継続は魔力なり《無能魔法が便利魔法に》

リッキー

ダンジョンクリア...

 
「じいちゃん!!」

 俺は急いでじいちゃんに駆け寄った。
「実はな.....限界突破を使うと一時的に強くなれるがその分、体に負担がかかるんだよ」
 じいちゃんは、普段からは考えられないくらい小さな声で話し出した.....

「それって大丈夫なんだよね?」
 恐る恐る聞く

「若い頃は平気だったんだがな.....この歳だとダメだったみたいだ」

 え? ダメってどういうこと?
 俺は、とりあえずじいちゃんを鑑定してみた

 ケント・フォースターLv.164

 年齢:59
 種族:人族
 職業:元勇者
 状態:老化

 体力:0/12630
 魔力80/970

 力:5080→60
 速さ:4090→80
 運:140
 属性:無
 スキル
 無属性魔法Lv.MAX 剣術Lv.MAX
 刀術Lv.MAX 魔力操作Lv.4 
 空間収納 限界突破

 称号
 異世界から来た者
 魔王のダンジョン踏破者
 英雄

 体力が0になってしまってる.....

「じいちゃん...死なないよね!?」
 俺はじいちゃんの肩にしがみついて叫んだ。

 しかし.....
「レオよ...お前は強くなった......俺よりも....だからこれからは周りの目を気にしないで自信を持って生きろよ.......」
 そう言うとじいちゃんは目を閉じてしまった.....

「じいちゃん!!」
 俺は力いっぱいじいちゃんを揺する。

 しかし、もう全く反応しなかった......
 もう一度じいちゃんを鑑定してみると

 ケント・フォースターLv.164

 年齢:59
 種族:人族
 職業:元勇者
 状態:死亡

 体力:0/12630
 魔力0/970

 力:5080→0
 速さ:4090→0
 運:140
 属性:無
 スキル
 無属性魔法Lv.MAX 剣術Lv.MAX
 刀術Lv.MAX 魔力操作Lv.4
 空間収納 限界突破

 称号
 異世界から来た者
 魔王のダンジョン踏破者
 英雄

 状態に死亡が付いている.....

「本当に死んじゃったんだ...」
 鑑定を見ると実感してしまうが......まだ、信じることは出来ない

 こいつさえいなければ......
 そう思いマッドデーモンの死体に目を向けるとデーモンの死骸が光り、ドロップが出てきていた。
 デーモンのドロップはひとつの指輪だった。

 それを鑑定してみると

<悪魔の指輪>
 状態異常になりずらくなる
 悪魔系のモンスターへの攻撃が倍になる

 さすがラスボスのドロップだ。
 改造する必要が無いくらい良い物だった。

「これは使えるな」
 そう言いながら、指輪を着ける。
 そして、辺りを見渡すと入ってきたドアの他にもう一つドアがあった。

「とりあえず行くしかないか.....」
 ここで、考えていても仕方がない
 そう思い、じいちゃんを背負いながらドアを開けてボス部屋を後にした....

 
『おめでとうございます』
 ボス部屋から出てすぐにアナウンスが鳴った。

『あなたはこの試練のダンジョン初級編の初の踏破者です』

「初級?」

『あなたにスキル転移を授けます』

『そして今、あなたがいる場所の少し前にある、魔法陣を踏めば上級編に行くことができます』
 そう言われて、部屋の中を見渡してみると大きな魔法陣が1つ地面に描かれていた。

「嘘だろ? まだゴールじゃないのかよ......」

『これから挑戦するかは自由です。一度帰られてから挑戦される方は、ここに転移するか、または初級編をもう一度クリアしてから挑戦してください』

 アナウンスは終わった。

「とりあえず帰ろう」
 今から挑戦するのは、まず論外だ。
 とりあえず家に帰りたい。

「そういえば、転移が出来るようになったみたいだけど、どうやるんだろう?」

(転移したい場所に行きたいと、イメージすれば出来ると思います)

「え?」

(びっくりさせてすみません。私はあなたのゴーグルです)

 そういえば、ゴーグルを着けたままだった。
「じゃなくて、俺はどんなゴーグルを造ってしまったんだよ」
 普通に会話が出来ちゃってるよ?

<万能補助ゴーグル>
 持ち主にさまざまなサポートをしてくれる
 たくさんのことが出来るので直接聞いてください
 創造者:レオンス・フォースター

 鑑定内容が雑になってるな.....
 直接聞いては、説明になってないぞ?

「もしもし、ゴーグルさん?」

(アンナとお呼びください)

「名前まであるんだ...アンナ、何が出来るの?」

(あなたのサポートなら、道案内から敵の弱点解析まで幅広いことができますよ)

「敵の弱点までわかるの?」

(ええ、ただレオ様より弱い敵に関しては一々申しませんが)

「それはどうも。それより、ここから外まで転移できるんだよね?」

(はい、一度行ったことのある所なら)

「なるほど。じゃあ、転移をやってみるか....」
 そう言って、行きたい場所をイメージする。

 すると、一瞬で場所が変わりダンジョンの入り口前に出た。

 ダンジョンの入り口には、たくさんの冒険者ががいた。
「お、お前が、このダンジョンを踏破したのか?」

「え?うん」

「その歳でか?それと、お前が背負っているのは誰だ?」

「じいちゃんだよ」

「そ、そうか大変だったな」
 今までの強い口調の男が、死んだのがじいちゃんと知って優しい口調になった。

「どけどけ!」
 人ごみの中から、1人の男の人が出て来た。

「あ、ギルドマスター!」
 おお、この人がギルドマスターか....

「お、ルッツ。ダンジョンが踏破されたと聞いたが本当か?」

「そうみたいだよ。この子が踏破者みたいだ」

「冗談だろ?」
 俺の顔を見て、いかにも信じられないと言っているような顔をした。

「嘘じゃないよ。ダンジョン内でアナウンスがあってから転移してきたのがこの子なんだから」

「それならそうか.....ところで君はいったい誰だい?」

「僕ですか?」

「お前以外にいるか...ってお前が背負っているのは勇者様じゃないか!」

「この人が勇者?」

「そうだ。年取っていて分かりずらいと思うが、この人は絶対に勇者だ」

「ということは.....この坊主は勇者の孫か?」

「そうなのか?」

「ああ、さっき勇者のことをじいちゃんって言ってたから」

「そうか。それは大変だっろうに、君の名前を教えてくれないか?」

「僕はレオンス・フォースターでレオと呼んでください」

「わかった。じゃあ、君がダンジョンを踏破したのは本当か?」

「うん。ただ、じいちゃんがいなければ絶対に無理だった.....」

「それは大変だったな。それと、なんか証拠になる物を持っているかい?」

「これ」
 ギルドマスターに手を突き出し指輪を見せる。

「この指輪は凄いな。どうやって手に入れたんだ?」

「50階のボスを倒せば手に入るよ」

「そうか。それと、何でアナウンスが入ったのにダンジョンは崩壊しないんだ?」

「普通はするの?」

「ああ、ダンジョンが死ぬわけだからな」

「そうなんだ。それと、理由なら知っているよ」

「ど、どんなん理由なんだ?」

「簡単だよ。まだこのダンジョンに続きがあるんだよ」

「どういうことだ!? 踏破したんだろ?」

「したけど。また新しいダンジョンの入り口があったんだよ」

「まじかよ。これをクリアしてもまだあったのかよ....」
 ルッツさんが勘弁してくれよ.....と顔が言っている。

「落ち着け。これは新しい発見だ。直ぐに皇帝陛下に知らせないと!」

「で、坊主はこれからどうするんだ?」

「家に帰るよ」

「そうか」

「帰るのか。それなら、ダンジョンの踏破者は皇帝から褒美が貰えるから、当分は家にいてくれよ」
 褒美? そんな物を貰えるの?

「わ、わかりました」
 転移を使う


(ここは街の外ですね。どうして直ぐに家に戻らないんですか?)

 今は首にかけているアンナが質問をしてきた。
 どうやら、アンナをしっかり装着しなくても念話は出来るようだ....
 

「じいちゃんの馬がここら辺にいるはずなんだよ」
 そう言いながら近くに馬がいないか探す。

 すると、遠くに馬が近づいて来るのが見えた。
 あ、あれはじいちゃんの愛馬だ!

 そして、じいちゃんの馬は、俺に背負われているじいちゃんを見て悲しそうに鳴き声をあげていた.......

「ごめんな。じいちゃんを死なせちゃって。俺がもう少し速く創造魔法を使えたら」
 馬に謝っていると涙が出てきた....

 それから、しばらく泣いてから家に転移した.....

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