腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが

けん玉マスター

2話 ユウ&ミーシェside 商人の鏡

アギリシ王国南部の森
パチパチ…
「焚き火って暖かいね〜?ユウ。」
「はははー…そうだなー。」
「わはは…」
「とりあえず今ある食材で飯作ってくれよ。」
「ふふふ…どっかの馬鹿犬が全部つまみ食いしてたみたいなの。」
「ほう…その馬鹿犬とは?」
「わん!」
マシュマロはその場で吠え、鼻先をペロッと舐めた。
((殺す…。))
「て言うか…」
「うん。」
「「まじでどうする?」」
「ひもじいよー。ユウ〜。」
「言うな。余計腹減る。」
「うー…。」
「今日は寝よう。寝て忘れよう。」
「ユウ…。現実逃避しないで。」
「だってどうすりゃあいいんだよ?!飯もない今俺の癒しはミーシェと寝ることだけだ!」
「ユ、ユウ…」
「ミーシェ…」
ぐぅぅぅー…
2人の腹が同時になった。
「「…」」
「もう嫌だぁ!ごーはーんー!」
「うるせえ!俺だって腹減ってんだよ!全部こいつのせいでな!」
「くぅん…」
「「は、はうっ!」」
「な、なんて可愛いんだ!マシュマロォ!」
「ずるい!私がモフる番!」


「くそ…どうすりゃあいいんだよ…。」
「メイド服売る?」
「え?ダメ。」
「え?」
「え?」
「なんで?いいじゃん。」
「ダメだよ。まだそれ着たお前と色々やってないし。」
「え?何それ…。」
「え?約束だろ?」
「え?」
「え?」
「え?が多い…。はぁ…分かったよ。着替えるからそっち向いてて?」
「え?マジで?!ひゃっほう!!」
「わっほーい!!」
「お前にはやらねえからな?マシュマロ。」
「うー…わん!わん!」
「やんのかてめえ?」
「わん!」
「かかってこいやァ!」


「ユ、ユウ?着替えたよ?」
「おお…。待ってたぞ、ミーシェ。」
「あれ?マシュマロは?」
「さ、さあ?川に水でも飲みに行ってるんじゃないか?」
「そう?…それよりも…恥ずかしい…。早めに終わらせて?」
「待て、ケモ耳カチューシャ付けて。」
「わ、分かった…。どう?」
「そうだなぁ…うーん…。」
「そ、そんなにジロジロ見ないで…」
「…こんなことしてる場合じゃないよな。」
「な?!は?」
「行こうぜ。」
「…嘘でしょ?」
すると2人に近づく馬車の音が聞こえた。
「お、ラッキー。ちょっとお金貸してもらおうぜ。」
「え?でも見ず知らずの人に?」
「なんとかなるなる。任せとけって。すいませーん。ちょっといいですか?」
「はい?どなたですか?ってユウくんじゃないですか?」
「あ、スコットさん。」
「あ、ユウお兄ちゃん、ミーシェお姉ちゃんだ!」
「カナちゃん!」
「え?どうしてここに?って行商の途中ですか?」
「そうです。まさかこんな所で会うことになるとは…。」
「わーい!久しぶりー!」
「ほんとに久しぶりね!元気だった?カナちゃん?」
「うん!スコットおじさんとの旅、楽しいよ!」
「そっかあ…良かったぁ…。」
「それよりもミーシェお姉ちゃんの格好凄いね!猫のメイドさんだぁ!可愛いー!」
「え?あ、これは…ユウ!」
「ははは…マジごめん。」
「それよりもお二人はどうしてここに?」
「あ、それはですね…実は…。」


「そんなことが…?それはお困りでしょう。アギリシ王国に私の店の本店があるんです。今夜はそこでお休みください。」
「マジっすか?!」
「やった…!」
「本当にありがとうございます!」
「いえいえ。さあ、馬車にお乗り下さい。」


「スコットさん。カナはどうですか?元気にやってますか?」
「はい。カナのおかげでたくさん商品が売れていますよ。」
「そうですか…これからもよろしくお願いします。」
「はい。逆にいつまでもいて欲しいくらいですよ。」
「よかった。」
一行を乗せた馬車はしばらくして、アギリシ王国についた。



「えっと…ここがスコットさんのお店ですか?」
「はい。そうですよ。」
「「で、でけえ…」」
そこには高級ホテルのように恐らく10階以上あるだろうという建物がそびえていた。
「さあ、行きましょう。」
「は、はい…」

「オ、オーナー!お戻りになられるのなら連絡を下さい!前にも盗賊に襲われたとか…。」
「それはすまなかったね。でも大丈夫、ユウくんがいるからね。」
「そ、それは…良かったです。」
え?なんか俺結構信用あるっぽい?
「カナお嬢様もおかえりなさい。」
「うん!」
マジか…。カナをスコットさんに託したのは大正解だったみたいだ。
「部屋に案内してあげてくれるかい?」
「はい!ユウ様、ミーシェ様。こちらでございます。」
「はい…。」
「ほわぁ…豪華ぁ…。」
「そうだな…。これはやばい。」
「この壺とかいくらするんだろう?」
「馬鹿!割ったらどうするんだ?!」
「大丈夫だっ…あ…」
グラ…
バシィ!!
間一髪で優がキャッチした。
「ご、ごめんユウ。」
「き、気をつけろ!!」
「マ、マジでごめん…。」


「今夜はこちらの部屋でお休みください。」
案内された部屋は最上階のスイートルームだった。
「「ひ、ひれぇ!!」」
「マジか…」
「ひゃっほう!ベッドがでかーい!」
「わん!」
「どうせお前は俺にくっついてくるんだろ?」
「…じゃあ今日はマシュマロと寝る。」
ざざぁー!
その場で土下座する優。
「嘘です!ごめんなさい!」
「し、仕方ないなぁ…。」

そのあとは豪華な食事を頂き2人はベッドに入るのだった。


「今日は本当にありがとうございました、スコットさん!」
「いえいえ、魔神の妹と一緒にいるとなると大変でしょうから。」
「!…やっぱり分かりますよね…。」
「安心してください。僕はそんなこと気にしてませんから。魔神が蘇って何かが変わった訳でもないのでね。」
「ありがとうございます…。」
「それよりも…これからどうするのですか?」
「そうですね…。魔物でも倒して稼ぎますよ。」
「そうですか…少しですがお持ちください。」
そう言ってスコットさんはお金の入った袋を差し出してきた。
「い、いえ!そんな…貰う訳には…」
「いいんです。2人は命の恩人ですし。それに2人が私にカナを預けてくれなければこんなに楽しい行商の旅は出来ませんでした。」
「スコットさん…。」
「受け取ってください。」
「…分かりました。借りときます。」
「ええ、それでいいです。」
「じゃ、ありがとうございました。」
「ええ、困った事があったらいつでもいらしてください。」
「はい。」


「さて…これからどうしたものか…。」
「とりあえず…魔物?」
「…だな。」


「これで銀貨5枚くらいにはなるか?」
「そうだね…。」
「それにしても…ここの魔物弱いなぁ…。」
辺りにはスライムが1000匹以上倒れていた。
「もはやスライムしか居ないな。」
「こんなんじゃ稼げないよ〜!」
「…あんた。なかなかやるな。」
「!…誰だ!?」
「待て待て、そう警戒しなさんな。」
現れたのは口ひげを生やした男だった。
「稼ぎたいんだろ?あんたの腕なら簡単に稼ぐ方法があるぜ?」
「…」
「遅れたな…俺の名前はジェニー。俺と一緒に…賞金稼ぎしねえか?」
「は?」


――――――――――――――――――――――――――――
カクヨムでも同じ名前で投稿し始めました。
なろうに行く前にカクヨムです。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886807409
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すいません。ユウ&ミーシェsideが思ったより長くなってしまい、次 に続きます。

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誤字修正
何科→何か
教えて下った方ありがとうございます!

コメント

  • トクさん

    ゼニィ

    1
  • ノベルバユーザー206269

    スコットさんとカナちゃん再び!
    世間は意外と狭いw
    スコットさんまじイケメン!

    1
  • 電脳世界の住人

    ジェニー…何か金っぽい名前だな
    ジェニー…ゼニー…銭ー…銭…

    2
  • 垂直抗力(元ラノベ大好きサムライ)

    カクヨム進出ですか!やりましたね!これからも頑張ってください!!楽しみにしてます!夏もまだまだ暑い日は続きますが、御身体にはくれぐれもお気を付け下さいませ。

    2
  • うたたか

    魔神が蘇って何科が変わった訳ではないのでね。
    のとこ「何か」じゃないですか?

    3
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