腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが

けん玉マスター

18話 英雄

王室で王女への復讐を果たした優は少しの間その優越に浸っていた。
はぁ…これで少しは肩の荷が降りたな…。
さてと…メインディッシュにかかるとするか。
優は地下牢への階段に向かって歩き出した。


「どうなってるの?一体上で何が…」
「…おい、江ノ島!」
江ノ島の目の前には見覚えのある顔。
ピルークから姿を消したはずのメイギスさんがいた。
「メ、メイギスさん?!」
「無事か?ほかの5人も無事みたいだな…。」
「上で何が起こってるんですか?!」
「…この国はもう終わりだ。王女が殺された。」
「!…王女が?」
「やったのは…優だ。」
「!…そ、そんな藤山がこの国に?」
「…優くんがいるんですか?」
「ああ、今鍵を開ける。とっとと逃げるぞ…!」
「でも…!優くんには話さなきゃ行けないことが…!」
「今はダメだ!」
「っ…!」
「…危険すぎる。」
「メ、メイギスさん!早く逃がしてくれ!」
「今開ける。下がってろ。」
メイギスさんは剣で鍵を壊した。
「おい!とっとと逃げるぞ!!」
「ああ!」
「自由だ…!」
「このあとどうする?」
「待て!お前ら!あまり気を抜くと…」
ドゴーン!!
地下牢への扉が吹き飛ばされてきた。

!!

「みーっけ…。」
「優…くん…。」
「と、藤山…」
「下がれぇ!!」
メイギスが叫んだ。
ズバッ!
バシュッ!
先行していた二人の首が飛んだ。
「!…そんな…。」
「ひ、ひぃぃ!!」
他の3人が尻もちをつく。
「…下がれ!」
「ひいいいい!!」
3人は急いでメイギスの後ろに隠れた。
「どうも…メイギスさん。」
優は口元に飛んだ血を舐めながらメイギスに挨拶をした。
「優…。」
「お久しぶりですね…。それよりも…後ろにいる江ノ島、差し出してくれませんかね?」
「断る。」
「ていうか、小宮と松山どこだよ?」
「さあな…。」
「ちっ…。まあいいや。…まずは江ノ島からだ。」
「待って!優くん!話を聞いて!!」
「…」
「私、あの時冷静じゃなかった…。ちょっと考えればわかる事なのに…優くんがそんなことする訳ないって…。ごめんね…優くん。許してくれないのは分かってる!でも…この気持ちは本当だから!優くんと話す資格なんて私には無い。でも…でもこの気持ちは…中学で優くんに助けられてからずっとあった…私は…私は優くんのこと…す…」
ダンッ!
江ノ島の横の壁に穴が空いた。
「!…ゆ、優くん…それは…?」
「それ以上言うと多分ドキドキして手元が狂ってお前の脳天をぶち抜くことになっちまうかもなぁ?」
優が手に持っていたのは元いた世界の武器…拳銃だった。
「ひ…け、拳銃?なんで…なんで?!なんでお前がそんなものを…?!」
「スキル…武器錬成。」
優は巨大なバズーカを取り出した。
「こんな物も創れるぞ?」
「うわぁぁぁ!」
「お、終わりだぁー!」
「い、嫌だ…!」
「落ち着け!お前ら!」
「…まあこんなもので殺しても面白くない。」
優はバズーカをしまった。
「最後の警告だ。江ノ島を含めたクラスメイトを差し出せ。そうすればあんたの命は助けてやってもいい。元々あんたに恨みはないからな。」
「断る。」
「そうか…残念だ。」
優はニヤリと笑いナイフを構えた。
「逃げろぉー!」
メイギスは剣を構え、優に突っ込んで行った。
「メイギスさん!」
「俺が時間を稼ぐ!!その間に逃げろ!」
「うああ!!」
生き残った3人が走って逃げていく。
「そ、そんなこと…!」
「とっととしろ!」
ギン!
優のナイフがメイギスの剣にくい込んでいく。
「脆い剣だな。」
「ぐぅっ!早くしろぉ!!」
「くっ!」
江ノ島は走って出口へと向かった。
「…逃がすかよ。」
優は拳銃の標準を合わせ撃った。
ギン!
「!…ははは…これは驚いた。流石はピルーク王国元騎士団長。あの場所から追いつくか…化け物め。」
「…アイツらには…触らせない!!」
「そうか、気が変わった。あいつを殺すのはあんたの後でもいいや。」
「まだお前程度には…負けん!!」
メイギスは剣の切っ先を優に向け、突進してきた。
「…」
「うおお!!」
ちょん…
「!…馬鹿な…!」
優は指先でメイギスの剣の切っ先を止めていた。
ドンッ!ドンッ!
優の拳銃がメイギスの両足を撃ち抜いた。
「ぐあっ!…ぐっ…。」
「こんなものか…。」
「くそ…ここまでとは…化け物め…。強くなったな…優。」
「…」
「あの時の…無能と呼ばれてた時があったのは嘘のようだ。」
「…言いたいことはそれだけか?」
「何が…何がお前をそこまでさせる?お前の…行動理念はなんだ?」
「今更聞くか?」
「ふっ…そういうことには俺は鈍いんだ…。教えてくれ。」
「あいつらへの復讐。ただそれだけだ。」
「そうか…。もう、あの時のお前には戻れないのか?」
「くだらない質問だ。分かりきってるだろ?」
「ははは…俺も…ここまでか…。」
「あんたに恨みはない。…だがあんたは俺の復讐の邪魔をした。」
「否定しない…。」
「あの頃に戻れるか…だったか。」
「…」
「戻れるなら戻ってみたいかもな…。」
「!」
「あの時俺が…アイツらに裏切られていなかったら…。」
「そうか…。後悔…してるのか?」
「後悔?俺がこんなことをしたことについてか?否だ。後悔なんて1ミリもしてない。そのおかげで守りたいものも出来た…。」
「そうか…。」
「さて…何か遺言はあるか?って言っても聞くつもりは無いけどな。」
「ははは…ならなんで聞いた。」
「…あんた、まだ戦えるだろ?」
「…」
「あんたは戦いを投げ出すようなことはしないはずだ。」
「そうだな…。そろそろいいかもな…。」
カチッ
「!…何をした?」
「最後は派手に死にたいんでね。」
メイギスは鎧を脱いだ。
「!」
そこにはいくつもの爆弾が巻かれていた。
「しまっ…」
「あとは頼んだぞ…陸。」

ドゴーン!!

江ノ島は外で崩れゆく城を見ていた。
「メイギスさん…!優くん…!」


ガラ…
地下室近くの瓦礫が崩れた。
「ちっ…迂闊だったな。咄嗟に腕でかばったおかげで火傷ですんだか。」
辺りは崩れた城を見に来た野次馬で埋め尽くされていた。
「あんた…大丈夫かい?」
「…まさか自爆に持ってくるとはな…。それに城中に仕掛けていたのか…。まあいいや。楽しみが増えた。あと6人いる。ククッ…」


楽しみだ…。


―――――――――――――――――――――――――――――――
間に合いませんでした…。
すいませーーん!!
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コメント

  • ノベルバユーザー515118

    カッコ良すぎだろメイギスさん………守る対象があのクズどもじゃなかったらなぁ

    0
  • 虎真

    団長ー

    1
  • 12AI11

    ちっ江ノ島やり逃した

    2
  • どろ兄

    おい江ノ島逃げんのかよ

    3
  • シン

    江ノ島〜!
    優に誠意を見せたいなら逃げるなや!

    4
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