国王

目を開けると、どことも分からない謎の空間にいた。
周りは神殿のような作りで床には真っ赤な絨毯が敷かれていて壁際には王勢の騎士が佇んでいて正面のちょっとした段差の上には威厳がある顔にザ・国王って感じの衣装と王冠を被っているおっさんとその隣には王妃らしき人と王子と王女らしき人たちが椅子に座っていた。

「突然ですまんが、お主達には邪王を倒してほしい」

国王のおっさんがそう言うとクラスの奴らがざわめき始めた。因みに俺は三年前のあの姿に魔法で変身してる。
闇魔法・虚像
この魔法は自分の本当の姿を違う姿に見せる魔法だ。分かりにくいと思うからもう少し簡単に説明すると。今の俺の身長は180㎝だが変身した俺の身長は150㎝だ。そしてチビのまま170センチの門を潜ろうとしてもデカイ方の俺が10㎝高いから引っかかって通れないといった感じだ。大雑把に言うと、本来は180㎝の俺だが、周りから見ると150のデブに見えると言う事だ。

「本当に突然ですまない。だがこのままではこの世界は滅んでしまう。だから頼む。私たちに力を貸してくれ」

国王がそう言うと俺たちに頭を下げた。
周りの騎士たちは「おやめください」なんか言ってるが全然心がこもってないな。もっと言ったら棒読みだな。
クラスの奴らはその言動に気づかず慌てていたが、ここでまぁ出しゃばってくるのが勇者なんだよ。あ、出てきた出てきた。

「僕はこの世界の人たちを救いたい。みんな力を貸してくれないか」

アイツはクラス長をしてる#山城__やましろ__# #勇気__ゆうき__#だ。アイツも俺の復讐相手だ。
いつもはあんな風にいい子ぶってるが素顔は平気で人を貶める最悪最低の男だ。

「俺もやるぞー」「私も～」俺もだー」

ほらほら、馬鹿につられてどんどん馬鹿が増えていくな。

「みんな……ありがとう。では国王？様でしょうか。私たちは邪王を倒します」
「本当か　︎それは良かった。それと、自己紹介がまだだったな。儂の名前はガーデル・フォン・グラエンド。グラエンド帝国の国王をしておる」

そうおっさんは言った。ここら辺は問題なく勉強してるから大丈夫だ。
そのあとは王妃や王子王女の挨拶をしていった。

「ではこれからお主達にはステータスを確認してもらいたい」
「ステータスとはなんですか？」
「ステータスは簡単に言うと自分の基礎能力を数値化したものだ。ステータスと心の中で唱えたら出てくると思うぞ」

国王がそう言うと一部のところから「テンプレ来たー」とか「異世界無双してやんぞーフォーー」とか「異世界ハーレム作ってやるーー」とかくだらないことを散々言ってた。だが、ステータスが楽しみなのは俺も同じだ。なんせ神界ではステータスを見させてもらえなかったからな。

じゃあステータスを見てみようか。

『ステータス』