一度きりの人生、大事にしないとっていう言葉が偉大だと気づく頃は結構歳取ってたりする。

ろぼ

自分のことを自分が一番最初に諦めたら、その先に何も無いのは当たり前だね。

“お花屋さんになりたいです”
今では珍しくなったカセットテープ。
幼稚園の卒園記念で子供達一人一人の夢が吹き込まれている。
そして、最後には先生達が合唱した『夢をあきらめないで』という曲が流れる。
純粋で、何にでもなれると思っていた頃の話。

“私の夢はタレントになることです”
小学校4年生の時に書いた文集。
『辛い時も悲しい時も、TVの中では笑ってるタレントに励まされてるから、自分もいつも笑って励ましてあげられるようになりたい』そんな理由だった。
それが、どんなに大変なことか理解していたかどうかは覚えてないけど…。

“私ね、イルカの調教師になりたいんだよね”
中学生の時に仲の良かった先生に相談したことがあった。
『まずは高校卒業してから考えなさい』
どうすればなれるのかは教えてくれなかった。
きっと、知らないから適当にあしらったんだと思う。
その答えを聞いて、私は適当に高校を選んだ。

“私、美容師になろうかな”
そんなことを言い出したのは、高校卒業直前だった。
正直、これ以上勉強したくないからっていう単純な考えで、就職しようって思ってたけど、やりたいこととか希望とかがない私が魅力を感じる求人なんて当然なくて、決まらないままフラフラしてたら、いとこが通っていた専門学校に新しくヘアメイク・エステ・ネイルなどのトータルビューティーを学ぶことが目的の学科が新設されるからとすすめられて、見学行ったら楽しそうだったから…それがきっかけだった。

今、常々考えているのは、私の夢ってなんだろう?てこと。
夢を語るほど若くないんだけどね。
ぶっちゃけ結構なんでもやりたがりな性格で、未だに『これやってみたいんだよね』と母に言うと『やりたいこといっぱいあっていいね』と軽くあしらわれてしまうぐらいなんだけど。
だけど、夢を叶えた!て思ったこと一回もないのってなんで?

タレント?…私の容姿じゃ無理でしょ。
イルカの調教師?…どうすればなれんの?てか、競争率高くない?無理でしょ。
美容師?…え?この学校って美容師の資格とれないの?最初の説明と違うけど。
卒業してから更に学校行くの?無理でしょ。
専門学校は、大きなハプニングも相まって、親のすすめもあり入学早々に退学することとなった。
詳しくは追々書いていこうと思う。

実際、全部やりたいと思ったことだったんだ。
夢だと胸を張って宣言できるほどじゃないにしろ、魅力を感じたのは確かで、やろうと思えば叶えられた夢もあったはず。
それくらい若さってなんでもできる可能性が広がってるんだよね。
その頃に絶対言われてたはずなんだよ。周りの大人達に。
『若いうちしかできない』とか『いくらでもやり直しができる』とか?
それなのに、自分から言い訳して、最初の一歩すら踏み出さないで、適当にフラフラしててもなんとかなると思ってたよね。バカだなぁ〜…。

自分を信じなかった。
よく聞くけど、人って自分で思ってるより頑張れんだよね。たぶん。
せっかくやりたいことがあったのに背を向けてきたけど、自分で自分を諦めたり、自分で自分を信じないのって、それだけ可能性を潰してたんだよね。

なんかあるわけじゃないけど、私はできる!そう思うことから始めようと思うよ。結構、年齢重ねちゃったけどさ。
夢に年齢は関係ないでしょ。

だって、お花屋さんにはなれたんだから。

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