異世界モンスターブリーダー ~ チートはあるけど、のんびり育成しています ~

柑橘ゆすら

森で薬草を採取しよう



 ゴブリンたちを医薬草の採取に向かわせてから、2時間くらいは経っただろうか。
 結論から言うとゴブリンを手伝わせたのは成功だったらしい。

 俺の指定した木の根元には既に大量の医薬草の集まり山積みになっていた。


 医薬草 等級F
(回復アイテムを生成するための基本素材)


「よし。そろそろ切り上げて村に帰るとするか」

 木の根元には既に50個以上の医薬草が集まっている。
 これ以上は欲張ったところで、冒険者ギルドに持ち運ぶことが出来そうにないし無意味だろう。

 ゴブリンたちに倣って俺も医薬草を探しているのが、未だに1つも発見に至っていない。

 やはりこういうのは野生の勘がものを言うのだろうか?
 地球では家に引きこもってネットゲームばかりやっていた俺には、医薬草の採取は難易度が高かったようである。


 あ、でも全く収穫がないわけではないんだぞ?


 森の中を彷徨い歩いているうちに俺は、新たに15匹のゴブリンを捕まえることに成功した。

 これで現時点で契約しているゴブリンは52匹。

 集団で行動することの多いゴブリンは、俺にとっては乱獲のしやすい魔物であった。
 このペースで契約を続けると明日には、上限一杯のゴブリン軍団を結成することが出来そうである。

 けれども。
 気がかりなことがある。

 先程からゴブリンたちの帰還を待っているのだが、未だに10匹ほど帰っていない個体があった。


「……お。ようやく帰ってきたか」


 草の茂みゴソゴソと動いたのでホッと胸を撫で下ろす。

 だがしかし。
 驚いたことに草陰から飛び出してきたのは、ゴブリンではなく別の魔物であった。


 ウルフ LV3/5 等級G

 生命力 18
 筋力値 23
 魔力値 6
 精神力 7

 スキル
 なし


 その魔物は黒色の毛皮を持った狼のような姿をしていた。

 レベルは3。
 俺が契約しているゴブリンよりも少しだけ高い。

 彼らの牙はまだ新しい血の赤で染まっていた。

 その瞬間。
 俺は直感的にゴブリンたちが失踪した原因を理解する。


「まさか……こいつらが俺のゴブリンを……!?」


 何時まで経っても帰ってこなかったのは、目の前にいるウルフという魔物にゴブリンたちが倒されてしまったからなのだろう。

 許せん。
 成敗してくれる!


「グルルル」


 敵に数は5匹。
 俺の周囲を取り囲むようにして唸り声を上げている。

 ふふふ。
 この程度で勝ったつもりか犬っころめ。

 数の上ではまだまだこちらが圧倒的に優位!


「いけ! ゴブリン!」 


 すかさず俺はゴブリンたちに戦いを指示を飛ばす。
 30匹を超えるゴブリンたちは、ウルフたちに目掛けて襲い掛かる。

 流石にこれほどまでの数の暴力を受けるとは思っていなかったのだろう。
 ゴブリン軍団に囲まれたウルフたちは心なしか怯えている様子であった。

 それから。
 勝負の決着は1分と経たない内に着くことになった。

 どうやら元々ゴブリンとウルフの間には個々の戦闘能力に大きな差はなかったらしい。

 身体能力ではウルフが勝るが、知能ではゴブリンが勝っており総合的な能力では互角と言ったところだろう。

 こちらは数で勝っている上に、一撃必殺のスキル《カプセルボール》がある。

 先程までキャンキャンと吠えていた5匹のウルフたちは、カプセルボールの中に入る結果となった。

 首尾よく医薬草を集めたまでは良かったのだが、今回の冒険は何かと今後の課題が見えてくるものであった。

 特に優先したいのは魔物の強化である。
 このままゴブリンを医薬草の採取に向かわせることになると、ウルフの餌食になってしまうことは請け合いである。

 この辺りの対策はなるべく早い段階で行っておくべきだろう。

 役目を終えたゴブリンたちをカプセルボールに戻しながらも俺は、そんなことを考えるのであった。


●使役魔物データ

 ウルフ
 図鑑NO 401
 種族  魔狼族
 等級  G
 レベル 1
 生命力 15
 筋力値 20
 魔力値 5
 精神力 5

 スキル
 なし

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 魔狼族の基本種族となるモンスター。
 俊敏な動きと、高威力の牙による攻撃が持ち味。
 育て方次第で、多様な進化の可能性を秘めている。

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