一度きりの人生、大事にしないとっていう言葉が偉大だと気づく頃は結構歳取ってたりする。

ろぼ

良いも悪いも記憶に残る時、必ず誰かが隣にいるんだよね。

これだけ深々と中学時代を語っているけど、人間にとって青い春と呼ばれる時期は、やっぱり重要なんだろうね。

もめにもめて退部しようと思ったのが1年生の終わり。
それをきっかけに母親が私の気持ちを悟ってくれて、チームメイトとのことを担任や顧問と相談して、誰も傷つかないように動いてくれた。

まぁ、早い話がチクった形なんだろうと思うけど、あんだけ辛い出来事は、中学生1人で解決するなんて無理なんだよね。
でも、そこをきちんと理解してくれて、問題を問題にせず解決に導いた私の周りの大人たちは、本当に偉大な人たちだったんだと思う。

ありがとう。
その一言につきる。
はたして、私に同じことが出来るのだろうか…。
いや、無理かも…。
でも、自信は無いけど、1人には絶対しない。
大人だけど子供な中学生。
私が一番最初に溺れた社会の荒波…。
同時に、浮き輪を投げ入れてくれる存在がどれだけ必要か学んだ。

チームに残って、仲間とのわだかまりも無くなり、ようやくまとまった私たちは、3年の夏の最後の大会で、県大会3位になった。
悔しさと、もう同じ仲間で試合が出来ない寂しさ、色んな思いで目が開かないほど泣いた。

なのに帰り道では、みんなで行った海で、ずぶ濡れになって大笑いした。

あれだけ辛かった1年生。
凄く長くてスローに感じた日々。
たった1年が、まるで3年間だったのかと思うくらい。

問題が無くなり、部活が軌道に乗ると逆に凄く短くて、あっという間に2年間が過ぎていった。

とても不公平。
でも、確かに同じ時間が過ぎているから不思議。

人の記憶って曖昧だけど、そこにあった感情は結構鮮明に残ってたりするんだよね。
最終結果は覚えているけど、試合の内容とか、試合後に何を語り合ったとか、海で何が楽しかったのかとか、実は全く覚えてない。
でも、悔しくて泣いて、楽しくて笑ったんだ。

あの時は本当に辛かった。
一人ぼっちだった。

あの時は本当に楽になった。
周りの大人に救われた。

あの時は本当に悔しかった。
でも、みんなと一緒で楽しかった。

全ての『あの時』に、必ず誰かが隣にいた。
一人ぼっちだけど、誰かがいるから一人ぼっちを感じる。
自分のことで必死で見えなかったけど、自分を守ってくれる人がいる。
一緒に同じ気持ちで戦って、泣いて笑った仲間がいる。

感情があって記憶に残る時、そこには必ず隣に誰かがいるんだよね。



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