ランダムビジョンオンライン

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半神(デミゴッド)

「それで結局、お兄ちゃんの種族って何だったの? 従者サーヴァントなんて初めて聞いたんだけど……? あのNPCさんたちは違うの? スキル構成は? ステータスはどんな感じなの……?」

 妹を初めての従者サーヴァントにした(昨日はあの後すぐに寝てしまったので)その翌日。
 俺は妹から質問攻めにあっていた。

「そういえば、言ってなかったな。俺の種族は半神だ。半分神って書いて、はんしんだな」

 俺はまず、最初の質問にちょっと誇らしげに答える。

「隠しと言ってもいいくらいの、なるのが難しい種族だ。俺以外には居ないんじゃないか?」

 半神になるためには、ランダムでなるしかない。
 俺以外にいるとしたら、そいつはかなりの強運の持ち主だろう。

「半分神って……半神デミゴッドのこと!? すっごい! レア種族じゃない!! お兄ちゃんってばすっご~い!!」

 俺の答えを聞いて、桜狐いもうとは目を輝かせる。

「そうだろうそうだろう」

 その反応を見て、俺は鼻を高くした。

「じゃあじゃあ、従者サーヴァントってサポーターのことだったんだ。なるほどね~……契約するのは聞いてたけど、こうやってなるものなんだぁ……」

 桜狐いもうとはとても嬉しそうな顔をして、何かを思い出したように笑顔になる。

「ってちょっと待て、その反応だと俺以外に半神っているのか!? マジで!? あの確率で当てたやつがいるのかよ!!」

 そこで俺は桜狐いもうとが言った言葉に違和感を覚え、理解して驚愕する。

「ん? ってあぁ、お兄ちゃんは知らないよね。……にっしっし~、いるんだね、これが。お兄ちゃん以外に後2人。1人は女の人で、もう1人は少年だよ。2人とも、攻略組の中でもトッププレイヤー……それもかなり上の方だよ!!」

 なん……だと!?
 マジで正規の方法で半神になったやつがいるのかよ!?
 それも2人……だと!?

「それマジ情報!? うっそーん、俺が半神この種族になるためにどれだけ苦労したか……。リアルラック高すぎだろJK常識的に考えて!!」

 1人ならいる可能性は考えていたが、2人だとは思わなかった。

「2人とも強かったよ~。女の人の方は魔法タイプで、少年の方は剣士タイプだよ。タイプは違うけど、2人とも他を寄せ付けない戦い方だったな~……」

 そう言うと、桜狐いもうとは少しうっとりした表情になる。

「それが本当なら、早く会ってみたいな。俺以外の半神って見たことないからさ……」

 俺はそう言うと、桜狐いもうとの頭を撫でながら苦笑する。

「もう、お兄ちゃんってば! 今言ったでしょ? 半神って書いて、半神デミゴッドだよ! 半神デミゴッド! 間違えちゃだめだよ?」

 桜狐いもうとは撫でられながら微笑み、俺に注意する。

半神はんしんって呼ぶのに慣れちゃってるから、今すぐは難しいかな? ……それで、その2人の名前は何て言うんだ?」

 桜狐いもうとの頭から手を離し、伸びをして聞く。

かおりさんと千夜せんや君だよ。私知り合いだから、今日……は無理かもだけど、会わせてあげられるよ。ちょっとメッセージしてみるね?」

 そう言うと、桜狐いもうとはタッチ操作でメッセージを書き始める。

かおりさんと千夜せんや君……か。会うのが楽しみだな……」

 俺はそれを見て、自分もメッセージを書き始める。

「とりあえず、ヒカリたちと合流しなきゃな。場所は……広場で良いか。……送信っと」

 ヒカリ宛てに10時頃に広場で会おうとメッセージを飛ばし、桜狐いもうとの方を見てみる。

「2人とも、明日なら大丈夫だってさ。どうせなら一緒に会っちゃおうか。15時に門で良いかな?」

 メッセージの返信が来たようで、桜狐いもうとが聞いてくる。

「明日なら俺も大丈夫だよ。……予定なんて、あってないようなもんだしな」

「それもそうだね! ……それじゃ、明日の15時に門の前だね。忘れないでよ?」

 そう言うと、桜狐いもうとはまたメッセージを書き始める。

「俺が忘れてもお前がいるだろ? 一緒に行動するんだから、遅刻も一緒だよ!」

 フッと口角を上げ、桜狐いもうとをデコピンする。
 そしてそのまま頭に手をやり、もう一度頭を撫でる。
 最後にわしゃわしゃっと乱暴に撫でると、声をかける。

「さてと、とりあえずは飯にしようか。朝飯食いに行くぞ!」

 そう言って、桜狐いもうとの反応を待つ。

「わかった。……行こう、お兄ちゃん!」

 数秒のラグがあって、桜狐いもうとが手を握って来る。
 俺はその手を握り返し、ドアへと歩き出した。

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