ラブコメで幼馴染が報われない法則について
バレンタインデー特別編 チョコは誰からもらっても嬉しい法則について
「バレンタイン……ですか?」
雛坂家に招待されたリリエルは恵の唐突な発言に目を丸くした。
「そう! 女子が好きな人にチョコ渡して想いを伝える日だよ。義理チョコとか最近だと友チョコとかもあるけどね」
「義理に友……。なるほど、随分と興味深いですね。ですが、それとこれはどんな繋がりがあるのでしょうか?」
当たり前のようにリリエルの身には愛らしいハートが特徴的なエプロンを着せられている。ちなみに恵はヒマワリが胸に咲いたエプロンを身につけ、やる気満々である。
「それは勿論、三人で手作りチョコを完成させるためだよ。ほら、三人集まれば何とかの知恵って言うでしょ」
「文殊の知恵ね。まあ、私たちは毎年興に渡してるけどそれを強要するのは良くないとは言ったんだけどね」
を着た葵そこで申し訳なさそうに呟く。
「いえ、私も蓮さんには日頃からお世話になっいるので良い機会かと。それで具体的に私は何をすれば良いのでしょう? 手作りということはやはりカカオ豆の栽培からでしょうか?」
「そこまでやらなくて良いよ! ここにあるチョコーレトを溶かして固めるだけ」
「それだけ……ですか。そうなると味は変わらないのですからこれをそのまま渡すというのは駄目なのですか?」
「駄目だよ! それだと気持ちが全然伝わらないもん。それにどう工夫して美味しくするかが醍醐味だと思うよ」
「工夫……ですか。しかしどのように」
「そんなに難しく考える必要はないよ。ほら、こんな感じ」
即興で可愛らしいチョコマヒィンを作ってみせた。板チョコだと味気ないがこうなると女性からのプレゼント感が増す。
「なるほど、確かに見た目が華やかだと美味しそうですね。では私は初めてですので試作品を作ったりしないとなのであまり時間はありませんね。すぐに作業に取り掛かりましょう」
恵の作ったチョコレートに感化されたのかエプロンの帯を締め直す。
「何だか目の色が変わったわね」
「普段、何考えてるか分かんないけど女の子だからお菓子に興味あるんだよ。私だって自分で作れたら好きな時にお菓子食べられるな〜って思ってここまで頑張ったんだもん」
「その努力を他に向けようとしてくれると助かるのだけど。でも今日は特別に付き合ってあげる」
***
そしてバレンタインデー当日。
興はいつものように食卓に着くと目の前には幼馴染と計画の協力者がこちらをジッと見つめていた。
「え〜っと、三人お揃いでどうしたんだ?」
「蓮、今日は何の日だか分かる?」
「……バレンタインです」
何? この鬼気迫る感じ。毎年二人からはチョコを貰っているがまさか今年は貰えないということなのか? だとしたら俺は今日という日をどうやって乗り切れば良いんだ⁉︎
などと危惧しながら恐る恐るその単語を口すると恵は二パッと満面の笑みを浮かべる。
「そう! 今年はこの三人でチョコレートケーキ作ったの」
「おお、これはまた本格的だな」
お店にある物と比べても遜色がないほどの出来栄えでついフォークを動かす手が止まる。
「さあ食べて食べて」
形を崩すのは勿体ないが食べないのは作ってくれた幼馴染とリリエルに対して失礼というものだ。
そっとフォークでそれを口に運ぶ。三人はその様子を見つめ、興はそれに真摯に答える。
「うん。美味しい。ありがとな」
やっぱり幼馴染と過ごすバレンタインは格別だ。また来年もこの三人でバレンタインを迎えられることを切に願う。
雛坂家に招待されたリリエルは恵の唐突な発言に目を丸くした。
「そう! 女子が好きな人にチョコ渡して想いを伝える日だよ。義理チョコとか最近だと友チョコとかもあるけどね」
「義理に友……。なるほど、随分と興味深いですね。ですが、それとこれはどんな繋がりがあるのでしょうか?」
当たり前のようにリリエルの身には愛らしいハートが特徴的なエプロンを着せられている。ちなみに恵はヒマワリが胸に咲いたエプロンを身につけ、やる気満々である。
「それは勿論、三人で手作りチョコを完成させるためだよ。ほら、三人集まれば何とかの知恵って言うでしょ」
「文殊の知恵ね。まあ、私たちは毎年興に渡してるけどそれを強要するのは良くないとは言ったんだけどね」
を着た葵そこで申し訳なさそうに呟く。
「いえ、私も蓮さんには日頃からお世話になっいるので良い機会かと。それで具体的に私は何をすれば良いのでしょう? 手作りということはやはりカカオ豆の栽培からでしょうか?」
「そこまでやらなくて良いよ! ここにあるチョコーレトを溶かして固めるだけ」
「それだけ……ですか。そうなると味は変わらないのですからこれをそのまま渡すというのは駄目なのですか?」
「駄目だよ! それだと気持ちが全然伝わらないもん。それにどう工夫して美味しくするかが醍醐味だと思うよ」
「工夫……ですか。しかしどのように」
「そんなに難しく考える必要はないよ。ほら、こんな感じ」
即興で可愛らしいチョコマヒィンを作ってみせた。板チョコだと味気ないがこうなると女性からのプレゼント感が増す。
「なるほど、確かに見た目が華やかだと美味しそうですね。では私は初めてですので試作品を作ったりしないとなのであまり時間はありませんね。すぐに作業に取り掛かりましょう」
恵の作ったチョコレートに感化されたのかエプロンの帯を締め直す。
「何だか目の色が変わったわね」
「普段、何考えてるか分かんないけど女の子だからお菓子に興味あるんだよ。私だって自分で作れたら好きな時にお菓子食べられるな〜って思ってここまで頑張ったんだもん」
「その努力を他に向けようとしてくれると助かるのだけど。でも今日は特別に付き合ってあげる」
***
そしてバレンタインデー当日。
興はいつものように食卓に着くと目の前には幼馴染と計画の協力者がこちらをジッと見つめていた。
「え〜っと、三人お揃いでどうしたんだ?」
「蓮、今日は何の日だか分かる?」
「……バレンタインです」
何? この鬼気迫る感じ。毎年二人からはチョコを貰っているがまさか今年は貰えないということなのか? だとしたら俺は今日という日をどうやって乗り切れば良いんだ⁉︎
などと危惧しながら恐る恐るその単語を口すると恵は二パッと満面の笑みを浮かべる。
「そう! 今年はこの三人でチョコレートケーキ作ったの」
「おお、これはまた本格的だな」
お店にある物と比べても遜色がないほどの出来栄えでついフォークを動かす手が止まる。
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