これが純粋種である人間の力………ってこんなの僕のぞんでないよぉ(泣

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少年誕生する

「オギャァ、オギャー、オギャァ」

「産まれたかっ!」

「えぇ、王様。立派な男の子です」

「おまえよっ、良く頑張ってくれたっ!」

そう言って王様と呼ばれた男が、妊婦に抱き付く。

「えぇ、あなた…」

抱き付かれた母親は、ベッドに横になったまま王様の顔を撫でる。

「さっそく名前を決めなければなっ!」

「そうですわね…」

王様と母親は見つめ合う。

「わたくし、他の侍従を呼んで参りますっ」

そばに仕えていたメイドが1人、扉を開けて慌てて出て行く。

「御披露目パーティーまでには、しっかりとこの子にぴったりの名前を決めてあげような?」

「えぇ、えぇ。…あなたもしっかりと考えてくださいね?」

「わかっておる。…明日からは大忙しじゃぞっ」

「そうですわね…」

そんな王様と母親のやり取りを、1人冷静に見ている存在がいた。

(うわぁ、よりによって王族かよ。…これから大変だなぁ)

そう…実はこ、の産まれたばかりの赤ん坊である。

(あんなにも「普通でお願いします」ってお願いしたのに…聞いてくれなかったのかな?神様…)

この赤ん坊は転生者であり、前世は地球で高校生をしていた少年なのである。

(それにしても…こんな何も考えられずに泣くだけのはずの赤ん坊の状態で、考え事が出来るなんて…びっくりだな)

この転生した少年は、地球で事故にあい死んでしまい、この今産まれた世界の神様に拾われ、この世界に転生させてもらえたのだ。

(とりあえず、衣食住が保証されてる環境で良かったと思うべきなんだろうなぁ。神様いわく、中世あたりらしいから)

そう。
この世界の文明レベルは、地球でいう中世ヨーロッパにあたるものであり、衣食住が保証されているというのは、とても幸運なことである。

(たしか、色々な種族がいるらしかったな…はやくあってみたいなぁって…あれ?なんか眠くなって…)

「あら?もう寝てしまうのかしら?」

「そうみたいだね。…しっかりと抱いていてあげなければっ」

(あぁ、そうか、意識が落ちるのか。…さて、次起きるときには、名前が決まってるといいなぁ…)

「おやすみなさい。愛しの我が息子よ」

「おやすみなさい?私のかわいい赤ちゃん」

(おやすみなさい…)

この日、この瞬間、この国の歴史を変える、純粋種の男の子が誕生した。

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