ラブコメで幼馴染が報われない法則について
第36話 ネットの情報は当てにならない法則について
学園の裏サイトでは既に七不思議についてのスレッドが立てられていた。
その中から十三階段について調べてみると実際に十三階のぼったという生徒がそこで実体験を投稿していたが、嘘乙などと叩かれている。
しかし、その生徒だけが頼りだ。思い切ってメッセージを送ってみるとすぐに返信が届く。
どうやらサイト内で叩かせていたせいでイタズラだと思われて怒りを露わにしていたが、何度かやり取りをしていくとこちらの熱意が伝わったのか詳しい内容を聞かせてくれた。
彼も噂を聞いて試した一人のようで放課後にこの階段をのぼっていき、気がつくと目の前に天使が現れたという。その後は記憶が曖昧であまり覚えていないらしい。
俄かには信じがたい話だが嘘をついているとは思えない。
「東雲。こんなところで何をしている?」
情報を頭の中で整理しているとそんなもの簡単に吹き飛んでしまうような人物が現れた。
保健委員長の五十嵐だ。
「生徒会の手伝いで七不思議の調査だよ。それよりもお前はどうしてこんなところにいるんだ?」
「こちらはいつも通り保健室の片付けをして、以前のような患者がいないか見回りをしていたんだ」
「以前のような患者?」
「ここは何か噂があるらしくて、それを試す生徒が多くいるせいで稀に階段を踏み外してしまう患者がいるんだ。打ち所が悪かったのか前後の記憶が曖昧な生徒もいたが……東雲が調査しているのならもう患者が出なくて済むのか」
そこで俺は察した。
この七不思議は実際に確かめようとした生徒たちの中で足を外して五十嵐によって保健室に連れて行かれた人たちがその曖昧な感覚のせいで異世界だと思い込んだのだろう。
サイトの人が言っていた天使とは五十嵐のことだったんだ。まあ、白衣の天使と言うしな。
「まあ、そうなるように言っておくよ」
「そうか。それなら安心だ。ではまだ患者が私を呼んでいるから、これで失礼するぞ」
一体、何処に患者がいるのか俺にはわからないがまだナーフ服姿ということは俺の知らない何処かで彼女を呼んでいるんだろう。
「お〜い。二人とも次に行くぞ」
もうここに用はない。
裏サイトで情報をくれた彼に礼を言い、次の場所へと向かう。
***
十三階段の謎は解け、新堂たちのグループがいるグラウンドへと赴いた。
着実に七不思議を解決できているが本来の目的は堕天使を見つけ出すことにある。七不思議が全て解決できたとしても堕天使の正体を見破れなくては意味がない。
だからこそこの合流した今から何か手を打たなくてはいけない。いや、というよりも既に手は打ってあるから後はそれに引っかかるかどうか。
ここからは耐えの時間だ。エサのついた針に獲物がかかるまで静かに待つ釣り師のように。
「連絡したから知ってると思うけどこっちは既に一つ終わらせてるわよ。だから残りはあと三つ。いよいよ、この調査も終盤ね」
「それで次がここってことはまたベタな動くあれか?」
あの本を持って歩いている少年の像。どの学校にであるその像が動くという花子さんと同じくらい有名な七不思議。
個人的には花子さんよりも怖い。何せいつも見ていたものが普通のそれではないのだ。
「けど、この学園にあの像はないでしょ。だから今回の七不思議はこの像が動くというものよ」
「天使の像か。まさかこんなところにこんなものがあるなんて」
木々が生い茂った誰も寄り付かない隅っこにポツンと小さな天使像が佇んでいた。一年間この学園に通っていたが、こんなものがあるとは知らなかった。
「知らなくても無理ないよ蓮。これは随分長い間手入れもされてないから。取り壊しなんていう話もあるから」
とそっと葵が補足してくれた。
「これが動く……か。けど、そんなのどうやって確かめるんだ。大抵、こういうのは誰かが見てると動かないだろ」
「馬鹿ね。この流れからして普通に動くだけの七不思議なわけないじゃない。何かしらあるはずよ」
こうして全員で像の周りを探してみるとその下に何か引きずった跡があることに気づいた。
そこで像をその方向へ押してみるとすんなりと動き、その下に隠されていたものが露わになる。
その中から十三階段について調べてみると実際に十三階のぼったという生徒がそこで実体験を投稿していたが、嘘乙などと叩かれている。
しかし、その生徒だけが頼りだ。思い切ってメッセージを送ってみるとすぐに返信が届く。
どうやらサイト内で叩かせていたせいでイタズラだと思われて怒りを露わにしていたが、何度かやり取りをしていくとこちらの熱意が伝わったのか詳しい内容を聞かせてくれた。
彼も噂を聞いて試した一人のようで放課後にこの階段をのぼっていき、気がつくと目の前に天使が現れたという。その後は記憶が曖昧であまり覚えていないらしい。
俄かには信じがたい話だが嘘をついているとは思えない。
「東雲。こんなところで何をしている?」
情報を頭の中で整理しているとそんなもの簡単に吹き飛んでしまうような人物が現れた。
保健委員長の五十嵐だ。
「生徒会の手伝いで七不思議の調査だよ。それよりもお前はどうしてこんなところにいるんだ?」
「こちらはいつも通り保健室の片付けをして、以前のような患者がいないか見回りをしていたんだ」
「以前のような患者?」
「ここは何か噂があるらしくて、それを試す生徒が多くいるせいで稀に階段を踏み外してしまう患者がいるんだ。打ち所が悪かったのか前後の記憶が曖昧な生徒もいたが……東雲が調査しているのならもう患者が出なくて済むのか」
そこで俺は察した。
この七不思議は実際に確かめようとした生徒たちの中で足を外して五十嵐によって保健室に連れて行かれた人たちがその曖昧な感覚のせいで異世界だと思い込んだのだろう。
サイトの人が言っていた天使とは五十嵐のことだったんだ。まあ、白衣の天使と言うしな。
「まあ、そうなるように言っておくよ」
「そうか。それなら安心だ。ではまだ患者が私を呼んでいるから、これで失礼するぞ」
一体、何処に患者がいるのか俺にはわからないがまだナーフ服姿ということは俺の知らない何処かで彼女を呼んでいるんだろう。
「お〜い。二人とも次に行くぞ」
もうここに用はない。
裏サイトで情報をくれた彼に礼を言い、次の場所へと向かう。
***
十三階段の謎は解け、新堂たちのグループがいるグラウンドへと赴いた。
着実に七不思議を解決できているが本来の目的は堕天使を見つけ出すことにある。七不思議が全て解決できたとしても堕天使の正体を見破れなくては意味がない。
だからこそこの合流した今から何か手を打たなくてはいけない。いや、というよりも既に手は打ってあるから後はそれに引っかかるかどうか。
ここからは耐えの時間だ。エサのついた針に獲物がかかるまで静かに待つ釣り師のように。
「連絡したから知ってると思うけどこっちは既に一つ終わらせてるわよ。だから残りはあと三つ。いよいよ、この調査も終盤ね」
「それで次がここってことはまたベタな動くあれか?」
あの本を持って歩いている少年の像。どの学校にであるその像が動くという花子さんと同じくらい有名な七不思議。
個人的には花子さんよりも怖い。何せいつも見ていたものが普通のそれではないのだ。
「けど、この学園にあの像はないでしょ。だから今回の七不思議はこの像が動くというものよ」
「天使の像か。まさかこんなところにこんなものがあるなんて」
木々が生い茂った誰も寄り付かない隅っこにポツンと小さな天使像が佇んでいた。一年間この学園に通っていたが、こんなものがあるとは知らなかった。
「知らなくても無理ないよ蓮。これは随分長い間手入れもされてないから。取り壊しなんていう話もあるから」
とそっと葵が補足してくれた。
「これが動く……か。けど、そんなのどうやって確かめるんだ。大抵、こういうのは誰かが見てると動かないだろ」
「馬鹿ね。この流れからして普通に動くだけの七不思議なわけないじゃない。何かしらあるはずよ」
こうして全員で像の周りを探してみるとその下に何か引きずった跡があることに気づいた。
そこで像をその方向へ押してみるとすんなりと動き、その下に隠されていたものが露わになる。
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