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日常の塔③

「んで? どこにでたんだ? ってうわっぷ!?」

 俺たちが飛ばされた場所は、とても広い広場であり、半径200メートルはありそうな場所だった。
そして運の悪い? ことに、その中心と思われる噴水の中だったわけで…………

「「びしょびしょだよぉ……」」

「濡れてしまいました……」

 噴水の中に現れた俺たちは、水に対する備えを一切していない状況で水浴びをしてしまったわけだ。

「脱ぐわけにもいかないしな……とうぶんはこのままか」

「そうですね。ダンジョンで装備を外すわけにはいきませんからね……」

「「着物が張り付いちゃうよぉ……うぅ」」

「俺にとっては眼福だけどな。……ってすまんな、いやらしい目で見ているわけじゃないんだ。ただ、すなおに目の保養になったと思うだけでな?」

「「うぅ……」」

「私はあまり被害がないので、大丈夫なのですが……。ラン様としては、私も張り付いていたほうが良かったのでしょうか?」

「ん? そうでもないぞ? ……まぁプレイの一つとしてはアリかもしれないが、個人的にはあまり興味はない。クーとキッカのが眼福なのは、素直にスタイルの良さがわかるからだな」

「そうなのですか……」

「んで? クーにキッカだが……大丈夫か?」

「「うぅ……」」

「大丈夫ではあるけど、少し肌寒く感じるよ」

「こんなことになるなら、浴衣を着てくればよかったよぉ……」

「浴衣ですか……。持っているので……?」

「もちろん持ってるよ?」

「私たちの夏の正装だからね」

「そうなのか?」

「「そうなんです」」

「今度見せてあげるね?」

「浴衣プレイだよっ」

「それはえっと……喜べばいいのか?」

「「嬉しくない!?」」

「いやぁ……さ? 俺はノーマルだから、あまり高度なプレイには対応できないよ?」

「「浴衣を半脱ぎにさせてみたくないの?」」

「!? な、なるほど。それはありかもしれないな……」

「私も着たほうがよろしいのでしょうか?」

「三人で浴衣プレイか……。いいかもしれないな」

「「でしょ?」」

「……ってことで、帰ったらやろうね?」

「夜は浴衣でサービスしちゃうよっ!」

「……わかった」

 帰ってからの楽しみがひとつできたぜ。

「……んじゃそろそろ乾いてきたし、先に進もうか……」

「そうだね。ここはちょうど10階の真ん中だから、後五階だねっ!」

「モンスターも少ないようだし、一気に駆け上がっちゃおう?」

「そうだな。それで行こう。モンスターは基本無視だな」

「それがよろしいかと思います。あくまでも目的は塔のクリアですからね……」

「よし行くぞっ!」

 俺は三人を見回してから、気合を入れる。

「「「「おーーー!!」」」」

 四人で揃って腕を上にあげた。
さっさとクリアしてやるぜ!!

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