海の声
157.母のコトバ
俺は空き巣にでもなったかのような気持ちで狭い空間で心臓の鼓動で安定しない息を抑えている。
鍵を鍵穴へ差し込む音が遠く聞こえたと思うと"あれ?"と海美母の声が聞こえた。
『鍵掛けてないじゃんバカッ。』
美雨の潜めた声と共に俺の横腹に指が突き刺さる。
そして玄関のドアが開き、心臓の鼓動が一層速さを増す。
…そこから音がしない。
もしかして空き巣に入られたって警察に電話してるんじゃ…
そう思った矢先、玄関から階段を一気に駆け上る足音が家に響く。
そしてその足音は俺たちの居る部屋の前で…止まった。
俺は2人と顔を見合わせ手のひらを握りしめる。
コレはヤバいどころじゃない…いくら美雨が海美と知り合いだからって勝手に家に上がり込んだなんてなれば…考えたくもない。
するとドアノブがゆっくりと回され、静かにドアが開いた。
俺は目を瞑り、思い当たる神さまや仏様、何故か村長にまでも"見つかりませんように"なんて祈った。
そして暫くの沈黙の後、海美母の口から思いもよらない言葉が発せられた。
『海美…居るの??』
その言葉に『お母さん…』と海美の声が漏れる。
すると海美母は何かを見つけたように突然小走りにベッドの方に駆け寄ると、"バレた??"と目を閉じ覚悟を決めた俺たちの横でタンスの引き出しを開けた。
そして海美母は小さく声を漏らし消えてしまいそうな小さな声で見えない海美へと言葉を投げかける。
『やっぱり…海美…居るんでしょう??姿を見せて頂戴…お母さんね、夢だと思ってた。だけど、ソファーで寝ちゃったお母さんにブランケット掛けてくれたの海美でしょう??それに時々感じるの。海美が側に居るって…こんなこと…馬鹿げているかもしれない。だけどお母さん待ってるからね、ずっと海美が目を覚ますの…待ってるから…』
そう言うと海美母は喉の奥から声を絞り出すように啜り泣いた。
それは俺が知る海美母のイメージとは全くの別人だった。
『お母さん…』
すると俺の横から海美が震えた声で小さく呟く。
そして続けて海美は力強くこう言った。
『私、絶対戻るからッ!!目覚ますから!!だから…待っててね!!お母さんッ!!』
鍵を鍵穴へ差し込む音が遠く聞こえたと思うと"あれ?"と海美母の声が聞こえた。
『鍵掛けてないじゃんバカッ。』
美雨の潜めた声と共に俺の横腹に指が突き刺さる。
そして玄関のドアが開き、心臓の鼓動が一層速さを増す。
…そこから音がしない。
もしかして空き巣に入られたって警察に電話してるんじゃ…
そう思った矢先、玄関から階段を一気に駆け上る足音が家に響く。
そしてその足音は俺たちの居る部屋の前で…止まった。
俺は2人と顔を見合わせ手のひらを握りしめる。
コレはヤバいどころじゃない…いくら美雨が海美と知り合いだからって勝手に家に上がり込んだなんてなれば…考えたくもない。
するとドアノブがゆっくりと回され、静かにドアが開いた。
俺は目を瞑り、思い当たる神さまや仏様、何故か村長にまでも"見つかりませんように"なんて祈った。
そして暫くの沈黙の後、海美母の口から思いもよらない言葉が発せられた。
『海美…居るの??』
その言葉に『お母さん…』と海美の声が漏れる。
すると海美母は何かを見つけたように突然小走りにベッドの方に駆け寄ると、"バレた??"と目を閉じ覚悟を決めた俺たちの横でタンスの引き出しを開けた。
そして海美母は小さく声を漏らし消えてしまいそうな小さな声で見えない海美へと言葉を投げかける。
『やっぱり…海美…居るんでしょう??姿を見せて頂戴…お母さんね、夢だと思ってた。だけど、ソファーで寝ちゃったお母さんにブランケット掛けてくれたの海美でしょう??それに時々感じるの。海美が側に居るって…こんなこと…馬鹿げているかもしれない。だけどお母さん待ってるからね、ずっと海美が目を覚ますの…待ってるから…』
そう言うと海美母は喉の奥から声を絞り出すように啜り泣いた。
それは俺が知る海美母のイメージとは全くの別人だった。
『お母さん…』
すると俺の横から海美が震えた声で小さく呟く。
そして続けて海美は力強くこう言った。
『私、絶対戻るからッ!!目覚ますから!!だから…待っててね!!お母さんッ!!』
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コメント
漆湯講義
そのコメに感動(。TωT。)w
ありがとうございます!!
あいす/Aisu
なんかもう感動…
。・゜・(ノД`)・゜・。