異世界モンスターブリーダー ~ チートはあるけど、のんびり育成しています ~

柑橘ゆすら

命令権

 

 道を辿って街を探しながらも1時間ほど草原を歩いた。

 どうやらこの草原は生息している魔物がゴブリン1種類のみのようであった。

 アフロディーテ曰く。
 魔物使いという職業は、魔物を倒しても契約することになっても取得できる経験値は同じらしい。

 そういうわけで俺はゴブリンの乱獲に精を出すことにした。


 ゴブリン LV 1/5  等級G

 生命力 10
 筋力値 15
 魔力値 10
 精神力 5


 鑑定眼のスキルを使用すると、ゴブリンたちの頭上には、そんな文字が表示されるようになっていた。

 今のところ出会ったゴブリンのレベルは全て1である。

 実際に検証をしたわけではないので確かなことは言えないのだが、右側に書いてある数字はその魔物の最大レベルを示すものだろう。

 暫くゴブリンにカプセルボールを当てる作業に没頭した後、ステータス画面を確認。


 カゼハヤ・ソータ

 職業  魔物使い
 レベル 557
 生命力 252
 筋力値 95
 魔力値 200
 精神力 2898

 加護
 絶対支配 

 スキル
 カプセルボール 鑑定眼

 使役 
 アフロディーテ
 ゴブリン ×18


 最初にレベルが上がり過ぎてしまったからだろう。
 18匹のゴブリンを捕まえたのにレベルの上昇は見られなかった。

 捕まえたばかりのゴブリンたちは、消しゴムサイズになってカプセルボールの中を歩き回っていた。

 カプセルボールのスキルを検証して分かったのだが、どうやら現時点で、俺が召喚することの出来るカプセルボールは1個だけらしい。


「「「ゴブー! ゴブー!」」」


 召喚できるボールの数は1つだけであるが、使役できる魔物の数はもっと多い。

 そういうわけで今現在――。
 カプセルボールの中には18匹のゴブリンたちが歩き回っていた。

 カプセルボールの中は小型化したモンスターにとっては広大な敷地面積を誇っている。
 これなら1000匹くらいは余裕で魔物を入れることが出来そうだな。

「ちょっといいか? ステータスを確認して思ったことがあるのだが」

「……なにかしら?」

「魔物使いが使役できる魔物の数って制限みたいなのはないのかな? このまま契約を続けていけば、明日までには100匹以上のゴブリンを使役するペースになるんだけど」

「もちろん制限は存在するわ。たしか基本は1匹で、その後レベルが10上がるごとに1匹ずつ増えていくはずよ」

「……なるほど」

 つまりは現時点で俺が使役できる魔物の数は56匹ということか。

 あれ。
 もしかしてこれって……現時点でも俺のスペックは既にチート級なんじゃないだろうか?

「それよりソータ。さっきから気になっていたんだけど、捕まえたゴブリンを召喚しないの? それだけの数の仲間がいれば戦闘が楽になると思うんだけど」

「うーん。今のところ別に戦闘で苦労しているわけではないからな」

 魔物使いという職業は全体的にステータスが低く設定されているらしいのだが――。
 そうはいっても俺のレベルは、この草原ではオーバースペックだった。

 今にして思えば、最初に戦ったゴブリンを蹴りでの一撃で仕留められたのもステータス上昇の恩恵を受けていたからなのだろう。

「1つ心配なことがあるんだけどさ。このゴブリンたちってキチンと俺の言うことを聞いてくれるのか? 随分と強引に使役しちまったんだけど」

「ああ。それなら全く心配はいらないわ。魔物使いは契約した魔物に対して自由に命令することができるのよ」

「……なるほど。そんな効果があったのか」

 まるでそれが他人事のようにケロリとした表情でアフロディーテは告げる。

 しかし、こいつには警戒心というものがないのだろうか?

 その話が本当なら俺は、この女神さまに対してエロいことやりたい放題になるわけだが……。

 いい機会だし少し驚かせてやろう。

「んじゃあ、ものは試しに。ディー。【その場でクルッと回ってみようか】」

「……はい? 貴方、アタシのことをバカにしているの? 愛と美の女神であるアフロディーテ様がそんな命令に従うはずが……あれえええぇぇぇ!?」

 言葉を紡いでいる途中に突如としてディーはクルクルと回り始める。

 アフロディーテの着ている衣装は気品に溢れるデザインをしているが、そのスカートの部分は意外と短い。


「きゃうっ!?」


 回転をしたことによってアフロディーテのスカートはフワリと風を孕んで、桃色の下着を露わにする。

 まさか自分が命令権を行使されるとは夢にも思わなかったのだろう。
 アフロディーテは涙目になっていた。

「うっ。ううぅぅぅ。ソータのバカッ! 何をするのよ!?」

「いや。悪かったって。本当に命令できるのか試してみたくなっちまってさ。変な命令をしているわけではないし。そんなに怒ることないだろ?」

「たしかに。今回限りなら許してあげないこともないのだけど……」

「今回限りなら?」

「もしかして貴方……あわよくば神であるアタシにエ、エッチな命令をする気ではないでしょうね?」

 アフロディーテは耳まで顔を赤くして狼狽していた。

 ほうほう。 
 女神さまと言ってもそっち方面の知識はあるんだな。

「いいこと? たしかにアタシはソータのハーレム作りに協力すると言ったわ! でもでも、アタシ自身がそのメンバーに入るとは言ってないんだからねっ!」

「……フラグかな?」

「んなはずないでしょ! 馬鹿ソータッ!」

 思い切り殴られました。

 たしかにアフロディーテが絶世の美少女であることは疑いようのない事実であるのだが、彼女をハーレムメンバーを加えるのは何かが違う気がする。

 俺の中では恋人というよりも、友人のような感覚なんだよな。

 というわけで今回は少し調子に乗り過ぎた。反省しよう。


 ●使役魔物データ

 ゴブリン
 図鑑NO 301
 種族  鬼族
 等級  G
 レベル 1
 生命力 10
 筋力値 15
 魔力値 10
 精神力 5

 スキル
 なし

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 鬼族の基本種族となるモンスター。
 個々の戦闘能力は低いが、高い知能を持っている。
 育て方次第で、多様な進化の可能性を秘めている。

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コメント

  • ノベルバユーザー89126

    危害加えれんとか書いてなかった?使役されてるアフロディーテが主人公殴れるん?

    0
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