腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが

けん玉マスター

63話 そして彼女は決意する

時間は陸と由希が最果ての洞窟のダンジョンをクリアする一日前に遡る。


「ミーシェ、そろそろご飯食べたいんだけど。」
「ふふ…食いしん坊なんだから。」
「お前が言うな。」
優とミーシェは次の目的地、スフラン共和国に向けて旅をしていた。
「勇者…いるんだよね?」
「ああ、次に殺るのは桝谷って言うクラスメイトだ。」
「ふーん…どんな子なの?」
「運動神経は良かったな。野球部でレギュラーだった。ただ橘組とまでは行かないが何かと俺に突っかかってくるやつだったよ。」
「へぇ…それより良かったの?菜々ちゃんあのままにしておいて。」
「別に…情が移ったとかそんなんじゃないからな?今はまだ殺す時じゃない。前殺し損ねた分の八つ当たりもしたいからな。あいつには…地獄を見てもらわないと。」
「ユウは…やっぱりユウだよね。」
「そうか?」
「うん…考えることがエグい。」
「褒め言葉として受け取っとくよ。…まあ…お前に何かするなら別だけどな。」
「え?」
「言っておくが俺の中ではもう…復讐と同じくらいミーシェのことが大事だ。」
「え?そ、そんなの…」
「あるよ。あいつがミーシェになにかするなら問答無用で殺す。できるだけ痛ぶってな。」
「ユウ…最後のがなければすごくカッコイイ。最後のがあるとただただエグいよね。」
「うっせ!ていうかお前俺が教えたエグい使いすぎじゃね?」
「便利だから〜。」
「さいですか…。」



「!…はぁ…はぁ…」
魔神領で江ノ島は目を覚ました。
「っ…優…くん…。」
「…ユウならもう行ったわよ。」
「!…魔神…サラ…。」
「ようならもう無いでしょ?ならとっとと消えて。私の気が変わらないうちにね?」
「優くんは…どこに?」
「あなたに教える義理はないわ。」
「っ…」
「言っておくけどあなたがユウに償う権利なんてないわよ?」
「っ…どうして?!私は…私は早く…早く優くんに…私を殺して楽になって欲しいだけなのに…!」
「…随分と見え透いた嘘を言うのね。」
「!…どういう事…?何が…嘘だというの…?」
「闇弱ね…。骨まで透けるようだわ。」
「だから…!何が…」
「楽になりたいのはユウじゃなくて…あなたの方じゃないの?」
「ッ!!」
「あなたは早く罪から逃れたいのよね?だからユウに早く楽になって欲しいとかなんとか言って殺されに来たんでしょ?」
「違…う…。」
「言っておくけど罪って言うのはそう簡単には話してくれないものよ?それはもう…底なし沼のようにあなたを逃がさない。」
「違う…。」
「何が違うのかしら?私には全て見えるわよ?あなたの心の中…。」
「違うって言ってるでしょ!?」
江ノ島はサラに向かって火球を放つ。
しかしその火球はサラにたどり着く前に消えてしまった。
「そっちが本性ね…。」
「あなたに…あなたに何がわかるのよ…!」
「…それはあなたが私に言えたことかしら…?」
「当たり前よ!私の方が優くんのこと…理解してる!」
「理解してる?笑わせないでくれる?そう言ってユウの復讐心に気づかなかったのはどこの誰かしら?」
「うるさい…!うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!」
江ノ島はさらに火球を生み出しサラに向かって何発も放つ。
しかしサラは危なげなく全てを相殺する。
「はぁ…はぁ


…もう…いい。」

「何が?」
「あなたも…あなたの妹も…。優くんによってくる害虫は…私が殺す…。」
「…」
「フフ…フフフ…。優くんは…私のものなんだから…!」
「本当にあなたは…闇弱ね。」
「…」
「あなたがミーシェに勝てると思ってるの?」
「あんな虫…捻り潰す。」
「それを私やユウが許すとでも?」
「邪魔するなら…あなたも殺す…!優くんも…あんな女よりも私といた方が絶対に幸せ!」
「…そういうことは…力を持ってから言うのね。」
「!」
サラが手をかざすと江ノ島の意識は闇に落ちた。
「本当に…危険な子ね…。それでもあなたのものなんでしょ?だったらミーシェはしっかり守り抜きなさいよ?…ユウ。」




すいません短めです。
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コメント

  • 閲覧履歴間違えて削除してしまった

    罪っていうのはそう簡単に話してくれない 離してくれないでは?間違ってたらごめんなさい

    1
  • 本大好き{デアラ}

    ごみだな

    1
  • らう

    (+。+)アチャー。江ノ島やってんねぇ

    1
  • ダイアーさん

    江ノ島エグいはw

    1
  • ノベルバユーザー282310

    江ノ島ついにヤンデレ化

    1
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