海の声
24.海美と貝殻
他にも何軒かの家に挨拶へと周り、妙な気疲れの中自分の家へと戻る途中のことだった。車窓に映るいつもの砂浜、そこに"アイツ"が見えたのだ。
「海美だ…」
『え?(笑)アンタ何言ってんの?』
なにやってんだろ、急に行ったら驚くかな…
家に到着するなり俺は「ちょっと海行ってくる!!」と走り出した。
『あの子…そんなに海が好きなのかしら…』
灼けるような太陽と島中から響き渡る数種類の蝉の大合唱、アスファルトの溶けた匂いが鼻につく。
岩場に着くと、海美は何かを集めているようだった。
名前で呼んでみていいかな…
「あの…う、」
『あ、瀧山くん。こんにちは。』
あ、あぁ。
「こんに…ちは。何やってんの?」
『貝拾い。』
海美の手元を見ると、小さな手のひらに綺麗な貝殻が2つ乗っている。
俺は足元に落ちた貝殻を拾うと海美へ渡した。
「あの…はいっコレ。」
『ありがとう。でもコレは違うんだ。』
「え?これも綺麗だよ?」
『違うよ。私は綺麗な貝殻を集めてるんじゃないの。』
「じゃぁ…どんな貝殻なの??」
『これだよ。』
そう言って俺に見せた貝殻は確かに綺麗だったが、俺には他の貝殻とは区別がつかない。
「1個貸して。俺も探す。」
『ふふ♪ありがと。』
探してみるとなかなか見つからないもので、1時間近く探したが、俺は1つとして見つけることが出来なかった。
「そういえばさぁ…」海美が麦藁帽子を手で押さえながら振り向いた。
俺は一瞬その姿に見惚れてしまいそうになるも、さっと下に視線を逸らす。
「あの、なんか手伝って欲しいって言ってただろ?」
『うん。』
「それってなんなの?」
『これだよ。』
「え?貝殻集め?」
『そう、貝殻集め。』
海美はこちらを向くことなく黙々と貝殻を探している。
「こんだけ探して無いんなら岩の上とかも見たほうがいいんじゃない?」
そう言って俺は岩場に足を掛ける。
『だめっっ!!!!』
無口な海美から発せられた一言に心臓が止まりそうになった。
「海美だ…」
『え?(笑)アンタ何言ってんの?』
なにやってんだろ、急に行ったら驚くかな…
家に到着するなり俺は「ちょっと海行ってくる!!」と走り出した。
『あの子…そんなに海が好きなのかしら…』
灼けるような太陽と島中から響き渡る数種類の蝉の大合唱、アスファルトの溶けた匂いが鼻につく。
岩場に着くと、海美は何かを集めているようだった。
名前で呼んでみていいかな…
「あの…う、」
『あ、瀧山くん。こんにちは。』
あ、あぁ。
「こんに…ちは。何やってんの?」
『貝拾い。』
海美の手元を見ると、小さな手のひらに綺麗な貝殻が2つ乗っている。
俺は足元に落ちた貝殻を拾うと海美へ渡した。
「あの…はいっコレ。」
『ありがとう。でもコレは違うんだ。』
「え?これも綺麗だよ?」
『違うよ。私は綺麗な貝殻を集めてるんじゃないの。』
「じゃぁ…どんな貝殻なの??」
『これだよ。』
そう言って俺に見せた貝殻は確かに綺麗だったが、俺には他の貝殻とは区別がつかない。
「1個貸して。俺も探す。」
『ふふ♪ありがと。』
探してみるとなかなか見つからないもので、1時間近く探したが、俺は1つとして見つけることが出来なかった。
「そういえばさぁ…」海美が麦藁帽子を手で押さえながら振り向いた。
俺は一瞬その姿に見惚れてしまいそうになるも、さっと下に視線を逸らす。
「あの、なんか手伝って欲しいって言ってただろ?」
『うん。』
「それってなんなの?」
『これだよ。』
「え?貝殻集め?」
『そう、貝殻集め。』
海美はこちらを向くことなく黙々と貝殻を探している。
「こんだけ探して無いんなら岩の上とかも見たほうがいいんじゃない?」
そう言って俺は岩場に足を掛ける。
『だめっっ!!!!』
無口な海美から発せられた一言に心臓が止まりそうになった。
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