海の声
103.憎めないヤツ
「あぁ…トイレか。階段降りて奥行って…」
『分かんないから案内してッ!!ほら行こッ。』
そう言って美雨は俺の腕を引っ張った。
眠っ…何時だよ…
俺は重い瞼をようやく持ち上げ、美雨に腕を掴まれたまま部屋を出ると、薄暗い電球色に照らされた階段を降り、少しひんやりとした板張りの廊下を進む。
『セイジんちって迷路みたいだよね♪』
「なにそれ、褒めてんの?」
『ヒミツー♪』
客間を抜け縁側に出ると、ガラスの向こうの庭に月明かりに照らされた様々な影絵がくっきりと浮かび上がっていた。
『へぇー、綺麗な庭。盆栽とか似合いそう』
盆栽…なんで?
「もっと他の感想無いのかよっ…まぁいいや、トイレそこの角曲がった突き当たりな。」
と言ったにも関わらず美雨はその場から動こうとしない。俺の方を向いて後ろに手を組んだまま足元へと視線を向け黙ったままだ。
「トイ…」
再び声を掛けようとした時、不意に美雨が口を開いた。
『セイジは海美ねぇのコト…どう思ってるの?』
「どうって…いい子だと思ってるよ。その、よくんかんねーけど大事な"トモダチ"みたいな?」
すると美雨がふと顔を上げたかと思うと『ふーん、そっか♪』と俺の横を通り過ぎ客間へと入っていく。
「お前トイレはっ?!」
『別にしたくないよー♪』
はぁっ?何だよアイツ。おちょくる為に起こしたのかよ…
すっかり冴えてしまった頭に美雨への愚痴を並べつつ部屋へと戻ると、薄情な事に美雨は布団をかぶって既に寝てしまっているようだった。
マジでわけわかんね。ったくコイツには振り回されてばっかだな。
そう思ってもコイツは憎めない性格なんだよなぁ…
明日…うまくいくといいな。
『分かんないから案内してッ!!ほら行こッ。』
そう言って美雨は俺の腕を引っ張った。
眠っ…何時だよ…
俺は重い瞼をようやく持ち上げ、美雨に腕を掴まれたまま部屋を出ると、薄暗い電球色に照らされた階段を降り、少しひんやりとした板張りの廊下を進む。
『セイジんちって迷路みたいだよね♪』
「なにそれ、褒めてんの?」
『ヒミツー♪』
客間を抜け縁側に出ると、ガラスの向こうの庭に月明かりに照らされた様々な影絵がくっきりと浮かび上がっていた。
『へぇー、綺麗な庭。盆栽とか似合いそう』
盆栽…なんで?
「もっと他の感想無いのかよっ…まぁいいや、トイレそこの角曲がった突き当たりな。」
と言ったにも関わらず美雨はその場から動こうとしない。俺の方を向いて後ろに手を組んだまま足元へと視線を向け黙ったままだ。
「トイ…」
再び声を掛けようとした時、不意に美雨が口を開いた。
『セイジは海美ねぇのコト…どう思ってるの?』
「どうって…いい子だと思ってるよ。その、よくんかんねーけど大事な"トモダチ"みたいな?」
すると美雨がふと顔を上げたかと思うと『ふーん、そっか♪』と俺の横を通り過ぎ客間へと入っていく。
「お前トイレはっ?!」
『別にしたくないよー♪』
はぁっ?何だよアイツ。おちょくる為に起こしたのかよ…
すっかり冴えてしまった頭に美雨への愚痴を並べつつ部屋へと戻ると、薄情な事に美雨は布団をかぶって既に寝てしまっているようだった。
マジでわけわかんね。ったくコイツには振り回されてばっかだな。
そう思ってもコイツは憎めない性格なんだよなぁ…
明日…うまくいくといいな。
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