テイムの力が凄すぎました

クラクラ

18. 友達づくり

「あ、あいつらじゃないか?」

「上級生10人相手して余裕で勝ったっていう…?」

「見た目で判断しちゃいけないんだね…それもひとりは幼い顔してるのに…ボソッ」


だいぶ噂広がってるじゃん!?
あと誰だ、かわいい的発言で差別をした最後のやつは!自覚してるんだからこれ以上傷つけないで!

指定されている席は3人それぞれまあまあ離れていたため、これからきつそうだなと痛感してしまう…。

自分の席について、時間までどうするかなぁと考えながら準備していると


「…あ、あの!」

「は、はいっ!?」

大声で声をかけられて、声が裏返りながらも勢いよく振り返る。


目の前にいたのは、銀髪でメガネをかけた大人しそうな…美少年だった。…なんで僕の周りは美男美女ばかりなんだ。肩身が狭くなっていってるんですけど。


「ア、アレンって言います!え、えーと!…僕と友達になってください!」

…同じように友達を作ろうとする仲間がいた。それも誰にも声をかけられそうになかった自分とは圧倒的に違う。

と、つい考え込んでしまいアレン君が不安そうに見つめていた。


「…あぁ、ごめん!えーと、アレン君だよね?僕は加藤優樹。優樹、でいいよ。こちらからお願いしたかったくらいだから嬉しいよ。よろしく!」

「はい!ユウキ、僕のこともアレンでいいですよ。こちらこそお願いします」


こんなに早く意気投合できそうな人が見つかるとは…。

アレンも、友達…できた…!と少しスキップになりながら自分の席に戻っていく。意外と個性的な性格かな?




…そういえばと思い、チラッとガイルの方を見ると…あ、もう周りに囲まれてる。見るからに馴染めそうな優しい性格だし、しょうがないか。



そして和也の方は…っと。誰とも話さず座っているけど、和也の方を見ている女子たちの視線は、明らかに熱いものだと分かる。相変わらずモテるなぁ。早すぎる気がするけど。


ふと和也と目が合った。


" 視線、気づいているんでしょ?話しかけてあげたらどうかな? "



和也が首をブンブンと大袈裟に振る。


" そういう奴らとはあんまり関わりたくない "

" えぇ…そんなこと言ってたら、友達あんまり増えないじゃん… "


と、長年の親しい関係から身につけたアイコンタクトでこっそり会話する。








「ふむ、セラが話してたのはあの子達で合ってるのでしょうか。特に、突出して強そうなオーラは感じられませんが…?」



教室のドアの陰からこっそり見られていたのに気づかずに。

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