10年間修行した反動で好き勝手するけど何か問題ある?

慈桜

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 「今回の特別作戦部隊の認可ありがとうございますリブラさん!!」
 サムライのちびっ子が殲滅屋の娘と共に俺の自室でペコペコと頭を下げている。 まぁ、構わないんだが。
「いや、まったくかまわん。それに関しては元々作戦を立てていたからこそ時田塾に特別作戦部隊を設立していたんだからな。だが、お前達は別に参加しなくてもいいんだぞ??」
「いえ!僕たちはリブラさんの集落でお世話になりっぱなしです!日毎日毎に感謝の念が積み重なって恩返ししないとどうしようもなりません!!」
 うん、暑苦しい。
「ほらマサツグ、リブラさん暑苦しいって顔してるよ?」
 おぉー殲滅屋イズナ!!
「エクセレント!!あっ。」
「ほら、思わず口に出してしまうぐらい暑苦しかったって事を理解しなよマサツグー」
「そんなぁぁぁ」
 そんな中でノックと共にカルマが現れる。
「ほう、誰かと思えば最弱の追跡者共ではないか。主君はお疲れになられておる、用が済んだならさっさとでていけ」
「あらおチビちゃんヤキモチかしら?この前お尻を蹴られて私のおっぱいに顔うずめて寝てたのは誰だったっけ?」
「ちがわい!!あれはお主が落下地点にいただけであってだな!!」
 あかん、こいつら殴りたい。 いや、ご退出願おう。 うん、これは決定だ。
「お前ら全員でていけぇぇ!!」
 やかましいったらありゃしない。こっちは随時報告の嵐でここ数日寝れてないっつーのに。 まぁ、若干女共の被害者マサツグが半泣きだった事に関してはあえて触れないでおこう。
 さて、到着まで仮眠しようか。
 …………………。
 ドタバタドカンバタン。 キャハハハ!!待ってよ!! バタタタタタ!!バチ!! はーいたっちー!!うぃー! くそっ、お前足早くなったな! えい! うわぁ!!いつのまに!!
「………………………。」
 なぁなぁ、ここってリブラ様の部屋じゃね? そんなはずないよ!!リブラさまもっと広い部屋だよー! でもそうだったらまずくね? ばれないって! じゃあノックして逃げる? それは駄目だって!! いざとなったらにゃんこ置いてったら俺たちは逃げれるぜ? ひどいよー。 じゃあせーのでノックしようぜ。
 せーの!!
「ガラっとな!!」
「「「「キャアアアア」」」」
「全部聞こえてんだよじゃり共がぁぁぁ!!」
 少年Aを含むちびっ子三人衆とにゃんこが蜘蛛の子を散らすように逃げるが俺はにゃんこのみを捕らえる。
「いや!!離して!!尻尾さわらないで!!」
「今日という今日は絶対に離してやらないぜマイにゃんこ」
「マイにゃんこじゃなぁい!!」
 廊下でにゃんこをまさぐりまくっていると背後から聞き慣れた声が響く。
「リブラさん…中々高尚な趣味をお持ちで……」
「いや、これはちがくて。あっ逃げんな!!」
 その隙にステテテテとにゃんこが逃げて行ってしまう。 今日は時間を忘れてイタズラしてやろうとおもっ……いや、ダメだ。時田さんが引いてる。
「いや、猫が好きなもんで。」
「まぁ、人それぞれですから…そんな事よりもご報告が。」
 絶対勘違いしてるよ。 俺ロリコンだと思われてるよ。 まぁ、いいけど…よくないけど。
「まもなくハウロミ島付近へ到着いたします…予定より大きく遅れましたが深夜3時を到着予定としています。早朝より作戦開始…でよろしいですね?」
「そうだな….向こうも問答無用で幾度と攻撃をして来ているからな。空が明るみ始めてから決行しよう。」
 こうして作戦の時間を迎える。
 各部隊の戦士達は盃を一口に飲み込み、己と見立てた盃を地面に叩きつける。 時田さんの指導の元だろう、厄払いとしてこの儀礼は外してはいけませんと言っていた気がする。 まぁ、時田さん、ちゃらお、少年Aの三機だけの頃とは違う。今では立派な空軍として形が出来始めたと言う事だろう。
 そして、いつも大人しい時田さんが大声をあげる!!
「では第一陣発艦せよ!!!」
 手で大きく発艦せよと指示を送ると敬礼と共に並ぶ蒼龍から次々と機体が発艦を始める。
 第一陣は一直線にハーバータウンの方向へ飛ぶ、それを見届けた少年A達第二陣が機体に乗り込みエンジンを温め始める。
「行きます!!!」
 第一陣とは別方向へ少年Aの指揮の元に飛び立って行く。 そして残りの機体がエレベーターより次々と運び出され爆音と共にエンジンを始動していく。
「では!!!我々も行きます!!」
 時田さんの指揮の元第三陣が次々と飛び立って行く。
「壮観だなぁ。」
「主君!!!何か申されましたか???」
「いや、なんでもない!!!」
 何せエンジン音の爆音で声が聞き取り辛い、俺の口の動きに頷くカルマを尻目にハウロミ島を見ると黒い肌の先住民達が発艦する零戦に布を振りまくったり、何度も何度も大きく土下座をしたりしている。
 おそらく先行待機したリャンシェン達と何かがあったんだろうが、いい関係を築いていそうなのでとりあえず無視する。
 全機の発艦が終了すると天炎竜からリャンシェンが声をかけてくる。
「主様!!そろそろよろしいでしょうか??」
「待て!!特別作戦部隊の転移と陸戦部隊の転移が済んでからだ。転移プレートの投下は八割済んでる、あとちょっと待て。」
「了解した」
 うんとリャンシェンが頷くと同時にハーバータウンが真っ黒に染まる。
 そして俺が作成した転移プレートの共鳴が全て完了する。
「イーシェン、リャンシェン、スーシェン、ウーシェン、好きに暴れてこい」
『応っ!!!』




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