腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが

けん玉マスター

46話 天使と悪魔

「アイスジャベリン。」
氷の槍が空を飛ぶ1人の天使を追う。
「どうしたのですか?魔神サラ…。その程度のスピードでは当たりませんよ?」
「…言ってくれるわね…。たかが天使長風情が私に勝てるとでも思ってるの?合成魔法…エレメンタルジャベリン。」
他属性の槍が天使長、ザドキエルを襲った。
「甘いですよ…。」
ザドキエルは器用に飛び回り槍を全てかわす。
「トリシューラ…。」
槍に気を取られているうちに巨大な禍々しい槍がザドキエルを襲う。
「ふっ!」
ギイィン…!
ザドキエルは何とか受け流した。
「スターゲイザー!」
「っ!正気ですか…こんな所で神級魔法を使うなんて…!」
「私は手段なんて選ばないわよ?」
「っ…はあぁぁ!!」



「よく耐えたわね…さすが天使長ザドキエル。」
「はぁ…はぁ…ふふ…この程度…。」
ザドキエルの傷が禍々しいオーラで修復される。
「悪魔の力…あなた…」
「ふふ…エーテリア様のためです。」
「くだらない…あなたがそんな力を使ったところでエトくんはユウが倒す。あなたも一緒によ?」
「ふふ…出来るものならやってみて下さい…!」



「…いい?天使が悪魔に手を染めたらそんなのはもはや堕天使でもない。あなたは堕ちすぎた…。ただの悪魔よ。」
「っ…はぁ…」
ぐったりと世界樹の幹に寄りかかるザドキエル。
「悪魔の対処なんて簡単なのよ。私は魔神サラ…かつて七大魔王を束ねた魔神サラよ?あなたなんかが私に勝てると思って?」
「エー…テリア様は…無能な…力のない私を何万年もそばに置いてくださいました…。今こそあの方に恩を返す時なのです…!」
「…ほかの天使長達はどうしたの?」
「エーテリア様の作戦の…邪魔になるので退場いただきました…。」
「…殺したのね。」
「ふふ…まだ…終わってませんよ…」
ザドキエルの額に巨大な目玉が浮き出る。
「アシッドレイン!」
禍々しい魔力の塊が降り注ぐ。
「イージスの盾。」
結界魔法最上級魔法で難なく防ぐ。
「っ…ブラックブレス!」
「…相殺。」
「っ…ブラック…」
「合成魔法…ゼロ。」
「?!」
光と闇の合成魔法がザドキエルを襲う。
「かはっ!!」
「惨めなものね。かつて皆の憧れの天使長だったあなたが今や悪魔に成り果てるなんて。」
「はぁ…はぁ…ブラック…」
「言ったでしょ?無駄よ。」
手を振るだけで魔法陣は吹き飛ぶ。
「舐めてるの?魔神である私にそんな半端な魔法…。あんまり舐めたことするとうっかり殺しちゃうわよ?」
「なら…なぜ殺さないんですか?」
「それも言ったでしょ、遊びよ遊び。エトくんはユウに任せた。それまで暇なのよ。」
「ふふ…ふざけた人ですね…私は暇つぶしの遊び相手ですか…。」
「そうよ。」
「さっきあなたは言いましたね…あなたは悪魔だと。」
「…」
「そうです…私は悪魔で構わない…。全ては万物神エーテリアの御心のままに。」
ザドキエルを黒いオーラが包む。
「はあああああああああああああああああああああああああああああああっ!」
「…馬鹿ね…」
「ふふ…ふふふ…」
ザドキエルの羽は悪魔のものとなり、髪の毛も真っ白に変わってしまった。
「ふふフフ…あなたは無くすには惜しい神です…。残念で…」
「本当にあなたは愚か者だわ…。」
「っ?!」
遥か上空に巨大な魔法陣が展開された。
「これは?!」
「天体魔法…メテオディザスター。」
巨大な隕石が世界樹に降り注ぐ。
「正気ですか?!こんなことをしてはあなたの味方ごと…」
「私は復活して一年間何もしてこなかったわけじゃない。天体魔法は制御が難しかったけれど今の私なら制御できる。コントロールだって自在よ?」
隕石は方向を変え、全てザドキエルに向かって飛んでいく。
「くっ!」
「せめて身体が残ることを祈るわ。」
「くっ…エーテリア様…!私は…いつまでも…あなたのために…!」
ザドキエルは手を上に掲げ受け止めようとする。
「無駄よ…。あなたはここで退場…。」
「エーテリア
…様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」
そのままザドキエルは跡形もなく消え失せた。
「…まあ暇つぶしにはなったかしら…。…ユウ…」
サラは呟く。
「ミーシェのことを助け出せるのはあなただけ…頼んだわよ…。」





間に合わんかった!
すいません〜。
それとちょっと短めです。
フォローorコメントよろしくお願いします!

コメント

  • ザドギエル乙w

    1
  • KIA

    やっぱりサラさんはチートダナー(棒)

    2
  • イルネス

    ザドキエルの服従心すごいなぁ…

    1
  • かつあん

    けん玉マスターさんセカオワ好き説

    天使が悪魔って...もうわけわかめ\(^o^)/サラさんはやっぱりチート。うん。

    1
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