命の重さと可能性の重み

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第八話

その気持ちに気付いたきっかけは、少女の裸をたまたま見てしまった事だった。
看護士に着替えを手伝って貰っている所に、運悪く?入ってしまったのだ。

「出て行ってーーーーー!!!」

などとはならず、笑顔で「おはよう」と言われただけで終わった。
その出来事以来妙に意識してしまい、気恥ずかしかったのを覚えている。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇




その気持ちが確信に変わったのは、彼女の本音を聞いてしまった時だった。
彼女を捜して病院内を歩き回っていると、屋上から彼女の声が聞こえた。
ドアを開けようとした瞬間に聞こえた「死にたくない」という言葉に、彼女が死んでしまうかもしれない事実を再認識し、彼女の泣き声を聞きながら俺もその場で泣いた。
そして二度目の冬が来た。
彼女は12月24日。クリスマスイブであり、俺の誕生日に息をひきとった………。
俺は、彼女に最後まで告白出来なかった。
この彼女の死で、俺の総てが変わり始めた。
俺は後悔を抱えたまま、世間の波にのまれていく事になる………。

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