異世界モンスターブリーダー ~ チートはあるけど、のんびり育成しています ~

柑橘ゆすら

人魚姫の歓迎



 タツノコファイター LV 25/25  等級C

 生命力 188
 筋力値 293
 魔力値 118
 精神力 230

 スキル
 水属性魔法(中級)


 人魚城に足を踏み入れるなり俺の視界に飛び込んできたのは、総勢10体を超えようかというタツノコファイターの集団であった。

 タツノコファイターというモンスターを分かりやすく表現するのならば、『槍を持ったタツノオトシゴ』という言葉が相応しい。

 体長は1メートルくらいで、それほど大きくはないが1匹1匹が猛者たる風格を漂わせている。


「うわぁぁぁ! なになに!? ここ!?」

「凄いッス! 海の中にこんな建物を作れるなんて! 超技術にも程があるッス!」

「――こ、ここがレミスさまが住まう人魚城!? 噂には聞いていたが、実際に来ることができるとは感激だぁぁぁ!」


 建物の中に入った俺は、ひとまずボールの中にいた仲間たちに事情を話して、外に出てもらうことにした。

 3人が感激するのも無理はない。

 人魚城の中は、とこどろころガラス張りになっていて、海の生物を鑑賞できるようなデザインになっていた。

 気分はまるで水族館にいるかのようである。

 助けら亀に連れられて辿り着いたのは人魚城。

 期待していなかったというとウソになるが、本当に浦島太郎の物語の中に迷い込んじまった感じだな。


「久しぶりですね。レミス」

「ええ。キャロライナも変わりないようで。まさかこのようなところで会うとは奇遇なものですね」


 えっ。
 キャロライナとレミスさんって既に知り合いだったのか!?

 レミスさんっていうと魔王軍の師団長の地位に就くほどの有名な魔族なんだよな?

 そんな人物を気軽に口を利けるなんてキャロライナは一体何者なんだろうか。


「ソータさま。この度はわたくしの眷属の命を救って頂き、ありがとうございました」

「いえいえ。『強きを挫き、弱気を助く』。それこそが俺が最も大切にしている信念ですから」

「うふふ。やはりわたくしの眼に狂いはなかったみたいです。この方でしたら……」

「え? 何か言いました?」

「いいえ。何でもありませんわ!」


 レミスさんはブンブンと首を振って強引に話題の転換を図る。


「ところでソータさま。ささやかながらも本日は、ソータさまのために宴を催そうと考えておりますの」

「……本当ですか!? それは楽しみです」


 人魚城で催される宴っていうのは、一体どんなものなのだろうか?

 もしかしたらレミスさんのような人魚族の美少女が沢山出てきて、ハーレムパーティーという可能性も考えられる。

 ムハッー!
 これは夢が膨らんできたわー!


「それでは宴が始まるまでの間は、こちらの部屋でゆっくりして頂ければと思います」

「こ、ここは……!?」


 レミスさんに案内された部屋は不思議なことに海水が全く入っていなかった。
 まるで部屋全体にプルーフの魔法でもかかっているかのようである。


「この応接室は特殊な鉱石を使用しておりまして、海水を弾くことができるのです。地上からのお客さまはやはりこちらの方が落ち着くと思いまして」

「あ、あの……特殊な鉱石というのは、もしかして《海反石》のことッスかね?」

「ええ。そうですよ。よくご存じで」

「海反石っていうと、ほとんど採掘できなくなっている上に1度加工してしまうと再利用が難しくなる貴重品ッスよ!? もしかして……この部屋全部ッスか!?」

「はい。この人魚城が作られたのは今から1000年以上も前のことでしたから。その頃は海反石も珍しい品ではなかったそうですよ」

「す、凄いッス~! この部屋はまさに……海の中の宝石箱ッス~!」


 よく分からないテンションのままシエルは応接室の中に入っていく。

 ちょっ。
 お前は一体何をやっているんだよ!?

 目にハートマークを浮かべたシエルはそのまま床の上に頬ずりを始める。


「す、すいません。ウチの連れが騒がしくって」

「いえいえ。それではソータさま。わたくしは宴の準備がありますのでこの辺で。どうか自分の家だと思ってくつろいでください」


 人魚 等級S LV153

 生命力 1232
 筋力値 780
 魔力値 1320 
 精神力 1728

 加護
 天体操作

 スキル
 火属性魔法(中級) 風属性魔法(中級) 水属性魔法(上級) 闇属性魔法(上級) 光属性魔法(上級)


 ぬおっ!
 これが魔物化したレミスさんの姿か!

 人魚の姿となったレミスさんは、今までとは比較にならないほどのスムーズな泳ぎで、応接室を後にする。

 ああ。 
 いいなぁー。

 人魚、いいなぁー。

 俺の周りの魔族たちは、吸血鬼、レイス、サキュバスなど完全に人型なので、モンスター娘みたいな人魚の姿は新鮮なものがある。

 魔王軍の師団長と務めていたというだけのこともあって、レミスさんのステータスは全体的に高い。

 数値としてはキャロライナと同等か、少し下回る程度だろうか。

 噂には聞いていたが、『絶対支配』以外の加護を見るのは初めてだなー。


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コメント

  • 真砂土

    あれ?なんか…………デジャブ?

    0
  • ノベルバユーザー89126

    人魚姫最強すぎませんかね??天体操作って星を操れるということですよね??隕石落としたり惑星爆発させたりできるんですか??

    0
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