継続は魔力なり《無能魔法が便利魔法に》

リッキー

初授業

 入学式の次の日

 今日は、初めての授業の日だ。
 今日の授業は午前中に三つ。
 授業が終わったら、新入生歓迎パーティーがあるらしい。

 この新入生歓迎パーティーは五、六年生と新入生が参加する。
 パーティーの趣旨は「先輩に学校生活でのこと教えてもらおう」と招待状に書いてあった。

 そんな感じで今日は長くなりそうだ。

「それじゃあ、行ってきます!」

「いってらっしゃい。二人とも制服が似合っているわよ」
 聖女が嬉しそうに俺たちの制服姿を見ていた。

「本当? ありがとう!」
 リーナがそう言いながら自分の着ている制服を見回す。

 入学式では制服は着ないで貴族の正装だったが、今日から制服登校だ。
 赤のブレザーで、俺は結構気に入っている。

「うん、凄く似合っているよ」
 うんうんとばあちゃんが腕を組みながら頷いていた。

「ありがとう。それじゃあ行ってくるよ」

「はいよ。楽しんできな」

「「はーい」」
 返事をして俺たちは馬車に乗り込んだ。


 それから、学校に着くと俺たちと同じ赤い制服を着た生徒がたくさんいた。
「昨日は入学式だったから入り口は寂しかったけど、今日はにぎやかだね」

「そうですね。学校ってこんな感じなんだ……」

 俺たちは、学校の雰囲気を頼みしながら教室に向かった。

「姫様! どうして朝から私がわざわざ挨拶に来ているというのに無視をするんですか!? この完璧な男がわざわざ来ているんですよ」
 教室に入るとこんな声がした。

 どうやら……シェリーの横で、ぽっちゃりが朝からわめいているらしい。
 これには、昨日はシェリーに群がっていたクラスメイトもシェリーから離れてしまっていた。
 当のシェリーは一切顔を合わさず、無視していた。

 たく……いつも面倒な野郎だな。
「おいおい、君は違うクラスだろ? そろそろ先生が来る時間だから戻ったらどうだい?」

「はあ!?  俺がどうしようが関係ないだろ?」
 どこのガキ大将だよ。
 本当に面倒な奴だ。

「人の迷惑にならなければ構わないんだけど。めちゃくちゃ迷惑になっているから……ね?」

「俺が迷惑だと? むしろありがたく思え!」
 こいつ、馬鹿なの?

「それ、本気で言っているの?」

「俺は俺の思っていることを言っているだけだ」
 はあ、話にならないな……。
 朝から、本当に面倒だ。

「はいはい、そこまでにしようか」

「ん?なんだ? フランクか?」

「男らしく黙って帰った方がかっこよく見えて、きっとモテるかもしれないよ」
 そう言って、フランクはシェリーの方向に目配せした。

「そ、そうか~? ならそうするか。俺は男らしいからな」
 ぽっちゃりは嬉しそうに帰って行った。

「ふう~ 大変だったね」

「うん、助かったよフランク」
 お前は救世主だ。

「はい。どういたしまして」

「二人ともありがとう。フランク凄いね」

「そ、そんなことないですよ~」
 シェリーに褒められてフランクは、めっちゃ照れていた。

「フランクはあいつと仲がいいんだっけ?」

「うん。親同士が仲が良かったせいで、小さい頃からパーティーでよく一緒にいたんだ」

「それで、フランクの言うことを少しは聞くわけか」
 なるほな……。
 そう言われてみると、俺の小さい頃からの友達って……シェリーだな。
 俺らもきっかけは、親同士の仲良かったからだ。
 貴族って、こうやって代々の派閥を守っていくのかな……。
 そんな気がした朝だった。

 そして、授業の時間になる。
「おはよう! みんな席に座ってー」
 教室に明るい声を出しながら女性が入って来た。

「それじゃあ、これから文字の勉強を始めたいと思いまーす」
 どうやら、一時間目は読み書きの授業らしい。

 それから、先生が書いた文字を皆で真似するという授業が続いた。

 この授業の時間は、既に読み書きが出来る俺にとってただただ暇なだけだった。
 しかも、俺の席は前から3番目で先生の目が届くから、寝れそうになかった。
 ずっと貰った紙に文字を書き続け、授業が終わる頃には紙を真っ黒にしてしまった。

 こうして文字の授業が終わった。

 そして次の時間は
「男子は剣術の授業だから外に出ろ」
 とギル先生に言われてクラスの男子達は外に出た。

 ちなみに、女子は教室に残って作法の授業をするみたいだ。

 外に出ると整列をさせられる。
「最初の授業だから楽しいことをやらせてあげたいんだが、剣術は体づくりがとても重要だ。だから、すまん。これから走る」

 何人かが「えー」よ声をだすが
「それじゃあ、俺が前で走るから整列してついて来い!」
 と先生は気にせず走り出した。

 俺達は仕方なく、先生の後をついて行くことにした。

 それから10分くらい経ち、先生が止まった頃には皆、息は荒くして疲れている様子だった。

 皆が疲れて地面に座り込んでいると
「休憩している間に、皆がこの授業が嫌いにならないために、剣を絶対にやりたくなるようなものを見してあげる」
 そう言って、ギル先生は元々用意していたのか、
 少し離れた場所にあった一本の丸太を持って来て、皆から少し離れた所に立てた。

 そして、剣に手を掛け丸太に向かって構えた
 ……と思った瞬間。


 丸太が斜めに切れ目が入り、
 先生は剣を抜いていた。

 そして、『ゴトン』と丸太の上部が切れ落ちた。

 それを見た皆は、何が起こったのか理解が追いついてないようだ。

「どうだ、凄いだろ? お前らもこれからしっかり鍛錬をしていけばこれぐらいは出来るかもしれないぞ」

 それを聞いた皆は目を輝かせる。

「お、これは俺の作戦が成功したか? 皆、これから頑張れるか?」

 すると、みんなコクコクと頷く。
 子供って純粋だな……。

 うん? 俺も子供か。
 なら、純粋にならないとな。
 うわ~先生凄~い。僕もああなりたいな~。

「よし、それじゃあまだ時間が余っているから素振りの方法だけでも教えて終わりにしよう」
 先生が一人一人に木剣を渡していく。

「じゃあ、今日は細かいところは言わないから俺の動きを真似してみな」
 そう言って、先生は構えてからゆっくり剣を動かしだした。

 それに皆、見よう見まね剣を動かす。

 それから、何回か繰り返すと
「今度は、一人で今の動きをやってみろ。わからない人は、俺が教える」
 と俺達に言って、出来ない人の所に行って一人一人丁寧に教え始めた。

 俺は素振りをしながら、暇なのでクラスメイト達の様子を見てみた。
 皆、頑張って素振りをしているが、既に腕が辛らそうだった。
 最初はそうだよな……俺も、じいちゃんに殺されるかと思ったもん。

 そんなことを思いながら全員を見渡していくと……形が整っていて、まだ疲れていない人が一人いた。


 その正体はヘルマンだった。
 ヘルマンは、黙々と剣を振り続けていてしっかり鍛錬をしていた。

 八歳であそこまで出来るのは凄いな……(自分が八歳であることは忘れています)
 後で、いつも練習しているのか後で聞いてみるか。

 それから5分くらい経って、先生が出来ない子達に教え終わり
「今日はここまで、みんなお疲れさま」
 と授業を終わらせた。

 皆は腕が相当疲れたらしく。
 自分の腕を振ったり、揉んだりしていた。

 そして、俺はヘルマンにさっそく話しかけに行った。
「ヘルマン」

 すると、ビクと驚いて振り返り
「レオ様ではないですか? どうしたのですか?」
 と相変わらずの敬語をかまして来た。

「そのレオ様ってやめない?」

「は、はい。それじゃあ師匠と呼ばせてください」

「え? どうして?」

「さっきの素振りを見てしまったら、弟子にして欲しくなってしまいました」
 素振り? 俺は授業中、そこまで真面目にやっていた覚えがないぞ?

「俺、授業中どんな素振りをしてた?」

「先生の真似をしている時にしか見てないのですが、とても無駄のない素振りでした」

「あ、あの時は確かにまじめに素振りをしてたかも……」

「だから弟子にしてください」
 だからの意味がわからん。

「え~ でもヘルマンは素振りがしっかりしてたから教えることは無いよ」
 これは本心だ。

「それじゃあ、勝手に僕が真似して学んでいきます」

「うん~それなら構わないけど……そういえばヘルマンって、いつから剣を教わっていたの?」

「えっと、2年くらいです」

「それじゃあ、6歳の頃から練習しているんだ」
 俺よりも長いな……。

「そうです。けど、2か月前まではずっと素振りをしていました」

「それは随分とスパルタだな……ヘルマンの家ってどこにあるの?」

「家ですか? 場所はフォースター領の隣です」

「え!? 隣なの?」

「そうですよ。カルーン領は隣です」

「え~ 知らなかった。カルーン領ね」
 後で、家に帰ったらばあちゃんにカルーン家について聞こう。

「あの....師匠?」
 ヘルマンが申し訳なさそうにしていた。

「どうした?」

「もうそろそろ、次の授業が始まってしまいます」

「あ、本当だ。急がないと!」
 そうだ。時間を忘れてた。
 俺たちはダッシュで教室に向かった。

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コメント

  • ノベルバユーザー236996

    誤字がいくつか修正されずに残っている。あと、日記みたいな文章表現 会話の後の爆発音などイメージしにくい。

    0
  • ラノベ大好きサムライ

    どうもっ!なろうでも読ませてもらってます!ノベルバでも読ませてもらってます!これからも頑張ってくださーい!

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