転生しました。本業は、メイドです。
ー8ーパーティー楽しみ……ます?
やってしまった。。
「ご挨拶もせずに突然申し訳ありません!シルヴィア・グランベールと申します。リカルド様の瞳の色が私の家のメイドの瞳の色と同じだったもので、つい……申し訳ありません!」
リカルド様の瞳はメルと同じ翡翠色だった。
緑色の人も珍しいけど、翡翠色はもっと珍しい色だ。
メル以外で初めて見たからつい興奮して口に出してしまった。。
「そうだったのですね。大丈夫です。気にしないで下さい。」
よ、よかった。。怒ってない。。
お父様も焦った顔ををしていたけど、リカルド様の言葉でホッとしたみたい。後で怒られるかもしれないけど……。
「ふむふむ……楽しそうな方だ。そうだ、リカルドとシルヴィア嬢は同じ年だったな。せっかくだから少し話をしてみてはどうだ?ダンスまでまだ時間もあることだ、令嬢方は挨拶も済んだようだしな。それにお前は少し人と会話をした方がいい。シルヴィア嬢、リカルドの話し相手になってやってくれないか?」
「!!」
なんですと!
「ち、父上…。」
わ、とてつもなく嫌そうな顔した。
本当に女性に興味がないのね。というかむしろ、人と関わりたくないのかもしれない。
昔のパーティー嫌いのわたしみたい。
というか、わたしだって嫌だ。婚約者候補探ししたいし、料理だって食べたいし、お庭だって見たい!!
でも………
「国王陛下、承知いたしました。わたしで宜しければ、ぜひお相手させて頂きますわ。」
断れるはずがない。。
「なっ!」
リカルド殿下、腹をくくりましょう。。
「そうかそうかありがとう。ではさっそく部屋に案内させよう。ダンスの時間になったら迎えに行かせるようにする。」
「はい、承知致しました。」
こうして、わたしとリカルド様は個室に案内されることになった。
用意された部屋は応接間のような部屋で向い合わせのソファーと丸いテーブルが中央に置かれていた。
私達は向かい合うようにソファに座る。
案内してくれた使用人はティーセットとお菓子をテーブルにセッティングすると部屋を出ていった。
そしてとうとう完全に二人きりになった。
黙り続ける訳にもいかないので、なんと話しかけようか考えていると、意外にも最初にリカルド様が話かけてきた。
「どうして、僕の話し相手を引き受けたのですか。こんな無愛想な奴と話したって楽しくないでしょう。父の機嫌取りですか?それとも皇太子である僕に取り入ろうとしての事ですか?」
もっともな質問だ。わたしだってどちらかと言えば愛想がいいアーノルド様と話した方が楽しかったのではと思う。でも…
「わたしに国王陛下からのお誘いを断る事など出来るとお思いですか?それに、わたしは初対面の方を第一印象だけで判断したりは致しませんので楽しいか楽しくないかはこれからですわ。」
「……。」
もちろん見た目でも判断したりしない。
だってメルはいつも見た目で判断されてたから。
「リカルド様、わたしも昔このような社交場が嫌いでした。でも、わたしのメイド……メルというんですが、メルが楽しみ方を教えてくれたんです。私たちのような身分は、嫌でもこのような場に出席しなくてはなりません。そんなわたしが少しでも苦痛にならないように、少しでも楽しめるように考えてくれたんです。」
いつのまにかリカルド様がまっすぐにわたしを見ていた。
やっぱり、メルと同じ綺麗な翡翠色だ。
「それまで楽しもうという気持ちもなく。興味を持とうとも思いませんでした。でもメルに、食べたことのない美味しい料理があるかもしれない、美しい庭園を見ることができるかもしれない、素敵な事が起こるかもしれない、だからよく回りを見るように言われました。メルは楽しみ方を見つける努力が必要だと教えてくれたんです。」
リカルド様もこれから先このような場を逃れることはできないのだからわたしのように楽しみかたを見つけてほしい。
「見つける努力ですか………確かにそうかもしれませんね。僕はただただ時間が過ぎることしか考えていなかった。」
「リカルド様の場合パーティーに行くというよりは来て頂く方が多いでしょうからわたしより見つけるのは大変かもしれませんね。あ、ご友人の方とこのように会話されるのはいかがですか?」
「……。」
あ。察し…。
「わ、わたしも友人と呼べる方はおりません!リカルド様もこれから作りましょう!いっそわたしと友人関係になって頂きたいくらいですわ!」
わー!何を言ってるんだわたしは!焦ってとんでもないこと言ってしまった!!
「……なってくれるのですか?」
「え?」
「友人に。」
!?
「リカルド様さえ宜しければ……。」
なんという展開。
「でわ、今から僕らは友人です。宜しく、シルヴィア。」
しかも一気にフレンドリーに!
「はい、宜しくお願い致します。」
「敬語いらないよ。」
「いえ、さすがに友人と言えど王族の方に失礼な話し方はできません。。」
「ぢゃあ、そのうちね。」
なんだ、そのうちって。
今まで、お茶会やパーティ―で誰かと会話を楽しむ事はあったけど、それっきりだったからなぁ。
初めての友人が皇太子殿下………メル、わたし大丈夫かなぁ。。
それにしてもリカルド様、初対面の時とずいぶん雰囲気が違うなぁ。。
友人の前だから?
わ、ちょっと嬉しいかも。
ーコンコンッ
「失礼致します。お時間ですのでお迎えにあがりました。」
おぉう、すごいタイミング。
「承知いたしました。リカルド様、参りましょう。」
「……もう少し話がしたい。」
……きゅん。
「あ、歩きながらでもお話できますし!会場でもお話しできます!」
「会場に着いたら僕と踊ってくれるってこと?」
「お!?」
「ははは、しどろもどろし過ぎぢゃない?踊ってくれないの?」
笑った。。
「……踊ります。」
なんという破壊力……人を殺せますわ。
「でわ、会場に入ります。宜しいですか?」
あっという間に会場前に着いてしまった。。
「シルヴィア、手を。」
あ、エスコート。。父とお兄様以外はじめてだ。
「はい、ありがとうございます。」
リカルド様の手に自分の手を乗せると同時に会場への扉が開かれた。
そして開いた瞬間、私達は注目の的になってしまった。。
そうだ、
隣にいる友人、リカルド・ウィルヘルムは皇太子殿下だったわ。
「ご挨拶もせずに突然申し訳ありません!シルヴィア・グランベールと申します。リカルド様の瞳の色が私の家のメイドの瞳の色と同じだったもので、つい……申し訳ありません!」
リカルド様の瞳はメルと同じ翡翠色だった。
緑色の人も珍しいけど、翡翠色はもっと珍しい色だ。
メル以外で初めて見たからつい興奮して口に出してしまった。。
「そうだったのですね。大丈夫です。気にしないで下さい。」
よ、よかった。。怒ってない。。
お父様も焦った顔ををしていたけど、リカルド様の言葉でホッとしたみたい。後で怒られるかもしれないけど……。
「ふむふむ……楽しそうな方だ。そうだ、リカルドとシルヴィア嬢は同じ年だったな。せっかくだから少し話をしてみてはどうだ?ダンスまでまだ時間もあることだ、令嬢方は挨拶も済んだようだしな。それにお前は少し人と会話をした方がいい。シルヴィア嬢、リカルドの話し相手になってやってくれないか?」
「!!」
なんですと!
「ち、父上…。」
わ、とてつもなく嫌そうな顔した。
本当に女性に興味がないのね。というかむしろ、人と関わりたくないのかもしれない。
昔のパーティー嫌いのわたしみたい。
というか、わたしだって嫌だ。婚約者候補探ししたいし、料理だって食べたいし、お庭だって見たい!!
でも………
「国王陛下、承知いたしました。わたしで宜しければ、ぜひお相手させて頂きますわ。」
断れるはずがない。。
「なっ!」
リカルド殿下、腹をくくりましょう。。
「そうかそうかありがとう。ではさっそく部屋に案内させよう。ダンスの時間になったら迎えに行かせるようにする。」
「はい、承知致しました。」
こうして、わたしとリカルド様は個室に案内されることになった。
用意された部屋は応接間のような部屋で向い合わせのソファーと丸いテーブルが中央に置かれていた。
私達は向かい合うようにソファに座る。
案内してくれた使用人はティーセットとお菓子をテーブルにセッティングすると部屋を出ていった。
そしてとうとう完全に二人きりになった。
黙り続ける訳にもいかないので、なんと話しかけようか考えていると、意外にも最初にリカルド様が話かけてきた。
「どうして、僕の話し相手を引き受けたのですか。こんな無愛想な奴と話したって楽しくないでしょう。父の機嫌取りですか?それとも皇太子である僕に取り入ろうとしての事ですか?」
もっともな質問だ。わたしだってどちらかと言えば愛想がいいアーノルド様と話した方が楽しかったのではと思う。でも…
「わたしに国王陛下からのお誘いを断る事など出来るとお思いですか?それに、わたしは初対面の方を第一印象だけで判断したりは致しませんので楽しいか楽しくないかはこれからですわ。」
「……。」
もちろん見た目でも判断したりしない。
だってメルはいつも見た目で判断されてたから。
「リカルド様、わたしも昔このような社交場が嫌いでした。でも、わたしのメイド……メルというんですが、メルが楽しみ方を教えてくれたんです。私たちのような身分は、嫌でもこのような場に出席しなくてはなりません。そんなわたしが少しでも苦痛にならないように、少しでも楽しめるように考えてくれたんです。」
いつのまにかリカルド様がまっすぐにわたしを見ていた。
やっぱり、メルと同じ綺麗な翡翠色だ。
「それまで楽しもうという気持ちもなく。興味を持とうとも思いませんでした。でもメルに、食べたことのない美味しい料理があるかもしれない、美しい庭園を見ることができるかもしれない、素敵な事が起こるかもしれない、だからよく回りを見るように言われました。メルは楽しみ方を見つける努力が必要だと教えてくれたんです。」
リカルド様もこれから先このような場を逃れることはできないのだからわたしのように楽しみかたを見つけてほしい。
「見つける努力ですか………確かにそうかもしれませんね。僕はただただ時間が過ぎることしか考えていなかった。」
「リカルド様の場合パーティーに行くというよりは来て頂く方が多いでしょうからわたしより見つけるのは大変かもしれませんね。あ、ご友人の方とこのように会話されるのはいかがですか?」
「……。」
あ。察し…。
「わ、わたしも友人と呼べる方はおりません!リカルド様もこれから作りましょう!いっそわたしと友人関係になって頂きたいくらいですわ!」
わー!何を言ってるんだわたしは!焦ってとんでもないこと言ってしまった!!
「……なってくれるのですか?」
「え?」
「友人に。」
!?
「リカルド様さえ宜しければ……。」
なんという展開。
「でわ、今から僕らは友人です。宜しく、シルヴィア。」
しかも一気にフレンドリーに!
「はい、宜しくお願い致します。」
「敬語いらないよ。」
「いえ、さすがに友人と言えど王族の方に失礼な話し方はできません。。」
「ぢゃあ、そのうちね。」
なんだ、そのうちって。
今まで、お茶会やパーティ―で誰かと会話を楽しむ事はあったけど、それっきりだったからなぁ。
初めての友人が皇太子殿下………メル、わたし大丈夫かなぁ。。
それにしてもリカルド様、初対面の時とずいぶん雰囲気が違うなぁ。。
友人の前だから?
わ、ちょっと嬉しいかも。
ーコンコンッ
「失礼致します。お時間ですのでお迎えにあがりました。」
おぉう、すごいタイミング。
「承知いたしました。リカルド様、参りましょう。」
「……もう少し話がしたい。」
……きゅん。
「あ、歩きながらでもお話できますし!会場でもお話しできます!」
「会場に着いたら僕と踊ってくれるってこと?」
「お!?」
「ははは、しどろもどろし過ぎぢゃない?踊ってくれないの?」
笑った。。
「……踊ります。」
なんという破壊力……人を殺せますわ。
「でわ、会場に入ります。宜しいですか?」
あっという間に会場前に着いてしまった。。
「シルヴィア、手を。」
あ、エスコート。。父とお兄様以外はじめてだ。
「はい、ありがとうございます。」
リカルド様の手に自分の手を乗せると同時に会場への扉が開かれた。
そして開いた瞬間、私達は注目の的になってしまった。。
そうだ、
隣にいる友人、リカルド・ウィルヘルムは皇太子殿下だったわ。
コメント
RAI
誤字が多いです では が でわ になったり じゃあ が ぢゃあ になったり。直したほうがもっと良くなると思います。