異世界モンスターブリーダー ~ チートはあるけど、のんびり育成しています ~

柑橘ゆすら

ロストの特技



 翌朝。
 何時ものようにリビングに赴くと、驚きの光景がそこにあった。


「スゲー! どうしたんだよこれ!?」


 リビングのテーブルに所狭しと並べられた朝食は、まるで高級ホテルのビュッフェを見ているかのようであった。

 ハムエッグ。オムレツ。ローストビーフ。サラダ。ヨーグルト。焼きたてのパン。

 などなど。
 見ているだけで涎が出てくるような洋食メニューがズラリと並べられていた。


「ふふん。どーよ。ソータ。これ全部ロストちゃんが作ってくれたのよ」

「マジで……!?」


 どうしてそこでアフロディーテがドヤ顔になるのか?
 というツッコミは面倒なので控えておくことにする。


「ロストさんは凄いッスよ! ソータさん。よくこんな凄い人を見つけてきましたね! 料理だけでなく家事なら何でも出来るそうです。女子力の塊みたいな人ッスよ!?」

「ハハハッ……」


 俺がロストをハウスキーパーとして雇おうと思ったのは、サキュバスを見てみたいという好奇心からだったんだけどな。

 本当は少しずつ料理の仕事を覚えてもらうつもりだったのだが、色々と手間が省けた気がする。


「ふんっ。人間にできて魔族にできないことなどない。ボクにとって料理なんてものは朝飯前さ」


 声のした方に目をやると、メイド服姿のロストがそこにいた。
 ムチムチのダイナマイトバディ美少女に変貌を遂げたロストは、丈の短いメイド服を完全に着こなしていた。


「意外だったよ。ロストは料理上手だったんだな」


 美少女でナイスバディで料理上手。
 おまけに夜の営みを充実させるスキルまで完備している。

 あれ……もしかしてロストって俺が理想とする女性像そのものなのではないだろうか……?


「か、勘違いするなよ! カゼハヤ・ソータ。ボクは決してキミのために料理を振るったわけではない。ボクの料理はボクが敬愛するキャロライナ様に捧げるものなのだ!」


 うおっ!
 おまけにツンデレ属性持ちだとっ!?

 これはまずいっ。
 危うく俺の中に芽生えてはいけない性癖が芽生えてしまいそうである。


「……ロスト。何度言ったら分かるのです」

「キ、キャロライナ様!?」


 殺気を感じて振り返ると、表情に影を落としたキャロライナがそこにいた。


「私、言いましたよね? ご主人さまに対する言葉遣いには気をつけなさいと。ユウコといい貴方といい、どうしてこんな簡単な命令を聞けないのですか」

「し、しかし、キャロライナ様。我々は誇り高き魔族でありますよ!? ましてキャロライナ様はイブリーズ様の右腕とまで言われたお方! 人間如きにへりくだる必要はありま……」

「誰が言い訳しろと言いましたっ!」


 キャロライナの怒声が響いた次の瞬間。


「ゴバァァァッ!?」


 ロストの体は派手に吹き飛び屋敷の壁にペタンと張り付いていた。

 目にも止まらぬ高速パンチ……!
 俺でなきゃ見逃していただろう。


「申し訳ございません。奴隷の教育にはもう暫く時間がかかりそうです。しばし待ち頂けないでしょうか」

「……お、おう」


 毎度のことながら怒ったキャロライナの威圧感は凄まじい。

 ひとまずロストを仲間にしたことにより屋敷の料理事情は改善されたみたいだし、後のことはキャロライナに任せることにしよう。


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