海の声

漆湯講義

117.呪い?

「えっ?!呪い?!いやいや、そんなん怖過ぎだって!!第一、海美が何したんだよ。」

『呪い?!なんだよソレ!!なぁセイジッ何の話?!』

俺の腕を掴んでワーワー言ってる美雨を手で押さえつつ海美の話を聞く。

『私、たしか海石を捨てちゃったでしょ?そのせいなのかなって…』

「たしか…って沖洲を守る為に捨てたんでしょ?じゃなきゃ俺拾ってないし…」

海美は少し考えるように顎に手をやって続けた。

『そうなんだけど何か今更になって"なんで捨てたんだろう"って思うんだよね。確かに海石を捨ててお祭りが中止になれば何とかなるかな?なんて思ってたけど、本当に捨てちゃうとみんなに迷惑かかるし、なんでそんなコトしちゃったんだろって。まぁ誠司くんが見つけてくれたからいっか♪変なこと言ってゴメンね!!』

「んまぁ…というかもし呪いだとしたら…」

『だからぁ、呪いってナニ?』

なんだよ…「ユサユサすんなよッ。今話してんのは…」

海美との会話を説明してやってようやく落ち着いた美雨は、『それなら…』と立ち止まって人差し指を立てた。

『村長に聞けばいいじゃんッ!!』

美雨の話によると、当たり前だけど村長はずっとこの島に住んでいて、誰よりもこの島の事に詳しいらしい。
まぁ、ありのままを話す事なんてしないけど、話を聞いてみる価値はありそうだ。
それからどうやって村長から"呪い"に関係ありそうな情報を聞き出すか、他には何を聞いたらいいかとかをみんなで話し合った。
そんなこんなで何とか話はまとまり、気がつけば潮の香りが強くなり、俺たちは港のすぐ側に立つ大きな看板の下まで歩いてきていた。

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