど詰めていて、准待機として二名がギルド本部に居る。残り2名は自由な時間として鍛錬をしたり、休憩したりしているという。外に出るギルドメンバーが増えてきているので、どうしようかと話していたタイミングだったようで、イリメリに相談して眷属もシフトに組み込んでもらう事にした。今までは、裏庭を鍛錬場所にしていたが、今後はマガラ神殿を鍛錬所にするよう伝言をお願いした。
夕方まで少し時間が空いてしまった。銭湯の設計もまだだし、今作り始めてもいい結果にはならないだろう。眷属たちも、護衛達を話をはじめているし、武器防具を見たいと言う事だったんで、ルイとクローネに後はお願いした。サリーカ辺りに捕まってしまうと、レイア辺りは可愛い格好をさせられてしまうかもしれないな。
そうだ、一つ時間がある時にやっておきたい事があった。ギルドマスタの部屋を訪れた。ナッセが書類を読んだり何か書物をしていた。「ナッセ。今忙しい?」「リン様。大丈夫です。何かありましたか?」「いや。少しナッセに協力してもらおうと思ってね。」「なんでございましょう?」「うん。これから、多分王家の人間や貴族連中と合わないとならなくなりそうなんだよ」「そうなんですね。」「それで、僕のステータスの表示を一般的なレベルにしておきたいと思ってね。」「あぁそうですね。そうされるのが良いでしょうね。」
真命:リン・マノーラ(3)ジョブ:(隠蔽:テイマー)動物使い体力:140(隠蔽)(+1960)魔力:200(隠蔽)(+6280)腕力:130(隠蔽)(+1750)敏捷性:190(隠蔽)(+810)魅力:300(+350)魔法:(隠蔽)外(8)古代魔法:(隠蔽)時空魔法(2)、(隠蔽)結界魔法(1)、(隠蔽)召喚魔法(1)、(隠蔽)精神魔法(1)古代魔法:(隠蔽)建築魔法(1)、(隠蔽)融合魔法(1)、(隠蔽)分解魔法(1)、(隠蔽)操霊魔法(1)魔法:(隠蔽)黄(3)、(隠蔽)黒(2)、(隠蔽)青(2)、(隠蔽)白(2)、紫(2)、(隠蔽)灰(2)、(隠蔽)赤(2)スキル:(隠蔽)隠蔽(8)、(隠蔽)言語理解(3)、(隠蔽)念話(3)スキル:(隠蔽)陰移動、詠唱破棄、(隠蔽)魔法生成、(隠蔽)限界突破リミットブレイク、(隠蔽)物理無効スキル;(隠蔽)状態異常無効(毒無効、睡眠無効、麻痺無効、気絶無効)スキル:(隠蔽)肉体強化(1)、(隠蔽)精神強化(1)、(隠蔽)知覚強化(1)、(隠蔽)聴覚強化(1)、(隠蔽)思考加速(1)スキル:弓武技(1)、刀剣武技(1)ユニークスキル:動物との会話(5)エクストラスキル:(隠蔽)万物鑑定見透す力(7)、(隠蔽)神殿管理(1)管理:(隠蔽)マガラ神殿
古代魔法は全部隠すが、ギルドメンバー以外の前で使う事になりそうなのが、操霊魔法と時空魔法と召喚魔法になってくるそれらをテイマーの特殊能力でごまかす事を提案された。そして、追加されたステータスは全部隠して本来のステータスだけ見えるようにすれば自然だと言う事だ。動物との会話と言うユニークスキルで、動物や魔物から一時的にスキルを借りる事が出来る能力だって事にすれば多少の無理は出来るだろうと言う事だ。その為に、魅力のステータスだけバカ高いと言う感じにした。詠唱破棄はごまかす事が出来ない上にわりかしメジャーなスキルだから大丈夫だろうと、強化は全部隠す。武技に関しては、隠せない事も出てくるしある程度の抑止力にはなるだろうと言う事だ。改めてステータスを確認する。
真命:リン・マノーラ(3)ジョブ:テイマー体力:140魔力:200腕力:130敏捷性:190魅力:650魔法:紫(2)スキル:詠唱破棄スキル:弓武技(1)、刀剣武技(1)ユニークスキル:動物との会話(5)
になった。これならば、鍛えれば守備隊隊長位にはなれるだろうと言うステータスだと言う事だ。ナッセの太鼓判を貰ったので、これで行く事にする。後で、鑑定持ちに見てもらえば終了だろう。
そろそろ、ミヤナックとローザスに面会に行く時間になりそうだな。少し早いけど、軽めの食事をして向うことにしよう。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品