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クーとキッカの職業

「「ただいまっ!」」

「おかえり」

「おかえりなさいませ」

 戻ってきた二人と、とりあえずの挨拶を交わす。

「聞いて聞いてっ!」

「私たちもレア度5の職業につけたのよっ!」

 二人はとても嬉しそうに笑ってはしゃいでいる。

「よかったじゃん!」

 俺ははしゃいでいる二人に向かって手を伸ばし、ハイタッチする。

「おめでとうございます……」

 ヒカリは二人のはじゃぎぶりを見たことで、どこかクールになったようだ。

「……それで? どんな職業になったんだい?」

「気になります……」

「「えーっとね…………」」

「私が魔を統べる者マギカマスターで」

「私が魔を生む者マギカクリエイターだよ」

 クーが魔を統べる者マギカマスターで、キッカが魔を生むものマギカクリエイターか。
 二人とも魔法系のレア度5だな。

「その二つはどう違うんだ?」

「「えーっとね?」」

「私のは攻撃系に強くて……」

「私のは支援に強いんだよ!」

 ふむふむ。
 クーが攻撃魔法でキッカが支援魔法か……。
 ここにヒカリの回復魔法が加わるから、すべての種類の魔法を網羅できているというわけか……(俺一人で全部出来るのはここではおいておく)。

「これはまた、図らずともバランスがとれたな……。ヒカリが回復魔法を使えるし、ハクは……わからないが、俺がオールマイティに動けるし、このパーティーならトッププレイヤーたちのパーティーにも負けないんじゃないか!?」

「「もっちろん!」」

「もともと私たちは強いし?」

「バランスもしっかり取れてますし!」

「「完璧だよね~」」

 イエーイと二人でハイタッチしている。

「比べるだけ無駄だと思います。私たちはなにがあっても私たちですし、相手の実力は未知数ですから……」

「それもそうだな……」

 確かに、今比べても…………というか、正確には比べられない以上、この話は今は無駄だ。
 今一つだけ言えるとすればそれは……

「レベルだけはしっかりと上げないとな!」

 トッププレイヤーたちと比べて、明らかに俺達はレベルが低いだろう。
 特に俺がだ……。
 この世界ゲームは全部で100階層からなっていて、今いるこの世界のこの場所は10階にあたる。
 マックスのレベルが1万なので、1階層につき100レベル上げるのが正当だろう。
 つまり、この時点で俺たちのレベルは900~1000にはなっていなければならない。
 しかし今の俺のレベルは135だ。
 これは絶望的と言えるだろ。
 これはレベルの高いパーティーメンバーと一緒に戦っていたことで、一番レベルの低い者ーーこの場合は俺ーーに経験値がほとんど入らなかった結果だ。
 この世界ゲームでは、パワーレベリングをさせないために、レベルが高い者ほど多くの経験値が入るようになっている。
 つまり、俺が一番もらえる経験値が低かったわけだ。
 そのため俺のレベルを上げようと考えると、一番効率がいいのがソロなのである。

「ハクが戻ってきたら、とりあえずお昼だな。そこで今後の方針を決めよう」

「「かしこまり~」」

「わかりました」

 三人とも不満はないようで、頷いてくれる。

「それじゃあもうしばら「主~! 我が主~!」く……って来たようだな」

 声のする方を見れば、満面の笑みでこちらに走ってくるハクがいた。

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