異世界モンスターブリーダー ~ チートはあるけど、のんびり育成しています ~

柑橘ゆすら

VS マッドパペット



 それから。
 コツコツと作業に精を出すこと3時間後。


「おおー。かなり集まってきたな」


 結論から言うと、シエルの予測は正しかったらしい。

 俺の目の前には、大量の『鉄鉱石』と『銅鉱石』が山積みになっていた。

 中には買い取ってもらえない『粗鉄鉱石』や『粗銅鉱石』が出ることもあったが、上々の成果と言えるんじゃないだろうか。

「ソータさん。今日取れた鉱石の内の何割か自分に預けて頂けないでしょうか?」

「ん。いいけど何に使うんだ?」

「えーっと。以前から頼まれていたゴブリンたちの武器を作ろうかと」

「出来るのか!?」

「はい。これだけの鉱石がありましたら。最低限の設備はボールの中にありますし」

「ああ! そういうことなら大歓迎だよ!」

 これは嬉しい誤算だったな。

 ゴブリンたちの装備を充実させるには、相応のコストを覚悟していたのだが……。
 採取した鉱石を使って武器を作れるなら大幅に節約ができそうである。


「あれ? そういえばディーの姿が見えないみたいだけど」

「アフロディーテさんならご主人さまの意見を無視して単独行動に走っています。どうやら彼女は、どうしても自分の手で手柄を上げたいようです」

「そうか……。アイツらしいと言えばアイツらしいけど……」


 何故だろう。
 なんだか凄く嫌な予感がするな。


「ぎゃばぁあああああああああぁぁぁ!」


 噂をすれば影である。
 洞窟の中に聞き覚えのある声が鳴り響く。


「ソータ! だ、だずけ……だずけで……」


 マッドパペット 等級F LV6/10

 生命力 52
 筋力値 18
 魔力値 21 
 精神力 15

 スキル
 なし


 なんだろう。このデジャヴ……。

 声のした方に目をやると、複数体のモンスターに襲われているアフロディーテの姿がそこにあった。

 マッドパペットは、その名の通り泥で作られた人形のような外見をしたモンスターであった。

 特筆するべきは伸縮自在の腕である。
 アフロディーテはマッドパペットの長い腕に掴まれて宙擦りにされた結果、スカートが捲れて下着が丸見えの状態に陥っていた。


「許せねえ。俺の仲間を今すぐに離しやがれ……!」


 グッジョブ!
 あの泥人形……随分と粋な計らいをしてくれるじゃねーか。


「……ご主人さま?」


 これはまずい。
 口では格好いい台詞を吐きながらも、俺がアフロディーテの下着を凝視していることがバレてしまったんだろう。

 見るなぁ!
 そんな目で俺のことを見ないでくれ!?

 前々から思っていたが、キャロライナは俺の下心に対して過敏に反応し過ぎではないだろうか。


「さ、さて。勝負に集中していくぞ!」


 何はともあれ先手必勝である。
 相手がどんなモンスターであれボールを当てれば問答無用で使役できるからな。

 俺はカプセルボールを具現化すると、アフロディーテを拘束するマッドパペットに向かって投げつける。


「ギョギッ!?」


 カプセルボールは眩い光を発してマッドパペットを吸い込んでいく。

 よし! 
 まずは1体ゲット!

 拘束を解除されたアフロディーテは、大きく足が開かれた体勢のまま地面に向かって落下する。


「……ふぎゃっ!?」


 鈍い悲鳴を上げるアフロディーテ。
 ちなみにスカートが捲り上がってまたしてもパンツが丸見えである。

 こいつはどんだけ俺にパンツを見せたいんだよ……。

 キャロライナの視線が怖いから程々にしておいて欲しいのだが。


「「ギオォォォォ!?」」


 仲間が不可解な攻撃を受けたことを警戒したのだろう。
 残る2体のマッドパペットは、背を向けて洞窟の奥に向かって逃げていく。


「逃がしません!」


 キャロライナが叫んだその直後。
 洞窟の中の温度が急激に冷え込んでいくのを感じた。

 何事かと思い周囲を見渡すと、キャロライナは魔法で地面を氷漬けにしてマッドパペットたちの拘束していた。


「さぁ。ご主人さま。不届きなモンスターに止めをさして下さい」

「…………」


 やはりキャロライナは凄い!


 有能過ぎるキャロライナ。
 パンツを見せることしか能のないアフロディーテ。


 今回の戦闘では2人の能力差が如実に出ることになったな。

 そんなことを考えながらも俺は、残る2体のマッドパペットを捕獲するのであった。



●使役魔物データ

 マッドパペット
 図鑑NO 751
 種族  岩族
 等級  F
 レベル 1
 生命力 45
 筋力値 15
 魔力値 18 
 精神力 12

 スキル
 なし

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 岩族の基本種族となるモンスター。
 ダメージを受けても即座に回復することのできる再生能力を有している。
 同名モンスターと合体することで強力なモンスターに進化する可能性を秘めている。

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コメント

  • 華宮双葉

    このすば!

    0
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