継続は魔力なり《無能魔法が便利魔法に》

リッキー

忍び屋の狙いとは

 次の日
 俺は1人で城に向かった。

 ばあちゃんが一緒に行くと言っていたが、聖女達が心配なので家にいてもらった。

 そして現在、城の門の前にいる。
 おじさんと入る時は壁を越えて行くんだが、今回それをやると不法侵入だ....

「すみません、レオンス・フォースターと申します」
 俺は、門番に自己紹介した。

 すると門番が驚いて
「あ、貴方は確か、勇者のお孫さんでしたね」

「そうです。ダミアン・フォースターにレオが来たと伝えてくれますか?」

「はい、分かりました。少しお待ちください」
 1人の門番が中に入って行った

 それから少し経ち
「レオくん、わざわざどうしたの?」
 おじさんが急に現れた。
 多分、隠密でショートカットして来たんだろう....

「おじさん、忍び屋について教えてくれない?」

 おじさんは、驚いた顔をした。
「ど、どうしてそれを?」

「昨日、忍び屋に所属している二人組が家に侵入しようとしたんだよ」

「そうか...」
 おじさんは何か考えた素振りをして

「とりあえず中に入ろうか、これは皇帝陛下にも知らせなくてはいけないね」
 そう言って俺は城の中に案内された

 そして、この前も皇帝と話した部屋に入る
「皇帝陛下、レオくんが重大な情報を持って来てくれました」

「おお、レオ君じゃないか、それで重大な情報とはなんだ?」

「それは忍び屋が、我が国でこれから問題を起こしそうなんです」

「おいおい.....それは本当か?」
 皇帝は心配そうな顔をした。

「ええ、先ほどレオくんから聞いたのですが、昨日の夜に忍び屋が母さんの家に侵入しようとしたみたいなんです」

「はあ? あいつらは今回は何が目的なんだ?」

「どうなんでしょう? レオくん、何か聞き出せた?」
 おじさんが聞いてきた

「聖女の情報が欲しかったという事だけしか聞き出せませんでした」

「そうか、しかしそんな重要なことを忍び屋から聞き出せただけでも凄いぞ」

「聖女か....あいつは何をするつもりなんだ?」
 おじさんは遠い目をした。

「それなんだんですけど。聖女がですね、教皇が忍び屋に聖女を殺すように依頼したんじゃないかって言ってました」

「そうか....最近の教皇は悪い噂ばかりだな」

「そんなに悪いんですか?」

「ああ、何でも今の教皇は自分の利益のことしか考えてないそうだ」
 とおじさんが言い
「しかも、自分は常にトップでいるためなら、平気で対立候補を暗殺してしまう」
 と皇帝が加えた。

「どんだけ馬鹿なんだよ....」
 恐怖政治か......

「それで、今回は一番の国民の人気者の聖女を外国で暗殺するということか....」

「嫌な奴だな、これで成功したら帝国の警備が甘くて聖女が死んだんだから、金をよこせとか言ってくるよ」
 皇帝が頭を抱える

「うわー、本当に最低だ」

「だけど、どこで暗殺してきますかね」

「そうだな....次に聖女様が魔導師様の家から出るのはいつだ?」

「来週の姫様の誕生日です」

 それを聞いた皇帝は
「はぁ、とことん奴らはむかつくな」

「ええ、アレンは依頼と同時に帝国の評価を落とそうとしているのかもしれませんね」

「わざわざ、たくさんの人の前でやってか....」

「ねえおじさん、そのアレンって人はどんな人なの?」

「ああ、僕の元親友でありライバルであった男だ.....」
 おじさんは少し悲しそうに顔をした。

「それは聞いたんだけど、そんな人がどうして悪の道に?」

「わからないんだよ。一緒にダンジョンを踏破して少し経った頃にはもういなかった」

「そうなんだ...今回、その人は出て来るのかな?」

「絶対に出て来るさ。隠密を持っているから、今回みたいな人がたくさんいる中での暗殺には最適だ」
 おじさんは断言した。

 そういえば、アレンはダンジョンをクリアしているから隠密を持っているのか.....
「それじゃあ、守るの大変じゃん!」
 というか守れるのか?

「そんなことはないよ。隠密は、攻撃するときには必ず切れるんだよ」

「だけど....その時には間に合わなくない?」

「だから、僕が隠密を使って聖女の近くにいればなんとかなるよ」

「ああ、それなら大丈夫そうだね」

「それに、あいつを倒すのは僕じゃないとね」
 そう言って、おじさんは拳を握りしめた。

「うん、頑張って」

「あとは、当日の警備を増やすか.....」

「そうですね」

「じゃあ、この話は終わりだ」

「他に何か話しがあるのですか?」

「ああ、レオ君の褒美についてなんだが」

「そういえば、ありましたねそんな話」

「おいおい、国民が喉から手が出る程欲しい褒美をそんな軽く済ませるな」
 そう言って皇帝は怒った。

「すみません」

「いいだろう、それで内容は発表の時のお楽しみとして」

「教えてくれないんですか?」

「ああ、今は教えないよ。それで褒美授与の日程は、シェリーの誕生日の次の日でどうだ」

「大丈夫です」

「そうだな。どうせ誕生日の次の日はシェリアに呼び出されるだろうと思ってな」
 ニヤニヤしながら皇帝はそう言った。

「ああ、たぶんそうですね....」
 何かプレゼントを考えておかないと.....

「姫様と言ったら、また何か怒らせたのレオくん?」
 おじさんが聞いてきた

 シェリーを怒らせた?
「あ、忘れてた! 昨日、念話してたら怒らせちゃったんだ」

「何を言ったのさ」

「確か、聖女の孫のリーナについて話してたら機嫌が悪くなっちゃたんだ」

「ハハハ これはシェリアの焼き餅だな」
 皇帝は笑った。

「それでどうやって、機嫌を直すの?」

 どうしよう....
「皇帝陛下、転移でシェリーを家に連れて行っていいですか?」

「構わないぞ」
 皇帝は即答した。

 それを聞いた俺は
「ありがとうございます!」
 と部屋を飛び出して行った

「なんか、レオ君が城に慣れてきたな...」

「そうですね。もう何回も来てますから」
 そう言って、ダミアンが笑う

 シェリーの部屋の前に来て息を整える

 そして

 コンコン

「誰?今は誰とも話したくないの」

「そんなこと言わずにさ~ 今から僕の家に来ない?」

 すると、しばらく静かになりドアが開いた
「何であんたがここに?」

「それはシェリーに会いに来たのさ」

「本当は?」
 怖い目で睨まれた

「ほ、本当は? え、ええとね、おじさんに用事があったからついでに来ました」

「へ~ 私はついでなんだね」

「ごめんなさい。その分、シェリーを家に連れて行く許可を皇帝に貰ったので許してください」
 俺は素早く謝る

 それを聞いたシェリーは
「まあ、とりあえず行ってから許すかは考えるわ」
 と言ってきた

「わ、わかりました」

「それじゃあ、さっさと行くわよ」
 そう言って、シェリーは歩き出した。

「その必要はないよ」
 俺はシェリーの手を握る。

「な、何するのよ」
 シェリーは顔を赤くした

「僕の家までは、転移を使って行くからね」
 そう言って俺は転移を使った。

 一瞬で俺の家に到着すると
「え? ここはレオの家じゃない!」
 シェリーが叫ぶ

「そうだよ」

「あんた、こんなことも出来るのね.....」

「凄いでしょ?」
 そんなことを言っていると

『怪しい者発見』
 ゴーレム達が来た

「あ、この子は怪しくないから大丈夫だよ」

『はい、マスター』
 そう言って、ゴーレムはお辞儀をして見回りを再開した。

「あれがゴーレムね」

「そうだよ。現在、20体でこの家を守って貰っているよ」

「なんか凄いわね」

「これだけの数が必要になっちゃたんだけどね....とりあえず中に入ろうか?」

「ええ、そうね」
 

「ただいまー」
 そう言って中に入ると

「あ、レオくん、おかえりなさい」
 まじか....リーナが出て来てしまったよ....

「この子がリーナ?」

「そ、そうだよ....」

「へ~ リーナ、私のことはシェリーと呼んで」

「こちらこそお願いします」
 目から火花が出そうな程、2人がヒートアップしてきたので

「はいはい、とりあえず僕の部屋に行こうか」
 俺は慌てて部屋に行こうとする

 しかし
「とりあえず2人だけで話したいからレオは外で待ってて」

「え、えー」

「出ててくださいね」
 リーナまで言うので

「う、うん」
 素直に俺は部屋の前で体育座りしていた


 しばらくして
 ガチャ

「入っていいわよレオ」
 シェリーが顔を出した

「ど、どうなったの?」
 り、リーナはどうした?

「別にお互いのことを話していただけよ」

「そうですよレオくん」
 中に入るとリーナがシェリーにくっついた。
 あれ? 明らかに仲良くなっているな.....

「まあ、仲良くなれたならいいんだけど」

「それとレオ」

「何?」

「リーナのペンダントにも念話が出来るようにしてあげて」

「う、うん、わかった」
 本当に何があったの?
 そう思いながらもリーナの首飾りに俺のネックレスを接触させた

(聞こえるリーナ?)

「え?」

「聞こえたみたいだね」

「これが念話ですか?」

「そうだよ。今度はリーナが俺とシェリーに念話を送ってみて」

(聞こえますか?)

(聞こえるわ)

(聞こえたよ)

「どうやら、3人同時に念話も出来るみたいだね」

「それは楽しそうね」

「はい、楽しそうです」

「そういえば、ゴーレムを造ってくれるって話しはどうしたの?」

 ああ、そんな約束をしたな.....
「それなら、今作ってあげるからちょっと待ってて」
 そう言いながら俺はリュックを取りに行く

「やったー!」
 シェリーは両手を上げて喜ぶ

 その間に俺はダンジョンや魔の森で手に入れた素材で使えそうなものを出していく

 出した素材は、ロック鳥の羽とケルベロスの毛皮と1年物の魔石×2

「それじゃあ見ててね」

 創造魔法を使う

 まず、素材たちが体長50㎝位のクマののぬいぐるみになった。
 そして、そこに魔石が混ざりいつもの様に光って完成した。

「はい、出来た」
 そう言って、2人に1つずつ渡した

「これはかわいいわね」

「癒されます」

 俺は、2人がデレデレしているのを見ながら
 出来たクマのぬいぐるみを鑑定すると

<ヒーリングベアー>
 飼い主の心を癒すことに全力を出す
 ただし、戦闘力も高い

 体力:8000
 魔力:7000
 力:2000
 速さ:6000

 スキル
 格闘術Lv.6
 家事Lv.8
 カウンセリングLv.8
 自己修復

 いい素材を使ったからなのか、高性能なぬいぐるみになってしまった.....
 ぬいぐるみにこんなに戦闘力はいらないだろ......

「なんかこのぬいぐるみ強いぞ」

「そうなの?」

「うん、話しかけてみな」

「「やってみる(みます)」」

「私ははシェリー、よろしくねビリー」

「私はリーナです。マリー」

 2人が話しかけると.....
 二体は立ち上がり
「「よろしくお願いしますご主人様」」
 そう言って、お辞儀をした

「「かわいいー」」
 そう言って、2人はぬいぐるみに抱きついた

「喜んで貰って良かったよ」

「ええ、ありがとう」

「本当にありがとうございます」

 それから2人は、しばらくぬいぐるみと話していた....

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