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次はウルフにリベンジだ

「ふぁ…………眠い」

 現在の時刻は朝の6時。
ちょうど朝食が食べられる時間だ。

「うーん、どうするか……」

これからの予定について考える。

「とりあえずは顔を洗おう。まずはそれからだ」

部屋に備え付けてある洗面台を使って顔を洗う。

「ついでにシャワーも浴びておくか? 昨日風呂に入ったけど、頭をすっきりするためには入ったほうが良い気がする……」

まだ微妙にすっきりしない頭で、どうしようか考える。

「朝食が食べられなくなるまでは、まだまだ時間があるし……シャワーと言わず、朝風呂にするか?」

うーんと頭をひねりながら、その場をうろうろする。

「……よしっ! 入ることにしよう。風呂は気持ちいいからな……」

俺は風呂に入ることに決める。

「そうと決まれば、さっそく服を脱いでっと……」

その場で服を脱ぎ、風呂場へと入る。

「朝風呂いただきまーす」

俺はシャワーも浴びずに浴槽へと飛び込んだ。

・・・
・・


 このゲームの風呂は、冷めることがないように魔法がかかっている。
そのため、いつでも入ることができる。
昨日も入ったが、朝の風呂も気持ちよかった。
風呂から上がった現在時刻は朝の7時。
結構長湯をしてしまった……すぐに服を着て下に降りる。

「女将さん、朝食をお願いします……」

昨日と同じ位置で座っている女将さんに声をかけ、朝食をお願いする。

「はいよ、少し待ってな」

そう言うと、女将さんは奥から朝食の乗ったプレートを持ってくる。

「今日の朝食のメインは焼き魚だよ。ごはんと味噌汁はおかわりできるからね? たんと食べな?」

 そう言って俺の前にプレートを置く。
プレートの上には、ごはんと味噌汁が左右に並び、酢の物らしきわかめ? が左上に、サラダが右上に置かれている。
そして、メインとなる鮭? の切り身を焼いたものが中央に置かれている。

「いただきまーす」

まずはごはんに手をつける。

「うん。うまい」

続いて味噌汁をすする。

「昨日もだったけど、少し味がうすいかな?」

そしてメインの焼き魚に手をつける。

「お、やわらかい。はしで簡単にほぐれるぞ。味は……うん、おいしい。ごはんがすすむぜ」

俺は再びごはんを口にし、そのまま食べきってしまう。

「すいませーん、ごはんのおかわりください」

俺は女将さんにこえをかける。

「はいよ、少し待ちな」

そう言うと、女将さんはおひつを持ってくる。

「うつわを貸しな、よそうから」

「お願いします」

女将さんが空になったうつわにごはんをもってくれる。

「はい、大盛りだよ」

「ありがとうございます」

 うつわには、先ほどよりもごはんが多く盛られている。
俺は早速ごはんに口をつける。

「うん、うまい。このゲームで初めての食事ってわけではないけど、VRだからか? 現実で食べるよりもうまいかも……?」

俺はその後も食事を続けた。

・・・
・・


「ごちそうさまでした……」

 俺はあの後、結局ごはんを二回と味噌汁を一回おかわりした。
量も味も大満足である。

「女将さん、ごちそうさま。おいしかったです……」

「おそまつさま。どうする? 今日も泊るのかい?」

「そうですねぇ……そうしたいんですが、お金が足りないので……」

「それなら安心しな…夕方まではいつでも更新手続き可能だよ。稼いでからまたおいで?」

「そうなんですか?なら…稼いできますね」

「行ってきな」

俺は女将さんに見送られ、宿を出た。

・・・
・・


「さて、今日は西の森に来てみたわけだが……」

 俺は現在、西の森に来ていた。
ここにはウルフなどが生息している。
ウルフは俺が最初に戦ったモンスターであり、初めて殺された相手だ。
ある意味因縁の相手なので、今日はリベンジしに来たのだ。

「ウルフはどこかな? ……適当にうろついてれば見つかるかな?」

 森の奥に向かって歩いていく。
木々の間などを注意してみながら、道なりに奥へ奥へと進んでいく。

「いないなぁ……なんでだ? 前来た時は、すぐに出てきたのに……」

 疑問に思いながらも、特に気にすることなく先へと進む。
すると、森の入口から三十分程度歩いたあたりで、ガサガサッという音がした。
急いでその方向に目を向けると、ウルフがいた。
ただし、前に見たのよりも大きい気がする。

「あれは何だ? ウルフのボスか?」

視線を合わせて、鑑定してみる。

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モンスター:ウルフリーダー
常に数匹のウルフと行動している、ウルフのリーダー。
ウルフよりも大きく、強い。
一緒にいるウルフに指示を出して襲ってくる。
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「ウルフリーダー……か。だがおかしいぞ?まわりにウルフの姿が見えない……」

 説明によれば、数匹のウルフを引き連れているはずなのである。
しかし、まわりにそれらしき姿はない。

「まぁいいや、むしろ好都合だ。一気に決めてやる!」

 俺はウルフリーダーに向けて走り出す。
向こうもこっちに気づいたらしく、唸り声をあげている。

「クロススラッシュ!」

 俺は、スライムよりもはるかに強いであろうウルフリーダーに向けて、俺が現在使える最強のアクティブスキル「クロススラッシュ」を放つ。

「ガウッ!」

しかし、横に跳ばれて避けられてしまう。

「グルルルル! ガウッ!」

お返しとばかりに、ウルフが突っ込んでくる。

「うわっ!」

 予想以上に動きが早く、体当たりをもろに食らってしまう。
しかし……

「い……たくない? 全然くらった感じがしないぞ?」

 想像していた痛みは襲ってこなかった。
これはやはり、高いステータスのおかげだろうか?

「痛くないなら、話は早いぜ。カウンターを狙ってやる!」

俺は剣を正眼に構え、ウルフリーダーが突っ込んでくるのを待つ。

「グルルルルゥ!」

しかし警戒しているのか、ウルフリーダーは距離を保ったまま動かない。

「来ないのか? ……なら、こっちから!」

俺はウルフリーダーに向かって突っ込む。

「ガルゥ!」

すると、狙っていたかのようにウルフリーダーも突っ込んでくる。

「クロススラッシュ!!」

しかし、攻撃をくらっても痛みが無いとわかっている俺は、攻撃されるのを恐れずにカウンターを狙う。

「キャン!」

俺の一撃は見事カウンターとして決まり、ウルフリーダーは光になって消えた。

「やったぜ! リベンジ成功! ……まぁ、相手はちょっと違ったが。いや? むしろ強いのを倒したんだから、大金星と言えるんじゃないか?」

ウルフではなくウルフリーダーを倒したのだから、戦果としては充分以上だと言えるだろう。

「ボスモンスターっぽいし、経験値をいっぱいもらえたかな?ステータス画面を見てみよう……」

レベルが上がったかを確認するため、ステータス画面をひらいてみる。

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ランワード・フリーダム:レベル8
HP:3400/3400
MP:2190/2700
力 :480
魔力:480
体力:480
精神:480
運 :750

パッシブスキル
疾風迅雷(ON)
烈火怒涛(ON)
半神の目(ON)
隠密索敵スカウトレンジャー(ON)
覚醒(ON)

アクティブスキル
創造
ファイアボール
ウインドカッター

職業
全闘士オールラウンダー

ボーナスポイント:18
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「3レベルも上がってる。やっぱりリーダーだけあるなぁ……」

 レベルは5から8になっていた。
ステータスも、HPとMPは100ずつ、後は運以外10ずつ増えている。
種族「半神」は聞いていた通り、自動でステータスが上がる代わりに、上がり幅が大きいらしい。
まぁ、運は絶対に上がらないらしいが……

「しかし、なぜこんなに探しているのにウルフがいないんだ? 見つけられたのはウルフリーダーが一匹だけとは……何か起こっているのか?」

 わからないが、調べてみるのは面白そうだ。
俺は、再び森の奥へと歩き始めた。

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