継続は魔力なり《無能魔法が便利魔法に》

リッキー

適性魔法

 
 俺は、現在、この世界に来て初めて外に出ている。
 
 そして、初めての外出で長旅をしている。
 もう既に、馬車に1週間は乗っている。

 前世で馬車に乗った記憶は無いので馬車に乗るのも初めてだ。
 初めて乗った馬車は結構揺れ、何日かは酔ってしまった。
 やっと酔いに慣れたのは2,3日前だ。

 馬車の中には俺と父さんと母さんがいる。
 旅の前半で俺は馬車酔いになってしまい、全く話すことが出来なかったが、一昨日辺りから馬車から見える風景を見ながらいくつも質問をした。

 まず、この世界には魔物はいるが、前世の世界と変わらない植物や動物が生息していた。
 旅で通った道では、麦畑が一面に広がっている場所や鹿を頻繁に見かける場所などたくさん知っている動物や植物を見かけた。
 しかし、逆に魔物は見かけることが出来なかった。
 護衛が何人か馬車に付いていたので、俺が気がつかないうちに倒していたのかもしれないが、凄く見たかった魔物を見かけることはなかった。

 そして、現在、あと少しで帝都に到着する所までに来ている。
 帝都に到着したら、そのまま俺の適性魔法を調べる予定らしい....

 適性魔法については、だいたい本で読んで理解したと思う。
 ただ、実際にどうやって調べるのかは知らなかった....

 だから、聞いてみる
「父さん、てきせいまほうって何?」
 子供らしさを意識しながら父さんに質問してみた。
 
「ああ、そういえば教えてなかったな」
 そう言うとお父さんは手から何の前触れも無く、いきなり白いカードを出した。
 そして、そのカードを俺に見せてくれた。

「これは、神殿で貰えるものでな。このカードには、自分の強さと神から貰った適性魔法と称号が書いてあるんだ」
 カードには、父さんの名前やさまざまな文字と数字が見えた

 ディオルク・フォースター Lv.56

 年齢:33
 種族:人族
 職業:魔法剣士

 体力:1540/1540
 魔力:4250/4250

 力:620
 速さ:530
 運:20
 属性:無、炎
 スキル
<見ることはできません>


 称号
<見ることはできません>

 おお、ステータスだ!!
 職業が魔法剣士というのもかっこいいな。
 しかし、何故スキルと称号が見えないだ?

 母さんのもこうなっているのか?

 気になったので母さんに顔を向けた

 すると、俺の考えに気がついたのか
 「私のも見たいの?」
 
 そう言って、手からカードを出して見せてくれた

 カーラ・フォースター Lv.36

 年齢:30
 種族:人族
 職業:貴族

 体力:570/570
 魔力:1820/1820

 力:110
 速さ:140
 運:100
 属性:氷
 スキル
<見ることはできません>


 称号
<見ることはできません>

 やっぱり、スキルと称号は見えないみたいだ。
 てか、母さんの運が高いな。
 
「お父さん、なんでスキルと称号が見えないの?」

「それはだな、まずスキルとは、努力して手に入れることが出来るものと称号を貰うことで手に入れることが出来るものがある。それと、称号は何かを成し遂げることで神から貰えるものだ。この2つを他人が見えないのは、人によっては見られたらヤバいものがあるからだな」

「なるほどね」
 確かに、称号を見たらその人の経歴がわかってしまうのも良くないな

「ちなみにLv.1の大人の平均が10になるようにステータスは出来ている」

 それじゃあ、父さんも母さんも凄く強いじゃん

「ふふふ、レオがどんな適性魔法か楽しみだわ」
 母さんが微笑みながらまた俺の適性魔法を心配した。

「適性魔法って大事なの?」

「いや、そこまで大事ではないぞ。ただ、適性魔法が凄い人は強い人が多いからって、貴族は適性魔法の凄さで優劣を決めるんだよ。母さんはお前が学校でいじめられるのが嫌なのさ」

「だって、私は学生の頃にたくさん属性のせいでいじめられている人を見たんですもの」

 どうやら、貴族では適性魔法で強弱を決めているらしい
 それで、弱い奴はいじめると.....
 
 はぁ、どの世界でも弱い者いじめはあるんだな

 そんなことを考えていたら、やっと大きな町と城が見えてきた。

「おっ、帝都が見えてきた! それじゃあ、このまま教会に向かうぞ」

 そして帝都に入り中心に進んで行き、城の間近にある前世の教会に見た目がそっくりな教会に到着した。

 そして、中に入ると神父らしき人が父さんに話しかけて来た
「お久しぶりでございますフォースター公爵様。本日は、お子様のステータスカードでしょうか?」

「ああそうだ。さっそくいいかね?」
 と握りこぶし程の中が詰まった袋を渡して言った。

 袋を受け取った神父は、思っていたよりも重かったのか貰った袋を二度見して
「こ、こんなにもたくさんありがとうございます。では、さっそくやってしまいましょう」
 父さんに丁寧に礼をして案内を始めた。

 どうやら袋には、金が入っていたみたいだ。
 しかも、結構な大金だったのだろう.....
 神父の袋を持っている手が震えている

 それから、地下の部屋に案内された。
 その部屋には、膝を地面につけて両手を差し伸べている女神の像があった。

「それでは女神様の像に触ってください」

 俺は神父に言われるがままに女神の像を触ってみた。

 すると、女神からとても強い光が発せられた。
 あまりの強さに、俺は目をつぶってしまった。

 それから、この光は約1分程続いた。
 やっと光が弱まり、目を開けると女神の手に1枚のカードが光っていた。
 
 俺はそのカードを恐る恐る持ってみた
 すると、カードはいきなり光と共に消えてしまった。

 カードがいきなり消えてしまったので驚いていると
「先程のカードを出ろと念じてみてください」
 神父が教えてくれた

 俺は神父の言われるがままに念じてみた。

(出ろ)

 すると、さっき馬車で父さんがやっていたように俺の手から白いカードが出て来た。

 これがステータスカードか....

 さて、俺の適性魔法は何かな?
  
 レオンス・フォースター Lv.1

 年齢:5
 種族:人族
 職業:創造士

 体力:5/5
 魔力:4650/4650

 力:3
 速さ:4
 運:1000
 属性:無、創造
 スキル
 鑑定 創造魔法Lv.1
 無属性魔法Lv.1 魔力操作Lv.4

 称号
 異世界の記憶を持つ者
 魔法使い 

 俺は、このステータスをしばらく眺めてしまった.....

 魔力と運がおかしすぎるだろう!
 
 まだ魔力の方はコツコツと鍛錬してたからまだ納得は出来るが.....どうなってんの普通の100倍の運って?

 それに創造魔法って、凄くレアな適性魔法な気がする.....

「どうだったんだ?」
 俺があまりにも長くステータスを見て黙っているので心配そうに父さんが言ってきた。

 俺は2人にカードを見せた。

 カードを見せられた2人はしばらくステータスを眺め、とても驚いた顔をした。

「魔力がおかしすぎるだろう。すでに俺負けてる...」

「あら、運だけは誰にも負けないと思ってたけどこれにはかなわないわ.....」

 二人とも、信じられないと凄く言いたげな顔をしていた。


 しかし、しばらくすると母さんの顔色が変わってきた

「ただ適性魔法が...」
 母さんがそう言いながら凄く残念そうな顔をした

「そんなことを言うな.....レオは魔力の量が多いから無属性を極めれば最強の剣士になることが出来る」
 
 え? なんで父さんも母さんも、俺の適性魔法がとんでもないハズレみたいなことを言っているの?
 普通は創造魔法って喜ぶものじゃないの?

「創造魔法って弱いの?」
 どうしてなのか気になってしまい、思わず俺は2人に聞いてしまった

「あ、ああ、創造魔法はな。ユニーク属性の中でも珍しい属性なのだが.....簡単な物しか造れないので弱いとされているんだ.....」

 父さんは歯切れ悪くそう言った。

 そ、そんな.....
 これまで魔法を使うために、あれだけ努力をしたのに魔法が使えないなんて......

「がっかりするな。魔法を使えない人だってたくさんいる。だから他を極めろ」

 父さんが俺を励まそうとするが、俺の耳には全く届いてはいなかった.....

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