命の重さと可能性の重み

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第十六話

「魔法の担い手」のページには、こう書いてあった。




魔法の担い手
1つの系統の魔法を極めた事で手に入る可能性。
極めたい系統魔法のみを1000回使うと手に入る。
極めた魔法を効率よく使えるようになり、別系統の魔法を覚えやすくなる。

極めた魔法
回復系統魔法を極めた事で、発動時の魔力消費量が半分になる。

開けし可能性
別系統魔法を覚えた時に、より深く理解できる。
別系統魔法の効率が上がり、魔力消費量が10%軽減される。




「さっきの話を聞いて、もしかしてとは思ってたけど…。やっぱり回復系統魔法を極めていたのね!」

「そうみたいだな…」

「それだけたくさん使ったのなら、納得できるわ」

「そうか…」

俺は彼女エリカから可能性目録を受け取り考える。
なぜ回復系統魔法を極めているのに、彼女と少女を救えなかったのかと…。

「なら何故俺の魔法は、彼女達を救えなかったんだ!?」

どうしても納得できない俺は、率直に彼女エリカに聞いてみる。

「おそらくだけど、その子達は「魔力の過剰反応オーバーバースト」を起こしていたんだと思うわ」

俺は彼女エリカにオーバーバーストについて詰め寄る。

「そのオーバーバーストっていうのは、なんなんだ!?彼女達が死んだのは、俺のせいではなかったのか…?」

彼女は困った表情を見せてから考える素振りをする。

「うーん…」

彼女は一度うなってから、言葉を選ぶように話し始める。

「あなたのせいだと言えばそうだし、運がなかったとも言えるわ。オーバーバーストは、魔力に体が耐えきれずに、命が削られる現象なの…。だからその子達が死んだのは、あなたのせいでもあるし、その子達の体が弱すぎたためでもあるの」

「……………。」

「だから、あなたのせいだけではないわ…。むしろ、病に苦しまずに死ねたのだから、言い方はわるいけれど、良かったのでは? と私は思うわ」

「……………。」

「だから、あなたはその事を気に病まない方がいいわ。あなたは十分傷付いたのだから…。」

「……………あぁ」

俺は彼女エリカの言葉に、自然と涙を流していた…。

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