ひつじ、ひつじ。

ノベルバユーザー206812

ひつじひつじ、迷子のひつじ。

例えばどうして私だったのかと。

そう、ふと考える時があることは誰だってあることなんだろうか。


それを知ってから今までずっと黙ってきた。

それはパンドラの箱、私が触れてはいけないタブーなんだとわかっていたんだ。

なのにわざわざ覗かせるなんて残酷じゃないだろうか。

いっそ知らない体で生きていけたら肩身も狭くなかったのかもしれない、世の中の不条理を呪って自分には非なんて何一つない顔して生きていけたら。

そう思った日が何度あっただろうか。

そう、あの日から私は迷子なのです。


ひつじ、ひつじ。迷子のひつじさん。
こちらへおいで、1人じゃ寂しい。

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